聖杯はきみへの・・・8 傾:シリアス 


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1: non (2004/03/07 08:04:40)

聖杯はきみへの・・・8








「何の用ですかライダー。」





彼女は、門の守護者たるアサシンとの決闘
の前から彼女を監視していたライダーに声をかけた。



「・・・・・・・・」



彼女の右後ろの木がわずかに揺れる。
その木の影から音もなく現れたのは間違いなくライダーだった。



「私のマスターを暴こうと目論んでいるなら、この場で斬ります。」



「相談を持ってきたのです。」



「手を組んだアーチャーとランサーは強力だ。今、一番聖杯に近いと言ってよいでしょう。」



話の内容に興味を引かれたのかセイバーの殺気が薄れる。



「いくら剣のサーヴァントといえど、弓と槍を同時に相手にはできない。」



「・・・・・・・」



多少悔しそうにしながらも反論はしない。
彼女だってそのぐらいのことは理解している。



「手を組もう。と言いたいのですね。」



どこまで信用できるものか?
とセイバーの厳しい視線。



「お互いのマスターの顔を知らなくていい。
目前の敵を倒すための一時的な協力関係を私たちは必要としている。」



淡々とライダーが語る。
彼女も自分のマスターのために一生懸命なサーヴァントであると言える。
この説得に失敗すれば、間違いなく最初に飛ぶのは彼女の首だからだ。



「わかりました。ランサーとアーチャーを倒すまでの間、手を結びましょう。」



ライダーの言葉に思うところがあったのかセイバーが頷く。



士郎たちの知らないところで、その同盟は静かに結ばれていた。











聖杯を呼び出す魔方陣の準備には、三日くらいかかるらしい。


つまりあと三日、キャスターと魔方陣を守りきれば


そこで聖杯戦争は終了となる。



聖杯の魔力をそのままアヴァロンにぶつけて門を開ける。
そしてお昼寝中のセイバーをお姫様抱っこしてくるのが俺の役目だ。


聖杯戦争中に

不謹慎だな、と思いながらも、

目前にせまった再会の時に

期待で胸がいっぱいになってしまう。


「セイバー・・・・。」










理不尽な理由で遠坂に抓られた。

反撃が怖くてろくに言い返せなかった。

なんであいつあんなに怒ってるんだ?







その場にいたランサーは助けてくれなかった。


・・・もう夜食のラーメンは作ってやらん。


「そりゃーないだろ? 勘弁してくれって。」


・・・作らん。






本日の犠牲者、ランサー(ラーメンなし)。

結局アーチャーに作ってもらったみたいだが。








守りやすく、襲撃があっても周りに被害の出ない
寺で魔方陣を作ることになった。



ここなら正門以外の場所からサーヴァントが攻めてくることはほとんどない。
ランサーとアーチャーが守れば突破されることはまずないだろう。



安心したのも束の間、その日の夕方のニュースは衝撃だった。


夜間、出歩いていた人のほとんどが行方不明になったらしい。


前回の聖杯戦争から照らし合わせても容易に想像はつく。


残ったサーヴァントのうちのどちらかが魂を集め始めた。


それもかなり強引な方法で。






こんなこと許さない。




なにも知らない人を殺して食ってる奴がいるなんて許さない。





「士郎、ここで守りを固めるのが一番安全で確実なのよ。」





そんなことはわかっている。それでも俺は止まっちゃいけないんだ。













「それがお前の選択だな? 衛宮士郎。」







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申し訳ありません。めちゃくちゃ遅れました。
調子こいて「今夜か明日の朝UPする〜」なんて
掲示板に書き込んだことを深くお詫びします。
セイバー、ライダー協力ルートって書きたかったんです。
セイバーの正体はどうなってるの?
と一瞬でも思っていただければ幸いです。

注意いただいたので傾向、今回からつけます。
だれかこの作品のメインヒロイン教えてください。
悩みましたが答えが見つかりません。


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