「士朗〜」
遠坂が笑顔で俺を呼んでいる。ああ、やっぱり遠坂は可愛いな… って、赤くなるな、馬
鹿。俺には桜がいるじゃないか!
「どうしたんだ、遠坂?」
「ライダーに淫夢見せられたって本当?」
ピキッ
―――時は止まる。そして時は動き出す―――
「な、な、な…」
「なまあし?」
「違う! いきなりなにを言うんだ、遠坂!?」
「ライダーに聞いたのよ。」
「た、たしかに俺が淫夢を見せられたことはあるけど、遠坂には関係ないだろ!?」
「私が出てきたそうじゃない。」
「だからそれはライダーが見せたものであって…」
「士朗の欲望だそうよ。」
「え?」
「ライダーが言ってたわ。『そうですね、あのとき私は士朗の願望を夢に使いまし
た。』ってね。」
マズイ。マズすぎる。たしかに遠坂にあ〜んなことやこ〜んなこと『される』想像した
り、あまつさえその想像で○○○○(推して知るべし)したことがあるのだか
ら―――!!
「残念だわ、衛宮君がそんな人だったなんて…」
お願いだからその笑顔はやめてください遠坂さん。
「待て、遠坂、話せばわかる!」
「問答無用! くたばれ士朗〜!!」
竹刀片手に襲いかかってくる遠坂。
え? 竹刀?
「って、お前どこから竹刀なんか出したんだ!?」
「念よ!
クラピカよ!
具現化系よ!!」
「なんだそりゃ〜!」
逃げ回りながらも干将莫耶を投影する。
「投影、完了。」
竹刀相手に干将莫耶なんて、俺も大人げないな〜
パキィン―――
そうそう、パキィンって… はい?
「なんで竹刀で剣が折れるんだよ!?」
「我が虎竹刀に斬れぬものなど無い。」
断言されました。
「クソッ、これならどうだ!」
カリバーンを投影する。さすがに負荷が大きい―――
ガギィンッ!!
「互角!?」
予想外の結果だが、問題無い。剣が五分なら剣術の心得がある俺のほうが有利だ。
十合を越えたあたりで遠坂の動きが鈍くなる。
「どうした、遠坂。もうバテたのか?」
なんか当初の目的を忘れている気もするけど、この際関係無い。
そのとき、遠坂が不敵に微笑んだ―――
「甘いわね、衛宮君。まだわからないのかしら?」
「なんだって…
―――!!」
信じられないことにカリバーンにヒビが入っていた。そして徐々に広がっていき… つい
には折れた。
「あきらめはついたかしら? 私を侮辱した罪は重いわよ」
ああ、10年前の記憶が鮮明に浮かんできたよ、オヤジ…
俺が死すら生温い拷問を覚悟した、そのとき―――
「待ちなさい、遠坂さん!!」
虎が、袴姿の虎が天井裏から降りてきた。
「藤村先生… 邪魔をなさるつもりなら容赦しませんよ?」
「士朗は私のだもん。遠坂さんなんかに渡さないわよう!」
何かひっかかるが、この場は素直に喜んでおこう。命は何物にもかえがたい。ホントだ
よ?
「ならばお覚悟を…」
「斬!!」
床に倒れ伏す遠坂。瞬殺デスカ!? さすが本物の虎竹刀はレヴェルが違うぜ!!
っていうか遠坂さんが泡吹いて痙攣してらっしゃいますが… ヤバくない?
「まったく困ったものね。士朗は私たちがこれから改造するんだから、傷なんか付いたら
どうしてくれるのよう。」
え゛!?
「ふ、藤ねぇ…?」
「さあ、行きましょ士朗。ドリル♪ ミサイル♪ メガ粒子砲〜♪」
「ちょ、ちょっと待って、藤ねぇ! 待てって! うぎゃ…(フェードアウト)」
「タイガーコワイタイガーコワイ…」
その頃、土蔵の隅に昔を思い出して震えるアーチャーがいたそうな。
Fin
どうも、初投稿です。
勢いだけで書いてみました。
アーチャーが居るのは気にしないでください(笑