Fate with moon 傾:壊れギャグ


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1: non (2004/03/13 21:57:58)[nonn at poppy.ocn.ne.jp]

Fate with moon(大層な名前つけてすいません。)




乱舞するエーテルのなか、私は小躍りしそうなくらい舞い上がっていた。


「やったわ、間違いなく最強のカードを引き当てた!」


手ごたえは十分、手持ちの宝石を半分も使ったのだ、失敗は許されない。
それなのに、



アレ? ナニモイナイ?




次に聞こえたのは居間で何かが落下する音。


「何だって言うのよぉぉ〜〜〜〜〜〜〜」


叫びながら階段を駆け上がり、ドアを蹴り開ける。


そこにいたのは、裸にコート一枚で平然と仁王立ちする長身のおじさんだった。


思わず挨拶する。


「こんにちはぁ〜〜〜」


「うむ。」


って違う!何か違う!とてつもなく違う!!




こんな怪しさ満点の人物じゃなくて私が期待してたのは、



「わが名はネロ・カオス、クラスはアーチャーだ。」



アーチャーですか・・・・。

その瞬間、私の最後の希望は脆く崩れ去った。

思わず膝を地につける。



「ふむ、アーチャーでは不満か?」


私のリアクションを見たアーチャーが片目をつぶりながら問いかける。



いえ、問題はもっと深いところにあると思うのです。



「とりあえず、自己紹介お願い。どんなことが出来るのかも教えて頂戴。」



「うむ、この身は混沌と呼ばれていた吸血鬼、真祖の姫君に敗れて世界の一部となった。」



吸血鬼、混沌、ネロ・カオス、何か思い出しそう・・・・。



「私は遠坂凛、あなたのマスターよ、好きに呼んでかまわないわ。」



聞いたことがあるって事はそれなりに強かったってことだろう。
そうじゃなかったら私の宝石がうかばれない。




「では凛と、ああこの響きは実に君に似合っている。」




どこからか電波でも受信したのだろうか?
アーチャーは遠くを見つめながらうわ言のように呟いた。










翌日の学校には、巨大な魔方陣が描かれていた。


「これって、召喚系の魔法陣よね。」


「うむ。」



とりあえず消しておくことにした。消しゴムで、



「なんだ、消しちゃうの?」



振り向くとフェンスに寄りかかっているツインテールの少女。
見慣れない高校の制服を着ている。



「あなた誰?」



「誰だ?」




その少女は真っ赤なやりを持っていた、
某アニメで某零号機が投擲したものにそっくりだ。



「ランサーって言えばわかるかな?」



首をかしげるとツインテールがさらりと揺れる。
くっ、いつかあのツインテールとは白黒つけなければならない。



アーチャーに有利な広い場所に移動すると、
彼女はゆっくりと後ろをついてきた。




校庭で対峙するおじさんと女子高生。
はっきり言って微妙だ。




「アーチャー、あなたの力を見せて。」




「小娘ぇ! 666回殴りつける!」




気が違ったとしか思えない奇声を発しながらアーチャーが突撃する。



ランサーの槍はまさに神速、どうやらただのコスプレではないらしい。



アーチャーはその攻撃をどこからか取り出した二匹の亀で防いでいた。



交錯する、槍と亀。




だんだんどうでもよくなってきた。








物陰から人の気配がした。
ランサーは戦闘を中止して、そいつを追いかけていく。


亀を胸元にしまいながらアーチャーがこっちに寄ってくる。


「ふむ。」


どうやらアレは口癖らしい。昨日と今日だけで三桁は聞いた。



って、ランサー目撃者消しに行ったんじゃない!


「アーチャー、ランサー追いかけて私もすぐ追いつくから!!」


「ふむ。」




目の前には今にも死にそうな男子生徒が一人。

これは半分私のせいだ。

だから死に顔くらい看取ってあげようと思った。


宝石の魔力はなくなってしまったけど、
他に治療法なんてなかったのだから仕方ない。


家に帰って一息ついていたら、気がついた。
目撃者が生きていたなら、もう一度襲うに決まっている。
なんで私はこうミスばっかりするのだ。









廊下に広がっていた自分の血液をふき取ってから家に帰ってきた。
あの槍を持った少女は何だったのだろう。


突然、家の電気が消える。
侵入してきたものがいる、
俺だってむざむざ殺されるわけにはいかない、
いつも隠し持っている小振りなバタフライナイフを取り出す。


「結界があるなんて知らなかったよ〜〜」


鼻の頭を赤くした少女が現れる。



とりあえず立てこもれる場所まで逃げなきゃならない。
土倉に逃げよう。



テーブルの上の物を適当に投げつけて一目散に逃げる。
考えが甘かった。


外に飛び出したとたん追いつかれて強烈な回し蹴りを叩きこまれた。


ちらっと見えたのは白だった。





土倉の壁に叩きつけられた。
全身の骨が軋んでいるのがわかる。
這いずるようにして扉の中に入る。



階段があるのを忘れていて盛大に転がり落ちた。






目の前にいたのは、唖然とするほどきれいな少女だった。



なにも言えずただ見上げる俺を、彼女は見据えると、




「問おう、貴方が私のマスターか。」









続きません。




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聖杯は・・・の途中でいったい私は何をしているのでしょうか?
急に頭の中に浮かんだ、ネロ・カオスってクラス分けしたら絶対アーチャー
だよな〜。に引きずられてこんな恐ろしい短編(重要)を仕上げてしまいました。
ええ、続きません。これは短編です。きっとシリアスに疲れていたんだと思います。
山場に差し掛かっていましたし。クスリと笑ってもらえれば幸いです。


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