ちょっとヘンなFate3 傾「ギャグ」


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1: もっさん (2004/02/27 03:25:00)

〜プロミスト・サイン(セイバー初登場時のランサーとの戦い後)〜

「------おまえ、何者だ」
半歩だけ後ろに下がって問う。
「?何者もなにも、セイバーのサーヴァントです。…貴方が私を呼び出したのですから、確認するまでもないでしょう」
「セイバーのサーヴァント……?」
「はい。ですから私のことはセイバーと」
さらりと言う。
その口調は慇懃なくせに穏やかで、なんていうか、耳にするだけで頭の中が白く-------

「------------っ」
………って何を動揺してんだ、俺は………!

「そ、そうか、ヘンな名前だな」
「……俺は士郎。衛宮士郎っていって、この家の人間だ」
「--------------」

「いや、違う。今のはナシだ、訊きたいのはそういう事でなくて、つまりだな」
「解っています。貴方は私の事が好きなのですね」
「え……?」
「しかし、それでも貴方は私のマスターです。主人が愛してしまった奴隷のために命を捨てる、という展開も中々燃えるものがありますが、意味ないし迷惑なのでそんなことをする必要はありません」

「う……?」
やばい。
彼女が何を言っているのか聞き取れているクセにちんぷんかんぷんだ。
判っているのは彼女が、俺のことをマスターなんて、とんでもない言葉で呼んでいることぐらい。

「それは違う。俺、マスターなんて名前じゃないぞ」
「それでは雑種と。ええ、私としては、この発音の方が好ましい」

「っ………!」
彼女に雑種と口にされた途端、顔から火がでるかと思った。
俺はこの時、自分の密かな性癖に気づいてしまった。
                      
                      BAD END   
 



〜デュオ(言峰と組んで樹海へ)〜

『で、協力するって、何を協力するんだよ』
『…ふむ、さしあたっては足だな』

…なんてやりとりの後、言峰はすぐさま運転手付きの車を用意したのだ。
正直、その点だけでも助かったと言える。
深夜の三時過ぎ、得体の知れない学生一人を郊外まで乗せてくれるタクシーは少ない。

「戻ってくるのがそこの少年だけ、という事もある。その時は良くない状況だ。私の帰りは待たず、全速で町へ戻れ」
淡々と運転手に指示を出す言峰。運転手は無言で頷き返し、車のトランクを開けた。



と、びょ〜〜んとびっくり箱のようにバネの付いたピエロが飛び出した。
ピエロには「大成功」と書かれた垂れ幕がついている。


「-------衛宮。得物だ、持っていけ」
「え?」
ぽい、とそのピエロを投げてつけてくる。
「っと。………って、なんだこれ、剣か?」
「ピエロだ」
「……教会専用の武器か?なんか遊び心を感じるけど」
「黒鍵という。更にいうなら魔術ではなく秘跡だ。
それを使うような事態にならないように心がけろ。
-----------行くぞ」

俺とは違い、神父は空手で森へ歩きだした。
黒鍵は捨て、俺も空手で歩き出した。




〜一成を脱がすところ〜

はあ、と深呼吸して一言。
「一成。何も聞かずに上着を脱げ」
きっぱりと用件だけを口にした。
「な、何ですとーーーーーー!!!!???」
「だから制服を脱げ。上着だけじゃなくてシャツもだ。裸じゃないと意味がない」
「っーーーーーなななな何を言い出すかと思えば正気か貴様っ!?あれか、新手の押し問答か!?そもさんなのか!?」
「そう、せっぱせっぱ。いいから脱げ。放課後になったら手遅れなんだからっ!」
ええい、と一成に掴みかかる。
「うああーーーーー!ええい、やめぬかたわけ、貴様それでも武家の息子かー!」




……やぶれたシャツを抱きしめて涙を流す一成を尻目に、俺はタバコに火をつけた。
深く吸って、はきだす。ふぅ、うまい。

「良かった。いや、ほんと良かった」
うんうん、と一人頷く。
令呪もなかったし。




〜花鳥風月〜

「----------------行け」

視線を合わせることなく剣士は告げた。
その言葉にどれだけ意の味が込められていたのか。
セイバーは剣を引き抜き、全速で階段を駆け上がっていく。

「ふ--------美しい小鳥だと思ったのだがな。その実、獅子の類であった」
呟いて、それも当然、と剣士は笑った。
燕でさえかわせぬものをかわしたのだ。それが愛でるモノである筈がない。

「---------ふむ。女を見る目には自信があったのだが。どちらも修行不足という事か」
一人ごちて、剣士を肩を竦めた。
そのカタチ-------雅な陣羽織は、既に色を失っている。
腹を突き破られ、鮮血に濡れた足元さえ希薄。
それを事も無げに見下ろし、さて、と石畳に腰を下ろす。

木々が揺れる。
山頂からの吹き下ろしが雑木林を揺らしていく。
花が散り鳥が消え風が止み、虚空の月さえ翳った頃。


そこにいた筈の剣士は、その存在自体が幻だったかのように、跡形もなく消え去っていた。
「小次郎詩集」と書かれたノートを一冊残して…



〜凛ルート、凛に学校で襲われるところ〜

鞄を手にとって廊下に戻る。外は茜色にそまっていた。
夕日は地平線に沈みはじめ、あと一時間もすればすっかり暗くなるだろう。

三階の階段に着く。
鞄をぶら下げて帰路につこうとしたその時、かたん、頭上で物音がした。
「?」
顔をあげる。
とそこには----------------

四階に続く踊り場で仁王立ちしている、遠坂の姿があった。
「あれ。遠坂、まだ残ってたのか?」
「………………………………………」
返答はない。

「?なんだよ、話がないんなら行くぞ、俺」
ほら、と鞄を目の前に上げて、今から帰るんだ、というジェスチャーをしてみせる。

「-----------------ハァ」
「呆れた。サーヴァントを連れずに学校にくるなんて、正気?」

そう、感情のない声で呟いた。

「正気かって、そんなの当然だろ。だいたいセイバーは霊体化できないんだから、学校に連れてこれるワケないじゃないか」




「………………………………………」
返答はない。


「-----------------ハァ」
「呆れた。サーヴァントを連れずに学校にくるなんて、正気?」

そう、感情のない声で呟いた。


「????」
なんかヘンだと思って近づいてみると、それはよくできた「仁王立ち遠坂人形」だった。
定期的に同じセリフを繰り返す仕組みになっているようだ。
どうりで感情がない声だと思った。

取りあえず家に持って帰った。


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