バーサーカーの日常
いい天気だ
洗濯物がよく乾くだろう
サクラの花が一枚、風に乗り私の腕に降りた
風流である
私は暖かい春の庭にいた
此処は衛宮士郎の屋敷
私のマスターがお世話になっているところだ
私は庭の中、彫刻のようにたたずんでいた。
私の身体は大きい、家の中では狭いのだ
それゆえ家にいるときは庭にいるのが私の日課となった
「バーサーカー、昼ご飯が出来たぞ」
屋敷の主である衛宮士郎が昼食を告げた
「■■■■■■」
私のクラスはバーサーカーだ
いくら感謝の意を述べたくても述べようがない
一言、言葉でない言葉を発し礼を述べた
なんとか家にあがり居間に入る
今日の昼食は
シャケの塩焼き、ご飯、味噌汁、漬物、卵豆腐である
私がテーブルに着いた頃にはもう、昼食は始まっていた
少し淋しい
セイバーと藤村は競うようにおかわりを求め、
私の主はおかわりに夢中になっている藤村のおかずを、こっそりと盗っていた
―――実に嘆かわしい
私はこっそり藤村に自分のおかずを入れておいた
私は体の割に小食なのだ
昼食が終わり、また庭へ出た
春の暖かい日差しが私を照らした
家を出た
衛宮士郎の家から歩いて数分の所に公園がある
公園の中に入る
「あっ!筋肉おじちゃんだ!」
私を見つけた子供たちが寄って来る
正直その名前は止めて欲しいが、言えない
その無垢な瞳を見ると言えなくなる
どっちにしろ言えないのだが
「■■■■■■」
最初は私を怖がっていたが、今では皆慣れてしまった
私は面倒見が良いので子供に好かれる
最近では親も買い物に行く時など私に子供を預けていく
託児所ではないのだが
「ねー、今日は何して遊んでくれるの?」
私は毎日この公園に来ている
正直遊ぶネタも尽きた
「■■■■■■」
「そっかー、じゃあかくれんぼしようっ!
みんなもそれでいいよね?」
「さんせーいっ!じゃあ筋肉おじちゃんが鬼ね!百秒数えてね!」
子供達はさわぎながら散っていった
ふむ、私が鬼とはハマリ役だな、姿とか
私は百秒数え、探しにでかけた
―――五人見つけた
しかし残りの一人が見つからない
ふむ、どうしたものか
「クスクス」
「アハハハッ」
五人の子供達は笑っている
どうやら隠れ場所を知っているようだ
困った、どこを探してもいないのだ
「■■■■■■」
私は降参の意味で言葉を発した
その瞬間耳もとで
「ここだよ!おじちゃん!」
と聞こえた
なにぬねの!?
子供達は全員笑っている
「あははっ!最初からおじちゃんの頭の上にいるのに
全然気付かないんだもん!」
私は恥ずかしくなってその子を地面に降ろした
顔が熱い、どうやら赤くなっているようだ
私は別に鈍感なわけではない
きっとこの子にアサシンのスキルが備わっていただけだ
きっと、そうだ
夕方になった
あれから私も色々隠れたが、この体だ
一分も隠れていることができなかった
私は暗くなる前に子供達を帰らせた
「バイバーーーーイ!また明日ね!」
「明日は鬼ごっこしような!」
「■■■■■■」
私は家路についた
夕方の風は寒く感じた
「バーサーカー、夜ご飯はまだだから少し待っててくれ」
衛宮士郎の言葉に従い、庭にでた
今日も楽しかった
明日もきっと楽しいだろう
夕食を食べ、また庭にでる
私は寝床につく
庭にそのまま寝るのだ
私は別に寒くはないが衛宮士郎が毛布をくれた
かたじけない
寝る前に子供達の笑顔を思い浮かべる
みんな可愛い子供達だ
この笑顔を曇らさぬようにしなくてはな
「■■■■■■」
皆おやすみ、また明日だ
私は少し幸せになって眠りについた
後書き
はじめましてユウキと申します
何故かこんなバーサーカーを書いてしまいました
設定も滅茶苦茶ですがそこのところは見逃してください
感想、非難、誤字脱字、など聞かせてもらえば幸いです
では、このへんで