注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。
注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。
注意3:これは電波による二次被害作品です。
fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。
注意4:今回ころころとsideが変わります。読みにくいかもしれませんがご了承ください。
以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。
それは有り得たかもしれない物語 そのさん
side by 凛
(凛、どうやら君の杞憂にはならなかったらしいな)
バトラーの皮肉げな声が私にだけ聞こえてくる。
学校に入ったと同時に感じた違和感、
間違いないこれは結界だ。
(それでどうするのだ凛、
放課後を待って行動するか?)
私はバトラーの提案に無言で頷く。
だって声を出してたら周りから見れば独り言を呟く危ない奴である。
side by エミヤ
放課後、結界の解除に向かった先で青の槍兵とでくわした。
そして、
「バトラー、手助けはしないわ。
貴方の力、ここで見せて」
遠坂の声にオレは
「…………ク」
微笑を持って答え、
弾丸となってランサーに向かう。
手に持つは一振りの剣、
銘はマグリ○ジューヴ、夏は疲れ気味だがこの季節なら問題ない。
「貴様、セイバーかっ!?」
ランサーの怒声が響き渡り、
赤き閃光と銀の軌跡が交差する。
side by 凛
目の前の光景に思考がついていかない。
バトラーとランサーの戦いは、
既に人の領域を越え幻想の世界に達しているのではないだろうか。
ランサーの突きをバトラーは危なげなく剣で捌き、前進する。
ランサーは接近させまいと突きのスピードをさらに上げて撃墜せんとする。
青き槍兵の突きの速さは尋常でない、
バトラーの弾丸の如き前進をあっさりと止めるのだから。
だが、それにも増して自分のサーヴァントに疑問を覚える。
彼はセイバーでなくバトラー、
聖杯戦争におけるイレギュラーなクラスであるのにもかかわらず、
既に何本目か解らない剣を使ってあの槍兵と互角に戦っているのだ。
正直ここまで強いとは思わなかった。
それはランサーも同様だろう。
「ふー、いいぜ名乗りな。
お前は何処の英霊だ?
そっちのお嬢ちゃんの言葉を信じるならバトラーとか言うらしいが、
正直今までそんなクラスがあったなんて知らなかったからな」
ランサーは大きく後ろに下がり私と同じ疑問を彼にぶつける。
「そう言う君は実に解り易いなセタンタ。
アイルランドの大英雄、死の槍を持つ最速の英霊」
彼がランサーの正体を明かした瞬間、
世界が軋んだ。
「よく言ったな、何処の誰とも知れない英霊よ。
気づかれたなら隠す必要もない。
その身で受けるがいい我が必殺の一撃を!」
まずい!
ランサーの奴宝具を使うつもりだ!
side by エミヤ
「よく言ったな、何処の誰とも知れない英霊よ。
気づかれたなら隠す必要もない。
その身で受けるがいい我が必殺の一撃を!」
どうやら正体を指摘されたことがお気に召さなかったらしい。
ランサーの怒気が強まり周囲のマナがゲイボルクに集まっていく。
だがその槍が放たれることはおそらく無い、なぜなら――
「誰だ!」
――かつての自分が出てくるのだから。
ランサーは第三者のかつてのオレを追いかけていく。
さて、どうしたものか。
「追ってバトラー! わたしもすぐに追いつくから!」
主人の命令がでた、ならばそれに従うのが執事だ。
オレは即座に追いかけ、
そこに死にかけたかつての衛宮士郎を見つけた。
side by 凛
くっ、認めよう私が迂闊だった。
ランサーがマスターの命令で動いているなら、
まだ生きてる目撃者を消さない訳が無い。
(凛、君はその選択を後悔しないのかな?)
バトラーがそう尋ねてくる。
家でペンダントを渡してきてから終始無言だったのに。
「当然でしょ、私は遠坂凛なのよ」
とりあえず、走りながらしゃべらせないで欲しい。
(そうか、なら私も全力を持ってそれに答えよう)
信頼に足る、彼の声が耳に響いた。
もうすぐ衛宮君の家に着くといった時に
(この気配、どうやら遅かったようだな)
そう屋敷の中にはサーヴァントの気配が……二つ!?
何故と思うまもなく先ほどの槍兵は塀を越えあさっての方向へ消えていき、
もう一つの影が塀を越えて襲い掛かってきた。
「凛、下がっていろ」
すぐさまバトラーがその影、少女の姿をしたそれを迎え撃つ。
おそらくセイバーであろう少女の不可視の一撃をまるで見えているかのように
バトラーは捌いていく。
そして再び、幻想の戦いが始ま――
「止めろ! セイバーーーーーー!!!」
――る前にその声によって止められた。
私のよく知った彼の声によって。
ふぃん
あとがき
どうも久遠です。
今回場面場面で飛びますが使用です。
ぶっちゃけた話こうでもしないと進まんのですよ。
今回もfateもしの方を書き終える寸前に電波が来て勢いで書いてました。
こちらの方がストーリーに沿って進んでくれる分執筆が楽だったりします。
どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。