時は現代、冬木市に間桐桜という女の子がいました。
桜は来る日も来る日も義兄に虐められていたのでとうとう殺っちゃいました。
ちょうど冬木市では聖杯戦争なる魔術師の血沸き肉躍る狂宴が催されることになっていました。
「ああ、私も聖杯戦争に参加して、他のマスターを皆殺しにして、聖杯を手に入れて、先輩と背徳的でどろどろな官能の世界に浸りたいわ。」
桜は溜め息をつきながら星を見上げました。
「何を思い悩んでおるのじゃ、桜?」
そこに、魔術師の御爺さんが何の伏線もなく現れました。
「お爺様、私聖杯戦争に参加して先輩をゲットしたい。」
「おお、そうか。桜もマキリのために働いてくれる気になったか。」
爺はボケていました。
「でも聖杯戦争に参加するにはサーヴァントが必要だわ。」
「びびでばびでぶー。」
爺が妖しい呪文を唱えるとライダーが召還されました。
「ライダー、貴女は私の下僕で奴隷なんだから命令には絶対服従よ。」
「まあ貧弱な坊やに犯されて見殺しにされるよりは、こんな性格破綻者の妄想全開娘の方がまだましですか。」
ライダーは歯に衣着せぬ性格でした。
「ああ、そういえばさっき兄さんをバラしちゃいました。」
テヘッと笑う桜。
「どうでもよいわ。」
どうでもよい爺。
「あと、こんな格好じゃ勝ち残れないわ。」
「ちちんぷいぷい。」
桜は黒化しました。
「足が必要だわ。ダイムラー・クライスラー社の『マイバッハ62』を買って頂戴。」
流石に爺はキレました。
「用済み。」
爺は消されました。
それから桜の八面六臂の活躍が始まりました。
当たるを幸いマーダーでキンリング・フィールドなジェノサイドが罪も無い一般市民を巻き込み繰り広げられたのです。
阿鼻叫喚の地獄の中、衛宮士郎は桜を守ると誓いました。
「なんでやねん。」
関係者全員がつっこみました。
「ああ、先輩。そろそろ2週間がたって聖杯戦争が終わってしまいます。私はもう帰らなければ。」
桜はアインツベルンの城から逃げるように去っていきました。
「待ってくれ、桜!」
衛宮士郎は急いで追いかけましたが追いつけませんでした。
しかし、階段に桜が慌てて置いて行ってしまったアンリ・マユが残っていました。
「このアンリ・マユにぴったりあうマスターを捜すんだ。」
衛宮士郎は国中に御ふれを出しました。
国中の女性がアンリ・マユを履こうとしましたが誰一人ぴったりサイズの合う女性はいませんでした。
最後にマーボーが大好きなエセ神父がアンリ・マユの前で衛宮士郎とガチンコの殴り合いを繰り広げました。
もう一歩の所で神父は天に召されました。
「惜しかったなあ。」
御伽噺は本当は残酷なのです。
こうして第3魔法によって衛宮士郎は一命を取りとめ無事帰還できたのです。
それから士郎と桜はライダーと一緒に幸せに暮らしました。
ある日、桜の姉が尋ねました。
「桜、幸せ?」
「はい、とっても。」
皆はなにか釈然としないなあ、と掲示板に書き込むのでした。
END