注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。
注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。
注意3:これは電波による二次被害作品です。
fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。
以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。
それは有り得たかもしれない物語 そのはち
side by 凛
ふー、朝食はいつも抜いてるけどこれなら毎日でも食べたくなるわね。
衛宮君の作った朝食を食べ終えて、
今はバトラーの淹れた紅茶を再び飲んでいる。
今後の方針も決まったことだし、
さっそく部屋の準備をしなくちゃね、
「バトラー、とりあえず家に戻って必要なものを一式持ってくるわよ」
「凛、まさかとは思うがサーヴァントを荷物運びに使うつもりか?」
「あら、貴方は生前から執事だって言ってたでしょ、
ならこれぐらい範疇の内じゃない」
はー、等と溜息をつくバトラー。
こら、それは執事としてどうかと思うわよ。
side by エミヤ
なんだかんだで遠坂の部屋の改装がやっと終わった。
途中衛宮士郎の作った昼食を食べてから休憩をしていた時に遠坂が眠ってしまった。
そのため空はすでに夕暮れに染まりそろそろ夕食の時間だ。
現在衛宮士郎に言って台所を借りている。
借りるという行為に非常に引っ掛かりがあるがしょうがないだろう。
昼は和食だったので洋食を作ることにした。
さて、昼食で過去の自分の技量は知れた、
ならそれ以上のものをだすのが礼儀だろう。
ふむ、どうやらオレの料理は好評らしい。
遠坂にはすでにご馳走したことがあるし彼女は顔に出やすい。
衛宮士郎も驚いているが悪い顔はしていない。
セイバーも昼食時同様何度も頷きながら食事をしている。
夕食もつつがなく終わり、オレが淹れた紅茶で一息入れた後、
遠坂は部屋に戻った。
衛宮士郎もセイバーも部屋に行ったのだがおそらく前回のように
衛宮士郎と部屋についてもめている事だろう。
オレはかつてアーチャーがしていたように屋根で見張りをすることにする。
しばらくすると土蔵に向かう衛宮士郎を見つけた。
うむ、その気持ちは解るぞ青少年。
土蔵から僅かに漏れる魔力、
間違った鍛錬方法ではあるが無駄にはならないだろう。
もしかしたらアーチャーもこんな気持ちでオレを見ていたのだろうか?
それにしては辛辣なことばかり言われた気がするが。
そうして夜は更けていく。
side by 士郎
「セイバー様、お茶の用意をいたしました、どうぞ」
「ありがとうございます、バトラー」
そんな会話が流れる……バトラーの敬語が何故か寒い。
ついでに遠坂の視線も怖い。
事のあらましは朝、桜が来て遠坂と鉢合わせしたことに始まる。
そのまま言い合い? になって桜が台所に向かった、
すると当然の如くバトラーが朝食の準備をしていた。
知らないやつが居ることで桜が固まっているとセイバーが起きてきた。
オレも遠坂もいきなり二人の存在がばれると言う突然の自体に固まっていると。
「初めましてお嬢さん、私の名はバトラーと言います。
そちらに居られるセイバー様つきの執事をしております」
なんてバトラーが桜に対して普段とは違い敬語で挨拶をしだした。
「セイバー様は日本に切嗣氏を訪ねてきたのですが、
どうやらお亡くなりになっていたようでして、
そのことをご子息である士郎様に言ったところ日本にいる間は
この家にいてもよいとおっしゃっていただいたので現在ご厄介になっています」
……オレは呆気に取られていた、遠坂も似たようなものだ。
まさかここまでペラペラ嘘がでてくるとは。
改めて思ったがこの執事只者ではない。
「ただご厄介になるのは此方としては心苦しいので
せめて家事の手伝いをさせてもらっていたのです」
どうやら桜もセイバーとバトラーに関しては納得したようだ。
正直バトラーのおかげでセイバーのことを紹介できたので助かった。
その後桜が手伝って朝食ができ食べ始めた、
何か違和感があったが、その正体は直に知れた。
「おはよー。いやー寝坊しちゃった寝坊しちゃった」
どうやら家で飼っている猛獣のことを忘れていたようだ。
side by エミヤ
「おはよー。いやー寝坊しちゃった寝坊しちゃった」
懐かしい声が聞こえてくる。
そうそう、こんな感じだったこんな感じだった。
オレは心の中で頷く。
「士郎、ごはん」
その言葉に一瞬反応しそうになった。
そのまま挨拶して、朝食を進めていく。
藤ねえは「あれ? なんか変な気がする」という顔をする。
が、どうやら解らないようでごはんを食べている。
一杯分のご飯を食べ終えてから衛宮士郎に耳打ちしている。
どうやら納得したのかみそ汁を飲み干し――、
「って、下宿ってなによ士郎ーーーーーー!!!!」
――虎が吼えた。
テーブルが引っくり返りそうになるが予め抑えておいたので被害は無い。
「い、いきなりなんだよ藤ねえ?」
「うるさーい! アンタこそなに考えてるのよ士郎!
同い年の子を下宿させるなんてラブコメ認めるかー!!
しかも金髪の外人が父親尋ねて来るなんてことぜってーねー!!!」
があー! と吼える藤ねえ、
セリフまでは覚えてないけどこんな感じだったろう。
その後も荒れる藤ねえを衛宮士郎が宥めると言った展開が続き。
そこに遠坂が乱入したことで終止符が打たれた。
朝食が終わって藤ねえは学校に向かった。
「セイバー様、お茶の用意をいたしました、どうぞ」
「ありがとうございます、バトラー」
そんな言葉のキャッチボールをする、
敬語はそれなりに好きなので苦にならない。
それに遠坂と衛宮士郎をからかうのにも使えて中々よい。
桜や藤ねえがいる間だけだが以外と楽しめる。
ん、そろそろ遠坂達が登校する時間だ。
遠坂達が先に玄関に向かっていく、
「バトラー、私は学校に着いて行くことが出来ない。
どうかシロウのことを頼みます」
セイバーから衛宮士郎のことを任された、
ふむ、アイツのことはなにか出来の悪い弟を見る感じだな。
「ああ、任せておくといい。
なにか無茶をするようなら腕の一本や二本とってでも止めてやる」
「……それはやりすぎです。
とにかく貴方を信頼して頼むのですからしっかりとして下さい」
そんな嬉しいことを言われてしまった。
「それでは行って来る、
ああ、居間のテーブルの上に弁当を用意しておいた、
昼に食べるといい」
「はい、ありがとうございます。
それでは気をつけていってきて下さい」
……なんか新婚みたいだなと思ったのは内緒だ。
ふぃん
あとがき
どうも久遠です。
……何故こんなラブコメに?
どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。