実は士郎はすっごく困惑していた・・・。
士郎「どうしようか・・・いや・・でも・・・う〜ん」
凛 「どうしたの?士郎?そんなに変な顔して何悩んでるの?」
士郎「うわぁ!!と、遠坂・・・なんで此処に居るんだ?(汗)」
凛 「なんでじゃないわよ、だって此処私と士郎の教室でしょ?
それよりもう放課後よ?帰りましょうよ?」
士郎「・・・そうだった・・・はぁ・・・何悩んでるんだ俺は・・・」
士郎がそんなに悩んでるのも珍しいわね・・・。これは何かあるな・・。
よ〜しちょっと、からかっちゃえ(笑)←凛思考中
う〜んこういうところに遠坂を連れてっても大丈夫だろうか・・・?
いや、案外遠坂はお祭り騒ぎが好きだし・・・。それにセイバーも
たまには他の世界観も見せてあげたいし・・・ブツブツ・・←士郎困惑中
士郎「遠坂あのな・・・」凛「士郎なのね・」
「!!!!!(ビクッ)」
凛 「士郎から先にどうぞ?」
士郎「ぁー・・・分かった・・実はな遠坂・・・
今度の土曜の夜から空いてないか?実は遠坂と一緒に行きたいところが
あるんだ」
・・・驚いた・・・士郎からデートの誘いなんて・・・もしかして二人っきり?
士郎「もちろんセイバーも一緒だぞ?」
・・・前言撤回、やっぱガント撃ち込んでやろうかしら?(怒)
凛 「え、えぇ!別に暇だから良いけど!?」(落ち着け!私!!クールに行こう!!)
「んで?どこに行くの?夜ってことは結構遠いんでしょ?」
士郎「あぁ・・・東京だな。ちょっとしたイベントがあるんだ」
凛 「へぇ〜士郎が東京行きたいなんて珍しいことね。んでイベントって何?
誰かのライブとか?悪いけどそういうの私知らないわよ」
士郎「あぁ・・・実はコミケに行こうと思ってるんだ・・・。」
凛 「へぇ〜コミケねぇ〜あのオタクが行くお祭りでしょ?楽し・・・・」
・・・・ちょっと待てこの馬鹿は今なんて言ったんだろう・・・?
凛 「えぇ〜っと・・・ちょっと待ってね。・・・コミケってあのコミケよね?
・・・他には無いわよね?」
士郎「当たり前だ遠坂。コミケは後にも先にもあれしかない。コミケ=コミックマーケッ トのことだ。実はあれに一回でいいから行ってみたかったんだよ。
でも一人じゃつまらなそうだし、暇そうな遠坂と検分のためにセイバーも連れて行 こうと考えたんだ」
・・・・・・・あっダメ・・もう限界、しかも私のこと暇人って言った。
・・・・・・・ごめんなさいお父さん私、今日初めて人を殺します。
凛 「・・・フフ、フフフフフ・・・(怒)」
士郎「・・・ちょっと待て、と、遠坂?何故魔術刻印が発動するんだ?
しかも微妙に笑っていてすっごく怒ってそうなんだけど・・・」
凛 「いいえ、衛宮君。怒ってないわ?これはね、殺意ってものよ?
よかったわー一度でいいから大魔術って人に向けて撃ってみたかったのよね
楽しいお話をどうもありがとう衛宮君。ちなみに私は絶対に行かないわ。
それと・・・・貴方も絶対に行けないわよ?」
士郎「ちょ、ちょっと待て遠坂!!落ち着け!!何でコミケごときで大魔術ぶっ放されな きゃいけない・・・!!」 「さようなら。衛宮君。」
・・・・・バーサーカー・・・よくこんなの耐えたな。
・・・・・キャスター・・・・あんた実はすごい英雄だったんだな・・・。
・・・そうして、士郎はギリギリ難を逃れ衛宮邸に帰ってきた。全力疾走しながら足を強化して2階から飛び降りたり、ガントと大魔術の連携技をローアイアスで防いだりと・・・まぁ士郎は聖杯大戦でのノウハウを全力で出し、赤い悪魔から逃げてきたのだ。
士郎「・・・ふぅ・・・ローアイアスはよく出たな・・・たぶん二度やれと言われても絶 対無理だろう・・・」 「おかえりなさいシロウ」
「うわぁぁぁああああ!!!!」 「ビクゥ!!!!」
士郎「なんだ・・・セイバーか・・・た、ただいま」
セイバー「お、おかえりなさいシロウ(汗)どうしたのですか?そんなに慌てて・・・」
士郎「あ、いやちょっと学校で遠坂に殺さ・・・怒られてね(苦)」
セイバー「シロウ・・・また凛に何かしたのですか?」
セイバーの顔がだんだん曇っていく・・・。どうしたのだろう・・・こんなことでは表情一つ変えないセイバーが・・・・。
士郎「・・・どうしたんだセイバー?何か顔が怖いぞ?」
セイバー「・・・士郎、私の今のマスターは凛だ。だから最初に謝っておきます。
すまないシロウ、凛は貴方を居間に連れて来いと言っている」
・・・はぃ?このライオンは何て言ったのだろう・・・。遠坂が、マスター?あたりまえだ、んで?何故、鎧なんか纏ってるのですか?セイバーさんは・・・(汗)
ちょ、ちょっと・・・見えない剣が見えてるのは何ででしょう?
士郎「セ、セイバー?それって・・・」「はい、エクスカリバー(約束された勝利の剣) です。宝具を使ってでもシロウを捕まえてこいとマスターが」
・・・・イリヤ・・・いまから会いに行く(涙)
親父・・(切嗣)・・俺、正義の味方になれそうに無い(涙)
んで、気づいたら俺は居間で宙吊りにされていた。
そうだ・・・俺は相当場違いな事を言って遠坂に殺されかけて、挙句の果てにセイバーに宝具を使われたんだった。ただコミケに行って見たいっていうだけだったのに・・・。
凛「どうセイバー?士郎から他の魔力とか流れてない?」
セイバー「えぇ凛。シロウからはいつもの魔力しか感じられない」
凛「・・・そうね、それは私も感じたわ。でもいつもの士郎だったらコ、コミケに行こう 何て絶対に言わないもん。取り付かれたかと思ったんだけど・・・」
セイバー「凛、質問があります。コミケとはいったいなんでしょうか?凛をここまで怒ら せるイベントを何故シロウは誘ったのでしょうか?」
凛「そんなの私に分かるわけないでしょう!!?今起きたそこにいるヴァカに聞いてみな さいよ!!!ぁーもう!!我を忘れて宝石一個つかっちゃったじゃない!!」
セイバーがこっちを向く。とりあえず俺は・・・・。
士郎「・・・・ぁーども・・・そこにいるヴァカです」
と、どうすれば良いのか分からないのでとりあえず言っては見たが、遠坂は間違いなく今の発言で怒ってる。一方セイバーは「はぁ・・・」と落胆のため息なんかついていらっしゃいます。ふぅ〜とりあえず、下ろしてもらおうかな。
士郎「悪い、ちゃんと説明するからちょっと下ろしてくれないか?頭に血がのぼちゃって クラクラするんだ」
セイバー「凛」「・・・いいわよ!!セイバー下ろして!!」
ぁーやっと降りれたよ。んで何から話したら良いんだろう?言わなきゃいけないことが沢山あるんだよな・・・。そもそも何で魔術なんて使うんだよ。俺は希望を述べただけなのに・・・。まぁ、いいや話さなきゃ何も始まらないし・・・。
士郎「実はなセイバー・・・コミケって言うのはお祭りのことを言うんだ。
そこでは色々な人達が本を売ったり買ったりしてるんだ。」
セイバー「なるほど、お祭りですか。ならどうして凛は怒っているのですか?
お祭りなら凛も好きです。宝具まで使わせるほど
怒ってる理由が分かりません。」
士郎「・・・ん〜何でだろうな?遠坂なんで?」
凛 「・・・いいわ教えてあげる、その代わり宝石一つ買っといてね。
あんたのせいで宝石一個ダメにしたんだから」
我が家の資金で遠坂の宝石は絶対買えないのを知っていて言うんだな絶対。
まぁ、いいかどうせ買えないんだし・・・。
凛 「いい?コミケってのはね、俗に言うオタクってのがくるの。それらは人間という存 在を自ら抹消し、自分の目的のためだけに生きるようになってしまったのがオタク っていうのよ。いい?ようは彼らは死徒(みたいなもん)なのよ。それが1万2万っ て来るのよ!?」
・・・どうでもいいが遠坂、オタクの人が可哀想だぞ。しかもさすがに人間という存在からは抹消してないと思うぞ。だというのにセイバーは・・・
セイバー「なるほど、死徒ですか・・・それはやっかいですね。彼らはもう人間ではな い・・・と。しかし死徒ですか・・・だとすると死徒が集まるコミケとやらに は魔術書等が売られてるのですね。ふ〜む・・・1万2万の死徒ですか・・・」
セイバーさんもすっかり騙されてるのですね。ぁーもういいです。コミケは諦めましょう・・・・と思っていたのだが・・・・
セイバー「なるほど!!シロウはこれらの死徒を倒すために行くのですね!!
しかし3人では心もとないと凛が思う気持ちも分かります!!しかし!
なめないで欲しい!私はセイバーだ!!死徒の1万や2万私が見事倒しましょ う!!全てはシロウに捧げた剣の為に!!」
・・・セイバーさんがとことん勘違いしていらっしゃる。しかしこれはチャンスだ!!
ここで一気に押せば絶対にいける!!!
よ〜し遠坂もポカーンってしてるし、勝てる!!!
士郎「そうだ!セイバー!!俺はこれらの死徒を倒すためにコミケに行くんだ!!最近投 影の出来も順調だしな!いざとなったら固有結界(無限の剣製)があるしそれに魔 術回路は遠坂と繋がってるわけだし!うん!いけるぞ!!セイバー!!」
セイバー「はい、シロウ死徒を見事殲滅しましょう」
・・・・・・私は何呆然としてるのだろう・・・。私の説明で何故か死徒殲滅の話になっちゃったし・・・そもそも私はオタクが死徒だとは言ってない。
なのに何故こんな結果になっちゃったんだろう。
士郎「どうする遠坂。来るか?」
セイバー「凛」
ぁーもう・・・逃げられないじゃん。もういいわ、確かに東京には行きたいし当日になったらどっかで時間つぶしてればいいんだし・・・。
凛 「分かったわ、私も行く。でも死徒を倒すのは貴方達だけでやりなさい。
私の魔術回路はそのままにしといてあげるから・・・それと衛宮君?」
ぞくぅぅぅううう!!や、ヤバイ・・・遠坂が赤い悪魔になってらっしゃる・・。
凛 「今回は私の失点だから貴方の言う通りにするけど・・・私のサーバントにおかしな 格好とかさせたら・・・ガントで済むと思わないでね?」
士郎「だ、大丈夫だ。俺からは何も言わないから・・・」
こうして、コミケに行くことは何とか決まったのである。
ただし、この日の夜は遠坂は一言も口を聞いてくれなかった・・・。