第二次聖杯戦争3
拝啓、切嗣(オヤジ)様。
こちらは桜の花もいまをさかり、酒がすすみ季節でざいます。
そちらはいかがでしょうか。天国か地獄かは存じませんが。
さて、突然ではありますが、貴方の息子が今大ピンチです。
そのピンチの元凶が今俺の隣でマーボー食ってます。
パト○ッシュ・・・僕もう疲れたよ・・・
敬具
「元気がないな衛宮士郎。」
「アンタのせいだよ。」
嗚呼、どうしてこんな事になったのか・・・
簡潔に言うと、こうだ―――
俺、衛宮士郎は大学からの帰り道、凄いモノを見てしまいました。
それはサーヴァントと呼ばれる、一般の方々は知りえない者同士の戦いだったのです。
よくありがちな展開で俺は口封じに殺されそうになりました。
命からがら逃げ、それでも追い詰められ、死を覚悟したその瞬間!
俺はある者に助けられました。そう!その者こそが俺の横にいる、
言峰という神父だったのです。一件落着、がっはっはっは。
な、ワケねぇよ。
俺は自分に突っ込みをいれながら、横で歩いている言峰を見た。
「ハフッ・・・ハフハフ。」(;´Д`)
マーボー食ってます。汗だくで。
さっきからずっとこんな感じでマーボーしか食ってません。
ちなみに俺達は今、家に向かって歩いている。
―――怪我は言峰に治してもらった。
いやまぁ、もう少しで傷口にマーボー塗られるところだったが・・・
とにかく今頭が一杯一杯だ。
疑問は尽きない、何故サーヴァントが召喚されているのか。
聖杯はセイバーが破壊したはずだ、ついでに言えば、言峰も死んだ。
更に言えば、何故コイツがサーヴァントになっているのか。
更に更に言えば何故俺がマス「待て、衛宮士郎。」
「ん、どうしたんだよ?」
「前からサーヴァントがやってくる。」
「ッ!誰がやって来るんだ?」
「この気配は・・・念のため下がっておけ。」
そう言って一歩前にでる言峰。
そして、暗くてよく見えない先からやって来たのは・・・
「よう、坊主、久しぶりだな。」
「ランサー!?」
なんで前回のランサーが?つーか、記憶とかどうなってんの?
「ワケわかんねぇ、って顔してるな。いいぜ説明してやる。」
そう言って近付いてくるランサーの目の前に言峰が出てくる。
「テメェッ、言峰!なんでお前がいやがる!」
ランサーさん、それ俺の疑問でもあります。
「簡単な事だ、契約した、と言えば分かるかね?」
「何、契約だと・・・?貴様、世界と契約したと言うのか?」
うそーん・・・世界とやらに利益はあるのか?
「そのとおりだ、クーフーリンよ。ちなみに契約の決め手は、
『契約すればまたマーボーが食べられますよ。』だ。
この言葉につられてな・・・私もまだまだだな。」
あわわわ、世界とやらはアンポンタンか?
「なんて野郎だ・・・そんな事のために。」
「それはお前も同じことではないかね?
なんでも”死力を尽くした闘い”とやらを求めたらしいが、
己の欲望に応じた点でお前と私は同じ者なのだ。」
「っ!テメェの腐った欲望と同じにされちゃたまんねぇな・・・
いいぜ、ココで俺の欲望とやらを果たしてやる。武器を持て。」
そう言ってランサーは何時の間にか手にあった槍を構える。
あれは・・・ゲイボルク!
「言峰!アレは「知っている、私に任せろ。」・・・。」
言峰がやけにかっちょいい。
その瞬間、ランサーが鋭い突きを放ってきた。
それは眼では追えない一突き、爆風のソレであった。
駄目だ、やられる!
俺はそう思った、しかし・・・
カキィッ!
その爆風は言峰によって遮られた。
「何っ!?テメェ、俺の攻撃を・・・」
「ふっ、私を甘くみないことだな。」
そう言ったやつの右手には、
蓮華(レンゲ)が・・・
―――蓮華?マジですか?
「蓮華で俺の攻撃を止めただと!?
テメェ、どこまでふざけてやがる!」
うん、それには同感です。
「何もふざけてなんかいないが?
この蓮華は私の宝具だ。ただの蓮華とは違う。」
う〜ん、あの蓮華よく見ると『秦山』って書いてあるなぁ・・・
「くそったれ!次でしとめてやる。」
そう言ってランサーは大きく後退した。
確か、アレは・・・
「言峰!気をつけろ、あの宝具は―――」
「問題はない、私は料理人だ。ただ、料理するのみ。」
ワケわかんねぇ!(;´Д`) ガビーン
「私が作る。私が食べる。私が口をつけ私がおかわりする。
我が手を逃れうるマーボーは一品もない。我が目の届かぬマーボーは一品もない」
「打ち砕かれよ。
失敗した物、腐った物を私が招く。私に委ね、私に学び、私に従え。
休息を。汗を忘れず、熱意を忘れず、私を忘れず、私は甘く、あらゆる辛さを忘れさせる」
「装うなかれ。
許しにはトウバンジャンを、信頼には少量の酒を、希望にはテンメンジャンを、
甘さあるものには辛さを、水あるものには暗い死を」
「休息は私の手に。貴方の鍋に油を注ぎ印を記そう。
永遠の辛さは、鍋の中でこそ与えられる。
――――許しはここに。受肉した私が誓う」
「――――“この料理に憐れみを”」Kyrie Eleison(キリエ・エレイソン)
もっとワケわかんねぇ!(;´Д`) ゴイーン
しかし・・・その詠唱が終わった瞬間、世界が紅くなった。
後書き
やってしまった。ユウキです。
言峰の詠唱見るために、ロードするのが面倒でした。
こんな話でも見てくださる人がいることに感謝いたします。
感想、非難、誤字脱字、など聞かせてもらえば幸いです
では、このへんで