赤い再会 (シリアス…かな? アーチャー&士郎


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1: Phantom (2004/03/09 18:37:51)

夢…

そうだ、俺は今夢を見ている。

夢の中で「コレは夢だ」と判断できる。 覚醒夢ってやつか。

まぁ、そんな薀蓄なくても、確実に夢だな。

なんせ

夢でも無ければ、今更アイツに会ったりなんかするもんか。


「今更、とはご挨拶だな。 衛宮士郎」


そんな

今更

赤い騎士に

会うはず

無いんだから。




















あの「剣の丘」でアイツと対峙する。

「驚くことはあるまい。此処にいられるのはお前と私以外にあるまい。
 あぁ、お前を殺そうとか考えているわけではないぞ。
 そもそも此処はお前の中だ。お前の記憶に在る私が夢の中で具現化しているに過ぎ
 ん。」

「俺の中に居るってどういうことだよ。遠坂の中ってならいざ知らず。」

「ん? 自分の恋人が他の男を心に宿しているのなら納得できるというのか?
 あぁ、私はお前だから妥協というものか。」

「な… いやだからそうじゃなく、要するに『何をしにきた』ってことだよ、今更。」

「ふむ、それに答える前に1つ聞かせて貰おう。
 お前の唯一の魔術『無限の剣製』はどれほど身についたのか。」

言われて即座に、あの双剣を取り出す。
あれから半年、懸命に訓練を続けたが…
回路に負担無く取り出せるのは、この剣以外には『なんの魔力もない、普通の刀剣類』
のみだった。

「ならば気付いただろう? かの英雄王との戦いではあれほどの宝具を出せたにもかか
 わらず、今のお前ではそれが精一杯。
 無意識のどこかでオレを見ていただろう。『アイツの様に自在に扱えるようになる』
 とな。」

「あぁ、悔しいが認める。
 俺はまだお前には遠く及ばない。
 それでも、お前がわざわざ夢に出てくるほどの渇望じゃないぞ。」

「そうかな? お前は凛に付いて時計塔へ行くのだろう?
 ならば、お前の性格ならば『向こうで遠坂を、あらゆる害から守る』と、出来もしな
 いことを考えているはずだ。
 剣の扱いにはセイバー、魔術回路の維持と拡張は凛がいるから心配はないが…
 『私たちの魔術』に関しては別だろう。
 そこでお節介ではあろうが、同じ自分のよしみで多少は手を引いてやろうかと思って
 な。
 なに、イメージトレーニングや睡眠学習とでも思っておけ。」

「……ふぅ、自分に意地を張っても仕方が無いか。
 あぁ、頼むアーチャー。」

「さて、なら早速始めるか。
 徐々に増やしていくからな。弾くなり避けるなり相殺するなり、好きにしろ。」

「って、セイバーと同じ、実戦経験式かぁ〜!」




















目が覚める。

俺の部屋の俺の布団……じゃない?

「士郎!目が覚めた?負担掛けない程度に何か投影してみなさいって言ったのにいきな
 り倒れるなんてナニを出そうとしたのよこのバカ!−−−−−」

あぁ、そうだった。
いつもどおり遠坂に師事してる最中だったんだ。

「あぁ、アーチャーに会ってきた」

「−−−−−って言ってるでしょアンタの魔術は規格外なんだ……って、はい?」

「夢の中だけどな。 全く、遠坂より厳しいぞ、アイツ」

「ふぅん、私という師がありながら、別の魔術師にも師事するんだ、衛宮クンは」

うわ、そんなイイ笑顔でスゴまないでくれよ、怖いから。

「い、いやほら、そういうことではなくてだな。
 と、投影は遠坂の専門外だろ?
 師匠はもちろん遠坂しかいないよ。アイツはなんてーか、アレだ、臨時講師?」

「ふん、まぁいいけどね。 どうせ私じゃ士郎のメンテナンスくらいしか出来ないんだ
 から。」

「とりあえず、ヤツから1本掠め取ってきた」

と、無造作に『偽螺旋剣』を投影する。

「それにな、遠坂はそう卑下することはないんだ。
 俺はもう遠坂なしじゃ生きていけないからな。
 魔術がどうこうじゃなく、男として。」

「……い、いきなりなに関係ないこというのよ!
 って、無造作にそんなもん出してんじゃないわよ!」
 そ、そりゃまぁ全く関係ないわけじゃないけど…」

語尾が小さくなる遠坂。
うっわ、すっげかわいい。

でもなんか言うならどっちかにしてくれ。

「あ、あ、あったり前じゃない、もう士郎は私のモノなんだから!
 嫌だって言ったって放してなんてやらないんだから…」

真っ赤な顔で叫ぶ遠坂。
うっわ、すっげかわいい。

「凛」
「士郎」

どちらからと無く近づく唇と唇。




















「シロウ、お腹がすきました。」




















光を超えたかというような速度で飛びのいて平然な顔を作る遠坂。
でも真っ赤。

俺? そのまま固まってる。

「シロウ? ヘンな顔でどうしたのですか?」










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あとがきというか言い訳というか


駄文、ご一読ありがとうございます。

処女作…ではないですが、Fateで書くのは初めてだし、過去作は葉系だし、しかも3本
しかないし、HDDにも残ってないほどの昔なので、初心者みたいなもの思ってくれた方
がありがたいです(マテ


ルート的には凛ED後。
「男女問わず一番好きなキャラ」がアーチャー。
「一番好きなシナリオ」が凛ルート。

ををぅ、どうやってアーチャー使うよ? と考えた結果…
「現実に出てこなけりゃ、言い訳考えなくてもいいよな」という無責任な結論に。
あぁそこ、モノを投げないで(必死

弓凛にすれば簡単に解決できる言い訳も思いつくかもしれないけども、「凛は士郎(オレ)
んだ!」なので、赤いのにはあげません。

今のところ続きも別物もネタはありませんが。気が向いたら何か書くかも知れません。

では、このへんで。


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