注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。
注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。
注意3:これは電波による二次被害作品です。
fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。
注意4:弓さんはポーカーフェイスが上手です。
以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。
それは有り得たかもしれない物語 そのご
side by エミヤ
「はっ!」
裂帛の気合と共にヘラクレスに対し攻撃を仕掛ける。
ガキン!!
その一撃を奴は力任せでなく剣技をもって弾き、
同時に迫るセイバーに対してもその剣でしっかりと受け止める。
生じた隙を突くように踏み込もうとするが奴の豪腕に阻まれる。
これはまずい、正直手詰まりもいいところだ、
理性をもったヘラクレスがこれほど厄介だとはな。
セイバーとオレは奴から一旦間合いを離し、
遠坂と衛宮士郎をかばうように立つ。
先ほどから繰り返される攻防。
オレが攻めることで生じた隙をついて、
セイバーに持たせたカリバーンの一撃を持って半分ほど削るつもりだったのだが。
奴はそれをさせない、
カリバーンにしても今オレが持つ烈刀ファーウェルにしても、
十二の試練の防御力を突破できる。
加えて一撃で奴の命を複数個もっていける力がある。
それを知った上でか奴はその身で剣を受けて反撃するという戦い方をしようとする。
肉を切らせて骨を断つ、その精神だ。
たとえ数個の命と引き換えにしたとしても確実に一人倒される。
こちらが一人になれば間違いなく殺られる。
オレの手札を見せる気でいかない限り正に手詰まりだ。
オレが打開策を考えていると、
「……万策尽きたか?
ならば終わりとしよう、
マスターにこれ以上夜更かしをさせられんのでな」
ヘラクレスはそう言い、
その大剣を構える、
悪寒が走り、その原因が解明される、
奴は剣で"ナインライブス"をやるつもりだ!
それに気づき最速で自己の裡に埋没する。
「I am the bone of my sword」
持ち札の一枚を見せることになり、
魔力もかなりの量を使用するが仕方が無い。
剣とはいえ奴が使う技がとんでもないのだから、
「――Nine Bullet Revolver」
なら、それに対抗できるものをだすまでだ。
side by 凛
「I am the bone of my sword」
アーチャーが構えたと同時にバトラーが詠唱を始める。
とても悲しい響きを含んだそれ、
「――Nine Bullet Revolver」
途中詠唱が変化する、しかしこれは一体なんなのであろう?
それに気を取られていたその時、
「射殺す百頭(ナインライブズ)!!」
鋼の如きその言葉と共に、
アーチャーの剣がセイバーとバトラーに迫る。
直感した、アレは回避できないものであり、
バトラーは消えてしまうのだと。
そんな刹那の間に彼の声が妙に響いた――
「――是、射殺す百頭(ナインライブズブレイドワークス)」
――その言葉と共にアーチャーの斬撃の全てが防がれる。
……信じられない、私の直感は絶対に当たっていた筈だ、
それをバトラーは力技で捻じ伏せてしまった。
私の視線の先には己の必殺の攻撃を同じ攻撃によって相殺され、
その岩の如き表情を僅かに顰めた英雄の姿があった。
「……貴様、何故使える?」
それは反論を許さないと言った感じの問いであった。
「まさか自分しか使えないとでも思っていたのか?
だとしたらとんだ思い違いだ」
バトラーはいつもの皮肉気な口調で答え――、
ゾワッ!
――身の毛がよだつ、
それはランサーが槍を構えた時以上の死の予感、
「……今一度我が最強の一撃を受けるがいい」
アーチャーは剣ではなく弓を構えながらそう言う。
冗談じゃないわ!
剣から弓に変わっただけでここまで差があるなんて!
「バトラー――」
「そこまでよアーチャー。
今日はここで退くわ」
私の声を遮りイリヤスフィールの声が響く。
アーチャーは不満げな顔をしたがすぐに命令に従う。
「命拾いしたわね貴方達、
あのままアーチャーと戦っていたら確実に死んでいたもの」
それは真実だろう、あの瞬間私は死のイメージを抱いてしまった。
だけど、
「それはお互い様でしょう、イリヤスフィール?
貴方のサーヴァントが宝具を使うと同時に貴方もアーチャーもただではすまなかったわ」
私の視線の先、衛宮君の目の前。
そこには、聖剣の力を開放せんとするセイバーが凛と佇んでいた。
「……どうやらそうみたいね、
その聖剣の力でわたしのアーチャーを倒せるかは解らないけど、
確実にわたしを殺せていたわ」
あっさりとそのことを認め、振り返らずに去っていく。
アーチャーも実体化を解きそれに従っている、のだろう。
少女の姿が見えなくなってから、安堵する。
「凛、どうする?」
「イリヤスフィールは放って置くわ、
退いてくれたのにわざわざ戦う必要はないもの。
……衛宮君もそれでいいかしら?」
「……ん? あ、ああそれでいい……」
「どうしたの?
歯切れが悪いけど」
「今生きてることにほっとしてるんだ。
遠坂、他のサーヴァントもあんな感じなのか?」
「アレは例外よ、
あそこまで凄まじいのが何体もいてたまるもんですか」
でもバトラーやセイバーもかなりの英霊である。
そういえばバトラーはセイバーの真名にも気づいているようだ、
それに彼が今回見せたものにも興味がある、
後で絶対聞いてやろう。
今はそれよりも、
「とりあえず、話し合いは落ち着けるところでするわよ、
衛宮君の家でいいかしら?」
「ああ、オレは構わないよ」
「そ。
じゃあ行きましょう」
はー、なんかどっと疲れたわ。
早くベットに倒れこみたいわね。
ふぃん
あとがき
どうも久遠です。
今回初めて書き終わってから、没にして書き直しをやりました。
なんかこの前のものは凄まじく執事君が強く描かれていたので没行きに。
書き直してもその雰囲気はとれていませんが、
他人から見た場合脚色して見えるという感じで。
どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。