――◇後日談(5分後)
「おっ、セイバー。お腹、すごい出っ張ってるぞ」
「な! シロウ! さわらないでほしい!」
「うわー、これ何が入ってるんだよ」
「さ、先ほどの料理に決まってるではありませんか!」
「え、ホントにか?」
「当たり前です!」
「でも、なんか妊娠してるみたいだぞ、これ。うりうり」
「ゃ!……だめ、ですっ!」
「なんか、ぽっこりって感じだなあ、うわっ、暴れるなって」
「シロウ! 止めてほしい! こんな、ひどいです……」
「ええい、人の金でさんざん食べたんだ、少しはその成果をみせるんだ!」
「そんな無体な!?」
「おっ、なんか音が手に響いてる。セイバー、耳つけていいか?」
「絶対に断ります!!」
「ほら、どんな音するか聞いてみたいし」
「そんな必要ないです!!」
「予行演習みたいなもんさ、試してみない?」
「……」
「ん?」
「…………………………よ、予行演習、ですか」
「うん」
「……」
「お?」
拘束されていた手が解かれる。
両手が自由になった。
俺は後ろから抱きしめていた状態を解き、セイバーの身体を半回転させた。
ふたり向き合う形になる。
彼女は、恥ずかしそうに顔を横にそむけていた。
「あの」
「お、おお」
「………いいですよ」
お腹を俺に見せていた。
「う、いいのか?」
逆に俺の方が躊躇した。
セイバーは、ごくかすかに頷く。
道端で、膝を着いて、中腰になった。
幸いなことに人はいない。
「……」
服をちょっとたくし上げる。
「シ、シロウ!!?」
「え、だってこうしないとちゃんと聞えないだろ?」
「そんな事ありません!」
「いいからいいから、いくよ」
すばやくセイバーの服を上げて、密着する。
「きゃっ!?」
顔を横にして、そっと耳をつけた。
「……」
「……」
「……」
「……」
頭の後ろを、セイバーの両手が包んできた。
周囲から俺を隠そうとする動きだったが、それでも、その手は優しかった。
セイバーが恥ずかしそうに、周りをきょろきょろ見渡してるのが分かる。
静かに目を閉じた。
「あー、なんかぐるぐるいってる」
「むっ、シロウ、失礼です!」
「失礼なもんか、元気な証拠だろ」
「ううっ!」
「セイバー、唸るなって」
「唸ってません!」
「あと、なんだかんだ言って尻尾振ってるだろ、振動が伝わってるぞ。意外とセイバーもうれしい――って痛い痛いっ!」
「うううっ!!」
「わ、悪かったって」
……後頭部に糾弾する視線が刺さってた。
それに耐えながら、セイバーの腰を抱える。
「……」
「……」
「……」
「シロウ…」
「うん?」
「予行演習、なんですよね?」
「うん」
「あ、あの、なんの、ですか?」
「セイバーが俺の赤ちゃん産む時の」
即答した。
おっ、なんかすごい音がした。
俺は膝をついた状態のまま、セイバーを見上げる。
「うわ、顔、真っ赤じゃないか」
「だ、誰のせいですかっ!?」
「俺のせい?」
「……」
セイバーは、む~っ、という顔で睨んでた。
それから、ふとバツの悪い顔になり。
小さな声で喋ってきた。
「シ、シロウがどのように考えているか知りませんが、それは凛に対する裏切りですし、許されることでもない。そ、それにシロウは学生ですから色々と問題があります、せ、せめて高校をでるまでは待たないといけませんし、法律的にも私は戸籍がありません。日本のことについても知らない事が……」
「……」
「シロウ!? なぜ黙って私を見てるのですか!? わたしは…」
「ん」
「ひゃっ!!!!??」
セイバーのお腹にキスをした。
「さて、行こっか」
立ち上がる。
そのまま、2・3歩、進むが。
「ん?」
セイバーは硬直してた。
「ふむ……」
少し考え。
「セイバーのお腹って、けっこう、ぷにぷにしてるんだな」
進む。
後ろから、意味にならない叫び声と手を振り回す気配が伝わった。
魔力もすごい勢いで凝縮してる。
まあ、なんだ、命の危機みたいなので走り出そう。
―――――――――――――――
あとがき
えー、どうも続けて読むと食い合わせが悪いというか、ぜんぜん違う雰囲気なので、別のスレッドにしました。
……むしろ、後日談の方が本編な気もします。
レストランは高い所は行ったことが無いので、適当です。
おそらく、でーとへんはあと1・2話で終わります。
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