・・・今の状況は、どういう状況なのだろう。
現状確認。
昨日の夜、たしか嵐が来たんだ。
イリヤが家に住みつくのは、まあ、曲がりなりにも兄妹なので問題はないのだが。
『協力関係になったんだから』と、遠坂が家に居候すると言い出したときは凄かった。
藤ねぇなんか、『ダメー!イキナリお姉さんと妹ができて、挙句の果てに学校のアイドルまで居候なんて、
どこのラブコメなのよー!』とかなんとか。
ラブコメというか、ギャルゲーのような展開というか。
しかも、その嵐を混乱の極みにしたのが、体をマーボで真っ赤に染めてべそをかきながら帰ってきた鉛色の巨人が
衛宮家の庭に現れたからである。
そうか、バーサーカー。マーボは目に染みるか。
今度何か美味い物食わしてやるから泣き止め・・・
まあ、それはおいておいて・・・
右隣にセイバーが寝ている。確か隣の部屋で寝ていたはずでは?
左隣にイリヤがいる。向かいの部屋で寝ていたはずでは?
・・・OH。GOD。
コレが世に言うハーレムエンドってヤツですかい?
ていうか、まだ聖杯戦争終わってないんですが。
しかし、この状況はヤヴァイ。
何がヤバイかって言うと・・・
「先輩、朝ですよ。」
vs桜。
健気にも(最近エモノを狙う肉食獣のような目をしているときがあるような気がする)
毎朝俺の家に飯を作りに来てくれている桜が俺を起こしにきてくれるようになっていたということだ。
いや、半年前まではそうじゃなかったのだが、半年前。
『桜。もしお前が朝の6時までに起きて居間に行ってなかったらおこしに来てくれないか』
と頼んだのだ。
いや、別にそのときはまってた東鳩のピロユキがうらやましかったわけじゃ、きっとない。
向こうが幼馴染の同級生ならこっちは可愛い後輩だコノヤローとか思ってたわけじゃない。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・
嗚呼、沈黙が痛いよ。キリツグパパン。
貴方も、こういったことは経験したんですか?
(俺はそんなヘマはしないよ。)
あ、なんか今、めっちゃムカツク言葉が聞こえたような気がする。
それはさておき・・・
今、目の前の後輩はバロールもかくやと言うような目で俺を見ている。
バロールといえば、チャット友達の志貴は元気かな。
何度かアイツの家に遊びに行かせてもらった事がある。
その度に一癖も二癖もありそうな美女たちがヤツを狙っていたような気がする。
ただ見ているだけだったそのときは少しうらやましくも思ったものだが・・・
当事者になって始めて分かったような気がする。
誰もが皆自分よりも強い中で狙われる男って、喰われるのを待つ子羊の気分なんだね。
しっきー。今度お酒でものんで語り明かそうよ。
俺が生きてたらね。
・・・
「・・・センパイ?」
ああ、桜の声がめさ怖い。
部屋の隅で神様にお祈りをしてガクガクブルブルしながら命乞いしたいです。マジで。
あ、小便するの忘れてた。
「そんなに飢えてたんですか?姉妹丼ですか?ていうか犯罪ですよ?」
ああ、そう一気にまくし立てないでくれ。
「サクラ。別に犯罪じゃないわよ?」
と、俺の隣で夢の中にいたはずのイリヤさん。
「だって、わたしもう1×才だもの。」
・・・って、
『え〜〜〜〜?』
俺より一つ年上なんですか?
妹かと思ってたら実は姉だったんですか?
「俺より年上?」
「あ、シロウ。私より年下だったんだ〜。」
イリヤが『にやそ』と笑う。
・・・ああ、あんなに幼いのに俺よりも年上・・・
そんな、あんなお姉さんありかよ?
・・・有りか。
冷静に考えれば、お姉さんっぽい妹があるんだから、妹っぽいお姉さんがあったっていいはずだ。
それに、たまに結構大人っぽいし(実はこっちが年相応)
そうだ。こう言うお姉さんもアリだ。
「大丈夫だ、桜。俺は何もやましい事なんかしてな・・・」
キラリン。
と、何かが光った。
桜の落とした涙・・・ではない。
桜の手の中にある包丁が光った・・・って、オイ。
朝食を作ってたのはわかるけど、此処まで包丁を持ってくる必要はあるのだろうか?
いや、ない。無い筈なのに・・・
「こんな事もあろうかともってきておいてたんです!」
何ですとーーーっ!
てか、君はいつもそんなことを考えてるのか!
「先輩にたかる泥棒猫・・・昨夜の内に殺しておけば良かった・・・」
ああ、桜。今日の君はバイオレンスさんなんだね。
「って、ちょっとまて桜。落ち着け!」
「お兄ちゃんどいて!そいつ殺せない!」
桜になにかのりうつってる〜?
S県月宮?
ああ、もう好きにしてください。
俺はもうまな板の上の鯉です。
・・・
この後の10分間の事を俺は覚えていない。
ただ、リズセラのメイドコンビが朝食を作っていてくれたため、虎(と獅子)が暴れる事は無かったとだけ
言っておく。
続く(てかもうやめろ。)
・・・
あとがき。
どんどん話が電波に・・・
まあ、もとから電波っぽかったのですが。