もう一度巡り合う為に 第参夜


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1: ナオキ (2004/03/08 17:26:39)






授業中、昼放課、放課後、夕食時。

そのすべてを自分が出来る事の検索に当てた。

当てたのはいいのだが、

「……む、ぅ。さっぱり何も浮かばんぞ」

とまあ、こんな具合で夕食を食べ過ぎて、自分のベットにグロッキーなわけである。







色々と考えた。

衛宮士郎に接触。ダメダメ、どう接していいか分からないし、そうした所で何が変わるわけでもない。

じゃあ遠坂に、ってそれこそ駄目だろ。どう説明していいか分からんし、下手な事を話せばそれこそ命が――想像したら怖くなってきた。

それに、セイバーとの問題は今この世界の衛宮士郎が受け持つべきモノであって、今や別人の俺が何をした所でどうにかなるわけでもないのだ。

――だが、それでも。

俺は知ってしまっている。

これからこの冬木の街に何が起こるのか、もちろん死人も出るであろう戦い。

それを『俺』が見過ごせるのか。

答えは否。

けれど、介入する手段もなければ力もない。

ただの一人の人間に出来る事などたかが知れている。

分かってはいたけれど、俺の目指した理想はとんでもなく遠い所に行ってしまったようだ……。












「だけど、それでも」

やらなければならない。

見過ごすなんてできない。

遠坂やセイバーが戦っているのに、自分だけ素知らぬふりで過ごす事なんて出来ないのだ。

「……それに、イリヤも」

恐らく、あの時と同じならば、イリヤの心臓が聖杯であろう事は間違いない。

護ってやりたい。

妹のような存在の彼女を。

だから俺は――――

そこまで考えて思考が途切れた。

死の感覚が俺の全身に纏わり付いている。

「な、んだ……?」

そして家の玄関先に誰かが駆け込んでくる音。

――ダメダ、アレニチカヅイテハイケナイ、ニゲロ。

リアさんが何かを叫んでいる。

俺はその声で体の感覚を取り戻す。

そして階下へ走りこむ。








――そこには

  血塗れの魔術師と

  俺を殺そうとした蒼い騎士

  それに、自分の従姉妹であるはずの彼女の見た事もない表情があった。


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