御三家大合併計画(傾:勢い)


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1: HEY2 (2004/03/12 00:37:32)

 はじめに この作品は勢いだけで読んで下さい、
      なるたけ短くしてあるのは技量が無いせいです
      まともを求める人はブラウザの『戻る』を(略)



「桜、あなた正式に『遠坂』になりなさい」
「は、はぃ?」
 帰国早々何を言っているんだろうこの人は
「はい、これ必要な書類、こことここに名前直筆で書いてね」
 突然のことに状況処理能力が追いついていない俺と桜、
 それをいいことに、サクサクと話を進めていく遠坂。
 その勢いに連れられ、呆気にとられつつもサインをしてしまう桜。
「じゃ、次は士郎の番ね、アンタにも『遠坂』になってもらうから」
 あー、ナニを言ってるのでしょうかコノ人は、
「はいこれね、ここに名前書きなさい」
 そう言って渡された、妙にペラペラしてて緑色っぽいソレは、
「こ、婚姻届ぇ?!」

 俺の回路、暫し停滞

「いいからさっさと書くっ!」
 さっさと書いてしまう俺、【夫になる人】衛宮士郎・・・と、
 疑問なんて山ほどあるけど、そうしないと話進まないし。
「はい、じゃあ桜はここね」
 速攻で書き込む桜、その速度たるやライダーのそれをも凌がんとする勢い。
 それを見つめる遠坂の笑顔が・・・

 妹の幸せを見つめる姉の物ではなく
 あかいあくまのソレに見えるのは何でなんだろう

 遠坂に手渡す桜の横からその紙を覗き込む。
「ちょっと待て遠坂」
「何かしら衛宮君」
「どうして桜が【証人】にサインしてるんだ?」
「・・・ちっ」
 おいおい舌打ちですか

「えっ?!じゃあ、姉さんはまだ」
「やっぱり士郎は、私が貰うわ」
「じょ、冗談言わないでください姉さんっ!!」
「あら、冗談でも何でも無いわよ、私は士郎に
 『遠坂になってもらう』と言っただけじゃない」
「で、でも話の流れで言ったらっ!わ・・・わたし、と」
「―――――――――――――――」
「―――――――――」
「――――」

 言うこともひと段落つき睨み合う二人。
 姉妹ゲンカ、と言えば可愛いものの筈だが、
 片や時計塔でもトップクラスの魔術師、あかいあくま、
 片や元聖杯、くろいかげろう、
 ちょっと本気を出せばこの町の1つや2つ吹き飛ばす事も容易であろう。
 だがそのポテンシャルをお互い知っているが故の膠着。
 この隙に、済し崩しに夕飯の支度でもしようかなあ、
 なんて思ってた矢先

「話は聞かせてもらいました」
 おお、この家で今現状で唯一の『まともな人』登場だ
「「どういうこと、ライダー」」
「今言った通りです、何でしたら庭にも丸聞こえでしたが」
 あ、2人とも俯いちゃったよ、顔から『ぷしゅ〜』なんて擬音が聞こえてくるし、
 そんな2人に構わず攻勢に出るライダー
「そこで、妥協案として間を取って・・・」


「私とシロウが結婚します」


 あー訂正、この屋敷にはまともな奴なんて居ませんでした・・・
「な、何でそうなるんだライダー?」
「シロウ、酷いです。私とは遊びだったんですね」

 広々としたこの居間の、気温が下がった。

 さて、俺はこの空間から逃れるためには、
 何を投影すればいいんだろう。
 なんて、考える暇は無かった・・・

 意識を失うその刹那、詰襟眼鏡の高校生が見えた気がします


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