黄金の一瞬は終わった。
残されたものは朽ちることのない美しいものと、
進むべき道、
到達すべきその果てへの間違いなき道標。
衛宮士郎は生き抜いた。
彼女と共に戦い抜いて、この聖杯戦争に勝利した。
失ったものは当然あり、
だけど得たものはそれ以上。
心の中、
なにものにも侵されない大切な場所に確りとある。
それがあるから大丈夫。
一歩を踏み出せる。
進んでいける。
ああだけど
ふと足を止めて振り返る
視線の先
もういない彼女に向け
卑怯だと
あれは反則だろうと文句をいう
最後
彼女が俺にのこした言葉
それは呪い
衛宮士郎を永劫に捕らえて離さないそれは愛しく温かい幸せな枷
決して解くことのない
解こうなんて金輪際おもわない
それは絆
大切な絆
それは良い
物凄く嬉しい
最高の気分だ
だというのに言うだけ言って彼女は帰ってしまった
自分の想いを告げるだけ告げて
俺の返事も聞かずに
いや
そもそも先に告白するその行為が駄目だ
こういうのは男からするものだろうに
そんなことも知らない程世間知らずなのかあの王様は
まあいい
あの少女らしいといえばらしいし
負けといてやろう
うん
・・・じゃあいくよセイバー
俺も愛してるよ
アルトリア