セイバー×セイバー (M:青と黒セイバー 傾:ギャグ+ほのぼの?)


メッセージ一覧

1: こんてにう (2004/03/21 22:17:50)[daisyougun at hotmail.com]

はじめに
セイバー生存ルートです。とはいえ、全ルートの設定がそこはかとなく
なんでできうる限り生存率高めてます
こまかな矛盾はスルーして下さい



その晩、セイバーの調子は少し変だった。

いつもならご飯4杯軽くいくのに、2杯目半で「ごちそうさま」。

いつもなら虎視眈々と余りモノを狙っているのに、おかずの催促すら一切なし。

いつもならこくこく頷きながらもくもくと食べているのに、「はぁ」と溜め息ばかりついている。

遠坂も桜もなんだか不思議なものを見てるように顔を見合わせる。

ってゆーか顔赤いしなんだか熱っぽいし、

ひょっとして。

「なぁ遠坂、サーバントも病気とかにかかるのか?」

その問いに遠坂は、はっ、とした表情を浮かべる。

「そんなこと考えもしなかったわ。ケガや魔術や魔力不足による影響はあるでしょうけど。
私達がかかるウィルスなんかが英霊を病気にするなんて、遠坂の記録にはないわ。
桜、あんたは聞いたことある?」

「ごめんなさい、私も聞いたことないです」

「そう。マキリの蔵書の中にそんな記録があれば知ってるかなと思ったんだけど」

頭に(一応)友人の姿が浮かぶ。知識だけはある彼ならば、何か知っているかもしれない。

それはともかく―――

「セイバー、風邪か?」

「ばか言いなさいよ士郎。風邪ひくなんてそれこそありえな―」

こつん

と、当然のように額で熱を測る。

「いー」

「えー」

「むー、つめたくてきもちいーですー」

「……熱は、無いみたいだな。なのにつめたい?……ってどうした二人とも」

「なにし―」

「なにしてるんですか先輩ーっ! そ、その、おでこをくっつけたりしてっ!」

うわ、耳! 耳がキーンとする!

「な、なにって、熱測ってんだけど。藤ねぇはよくこうやって俺の測ってたよ」

何でか知らないけど、二人ともショックを受けてるようだ。

「なんてうらやましいコトを―」

「おのれショタが……」

あー、なんか桜が3割増しで黒いなー。ま、それより。

「セイバー、今日はもう寝た方がいい」

「それはできません。今夜の鍛錬がまだ」

「あーはいはい、明日に回すから、今日は寝た寝た」

「むー」

稽古の最中に力尽かれた方がよっぽど困る。

ぶつくさ文句を言ってるセイバーをどうにか寝かしつけた。


居間に戻ったら、

「ねー士郎、私なんだか熱っぽいの。測ってくれない?」

「先輩、さっきから顔が火照っちゃってるんです」

とかのたまうヤツ等がいたけど、体温計投げつけてやりました。


人の気配がする。あぁもうそんな時間かと思ったとき、その声を聞いた。

「シロウ、朝だ。起きて早くご飯だ」

……ちょっと言い方がきつくないかセイバー?

まぶたを開けて、俺のとなりに鎮座しているであろうと思われる信楽焼の狸を拝見する。

自分を見つめる瞳は、髪と同じ黄金の色。って、聖緑じゃない!?

がばっ、とはね起き、ようとしてやっぱり起こすのは上半身だけにする。

そこにいたセイバーは、ちょっと、いやかなり。

黒かった。



「セイバー×セイバー」α



咄嗟に浮かぶデジャヴ。

眼前に突きたてられた聖剣と、「約束された勝利の剣」の迸る光(どっちも黒い)

「う、うわわ、く、くろ? 黒いぞセイバー。どうして黒くなった、桜が黒くしたのか? いやなんでそんなこと思った俺。
じゃなくてその黒い完全武装はなに? ってゆーかそれで詰め寄らないでーっ」

「シロウ、どうしました!」

今の声を聞きつけたのか、がらっと戸が開く。とそこには

いつもの青い(服を着た)セイバーがいた。

『む』

青と黒のセイバーが、互いを見て唸る。しかも全く同じ反応で。

俺は―――

えぇと……さあ朝食だ。はやく準備しないと。

現実逃避ばんざい。


「で、なにがどうしてこうなちゃったの士郎?」

頭を抱えた遠坂。

「起きたときは私以外に気配はありませんでした。
それからいつもの日課(道場で精神統一)をしていたのでなにも……なにかご存知ですかシロウ?」

同じく頭を抱える青セイバー。

「私は気付いたら廊下に立っていました。外を見ると明け方近かったので朝食をおこ…シロウを起こしに。
それより早くご飯だシロウ」

黒セイバーは淡々を話す。この状況をなんとも思っちゃいないらしい。

「あのなぁ俺が知るわけないだろ。って言うか、なんで二人とも俺に聞くんだ?
それから黒セイバー、飯はあと5分だ」

「それは僥倖」

どこで覚えた。


「えっとさ、根本的な質問なんだけど、両方とも本物のセイバー?」

「当たり前ですシロウ――! よもや私の顔を忘れたとでも……っ」

があーと詰め寄る青セイバー。その悲しそうな顔はわかる。わかるんだが、

「だって同じだし……」

「そうね、どちらも私のセイバーよ」

「私の?」

唐突に割り込んできた遠坂の台詞に3人ツッコミ。

「(赤面)コホン……私のサーヴァントのセイバーよ。
他の誰かに繋がってるわけじゃないし、霊的なものは全くの同一。まるでクローンを見ているようだわ」

「細胞分裂のようなものですね。となると……プラナリアですか? ……くす」

黒セイバーの黒い台詞。

「な、な、な、なんてたとえを持ち出すのです貴女は――!」


「あ、遠坂。セイバーへの魔力供給ってどうなってるんだ。まさかこのままだと魔力不足なんてことには――」

「んー大丈夫みたい。必要供給量が半分になってるのよ。いままで100だったのが50と50みたいにね。
で、セイバー」

『なにか』

完璧なユニゾン返事。うん、流石は同一英霊、双子どころの話ではないぞ。

「貴女の強さも半分になってるから」

うわぁ、聞き捨てならねぇ台詞だー。

「あー正確には能力自体は変らないの、半分になってるのは出力量。一言で言えば威力ね」

一応フォローが入るが、青セイバーは「な、な、な」とか震えてる。けれど、黒セイバーは、

「まぁ、仕方がないでしょう」

あれ、反応が違う。

「考えようによっては戦闘に有利だ。日本の古事に3本の矢というのがあるらしいが、それと同じこと。
巧く行動できれば、その力はあのバーサーカーより上回るはずです」

1+1は3にも4にもなるという考え方か。

なるほど、頭いいな。当社比3割UP。知力ステータスが見れないのは残念だ。

「貴女と一身同体になることが絶対必要なんですけどね……ふふ」

表情を変えずにこんなことを言うあたり、なんか黒さも3割増しだー。

「とりあえず、実践してみましょう」

黒セイバーの提案。敵もいないし戦闘なんてあるわけないし。

「……あぁ! それはいい考えだ」

青セイバーは判ったようだ、ってなんでまたこっち向く?

「……ご愁傷さま」

遠坂にいたってはこれだ。

何のことか判らなかったけど、3分くらいあとに、それを思い知らされた。


(こくこく×2

 はむはむ×2

 シロウ、お代わり×2)×4

……何かの方程式だろうか。


「……セイバーさん……食べる量って、半分にならないのデスカ?」

「シロウ、それはありえない」

「供給が半分になっている今、その分を食事から取るのは当然の事でしょう」

……見事なコンビネーションにぐぅの音もでない。

つまり、単純計算で2倍。

衛宮の家計はあっというまに火の車だー!!

遠坂ー、仮にもマスターなら助けてくれー

「いやよ」

:q!



あとにかくもの
一:同時存在パターンがあったらごめんなさい
一:一応ギャグだと思っています
一:青と黒の区別つきにくいかも

2: こんてにう (2004/03/23 01:31:41)[daisyougun at hotmail.com]

「セイバー×セイバー」α2


しくしくしく……

「ほら士郎、いつまでいぢけてんの」

「俺のご飯……みんな獲られた……」

鮮明に思い出す朝の光景。


「シロウ、どう考えてもいつもより少ないのですが」

そりゃそうだ。今朝は3人分しか作ってないんだから。

3人分と言っても、正確に分量を測ると2:3:5。どこが誰だか言うまでもないだろう。

それがセイバーが2人になったため、分量は2:3:5:5。足りないのは当たり前だ。

「なるほど、それならばシロウ、貴方の分を頂きます―――あぁ、ありがとうシロウ」

「なぜいきなり俺のって言うかなんでありがとうなんだとっても悪い予感するのだが」

「シロウならばひもじい思いをしてるサーバントに対し喜んで食べ物を分け与えてくれると思ったまでです。
が、まさか、くーくーおなかの蟲を鳴らしている我々を目の前にして悠々と食すとでも言うのですか正義の味方のくせに」

―ひょいぱく

「だ、誰もそんな非道いことする訳ないだろう。俺が言いたいのは何で俺だけなのってこと。遠坂だって―――」

「いやよ」

―ひょいぱく

「一言ですますなっ!」

「我がマスターは厳しい。サーバントを千尋の谷に突き落とすのが趣味というか、完璧“えす”です」

ぶはっ

「な、なんてこと言うかこの黒いサーバントはー!」

―ひょい ぱしっ「甘いわよ」

「む」(ちらっ)

(頷く)「でもアノ時は“えむ”っぽかったりします……くす」

……うわぁー、もう知らねぇ。

「……し・ろ・う……! あんたがケダモノなのが悪いんだからー」

「なぜそこで矛先がこっち向くんだ遠坂ー」

「えぇい、問答無用!」

があー

―ひょいぱく
―ひょいぱく
―ひょいぱく ごっくん

「ふぅ、作戦(朝食)終了です」

「これほど巧くいくとは、我が軍略に一分の隙なし、と言いますかシロウ、隙ありすぎです」

なんて見事な連携。

気付いたときには、俺の朝食はきれいさっぱり平らげられてました。


「仕方ないでしょう、あの状況じゃあ食べさせない方が危険よ、あ、それとも、飢えた獅子を2匹にするつもり?」

うう、たしかにそっちの方が色んな意味で危険だけどさ。

遠坂はしっかりセイバーの攻撃途中まで弾いてたからそんなこと言えるんだよ。あぁ腹減った。

にしても、あの黒セイバー、誰かと雰囲気似てるんだよなぁ。

「さ、着いたわよ」

見慣れた病室の扉の前に立つ。何故か判らないけどいつまで経っても退院できない(一応)友人がここにいる。


「あぁ、それは英霊分裂症候群ってやつだ」

「英霊分裂症候群?」

知識だけはある(多分)友人の発した病名は、なんの捻りもないネーミングだと思う。

「英霊が分裂するなんて、そんなこと起こるのか?」

「あぁ、英霊ってそれこそ世界を変えられるだけの力もってるだろ? それが長い間現界すると世界のどっかにガタが来る。
それを調整するために色んなところにムリヤリ英霊モドキを作って世界に認識させようとするらしいんだ。
過去の例はね……十年も現界してたギルガメッシュは多彩だよ。ゲームとかアニメとか深夜番組とか……
一ヶ月フライングしたヘラクレスは証券取引所なんかになってる。
まぁ、別名“ツゴウノイイセッテイ”らしいから、深く考えない方がいいかもね」

「ふぅん、良く知ってるわねそんなこと」

「何言ってるんだい遠坂。僕に知らないことなんてあるわけないだろう?」

「ありがと。貴方でも役に立つときあるのね」

ぐさっ

あ、何か刺さってる

「……ふん、話は終わりかい? じゃあ僕にも聞きたいことあるんだけど」

「おう、なんだ?」

「僕の出番、これだけかい?」

「当ったり前じゃない。桜もいないことだし、これで帰るわ。じゃね」

ぐさっ

2本になった。

「そ、そんな、もう少し出番くれてもバチは当たらないと思うよ? っていうか、僕の名前一文字も出てないじゃないかーー
……ふ、まぁいいさ。衛宮に遠坂、君達は必ずここに来ることになるんだからね……!」

ばたむ。 (きっと)友人の叫び声を背にして、病室を後にする、と。

「あれ? どうしたんです皆さん。こんなところで」

怪しげな煙を吐き出す見舞いの品を持った桜が現れた。


「あら桜、今日もお見舞い?」

「はい、先輩達もいつまでも退院できない不肖で愚鈍で白痴な兄を見舞って頂いてありがとうございマス」

微妙に黒いよ桜さん。

……いつまでも?

「まぁ見舞いってほどじゃないんだけどね」

「あら、そうなんですか」

「けどまぁ一時は斬殺されたり聖杯にされたり誰かに殺されたりしたけど、見た目元気そうね」

「えぇ、まったくしぶとくて良かったです」

……あ、黒セイバーって、桜に似てるんだ。

「なにか言いました、先輩?」

いえいえなにも。


あ、対策聞いてねぇし……まぁいいか。

……ってよくねぇっ、衛宮家の食費が、食費がっ!


:q!



あとにかくもの
短いー
拙いー
青と黒、区別つきます?


記事一覧へ戻る(I)