外伝(しりあす)


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1: わこう (2004/02/29 23:18:30)


       フェイト外伝(セイバートゥルーエンド後のお話)       
 
     
    
  其の壱




チュン、チュン、、、、雀の鳴き声が聞こえる、、、、衛宮士郎
はまどろみの中にいる。
「んーーーもう朝か、、、、、ねむ、、、昨日も遅くまでやったか
らなぁ。」
 布団の中で背伸びをする。
 そして時計を見ると、、、、、、、。
「やばっ、もう六時過ぎてるじゃないか、朝飯の支度しないと。」
 起きあがろうとして
 ドタドタドタドタドタターーーーーー!などと豪快な足音が、
ものすんごいスピードで近づいてくる。
「この軽快かつ、軽やかな足音はイリヤだな」
 などと納得していると、シャッ、と障子が開いて
「シーーローーオ、あっさだよーーーーー!」
 と、俺めがけてダイブして来られるイリヤ嬢、、、って
「ちょ、待てイリ、、」
          

           どずん!!!
 止める間もなく、イリヤボマーどてっ腹に炸裂!
 ああ、、またなんか別の意味で眠りにつけそうだ。
「ん?シロウ、朝だよ、六時過ぎてるんだから早く起きないと、シ
ロウてば。」
 俺の頬をペチペチ叩きながらそんな事を言うイリヤ。
「ごあ、、ぐぅ、、、、ぐふぉぁ、、、」
 こっちは息が出来ずに、ライブでぴーーんちみたいな感じだ。
「もう、だらしないなあ、うん、これはもうおはようのキスしか
ないよね、しかたないんだから、シロウてば。」
 などと勝手に決めるイリヤ嬢、、、いや、早くお腹の上からどい
てほしい、マジ死ム。
「イリヤちゃん、先輩起きましたか?」
 そう言いながら桜が入ってきた。そしてこっちを見て
「、、、、、っ、せ、、先輩。」
 と、驚きの表情をする。地獄に仏とはこのことだ、すまん、桜、
早くイリヤをどけてくれ。と心の中で頼み込む、、と
「先輩!イリヤちゃんに何てことをさせてるんですか!」
 などと言われる始末、、、ああ、地獄に仏なんていないんだなあ
なんて思いながらフェードアウトしていく俺、、、、、、、、、
「先輩、聞いてるんですか、、、って、先輩!お顔が真っ青じゃな
いですか!先輩!しっかりしてください!せんぱーーーーい!」
 そんな桜の叫び声を聞きながら第二の眠りにつく俺、、、、桜,
たのむから早くイリヤを、、イリヤをどけてくれ、、、。



「ふう、まったく、朝から酷い目にあった、イリヤ、頼むから寝て
いる人の上にヒップドロップを落とすのは勘弁してくれ。」
「ふんだ、だったらシロウがちゃんと起きればいいだけの事じゃな
い、寝坊するのは今日で六日目よ、人がせっかく起こしてあげてる
っていうのに、もう、シロウのバカ。」
「う、、」
 そうなのだ、イリヤの言う通り今日で寝坊するのは六日目になる
ここのところ、夜の鍛錬で少しコツがつかめた所があるので、それ
を忘れない内に自分の物にしようと、毎晩遅くまで鍛錬を続けてい
る結果、朝寝坊を六日間連続してしまうという情けない事になって
いる。
「ああ、悪かったイリヤ、この通り謝るから次はもうちょっとやさ
しく頼む、なっ。」
 手を合わせるゼスチャーをする
「んーもう、シロウだから許してあげるんだからね、それとしかた
ないから次はすごくやさしく起こしてあげるね。」
 すごくやさしく、という点が気になるがよしとしよう。
「サンキュ、よろしく頼む。」
 そんなやり取りをしていると
「先輩もイリヤちゃんもお喋りはそれくらいにして、朝ご飯にしま
しょう。」
 と、桜がおぼんを手にやって来る。
「おう、桜、悪いなここの所お前に頼りっぱなしだなこれじゃ師匠
なんて偉そうなこといえないな。」
「いいんですよ、先輩、私はそのほうが嬉しいですから。」
「いや、そうは言ってもだな、、、」
「いいからはやく先輩も座ちゃってください。お料理が冷めちゃい
ますから。」
「ああ、解った。」
 そうしていつもの朝食が始まる、今日は、ごはん、大根の味噌汁
焼き魚、出汁まき卵、ズバリ和食だ、イリヤは外国育ちだが和食は
わりとお気に入りらしい、箸のつかいかたは最初は苦労していたみ
たいだが、桜に教えてもらってからメキメキと使いこなしすように
なり、今ではナイフとフォークのように巧くあつかっている。そし
て、朝食が終わり、俺と桜は学校へ向かう。
「じゃあイリヤ、俺逹は学校へ行くけど外に出るときはちゃんと戸
締りをして出るんだぞ。」
「むう、それくらい解ってるわよ、シロウこそ学校で居眠りしない
ようにね、桜も気をつけていってらっしゃい。」
「はい、いってきますねイリヤちゃん。」
「ん、いってきます。」
 そして二人歩き出す、
「ん、なにか忘れてるような、、、、、、、」
 そう考えていると後ろからバイーンなんてバイクの音が聞こえてき
てついでに、
「うわーん、イリヤの悪魔っ娘!−−−、朝ご飯食べ損なったじゃな
いかーーー 、バカーーーーーー。」
 なんて、ドップラー効果を残しながら藤ねえが通り過ぎて行く、
「そういや藤ねえが居なかったんだ、あまりにも平和だったから気づ
かなかった、」
「先輩、それは酷いかと、」
「でも待てよ、桜、最初から藤ねえの分、用意してなかっただろう。」
 そう言うと、桜は言いにくそうに、
「えと、、イリヤちゃんが藤村先生の目覚ましは止めてきたから朝ご
飯は用意しなくてもいいと、、、、。」
 なるほど、それであの悪態か、、、しかし、イリヤも藤ねえには本当
に容赦ないな、、、、ちなみに今の力関係は、
       イリヤ>            フジネエ
 こんな感じ、がんばれ藤ねえ一生勝てないだろうけど。
 そして歩いていると、
「おはよう、衛宮くん、それに桜。」
もう日課になりつつある挨拶が聞こえてくる。
「おはよう遠坂、」
「おはようございます遠坂先輩、」
 挨拶を交わして一緒に歩いていく、もう当たり前になりつつある風景
桜が朝練に出る時は、俺と遠坂の二人になる、、、ただ近頃は桜が朝
練にあまり出ないので三人で行くことがほとんどだ以前、桜に、
「副主将が、朝練に出ないのはまずくないか?」
 と聞いた所、
「朝練は自由参加ですし、ちゃんと主将には許可をもらってます!それ
とも先輩は、私が朝練に出ていたほうが都合がいい事でもあるんです
か!」
 などと怒りながら返されたので、
「いや、、問題なければいいんだ、、うん。」
 と、答えるしかできなかった、なぜ桜があの時、怒っていたのかいまだ             
に不明だ。
  

 そして学校に着き俺逹はいつもの日常を始める、、、、、、、、、、、、、。





                昼休み




 昼飯を食べ終えた俺は、遠坂のクラスに来ていた。
 えーーと、遠坂のやつは、、、、、と居た、どうやら丁度昼ご飯を食べ終             
えた所らしい、ナイスタイミングだ。
「おーーーい遠坂!ちょっといいかーーー!」
 遠坂の名前を呼ぶ、、、、、、あっ全員がこっち向いた、、、えと、遠坂は
、、、居た、笑顔でこちらに歩いてくる、歩いてるはずなのだがものすごく
速い、そしてこっちの裾を掴むと、問答無用で引っ張っていく。
「お、おい、そんなに引っ張ったら服が破けるだろ。」
 しかしこっちの抗議の声も無視して。
「いいから早く来なさい、衛宮くん。」
 なんて極上の笑みで言ってきた。
 やば、ものすごく怒ってらっしゃる。
 そして屋上、、、、、、、、、、、
「なに大声で人の名前呼でんのよっ、バカじゃないのっっっ!」
 第一声はそんな言葉だった。
「悪かったって、ちょっと考えが足りなかった。」
「ぜんっぜんっ足りてないわよ、このバカ!」
「うーー反省してる、次からは気を付けるからさ、」
 そう言うと、
「もう、で、何の用、士郎が私のクラスに来るなんて珍しいじゃない。」
「ん、ああ、ちょっと聞きたい事があってな、、、」
 そう言うと、遠坂はスッと目を細めて、
「魔術がらみかしら、、、」
 そう言いながらも顔はすでに魔術師の顔になっている。
「ああ、そうたいした事じゃないんだけどな、、、なあ魔力量てどうやった
ら増えるんだ?」
 ストレートに聞いてみた。
「はあ?いきなりなに言ってるのよ。」
「いや、俺って魔力量が少ないだろ、だから増やすにはどうしたらいいか
なって、、、」
「魔力量ねぇ、て、アンタまた何か無茶やってんじゃないでしょうね!」
「やってない、やってない、第一無茶なんかやってたら学校に来れないだ
ろ。」
「むっそれもそうか、じゃ、本当にそう思っただけなんだ。」
「そうそう、体を鍛えるのは解るけど、魔術に関しては全然素人だからさ。」
 頼む、なんてジェスチャーをする。
「ふう、ま、向上心は認めるけど、魔力なんてそう簡単に増えないわよ。」
「う、、、やっぱり無理か、、、、」
 肩を落としながら言うと。
「んーーーー、手がない事もないんだけど、、、。」
「ほ、、本当か!」
「よし!士郎、放課後、家に行くわよ。いいわね。」
「家って遠坂のか、俺はいいけど、、、」
「よし、じゃ、放課後校門の前で、いいわね。」
「ああ、解った校門の前だな。」
 そうしていると丁度、昼休み終了のチャイムが鳴り響いた。




               放課後

            

 そして、やって来ました遠坂邸、、、、、いや、いつ見てもでかい!俺の家
の場合は広いだが、遠坂の家はとにもかくにも大きいがぴったりくる。
 と、そんな事を考えていると
「何ぼーとしてるのよ、早く来なさい。」
  なんて声が聞こえてきた。
「ああ、悪い、今行く。」
 そう答えながら遠坂の後を付いていく。
 そして、、、
「ガリガリゴリゴリガリ。」
 部屋に着いてから、遠坂はずっとナニかをすりつぶしている。
「なあ、遠坂、ちょっといいかな、」
「ん、何、」
 振り返らず返事をする遠坂。
「さっきから何やってんだお前?」
「何って、薬を作っているに決まっているじゃない。」
「そっか、やっぱり薬とかで増やすしかないのか。」
「まあね、でも分量が難しくてね、少しでも間違えたら魔力が減りすぎるから。」
「なるほど、減りすぎるか、、、ん?」
減りすぎるって
「おい遠坂、減らしてどうするんだよ、俺は増やしたいんだぞ。」
 そんな抗議の声を無視して、
「ふう、だいたいどうやったら魔力量が増えると思ってるのよ。」
「え、えーーと、あー、んー、その、」
「はあ、どうせ考えても解んないだから素直に聞く、いい、魔力を増やすと言って
も増やす薬を飲んでも意味ないの、例えば30しか入らない器に40入れようとし
ても入るわけないでしょ。つまり魔力を増やすには器を大きくする必要があるの
やり方は簡単よ、30の魔力を30日で消費するなら半分の15日で消費する体に
するの、そうすると体が今までのままじゃだめだと判断してその消費する魔力
量に対応して増えると言うわけ、解った?」
「んーー、なんとなく、要は筋肉みたいなものか。」
「まあ、そんな感じかな、、、、、、よし出来た。」
 そうして紙に乗った黒い粉をテーブルに置く、うーん見るからに怪しそうだ、そ
して遠坂は水の入ったコップを置いて、
「じゃ、さっそく飲んでみて、」
 なんて言ってきた。
「大丈夫なのかこれ、」
 思った事を口にする。
「むっ大丈夫に決まってるじゃない、誰が作ったと思ってんのよ。軽量スプーン
出すから飲んでみて。」
「ああ、これぐらいならスプーンなんて要らないよ、」
 そう言って一息に全部飲む。
「うげぇ、ムチャクチャ苦いぞこれ、」
 なんて言いながら遠坂の方を見ると、
「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、」
 呆けた顔をしてこっちを見ていた、でもすぐ顔をハッとさせると、
「あ、あんた何考えてんのよの!それ一週間分よ!」
「え、、、、、うそ!だってちょっとしか無いぞこれ。」
「ああもう!いいからしっかり意識たもってなさいよ!中和薬作るから!」
「意識たもてってどう言うこ、、、、」
 そこまで言って、カクン、と膝が折れた。
「あ、あれ、なん、、だ、力が、入ら、、、な、、い、、、」
 気化している、衛宮士郎の魔力がものすごい勢いで文字どおり気化してゆく
「−−−、−−、−−−−−−−、−−−−−−。」
 遠坂が何か言っているが聞き取れない、自分自身を抱きしめ必死に意識を繋
ぎ止める。冗談じゃないこんな所でくたばってたまるか!俺は正義の味方になら
ないといけないのだから。
 、
 、
 、
 、
 、
 、
「いい、くれぐれも分量間違えるんじゃないわよ。」
 中和薬を飲み(飲まされ)なんとか落ち着き、その後、説教を一時間ほど聞き、
なんとか一週間分の薬を作ってもらいそして今に至る。
「解ってるって、また、ああなるのはこりごりだからな。」
「どうだか、、、おかしいと思ったら、すぐ中和薬のみなさいよ。」
「了解、遠坂、今日はありがとな。」
「まあ、これくらいどうってことないけど、、、、、また明日、衛宮くん。」
「おう、また明日、遠坂。」          
 そうして遠坂の家を後にする。





                    夜





「うん、おいしい、食事がおいしいのはやっぱりいい事だと思うの。」
 満足そうにシチューを食べながら、イリヤはそんな事を言う。
「そうか、気合を入れたかいがあった。」
「本当、すごいです先輩、どうゆうふうにして作ったんですか?」
「ふっふっふっ、こればかりは企業秘密だからな、桜でも教えてやら
無ないぞ。」
「あー、先輩ずるいです、教えてくれてもいいじゃないですか。」
「んー、まあ今度な、その時を楽しみしていてくれ。」
「はい!先輩。」
 そして突き出されるお皿。
「士郎、おかわり。」
「、、、、、、、藤ねえ、三杯目は静かに出せ、て教えられなかったのか
?」
「む、いいじゃない、おいしいんだから。」
「いいけど、たくさん作ったから。」
 藤ねえの皿にシチューを注ぐ、
「ふう、そんなんだからタイガ、太るのよ。」
「なっそんな事ないもん、たった一キログラムだけだもん。」
 、、、、、太ったのか藤ねえ、、、、、、。
「太ったことには変わり無いでしょ、まあ、私しにはどうでもいい事だけ
ど。」
「うーーいいの、成長期だから!」
「藤村先生、それは無理があるかと、、、、、、」
「あっシロウ、私もおかわり。」
そうしてイリヤが皿を出してくる。、、、、、、、、イリヤこれで四杯目だぞ。
 、
 、
 、
「じゃあまた明日、シロウ。」
「あやすみなさい、先輩。」
「ちゃんと戸締りするのよ、近頃誘拐とか強盗とかが多いんだから。」
「ああ、解ってるってちゃんとしとくよ。おやすみみんな。」
 そしてみんな帰り、この屋敷には俺一人になる。
「さて、やるか!」 
 そうして魔術師としての時間が始まる。




               鍛錬

「くーーー、やっぱきついな。」
 遠坂の薬が効いてるのか、何もしていなくても魔力が減っているのが
解る、、実はイリヤにはこの事はばれている、帰って顔を合わせたとた
ん、
「シロウ、変。」
 と、いきなり言われた。そして桜にも、
「先輩、体調、悪いんですか?」
 などと聞かれる始末、イリヤには説明して、桜には大丈夫と言ってお
いた、藤ねえは、いつもどうりだった、、、薄情者、、、。
「まあいいや、始めよう。」 
 意識を集中する、いつもの土蔵の中、いつも通り自分だけのオリジナ
ルスペルを唱える。
「投影、開始」
 そして両手に手応えが現れ目を開く。
「だいぶ巧く出来るようになったな。」
 両手にはそれぞれ、黒と白の短剣が握られていた。
 その名を「陽剣干将、陰剣莫耶」そうアーチャーが使っていた剣だ、
なぜこの剣を投影しているかと言うと、無難だからだ、俺が出来るのは
この投影だけだ、強化も出来るがこっちの方が戦力になると思ったか
らだ、しかし、カリバーンやらエクスカリバーなんかを投影していてはこ
っちの体がもたない、かといってただの剣なぞ投影しても意味が無い、
そうやって色々考えていると、ふと、アイツの剣が浮かんできた、アイ
ツの剣はランサーに殺されかけたあの日に見ただけだが、何故かは
っきりとイメージ出来た、アイツが使っていたというのは気に入らない
がそんな事は言ってはいられない、たとえそれがどんな事でも少しで
も強くなれるなら、それをかき集めなければならない、見栄とかプライ
ドとかそんな事は気にしてられない、俺は強くなりたいんだ、、、、
            


             "全てを守れるくらいに。"



 そしていつも通りの事を繰り返す、辛いとか苦しいなんて考える暇が
あるなら体を動かせ、俺は人が傷つく所なんてもう見たくないんだ、だ
から動く、目指している場所なんて解らないけど、いつか辿り着けると
信じて、、、、、、、、、、、、、、。



    これが今の日常、ちょっとトラブルがあったりでも暖かい今。






          だから解らなかった、すぐそこまで、、、、、
              






             濁った闇が来ていることに。





 
                其の壱了


   
             あとがき
 にゃんか二回目投稿にして長編か?、、、、、えーまあこれ書くのに一週間
かかったし次は何時になるかもわからにゃいんでテキトーに流してください
にゃ。あと設定にゃんかわあまりきにしないでにゃ自己満足でやってるから
えーーーーーーーーーーーーーーまたにゃのです!(脱兎)  
 


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