Fate/In Britain きんのけもの第二話−2


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1: dain (2004/03/04 20:09:24)

それから二月ほど、俺の生活はわりと平穏に過ぎていった。
お屋敷に詰めっきりの生活も予定通り2週間で終わり、後ははじめの契約どおり週4日半日づつのパートタイム、月に二度ほど全日詰めを頼まれたりもするがそれも特に問題とは感じなかった。
最初はあんな事件もあったことだしどんな目にあわせられるかと戦々恐々としいたのだが、特に人体実験に使われたり内蔵を抜かれるということもなく、それまで通りのごく普通のお屋敷勤めというやつだった。
変わった事といえばルヴィア嬢の工房への出入りを許された事くらい、それも二度ほど機材の搬入を手伝った程度だ。
俺も一応魔術師だから工房に興味がないといえば嘘になる。しかし、出入り自由という信頼を裏切るような真似は俺には出来ないことだった。もっとも俺ごときがこっそり忍び込んだところで大したことは分からないし、生きて出てくることも来ないだろうが…

あと、ルヴィア嬢が執事さんと俺の前では猫をかぶらなくなった。本当に俺たち二人の前ではよく笑い、よく怒り、よく拗ねる。もっともこれは俺の前だからというわけでなく執事さんだからだろう。
なにせ、あの優雅で気品溢れる礼節堅固なルヴィア嬢が執事さんには「甘える」のだ。無論べたべたとあからさまに甘えるわけではない。言葉の端々、立ち振る舞いのちょっとした隙でほんの少し気持ちを委ねるのだ。
執事さんもそれをきちんと受ける。それでいて遠慮がない。行き過ぎれば注意し、間違えれば正し、やんわりとだが叱り付ける事もある。
ルヴィア嬢が以前言った「主に対してとはいえ謂れの無い事に無闇に頭を下げるのは却って非礼ですわ」という言葉もこんな二人の主従関係から自然と出てきたものなのだろう。
正直、見惚れてしまうことがある。それがあまりに微笑ましくて、つい笑ってしまってルヴィア嬢にしたたか怒られた事もあった。




     きんのけもの
    「金色の魔王」 第二話 中編
     ル キ フ ェ ル




そんな訳で俺はこのバイトが結構気に入ってしまった。執事さんの物腰なんかはちょっと憧れてしまうほどだ。
遠坂の前でその真似をして気味悪がられたりもしたが…
ちなみにセイバーには好評だった。訳を話したら「その方はよい侍従を持っています」と感心していた。

さて、その日も俺はいつも通り午後からお屋敷に入った。
お仕着せに着替え、事務室へ向かう。普段ならそこで執事さんへ挨拶をし書斎と図書室の整理、その後お茶の用意という手順なのだが、その日は厨房の前で執事さんに呼び止められた。

「ああ、衛宮君。よいところに来た」

執事さんはそのまま俺を厨房に招きいれた。どうやら軽食の用意らしい、パンに野菜、ローストビーフにチキンと大まかにスライスされて積んであった。

「お嬢様が昨日から又お篭りに入られてね」

てきぱきとサンドイッチを作りながら俺に事情を説明してくれる。
普通の食事はコックが作るのだが、こういった軽食は昔から執事さんが拵えて供しているらしい。ルヴィア嬢が幼い頃、庭で泥まみれになりながら暴れまわっていた頃からの習慣らしい。今では想像もつかない…いや想像つくか…

「今月二回目ですか…周期早くなってません?」

俺もそれを手伝いながら応える。なんでも学院でへこまされるとその仕返しに数日工房に篭り全力で準備してへこまし返しているそうだ。へこますと数日は大変ご機嫌麗しい。で、へこまされると数日お篭り。湖に浮かぶ白鳥は人知れず水を掻くというわけだ。
今のところ戦績は五分、あのルヴィア嬢と分けるのだ、相手の実力もかくやといった所だろう。
はて…なにか引っかかる…最近似たようなことがどこかで…

「お嬢様もよいお友達を見つけられたようだ」

そんなルヴィア嬢の攻防を執事さんはそう評した。なんでも今までは一回へこまされたら次は相手を完膚なきまでに叩き伏せて来たそうだ、ここまで伯仲した戦いをして見せた相手は今回が初めてだという。
しかし…それを「よい友達」と称すのはちょっと…

「いやいや、私も昔はそういう友人と切磋琢磨したものだよ」

懐かしそうに語る執事さん。もしかしてこの人「強敵」と書いて「とも」と呼ぶ人なのだろうか…
そんな話をしている間に軽食の準備も整った。執事さんはこれを俺に預け。

「今朝の私は刀尽き矢折れ惨敗した。衛宮君の健闘を祈るよ」

と、いつもの柔らかい笑顔で物騒な事を言いながら見送ってくれた。
まぁ俺が刀尽き矢折れすることはないだろうが…頑張ってみよう。



さて、書斎についた俺はまずテーブルとソファーを片付けて軽食の用意をする。
そして隠戸のある本棚の前、作戦を練る。まずは一つ咳払いをして告げる。

「お嬢様、些か遅うございますがご昼食をお持ちいたしました」

応えはない。もちろんこの書斎の物音は下の工房にも聞こえるようになっているのだから、聞こえなかった訳ではないのだろう。集中しているか、応える気がないのか…

俺は耳を澄ます。この場所でこれだけ静かなら工房の音も少しは聞こえるはずだ。が、下から物音一つしない。ふむ、そういえば昨日からずっとだったな…俺は第三の可能性に気がつき、それ様の対応をすることにした。
本棚に設えられた魔方陣を露にし、大きく息を吸う。そしてそこに向かって…


「起きろー!ルヴィア!飯だぞー!!」


ガタン!

下から明らかに椅子かなにかが倒れた音。うわぁありゃきっと痛いぞ
続いて階段を駆け上がってくる音。
俺は一歩下がって用意した。
爆発するような轟音とともに本棚の一部がスライドした。

「シロウ!!」

そして恐ろしく不機嫌なお姫様のご入場。
俺はあわてることなく一礼し静かに告げた。

「お嬢様、些か遅くなりましたがご昼食の用意が整いました」

「シロウ〜〜」

いつもの鈴を転がすような声音からは想像もつかない、地獄の底から響くような声。
俺は頃合だとばかりに顔を上げルヴィア嬢に言った。

「ウィンフィールドさんも心配してたぞ、朝飯も食ってないんだろ?それに…」

あえて顔を見ないように視線をそらし

「居眠りしてたろ」

「シロウ〜〜」

顔は見ていないが真っ赤になっているのはわかる。

「ほら、あんまり根詰めるからそうなるんだって、眠ってたのなら峠は越えたんだろ?一服したほうが良いって」

「──────ッ!」

多分凄まじい顔で睨まれているんだろうけど、起きぬけの女の子の顔をまじまじ見るわけには行かない。
ルヴィア嬢が気がついてくれるのを待つだけだ。

「5分で支度してきますわ、それまでに用意して待っていらっしゃい」

覚えてらっしゃいっと小さく付け加えて、ルヴィア嬢はいったん工房に戻っていった。
俺はやれやれとばかりにお茶の用意をして彼女を待った。寝起きだという事を考えて大きめのカップにたっぷりのミルクティー、少し甘め。用意が整った頃、ルヴィア嬢が上がってきた。

一応従者としてざっと主の状態を確認する。髪よし、服よし、表情…ちょっとばかりご機嫌斜め、軽く口を尖らせてふんっとばかりに睨まれた。それでも怒っているわけではないようだ。
なんか…こういった女の子の表情が読める様になったってのは喜ぶべきか悲しむべきか…ちょっと悩む。

「もう少し穏便にできませんの?」

ルヴィア嬢が不満げに俺を攻める。

「いや、執事さんが今朝の攻防で万策尽きたって言っていたんだ。だから俺流のやり方のほうがいいかなと思ってね」

俺も慣れてきたものだ、そんなルヴィア嬢の文句を執事さんを盾にあっさり躱す。
ウィンフィールドったら何でそんなことまで話すの…なんて呟くルヴィア嬢を尻目に、俺はソファーを引いて彼女を待ち受けた。
今日の彼女はあっさりとした白いブラウスにベージュのスカート、その上から白いローブを羽織るという服装
髪も動きやすいようにリボンで束ね、鼻先にちょこんとかけた遮魔眼鏡が妙に似合っていて可愛らしい。

派手好みに思われがちなルヴィア嬢であるが、外出時はともかく家ではこういった簡素で動きやすい服装を好む。もちろん素材や仕立ては極上だ。ごちゃごちゃしたアクセサリーも本当は苦手のようで、彼女の専門である宝石魔術の魔具も、宝石自体のカットや素材は見事であるが装飾は清楚なデザインが多い。
対外的な部分では豪華で煌びやかな事も存分に楽しんでいるようなので、そういった派手なことも決して嫌いではないようだが、内向きな事になると潔癖症というかシンプルイズベストを信奉しているきらいがある。

もっとも単に魔術の研究中にごちゃごちゃした装飾が邪魔なだけなのかもしれない。
工房を覗いた時に気がついたのだが装具や魔術書、実験機材などを自分ルールで並べて立てていたように思えた。あれでは下手な飾りがついた服や装飾品ではそこいら中に引っかかってしまうだろう。
もしかしたら本質的な整理整頓が苦手なのかもしれない。

「あら、美味しい」

ルヴィア嬢は立ったままサンドイッチを一切れ咥えると手早くローブを脱いで椅子に座った。
実にお行儀が悪い。優れた従者たるもの主人の非は正さなければならない。執事さんの真似だけど…

「行儀悪いぞ」

俺は紅茶を差し出しながら言った。

「ごめんなさいね、だってとてもお腹が空いていたんですもの」

品よく微笑みながらお茶を受け取る。口にはすでに二切れ目が運び込まれている。
しかし…生粋のお貴族様ってのはこんなお行儀の悪い事をどうしてこうも上品に出来るのだろう?
でもまぁ言うべきことは言ったし、俺はルヴィア嬢の食事が終わるまで給仕に専念した。

「ご馳走様」

瞬く間に一斤分のサンドイッチを平らげるルヴィア嬢。実に見事な食べっぷりだった。
いや、食べる姿そのものは上品で淑やかなのだが、サンドイッチの減るスピードが尋常でなかった。なにか魔術でも使ったんだろうかってほどだ。

「また無理したんだろう、もしかして昨日から食べてなかったんじゃないか?」

食後のお茶を入れなおしてルヴィア嬢に差し出す。言葉使いこそいつもの俺だが所作は完璧な召使。我ながら器用なものだと思う。

「無理なんかしていませんわ、ちょっと無茶をしただけ」

「同じだろ?」

「あら?無理と無茶は違いますわ」

「どこがだよ」

「無理は苦しんでするもの、無茶は愉しんでするものですわ」

判るような判らないような事を言いながら俺に着席を促す。俺はいつものように予め用意していた俺のカップに紅茶を注ぐとルヴィア嬢の向かい側に座った。

「なんて使用人なんでしょう。主人を怒鳴りつけてたたき起こした上、お茶の時間に自分のカップまで用意するなんて」

ルヴィア嬢が愉しげに微笑みながら無茶を言う。

「最初はちゃんと丁寧に呼んだぞ、それにカップを用意してなかったら怒るのはルヴィアさんだろ?」

そう、これを用意させたのは正面でにこやかに俺を甚振るルヴィア嬢だ。
最初は普通にルヴィア嬢の分だけの用意をして俺は脇に控えていた。それを突っ立っていられるのは目障りだと座らされ、置物ではないのだからとお茶のお供をさせられた。挙句の果てに俺の名前入りのカップを設えさせ、忘れてこようものなら御自ら厨房まで行って取ってくる始末だ。最初は嫌がらせじゃなかろうかとも思ったが、もう慣れた。

「もう、最近は口答えばかり。あのウサギのように震えていた可愛らしいシロウは何処へ行ってしまったの?」
「男としてウサギに例えられるのはあまり嬉しくないぞ」

「それでは子猫は?梟というのも良いですわね?」

「俺は使い魔じゃなくて一応は魔術師なんですけど…」

「あら?「半人前の見習い」が抜けてましてよ」

ルヴィア嬢は軽やかに微笑みながら止めを刺してくださりました…
ま、こうやって軽妙に弄ばれるのも俺の仕事のうちなんだろう、こういう軽口を利いているとルヴィア嬢の気持ちがどんどん軽くなるのがわかる。俺としてもこんなことで喜んでもらえるなら大変嬉しい。

「それで、どうですの?学業のほうは?進んでいまして?」

「俺の場合は基礎の蓄積が少ないんでね、今ようやく知識の詰め込み終わったところかな?これからその知識を消化しながら自分のものにして行かなきゃならないけど」

「初級修了といったあたりですわね。シロウは確か専科でしたね、本科でなく」

「今のレベルでは本科には着いていけないからね。それに俺みたいに特殊な属性だと本科より専科の方が良いだろ?」

「”剣”でしたわね?専科で磨いてから本科で研究する道もありますし…それに魔術師としては返って面白いかもしれませんわ」

手を口元に当てて考え込むように話すルヴィア嬢。ちなみにルヴィア嬢の属性は”五大元素”らしい…遠坂と同じ…天才様にはかなわねぇや根畜生!というやつである。とはいえおかしな事を言うものだ。

「魔術師なのに”剣”だぞ、そんなに面白いかな?」

「いえ、そういう意味じゃなくてよ。一つの特出した属性に特化しているという事が面白いかもしれないといったのですわ」

魔術師の顔でルヴィア嬢が俺を見据えるように言った。

「魔術師の最終目標は”根源”への道。でもね、その道はとても遠いもの、そして人の才知とは限られたものですわ。なまじ広い属性ではたとえ家伝の魔術刻印の助けを借りても、学ぶべき事、突き詰める目標が多くなりすぎてしまいますの。でも、もし進む道が一つの狭い道ならば、人の限りある才知と時間でも究極の目標に届くかもしれない。そう思わなくて?」

「へぇ〜じゃあルヴィアさんなんか大変なんだ。全部でしょ?」

「あら、わたくしはそうでもなくてよ。だって才能有りますもの」

にっこり微笑んで言い切った。
うわぁ!言ってくれやがりましたよ、持てる人は。
しかし…一つ間違えれば傲慢とも思えるそんな台詞も、ことルヴィア嬢が言うと説得力があった。
傲然と己の自信と自負を込めた力強い瞳は、煌くばかりの天性の才知と誰よりも秀でた努力する意思に裏付けられている。実績こそいまだ不足しているが彼女ならそれさえも瞬く間に手に入れてしまうだろう。そんなオーラが彼女には間違いなくある。

だが俺も卑下するつもりはない。
一つの事を突き詰めれば凡庸な者でも究極に届く。そのことは言われなくても知っている。
聖杯戦争で、ある時は共にある時は敵として戦った英霊達。彼らがそれを教えてくれた。
あるものは、ただ一心に一つを突き詰める事で、唯鉄の塊が宝具をこえ魔法にさえ届く事を。
あるものは、ただ一つの技を磨きぬき人の身で、唯技をもって英霊をも凌駕しうる事を。
あるものは、ただ愚直な努力を積み重ねる事で、唯人でも英霊の剣技に匹敵しうる事を。
そしてあるものは、ただただ意志の力だけで世界の摂理さえも打ち破れる事を。
だから俺も彼らの、彼の背中を追い続けようと決めたのだ。

「怖い顔をしていますわね、シロウ」

ルヴィア嬢がえらく優しい声で呟いた。どうやらちょっと考え込んでしまっていたらしい。
遠坂のことが言えないな…

「シロウは、わたくしなどに言われなくても分かっていたようですわね。安心しましたわ」

「ルヴィアさんに褒められると、俺、増長しそうで怖いな」

「安心なさい、シロウが増長したならば完膚なきまでに叩きのめして差し上げますわ」

俺の軽口に、ルヴィア嬢は凄まじく剣呑な顔でお笑い遊ばした。完膚なきまでに叩きのめすのが楽しみで楽しみで。今すぐにでも叩きのめして差し上げますからさっさと増長なさいってな笑顔だ。
俺は頬が引きつるのを抑えながら、果敢な攻勢により一定の戦果を上げた事を以て当初の目的を達成したと考え、戦略的優位を確保するために他方面に転向することにした。
つまり話題を変えて逃げ出した。

「そういえば昨日から篭りっ放しだったんだって?周期が早くなってないか?ウィンフィールドさん心配してたぞ」

「嫌な事を思い出させますわね。シロウ…」

ルヴィア嬢はむぅーと膨れて不機嫌そうに唸った。

「大したことじゃありませんのよ。一昨日の実験でちょっぴり気分の悪いことがあっただけ。あの方、ほんの少しわたくしより上手く行ったからって『あら?ミスエーデルフェルトそんな高い宝石をお持ちなのにこの程度の成果も上げられませんの?』なんて調子で……ええ、ええ、確かにあの方は優秀ですわ。それは認めましょう…ですけどね!このまま黙って引き下るほどわたくしお人よしではありませんのよ!」

憤懣やるかたないといった顔つきで腕組みするルヴィア嬢。
……はて?どこかで聞いた様な…

ふと一昨日の晩の事を思い出した。
その日、遠坂はえらくご機嫌で帰って来た。シャンパンでないのが残念だとか言いながらワインを買ってきて、祝杯よ!と珍しく三人で飲んだ。セイバーは結構強くて顔色一つ変わらなかったが、遠坂は2杯ほどで真っ赤になってしまった。「ざまみろ金ぴか」とか言いながらはしゃぎ回るのを、セイバーと二人でベットに押し込んだっけ…


金ぴか?


俺はぷんぷんむくれるルヴィア嬢をそろそろと伺った。
午後の日差しを浴びて金色に煌く髪、簡素ではあるが一見しても最高級とわかる服装…
いかにもお金持ち、いかにもお金持ってそう
…遠坂に見せれば、きっとこう称するだろう。曰く「金ぴか」…

俺は頭の中で無意識のうちに決して組上げまいとしていたジグソーのピースがパタパタと嵌っていくのを感じた。
そういえば…遠坂も周期的に機嫌がよくなったり、工房に篭ったりしてたなぁ…
そういえば…遠坂も気に入らないやつが居るって言ってたなぁ…
そういえば…遠坂もルヴィア嬢も鉱石学科じゃなかったっけ?…

「でもこれで終わりですわ。わたくしの作品を見れば、もうぐぅの音も出ませんことよ」

喉の奥から、暗くも愉しげな声を響かせて、ルヴィア嬢は艶然と微笑んだ。

「今度こそ、あの赤い狐に目に物見せて差し上げますわ」

赤い狐かぁ…
いや、確かにあかだよなぁ
吊り目だし…きつねっていやぁきつねだよな。
あ、きつねってのも結構かわいい動物だよな、うん
俺は引きつる頬を必死で抑えながら現実逃避していた。


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