それは有り得たかもしれない物語 そのじゅうご


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1: 久遠 (2004/03/25 21:09:31)[kuon_kurotuki at passport.net]

  
 注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。

 注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。

 注意3:これは電波による二次被害作品です。

     fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。

 
 以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。





    











 



 

        それは有り得たかもしれない物語 そのじゅうご



 side by エミヤ


 遠坂が慎二に対して中々見事なナックルパートをお見舞いし、

 衛宮邸に帰ってきたのだが、

 セイバーさんが普通に戻っていた。

 なんでさ?

 ぬぬ、もしや衛宮士郎のおかげだろうか。

 それならば感謝を。

 
 さて今日は帰宅が遅れたため夕食には関われなかったが我に秘策ありだ。

 夕食がいつも通り終わったその隙を突く。


 「皆様、デザートを作ってみたのですが如何でしょうか?

  ああ、お腹が一杯であると言うのなら無理は言いません」
 

 ちなみに全員が衛宮士郎の作った料理をお腹一杯に食べたのは確認済みである。 
 
 その言葉にセイバーはピクッと動き、虎の目が光る。


 「それは是非食べたい。
 
  バトラーの作る料理は美味しいですから」


 「あっ! わたしもわたしも。

  バトラーさんのデザート食べたい!」

 
 セイバーと藤ねえは即答した。

 アレだけの量を食べたのに、猫科の猛獣の胃袋は化け物か!?


 「へー、バトラーってデザートも作れたんだ。

  でも私はいいわ、これ以上食べたら増えちゃうもの」


 「そうですね、唯でさえ先輩の料理をお代わりまでしちゃいましたし」


 「まー今回結構作ったからな、あっオレは貰うよ。

  ところで何を作ったんだ?」


 遠坂と桜はいらない、衛宮士郎は興味があるのか食べると。

 
 「オレンジが余っているとのことで今回はガトー・オ・ゾランジュを作りました。

  オレンジの皮と果汁を練りこんだオレンジケーキですね」


 オレは予め用意しておき夕食時に焼いておいたケーキと紅茶を持って居間に行く。

 
 「うわー、おいしそうだー!

  いただきまーす!」


 藤ねえが真っ先に口に頬張る。

 さて、反応は……ない? 
 
 アレ? 失敗したか?


 「う……うーまーいーぞー!!!」


 ガオーーー!!!

 藤ねえのバックにデフォルトされた虎の映像が見える。
 
 その後ワンテンポ遅れてその虎が吼えるのだが、まるでミスター○っ子の反応だ。

 
 そのままの勢いでケーキを食べ続ける虎。

 セイバーも我に返り直にケーキを口に入れ。

 コクコク、コクコクと普段の倍のスピードで頷いている。

 
 「へー、本気で美味しいな。

  バトラー後でレシピを教えてくれないか?」


 どうやら衛宮士郎にも好評のようだ。

 遠坂と桜は藤ねえとセイバーの勢いに驚いて止まっている。

 そしてものの数分としないうちにケーキはなくなってしまった。
 

 「……はっ!?

  ええー! もうなくなっちゃってるじゃない!

  どうゆうことよ!?」


 「そうですよ! 藤村先生にセイバーさん!

  あんなにたくさんあったのにどうしてもうないんですか!?」 


 それはね遠坂、桜、君達が虎と獅子を甘く見すぎなのだよ。

 それにさっき私たちはいいって言ったじゃないか。
 
 
 「何を言っているのですリン、サクラ。

  貴方達は先程これ以上食べるとなにやら増えるからいいと言ったではないですか」


 そこへセイバーの雷光の一撃が二人を襲った。


 「くっ、セイバー。

  アンタなんであれだけ食べて太らないのよ!?」


 「そうです! 不公平です! 

  私なんて今でさえ体重計に乗るのが怖いのに!」


 まーセイバーは現界してるだけで消費カロリーが桁外れだからな。

 あの程度では彼女の余分な肉の一欠けらにすらならないだろう。

 
 「二人とも藤ねえのことはどうなんだ?

  セイバーと同じぐらい食べてたけど」


 衛宮士郎よだからお前はアホなのだ。

 冬木の虎とは常に餓えている生き物なのだよ。


 
 side by 凛


 士郎の発言により危うくプチ聖杯戦争が起こりそうになったが、

 バトラーの明日は別のものを用意しておくと言う発言によって鎮静化した。

 今考えるとアイツのことなので私と桜が食べれないように仕向けた気がする。

 態々夕食を終えた所でデザートがあるなどと言ってくる時点で怪しかったのだ。

 
 ぬー、そう考えると頭に来るが、

 その後に私と桜の分を渡してくれるあたり抜かりがない。

 バトラーは現在何時も通り桜と藤村先生を送っている。


 そして今、士郎とセイバーが私の部屋で魔術の講義を聞いている。
 
 私としてはこういう教えると言うことは新鮮で楽しいのだが、

 士郎とセイバーは何時の間に仲良くなったのだろうか?

 確か今朝まではまだぎくしゃくしていた筈なのにおもしろくない。


 「それじゃ、手始めにこのランプを強化して見て」

 
 そう言って士郎に古いランプを渡すと、


 「いや、遠坂。

  昨日の夜にバトラーに言われたんだけどさ、

  オレって強化もダメらしいんだよ。

  それでやるなら投影の方にしろってさ」


 ……バトラーが士郎に助言をしたの?

 まあ、彼の態度からすると出来の悪い弟にアドバイスする感じだろう。

 それにしても他人の魔術特性にまで口出せるなんてホントおかしな奴だ。

 
 「ふーん、まあいいわ。

  それじゃ、そのランプを投影してくれるかしら?」


 そう言うと彼は何か呟いている。

 
 「……えっと……撃……打ち下……」

 
 目の前で馬鹿げたことが起きている。

 彼は一から魔術回路を作り直している。

 本来一度作れば後はスイッチ一つで切り替えられるというのに、

 そして何より馬鹿げているのが現在彼の手の中にあるランプ、


 「…………」


 「おい、遠坂。

  何そんなおっかない顔でこっちを見てるんだよ?

  しかも物凄い敵意を持った魔力を放出してるし。

  オレ別にへまはしてないぞ、

  投影だって完璧には程遠いけど一応できてるし」


 彼は自分が今何をやったのかをまるで解っていない。

 投影、グラデーション・エア。

 オリジナルのレプリカを魔力で持って複製する魔術。

 使い勝手が悪く本来外見だけのものであり少しの時間で消えてしまう。
 
 なのにそのランプはほんの少しとはいえ中身がありその存在が消えない。

 そう、彼の投影とはある魔術の劣化したモノに他ならない。

 
 認めよう、遠坂凛は衛宮士郎に嫉妬している。

 私には確かに才能がある、大抵の事は苦もなくできるのだ。

 だが私には唯一つと言えるものがない。

 だからそれを持っている彼に嫉妬した。


 ……いけないいけない、

 今はそんなことを考えている場合ではない。
 
 彼のことはまた今度考えるとしよう。


 そして彼に宝石を飲ませスイッチを無理矢理作る。

 その後何度か強化と投影をやらせるが最初のようにはいかなかった。

 もしかしてまぐれだったのだろうか?

 ホント、バトラーと同じで変な奴だ。
 


 ふぃん




 あとがき

 どうも久遠です。

 今回はほのぼの編です。

 本来ここでは露見しない投影の魔術、一体どんな作用をこの後に及ぼすのか?

 次回、V.Sライダー、涙の向こう側にゲットレディ!

 注意:次回予告は予定で未定なので余り気にしないほうがよろしいかと。
 
 どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。

 ネタ
 >猫科の猛獣の胃袋は化け物か!?
 ガソダム 連邦のMSは化け物か
 
 >ミスター○っ子
 料理を食べた時のリアクションが物凄い作品。


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