第二次聖杯戦争
「ハァッ、ハッ、ハァッ、・・・クソッタレ!」
どうなってんだ?
俺は逃げている。
何がおこっている?
コンナコトあるわけがない、あるわけがない、あるわけがない。
ワケがワカラナイ―――
俺は大学が終わり家に帰ろうとしていた。
今日は遅くなった、早く帰ろう。
その大学からの帰り道、どこか懐かしい音を聞いた。
―――コレは、剣戟の響き。
「何処からだ?」
普通の生活を送る限り、こんなリアルな音は聞かない。
俺は音が聞こえる方へ走った。
非現実。
一言で言うならこの言葉しかあてはまらない。
その場所は、異常だった。
戦っている。人と人が武器を持ち戦っている。
いや、アレは人ではない。
俺は見た事がある。あの戦いを見た事がある。
そんな、バカな!
俺の理性が叫んだ。
何故?何故?ナゼ?
戦っている。
一人は剣を持ち、もう片方は何を持っているのかよく分からない。
でも、同じ構図を見たことがある。
あの時、俺は・・・
いつのまにか音はしなくなっていた。
見つかったのか!?
俺はバカだ!同じミスを犯すなんて・・・
とりあえず、逃げよう。今の俺は冷静じゃない。
逃げて、桜にこの事を話そう。
あの時とは違う。
逃げ切ってみせる。
しかし、その考えは甘かった。
俺はすぐに追い詰められた。
鼠をいたぶる猫のように、奴は俺を執拗になぶる。
俺はどんどん郊外のほうへ追いやられた。
「ここは・・・」
俺は見た事がある所に来ていた。
教会。色々と因縁がある所だ・・・
しばし感傷に浸っていると、後から殺気を感じた。
「クソッ!」
俺は教会の扉を開け、中に入った。
敵は追ってこない。
チャンスだ。ここの新しい神父は関係者だろう、話を聞くしかない。
「すみません!誰かいませんか!?」
声を張り上げたが、誰も出てこなかった。
ズキッ
傷つけられた箇所が痛む。
俺はその場に座り込んだ。
足が限界にきている。体中ボロボロだ。
「ハハッ、これじゃ皆に叱られるな。」
ギィッ
扉が開いた。
外から奴が入ってくる。
マズイ。
ドカッ!
蹴りが腹に入った。
咄嗟に服を強化したが、衝撃は殺せなかった。
奥まで吹き飛ぶ。
「ガッ!・・・」
息が出来ない。腹が熱い。視界がぼやける。
歪む視界の中、奴は俺に向かって歩いていた。
このままでは、殺られる。
「投影、開始。」
昔の俺じゃない。
俺は双剣を持ち、構えた。
話にならない。
俺は、奴に勝てない・・・
俺は四回目の投影をし、すぐに双剣が壊された。
奴は俺をすぐに殺そうとはしなかった。
油断している・・・
俺は双剣を投影し、投げつけた。
敵がそれに応じているうちに、俺は奥に逃げた。
気が付けば、地下の聖堂に来ていた。
奴が階段を降りてくる。
俺は、ココで死ぬのか・・・
いや、まだ死ねない。まだ、終われない。
幸い奴は油断している、まだ逃げられる。
しかし、心の奥底では現実を感じていた。
敵が降りてきた。俺と向かいあう。
ニヤリ。敵がワラッタ。
殺される、殺される、殺される殺されるコロサレル―――
そう思った瞬間、世界が光で満たされた。
光の中から現れた者は、よく知っている者だった。
ソイツは、敵にむかって攻撃をしかけた。
敵は眼を見開き、一瞬のうちに外へと出て行った。
ソイツがこちらを向く。
昔と変わらない姿。
昔と変わらない眼。
昔と変わらない髪。
そして昔と変わらない声で、言った。
「―――― 問おう、貴方が私のマスターか」
俺達は、再び出会った。
後書き
どうも、ユウキと申します。
先に言わせてもらいますが、この先シリアスにはしませーん。
今回が異常なほどシリアスになっちゃいました。
いやはや、何故でしょうかね?(私に文才がないから)
よろしかったらこの先の作品もご覧になってください
感想、非難、誤字脱字、など聞かせてもらえば幸いです
では、このへんで