セイバーといっしょ


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1: blue (2004/03/08 00:08:05)

それはいつもの晩御飯のあと



藤ねぇは「期末テストの採点が〜」とか、「成績表もつけなきゃいけないのよね〜」など
学生相手には、そらおそろしいセリフをのこして家に帰り

じゃんけんで負けた士郎は台所で洗い物をしている
凛、桜。それとセイバー。
女の子3人組みは食後のお茶を飲んでいる最中―


「―クルマ?とはなんですか?」
セイバーの一言からはじまった。





Fate劇場 〜凛GoodEndコース〜
―――  セイバーといっしょ  ―――





それは何気ない談笑
聖杯戦争が終わって、衛宮家にセイバーが居つき
凛も半居候。
藤ねぇはいつものことだが、桜も毎日のようにやってきている。
そんな日常が1月ほど経過した頃だった…



「藤村先生はテストの採点かぁ…そういえば、もうすぐ春休みね」

ぽつり―と
凛がめずらしくこの場にいない藤ねぇをひきあいに
近未来へと思いをはせる
おそらく遠坂凛以外のものが同じセリフを言ったら
テストの結果や成績表からの現実逃避にしかきこえないだろう。
が、あいにく彼女は完璧超人ともいえる優等生。
彼女には、そのようなものにおそれるということがないから
こういったセリフが自然にいえるのだろう




「春休みとはなんですか?凛」

一方、こちらセイバーは
遠坂凛の使い魔として現界している
凛の使い魔なのに
食費は士郎がもっているという疑問点は
永遠に解決されることはないかもしれない。


「あ、私達学生でしょ?学校には夏と冬と春にちょこっと長いお休みがあるの」
いたってシンプルに説明する凛に
「なるほど」と頷くセイバー


「春休みになったら、みんなでお花見したいですね。お弁当をつくって。きっと楽しいですよ」

間桐桜。
聖杯戦争の後、凛とセイバーが士郎の家に居つくようになってからは
衛宮家での出現率も大幅急上昇。
士郎、凛という達人にもまれて
料理の腕も急上昇。
ついでに体重計の目盛りも上昇してしまったのは機密事項だ。



「花見とはなんですか?桜」
めずらしく「お弁当」に反応しないセイバー
「あ、お花見ってのはですね、花。桜の花を見て楽しむことですよ」
今度は「ふむふむ」とうなずく

「それいいわね。で、ここらへんだと川沿いの公園かな」
「そうですね。冬木だとあの公園が一番です」
「でもあそこ混むのよね。藤村先生が免許持っていれば、車でどこか遠出っていうのもあったけど…」
桜と凛がすっかりその気で話をしていると―


「―クルマ?とはなんですか?凛」



セイバーの一言で流れが止まってしまった。
「車を知らないの?セイバー」
「知らないんですか?セイバーさん」
顔をみあわせた後、素直な疑問を口にする2人。
それに表情ひとつ変えることなく「こくん」とうなずきかえし


「はい。シロウやタイガに色々日本の言葉や単語を教えてもらってはいますが、完全ではありません。
まだまだわからないこと、知らないことも多い」


セイバーの釈明になるほどと
うなずく凛と桜。
凛にしてみれば、セイバーは伝説の時代からやってきたアーサー王。
聖杯戦争2回目とはいえ、それでこっちのすべてがわかるわけはない。
一方、桜にしてみれば、セイバーは切嗣をたよりにやってきた外国人。
彼女が日本のことに詳しくないのも、よく考えれば当然なことであった。



箸を器用に使いこなし
味噌汁も納豆も刺身も魚の干物も
平気で食べていたからすっかり失念していたが…



「―で、クルマとはいったいなんなのでしょうか、凛」
セイバーの一言で思考の世界から、現実に帰る2人
さてどうしたものかと、再度顔を見合わせてから答えをだしたのは凛だった。


「クルマ…っていうのはね。モノの名前よ」
桜は「そこからはじめますか先輩」といった表情で凛をみやるが
凛としては教える以上、間違ったことは教えられない。
最初からきっちりやってしまうのは、彼女の性格だろう。


「ふむ…クルマとはモノの名前ですか」
「そう。そして乗り物の名前。ほら、アインツベルンの城に行ったとき乗ったものよ」
「なるほど…車とはあの乗り物の名前なのですね」
そういってにっこり微笑むセイバー。
「…ですが凛。あの乗り物は『タクシー』というのではなかったのですか?」
セイバーは聖杯戦争のときの記憶をよびかえす。
「それはねセイバー。『タクシー』っていうのは、行きたい所までお金を払って乗せてもらう車のことなのよ。
だからタクシーも大きくとらえれば『車』ってわけ」
凛の説明にはよどみがない。
「そうですか。『タクシー』はお金を払って乗せてもらうクルマなのですね。また1つ勉強になりました」



「じゃあ飛行機って知っていますか?」
今度は桜だ
いつのまにかセイバーのための日本語教室になろうとしている。

「はい。飛行機は知っています。シロウに教えてもらいました」
「へぇ」とすこし興味深そうなカオをする日本人2人組。
セイバーは言葉を続ける。
「ライト兄弟によって発明されたジェットやプロペラによる推力をもって空を飛ぶことのできる機械のことですね」
「「め………めちゃくちゃ詳しいわ(です)ね……」」
どういうふうにつっこんでいいか、わからないまま
あきれたようにセイバーを見つめ、今度は凛が質問する。


「それじゃ、セイバー『船』は知ってる?」
「はい。『フネ』も知っています。タイガに教えてもらいました」
「へぇ〜藤村先生がねぇ」










「ナミヘイのお嫁さんですよね」


セイバーの大真面目な一言に
凛はテーブルに派手に頭をうちつけ、桜は盛大に畳にずっこけた
「違うっ!それフネさん!」
「藤村先生…微妙にちがってます……」
「……違うのですか?凛。桜」
湯呑みを片手に不思議そうに尋ねるセイバー。
違ってはいない。違ってはいない―
― が、2人はダメージが大きいのかまともに返事ができない。



そんな時、ちょうど居間においてあるTVの画面に1人の男性の姿が映った。
それを見てセイバーは口をひらく。
「そういえば、あの男性のこともタイガに教えてもらいました」
そんなセイバーの声につられ、身体を起こしながらTV画面に視線をうつす凛と桜。
そこにはバラエティ番組で司会をしている
サングラスをしている男性の姿



「「…タモリ?」」



「はい。皆から『グラさん、グラさん』と慕われていると…」
「「違うっっ!」」
「違うのですか…?」
間髪いれず声を揃えて景気よくツッコム2人に
「むー」と拗ねるセイバー
「『タモさん、タモさん』よ!そりゃグラサンしているけど…!」
「ビミョーにちがいますよ〜〜。藤村先生〜〜〜」





「…そうだったのですか。ではあの男性のほうはどうなのでしょう」
と、残念そうにつぶやくと、セイバーはTVに視線を投げた。
そこに映っているのは、炎のカリスマプロレスラー「アントニオ猪木」。




「アントニオ猪木のコトもタイガに教えてもらいました―― 」











「―― 春一番のモノマネをする人ですよね」




がすっっっっっ!
再度………いい音させて机に激突する2人。
凛はテーブルに額を強打。
桜にいたってはこめかみをテーブルの角に炸裂させてしまっている。



「違う逆っっ!春一番がアントニオ猪木の物まねするのっっ!」
「藤村先生!微妙に!微妙にちがってます!!」
おそるべしタイガー。
紙一重ではなく次元が微妙にずれている
第二魔法クラスの怖ろしさ。
おそろしい
あまりの怖ろしさに、凛と桜は再起不能直前にまでなっている。



「ね…ねぇセイバー他にどんな言葉教えてもらったの??」
息絶え絶えになりながらも、凛はセイバーに問いかける。
これ以上、聞くのも怖いが
このまま勘違いセイバーでこれから過ごしてもらっても困る。
すると――






「そうですね…はじめて凛と会った後、シロウから『遠坂凛』を教えてもらいました」



セイバーのさらりと言った



その一言に



今までつっぷしていた2人の耳がはねあがる!!



「な…なんて?言っていたの!?士郎は?」
「なんて言っていたんですか!?先輩は?」
微妙にユニゾンする2人。
そんな2人にびっくりしつつ、セイバーはゆっくりと答えた








「ほめ言葉かどうかは知りませんが………『あかいあくま』といっていました」





にこやかに語るセイバー
ひきつる凛
困った表情の桜
三者三様の雰囲気の中







「士郎ーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!」





凛の絶叫が居間に響き
数秒後、士郎の悲鳴がキッチンから聞えたのでした。


おわり



【さいごのたわごと】
元ねたは陣内君です
こんてにうさんの「伝説のサーヴァント」をみてから
速攻で思いついてしまいました
仕事と勉強とlast nightそっちのけでかきました(ぉい)

わらってながして
みのがしてください
blueでした

読んでくださってありがとうございました

【追記の宣伝】
似たようなネタで「制約」ってSSをこの掲示板にのっけてます
こっちもお笑いです
よかったらみてください


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