終わりと始まりの丘 その3(傾:シリアス M:?


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1: オルガット (2004/03/07 17:50:59)





 日が昇るころにに掃除を終えた、自分でも意外なほど熱中してしまって

 これからの行動や、自分の正体の隠し方を考えるの忘れていた。

 まあ、朝に弱い遠坂が起きてくるのはもっと先だろう。

 その間に考えておくかな、名乗るのはやはり、まだ召喚されていない

 「セイバー」と名乗ることにしよう、そもそも俺は剣製しかできないんだし。

 ただ普通に名乗るではなく、「セイバー」であるかもしれないと。



 ああいう最後を迎えるとわかっていた、だから理想は曲げれない。

 あの赤い騎士に言ったのだから、3人には悪いがこればかりもうどうしようもない。

 確かに3人と共に過ごす日々は幸せだったけど、この道も、きっと間違っていない。

 だから俺は、みんなが幸せになれるように、俺ができる精一杯の事をするだけだ。



 そうしてしばらく、あれこれ考えていて、ふと時計を見たら9時近かった。

 いくら遠坂でも・・・いや、凛でもそろそろ起きてくるころだろう。

 さて、朝食の支度でもしようかな、今の彼女は朝食は摂らない主義らしいが、

 あの彼女は毎朝キチンと食べていた事を思い出しながら朝食の支度にはいる。

 遠坂・・・凛が洋食好きなのはわかっているし、紅茶が好きなのも知っている。

 ならば全身全霊も持って、彼女をあっと言わせるような食事を提供しよう。




 30分程で料理は完成した、味は自分で言うのもなんだが完璧だし、

遠・・・凛の好物中心の献立にしてある。ちなみにカロリー計算も完璧だ。

 女の子3人の食事を作っているとこういう気回しもできるようなる。

 仕上げにあいつの好きな紅茶を淹れれば完璧だ、

 と・・・凛が起きた気配がする、紅茶を2人分淹れて彼女が居間に来るのを待つ。


 しばらくしてダルそうな、遠・・・凛が居間に入って来る、

 まあ、昨日の疲れが今日になってきたんだろう。

すると彼女は一瞬だけ驚いた表情を見せた後、こちらに視線を向ける。


 「おはようマスター、意外と君は朝に弱いんだな。
 食事ができている、冷めないうちに一緒に食べよう」

 そう言って椅子に座る、用意した食事は2人分。無論俺が食べる。

 そんな中彼女は呆然とした後、俺を睨みつけてくる

 「―――おはよう。そういうあんたはリラックスしてるようね。
  人の家の厨房を好き勝手使ってくれちゃってさ」

 文句を言いつつも椅子に座る彼女を見ると懐かしく、微笑ましい気がする。

 「まあ、一晩過ごした部屋だからな、どこに何があるかは把握したよ。
  ああ、それと食事を作るついでに厨房を片付けておいたから。
  もう少し荒れているかと思ったが、結構気の行き届いた厨房だったよ。
  1人暮らしの洋館にしては良い厨房だった」

 素直な感想を述べる、・・・凛は倫敦に行ってから食事関係は俺にまかせっきりで

後片付けもしない程だった、そんな彼女の厨房がここまでとは予想外だった。

 月日って残酷だよなあ。

 「・・・・・・・」

 む、なんか、と・・・凛が頭痛いって感じで頭を抑えているが、

 きっと召喚の際の疲労が今日になってでたんだろう。

 俺はなんともなかったが、正規の契約では魔力を持ってかれるからだろう。

 「どうした?食べないのかマスター?朝食を抜いたら体に悪いぞ」

 心配なので声を掛けてみる。それに自信作なのだから是非とも食べてもらいたい。

 「・・・・・まあいいけど。せっかくだし、ありがたく頂くわ」

 そう言って彼女は食べ始める、しばらく食べる仕草を観察している。

 是非ともすぐに感想が聞きたいから、・・・と思ったが。

 彼女の顔からおいしいと思ってくれていることがわかる、思わず顔がにやけてしまう。

 「・・・ちょっと。なに笑ってるのよ、アンタ」

 気づかれてしまったか、心なしか凛は不機嫌そうだ。

 ・・・今、心の中だが、遠坂の事を凛と、初めてさらっと言えた、

 ・・・ダメだ、やっぱまだ少し恥ずかしい。いや、そうじゃなかった

 「いや、感想を聞きたかったんだけど、その顔なら聞くまでもないって思ってね」

 本音を言うと懐かしさもはいってしまってにやけてしまったんだけど。

 「ごちそうさま、私は召使が欲しくてマスターになった訳じゃないわ。
  あなたもね頼みもしない事する必要はないわよ」

 両手をテーブルに叩き付けそう宣言される。
 
 まいった、どうやら怒らせてしまったようだ。

 そりゃあ食事の最中をジロジロ見られれば怒るよなあ。ここは素直に謝るべきだな。

 それに、作り手として最後まで料理を食べてもらえないのわ悲しいし。

 「すまなかったマスター、頼まれてないこと勝手にしたことも、
  観察していたことも全面的に謝る。しかし、できれば最後まで
  食べてもらえると作り手としてはうれしい」

 そう言って頭をさげる、すると凛は何やら顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。

 本格的に怒らせてしまったのだろうか?

 「わかったわ、そこまで言うんなら食べてあげる」

 そっぽを向いたままそう言う彼女、なんて言うかうれしくてまた顔が

 にやけてしまいそうだが、また彼女を怒らせる事になるので必死に押し殺す。



 さて、俺も食べるかな。

 久し振りに作った料理は、やはり思ったとおり会心のできだった。

 食べてる途中、凛がこちらを何度か見ていた気がしたが、気のせいだろう。






 さて、お食事も無事に終わりましたとさ。


 「そういえば、貴方、自分の正体は思い出せた?」

 きた、でも考える時間はあったし、ここは予定通りの言葉を口にしよう。

 「まだ、漠然として思い出せないが、時折、剣を強くイメージしてしまうな」

 一晩考え抜いた結果だ、嘘は言ってない、俺は剣製の英霊なんだし。

 これなら、自分は「セイバー」であると騙せるかな?

 「―――貴方、セイバーだったの?」

 見事に引っかかってくれた、あと一押しかな?

 「確証はないがな、剣に対し強い思い入れがあるのは確かだ」

 これでダメなら後は何か剣を投影して自らの宝具であると思わせるしかないな。

 「わかった、それで貴方の宝具はわかる?」

 一応信じて貰えたようだが、宝具は切り札とも言える存在だから。

 これがわからないと話にならないしな。ここは念を押すためにもだすべきか。

 投影する剣を慎重に選ぶ、間違っても
 
 カリバーンやエクスカリバーは投影すべきでない。

 かといって、偽・螺旋剣は射るのに効率が良い様に改良してあるため、

 通常戦闘には向かない。

 干将・莫耶は「セイバー」としての証拠に欠けるから却下、だとすれば。

 あの言葉を心の中で紡ぎながら投影を開始する。

 「宝具とはこれのことか?マスター」

 手にしたのは魔剣・太陽剣グラム、カリバーンの原型でもある剣だ。

 これなら「セイバー」として納得させることができそうだし、

 カリバーンの原型という事も手伝ってか俺と相性がよかった。

 実はカリバーンは生前、セイバーの手助けもあって投影した事あった。

 ・・・もっぱら凛の研究資金のために闇に流れたが・・・

 ちなみにエクスカリバー及びカリバーンは何故かランクを落とすことなく投影できる。

 俺の体にエクスカリバーの鞘が埋まっていた事に原因があるらしいが。

 もっとも鞘が埋まってるなんて知ったのは聖杯戦争が終わってからだ。

 「―――やっぱり、貴方セイバーみたいね」

 よし、凛は完全に俺のクラスがセイバーだと思い込んでる。

 まあ、『彼女』が召喚されるまでの間だけだが。

 セイバーではないのに剣を持てるクラス考えておかないとな



 ガッツポーズを取っている凛を見ると少し心が痛んだ。



 「それで、その剣の名前は?剣の名前から貴方の真名がわかるかもしれないし」

 やはりそうきたか、でもグラムの名を明かせば真名は勘違いされるだろうしな。

 「いや、そこまではわからない。ただ剣をイメージしたら掴んでいただけだ」

 こう言えば自分の宝具っぽいし、うん、嘘が上手くなったな、俺も。

 「分かった、貴方の記憶に関しては追随対策を考えとく。
  それと、あなたの事はセイバーって呼ぶわね。それと、
  出かける支度してセイバー。まだ召喚されたばかりで
  勝手もわからないでしょ?街を案内してあげるから」

 セイバーと呼ばれることには少し抵抗があったが『アーチャー』よりかマシだ。

 それに、『彼女』はセイバーではなく、『アルトリア』なのだから、

しばらくはこの名を名乗っても許されるだろう。

 「では、俺も君の事を凛と呼ぶことにしよう。この響きは君に似合うからな」

 昨夜マスターと呼ぶと言ったが、凛と呼ぶ、凛が何て言おうがそう呼ぶ。

 これはもう決定事項だ、絶対に覆させない。

 そりゃあ、恥ずかしいが、負けれないから。

 それに響きが似合うと言うのは嘘、偽りのない気持ちだ。

 凛は何故か顔赤らめて、そっぽを向いてしまった。、

 それと街を案内か、確かに街の事は結構忘れてることが多い、

お言葉に甘えて、案内してもらうことにするかな。


 凛の父親が使ってたと言う服を借りて着る。あの格好のままだと

 サーヴァントだと言うことがバレる可能性があると指摘されたからだ。





 ・・・そういえばサーヴァントが霊体になれることをすっかり忘れていた。

 セイバーは霊体化できなかったからさ。まあ、いいかと心の中で呟き

 先に行った凛の後を追う。



 開戦まで後わずか、それまでに、考えることが多すぎるな。




 あとがきかもしれないもの

話が全然進まないです。原作に沿ってるようで沿ってないので

 細かく書いてると進みません。

それで試しに最後の方はちょいと省略してみました。

 本当は凛が父親の服を探すのに悪戦苦闘する

エピソードがあったんですがカットされました(理由は特にないですが)探し出しても

サイズがあわなくて困る士郎に無理矢理着せる凛さんでしたとさ。

あと今回グラムを投影しましたが、どうでしょう?

 他にも候補はありましたがカリバーンの原型ということで今回出現。

 サーヴァ士郎(昔の芸人みたいだ)のメイン武器になりそうです。

 セイバーと名乗ってる以上他の武器だせませんから。

あとこのSSではアーチャーは正義の味方ENDの後に英霊になったという設定です。

故に魔術は我流だったと思うので、士郎の方が魔術はうえですが、弓兵としての力

鷹の目等のスキルは劣っています、次回はどうなるかは未定ですが続く予定です。

できれば脱字誤字等を指摘してくれるとうれしいです。


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