「抱きなさい。幸いセイバーは女の子だから、簡単でしょ」
いや、ぜんぜん簡単じゃないって!!!!
「わたしたちが生き残るにはこれしか方法はないんだから、
あんまり手間を取らせないでくれない?」
そ、そんなこと言われても!!
っていうか、なんかこう、ほかに方法あるような気が!!??
「もう、迷ってる暇はないの!
アーチャーがやられた以上、イリヤスフィールはすぐに追ってくるわ。
わたしたちが生き残るには、ここでセイバーに回復してもらうしかない。
わたしと、貴方と、セイバーの三人がいないとバーサーカーには
太刀打ち出来ないって理解してるでしょう!?ならやるべき事は一つじゃない!」
いや、理解はしてるけど納得、じゃなくて決心がね!?
ああ、たすけて!? セイバー!!!!
「───はい。私は構いません、シロウ」
う、うそーーーーーーーーーーーーん!!!!!!
やばいやばいやばいやばいやばいやばいヤバイヤヴァイっていうかもうイイんじゃん?
……じゃなくて!
頭の中は真っ白で
───手に残った彼女の感触
どこまでも真っ白で
───熱を帯びた体
なにかほかにないのかって必死で考えてるのに
───汗に濡れた肌
何も思い浮かばなく、て?
───嘘みたいに軽かった重さ
あれ、ちょっとまて。なんか──────
「なによ、煮え切らないわね。士郎はセイバーを抱きたくないの?
あ、もしかして不能?」
「そんな訳あるかーーーーーっっっっ!!!!!」
うがあ!!!なんか引っかかったのに今ので吹っ飛んだしーーーーー!!
「悪いけどゆっくり雰囲気作ってる余裕ないの。
士郎、ちょっと」
遠坂の腕が伸びる。
それは、一瞬の出来事だった。
遠坂はこっちの顔に手をやると、ぐい、と強引に振り向かせ、
そのまま────
──────ああ、どうしてその一瞬で思いついてしまったのか。
「っていうか遠坂がセイバーと契約しなおせばいいんじゃ?」
「へ?」
バーサーカーは倒した。
魔力の戻ったセイバーは強かった。っつーかなぜか不機嫌だった。鬼気迫ってた。
宝具で一撃。今までの話のながれとか、盛り上がりとか、一切無視したミもフタもない勝ち方だった。
「シロウのアホーーーー!!!!」とかいってたような気がするけど、きっと空耳だろう。うん。
バーサーカーの最後のせりふ。「一撃で二十回も殺されるとわーーー!」
そのあとなぜか、ちゅどーんとかいってばくはつした。……イリヤも巻き込まれてたような?
……いや、忘れよう。
……ところで、アーチャーががんばって六回殺したのってムダ?
ああ、そういえばアイツ最期になんかいってたけど結局意味は分からなかったなあ。
遠坂は勝利に素直に喜べてないみたいだった。
きっと、アイツを死に追いやったことを悔やんでいるのだろう。わかりづらいけど優しいやつだし。
「あとほんのちょっとだったのに……」ってつぶやいてた意味はわかんないけど遠坂は悪くないぞ。気に病むな。
────とりあえず、ひとつの戦いが終わった。
まだ、ほかにも敵は残っているが遠坂とセイバーが一緒だ。負けるはずがない。
遠坂なら聖杯を手に入れても悪いことなんかに使わないって確信できる。
だから、衛宮士郎の正義の味方としての戦いも、もう終わったといえる。
だけど、俺はまだ、この戦争を降りるつもりはない。
だって俺は────
できればずっと────
あの二人と共にありたいから────
………………もったいないことしたかな?
あとがきー:ss初書き。もの書くのってムツかしい。
ちなみに自分、凛マンセーなのでよっぽどキスさせちまおうかと
思ったけど、まあギャグ? だし。
ところで、皆さんは各キャラの脳内声優どうなってます?
私はランサー=三木真一郎はガチです。