『タイガー道場!』
「タイガー同情! うぅ、切ないのぅ」
「うんうん」
「しかし、こうやって優しさに包まれながら逝ってしまった弟子一号はそれはそれで幸せなのかも知れぬ」
「ちょっと……」
「うむ。達者で天国で生きろ! では今回のタイガー同情はこれにて……」
「終わるなぁああああああああっっ!!」
「イリヤ」(ボディにヒット)
「トリプル」(あごにヒット)
「くらっしゃあああくぁああっ!」(左のテンプルにヒット)
「ぐはああああ」
「何勝手に逝った事にしてるのよ」
「逝ってないの?」
「どこにもそんなこと書いて無いでしょうが」
「(確認中)……うわ、本当だ、せこいな作者」
「うるさいわね……まあ、結局一日も持たずに死ぬんでしょうけど」
「じゃあ変わり無いでしょ。以上タイガー同情終わり!」
「だから終わるな! どうすればこういうバッドエンドに向かわないかが私達の存在意義でしょう」
「とは言ってもこれはこれで一つの結末でしょ? 何が間違いとか偉そうなこと言うつもりないよ? 私」
「うっわ、腹立つ。シロウにタイガのご飯にだけ生の鰻入れてくれるようにお願いしておくから」
「ぬるぬる兵糧攻め!? 止めてください悪魔っ子!」
「本気のお話はここら辺にしておいて。私を助けたかったら暗黒マーボー神父の贈り物ぐらい受け取っておきなさいってことね」
「ん? 言峰のこと? え〜だってアイツ悪役っぽいしー……私苦手だなー」
「シロウだって苦手だろうけど。あのね、言峰は生まれようとする意思を尊重するの。無条件にね。あるいは生きようとする意志も、ね。聖杯としての運命を強制させた報いと言うのを私に残そうとしてくれたとしてもおかしいことじゃないでしょうね」
「うむむ、あの言峰が? 暗黒マーボーが?」
「まあそうね」
「でもちょっと確認したけどいろいろあったでしょ。どれ選ぶのよぅ」
「ずばり本よ。あれに言峰の全ての魔術刻印が刻まれてるの」
「ええ!? でも魔術刻印って体に刻み込まれるものじゃ……」
「言峰のは他人から奪った奴だから。奪えるようなものは何かに移してもおけるでしょ」
「うぅ、先生は難しい話分かんないぞぅ」
「期待して無いわ。まあ、そういうこと。後はリンが何とかしてくれるでょ。サクラだって人体改造のスペシャリストなんだし」
「なるほどぉ……奥が深い」
「じゃあ、今回はここまで! シロウ、いくら哀しいからって断食して死んじゃ駄目だぞ!」
「はっ! それで私達が召喚されたのかー!?」
「さあて、どうでしょうか。ま、私は確かに幸せだったよ。ありがとタイガ」
「うぅ、弟子一号。シリアスにいい笑顔浮かべやがってコンチクショウ。お前なんか一生ここで暮らしてろ馬鹿ーっ!」
「……道場主がいなくなったので本当にお開き。また今度ねー」