想い人、桜を助けるため最後の力で”この世すべての悪”アンリマユを打ち滅ぼした士郎。
死の顎に飲み込まれんとしたそのときイリアの第三魔法により彼は復活した。
しかしその魔法は完全でなかった。
不完全な魔法でよみがえった士郎。
皆の前に姿をあらわしたとき、彼のその姿は・・・
【シロウリーナ・シロウリーナ・シロウリーナ】 第一回。
〜ワイルド・ワイルド・イングランド編〜
ゴクリ。
唾液で喉を潤す。
それは、緊張している。という状況下において、
人間が不安を飲み込んで、意志を固める。ということを示す。
それは、第三者的に見れば、侮蔑か、嘲笑か。
最高でも困惑。人間が出来ていれば幸せそうだな。
ちょっと困った人なら楽しそうだな。やってみたいな。
とか、思えてしまうのだろうが。
この花の前に立つものの前に、そんなものはない。
誰もが、人為レベルでは解決できないわけではないんだが、問題を持つか。
何かがが、時間的猶予の無い。
平易に言えば、切羽詰っていているか。
或いは、形振り構っていられない。という現実以外は。
―――――この華に問え。運がよければ答えてくれる。
【Case-01】 名門貧乏宝石魔術師の末裔 R.T の場合。
聞いてシロウリーナ〜♪ちょっと言いにくいんだけっど、
聞いてシロウリーナ〜…
『……………まずいわね』
『何が』
『うわっ、喋った』
『当然だろ。俺は魂を持つ華、シロウリーナだ。さあ、君の悩みはなんだい?』
『あ、そっか。あんた今花なんだっけ?』
『ああ、まあ。例の黒いののお陰で』
『それは…前者はいいのか…色々…』
『微妙にブラック士郎だからその程度の魔力でのつっこみは無駄だ』
『家のロックの触媒に使っていた11番。出すわよ』
『どうなっても知らんぞ』
『どうなるっていうの?』
『俺はブラック。故に』
『故に?』
『料理にイカ墨を…』
『………』
『しかも和食に。ブラック味噌汁』
『…悪かった。つっこみません』
『よきに計らえ』
『くっ……』
『で、何がまずい。ライダーさんが美人か』
『それはそれでヒロインとしてまずいけど…事態はもっと火急』
『ほう。たまには話してみると解決するかもですよ?』
『なに、その口調。ねえ。 …ともかく、嫌よ』
『なんでさ』
『解決した事が無いから。自分で何とかしてみせる。トオサカの名にかけても』
『それで、いつも一人でポカして…と』
『……知ってる衛宮君。植物って栄養剤入れすぎると枯れるのよね』
『桜の涙とライダーの静かな怒りを買いますが如何致しますか』
『………』
『まあ、話すだけはなしてみろよ』
『…………』
『さぁっ!』
『…無いのよ』
『何が』
『……お金が。生活費が』
『そんなこと言ったって、月の初めだろう。まだ』
『目、あるの?』
『……………』
『………………(ちっ)』
『…理由、聞いて欲しいか?』
『スルーされた』
『…聞いていいな。話が進まない』
………コクリ。
『なんでさ』
『…スッた』
『何で』
『…麻雀』
『……………』
『……つい、負けたくなくて』
―ーーールヴィアゼリッタにか。
コクン。
聞いてくれてあーりがっとシロウリーナっ♪
『…で、何かくれないの?』
『種ならまだだ。だって、受粉しようにも虫が来ない』
『………』
【黒髪の似合う知的な女性には麻雀が似合う。という持論】
【Case-02】 王様 (仮にA氏とする) の場合。
聞いてシロウリーナ〜♪ちょっと言いにくいんだけっど、
聞いてシロウリーナ〜…
『…ふむ』
『どうした、嬢ちゃん』
『むっ、何者か!? 姿を見せず在るとは無礼であろう』
『いや、ここだよ。ここ』
『ん…なっ……花…なのか? 幻夢の類か何かか…』
『これが夢なら、起きればいい。次に目を瞑っても結果また俺が現れるぞ』
『そうか、ではそなたが何者かだけ教えろ。敵か、味方か』
『俺は花。あと細かいことは言いっこナシだ。王様。』
『ほう…で、その花が、我に何用か』
『いや。何か溜息ついてたみたいだから…ちょっと飛んできた』
『何をだ』
『時代とか、場所とか。いろいろ』
『…そなた。私を王と知った上での無礼か? 魔術師に引き渡してくれよう』
チャキっ。
『なんでさ』
『その様、言葉。我を揶揄しているとしか…』
『戦で心が廃れてしまいましたか。そうですか。残念です』
『………誰か、誰かおらぬか?』
『まあ、落ち着いてくれ。耳はあるんだろう』
『健在だ。それが、どうかしたか』
『取りあえず言葉の綾だ。我らが王の広い心で聞き流してくれ』
ただでさえ原作叩き壊してるんだから。
『………』
『…………』
『……うむ。よいだろう』
チャキ。
『まあ座って。本題に戻ろう』
『……これも一興だ。付き合ってやろう』
『ありがとうございます、陛下。で、何か悩みでもあれば、聞くけど』
『………』
『言ってみろよ』
『………』
『……………』
『…いや』
『ああ』
『部下の兵士に…聞きたい事があるんだが』
『ほう』
『サー・ケイなどは、信頼の置ける人物だ。ベディヴィエールなどは、
優秀だが実直すぎて…適さない。なんにせよ尋ねてみようとは思っているのだが』
『まあ、言ってみろ』
『何故そなたに言う必要があるのか』
『独り言だよ、独り言。 聞いても俺は何も出来ない。花だから』
『でもそなたは口が利ける』
『………それは、言わないでくれ』
『ならば、信用には足りん。誰にも言わぬ。異界へと消え去るがよい』
『なあ。…少し、弱音吐くくらいいいんじゃないか?』
『…………』
『……………』
『ふう、参ったな。 気の迷いか』
『そうそう』
『その…な。料理が…雑なんだ』
『…具体的には』
『時折、塩辛い』
『…後は』
『極稀に、酸っぱい』
『……他には』
『香草の匂いで何か誤魔化しているような節がある』
『…まだ、あるのか?(ドキドキ)』
『食事の後、時折だが具合が悪くなったり、眠くなったり……』
『…………』
『精神力と加護で重くはならんので、気にはしていないんだが…』
聞いてくれてあーりがっとシロウリーナっ♪
『…俺が、料理作ってやろうか』
『そなた、花だろう?』
【EX-Stage】 青いの(頭文字K)の元マスター の場合
聞いてシロウリーナ〜♪ちょっと言いにくいんだけっど、
聞いてシロウリーナ〜…
『ねえ、教えて』
『趣旨が違うな。別をあたってくれ』
聞いてくれてあーり…
『いいじゃない、サービスしなさい』
『……っていうか、あんた誰』
『私? わたしは…』
『あーあーあー、思い出した。 あんた…』
『そうよ!』
『確か旧戦友にのこのこついていったら、後ろ斜めからバッサリの自称武闘派』
『………』
『一介の高校生三人組に負けて、立ちグラナシ、セリフナシの…』
『…………』
『青いのの元マスター』
『…………………』
『どうした?』
『……私、どうすればいい? どうすれば出番もらえる? 』
『知らんな』
ワイルド・ワイルド・イングランドってサブタイつけたらイングランドキャラって他に思いつかなくって致し方なく出演なんだから。
それでもネタ的にどうかと思ってエクストラ扱いなんだから。
聞いてくれてあーりがっとシロウ…
『知らんなじゃなくて……アドバイスくらい…』
『だって、まだこれからだろう』
『え?』
『原作で出番なくても、色々可能性はあるだろう』
『……』
『軋間さんとか見てみろ。お祭りで一気にラスボスだぞ。ラスボス』
『………あ』
『都古ちゃんだってそうだ。格ゲーで隠しシナリオ位置取り。美味しい。』
『………うんうん』
『他にもアニメになった途端、死なない、吸血鬼にならない。メインヒロインに意見 も言えるようになった彼女とか』
『はいっ…希望を捨てずにがんばりますっ!』
聞いてくれてあーりがっとシロウリーナっ♪
『まあ、ポストさっちんは無理だろうけどな』
『!』
【次回予告】
虫が来れば受粉しますと言った言葉に連中がやってくるかもしれないが、
やってきても書かないかもしれない。
こんばんは。お初お目にかかります。F★Gです。
SSは読まない、書かないだった私ですが…
FATEキター!!って言う事で。
叩かれるの覚悟でやってみました。
…本当ギャグとか苦手で。
酷評をお願いします。
それでも好評ならば、続きとか、真面目なのとか、書きたい。
真面目なの。うん。
なお、製作に当たりまして、もう色々と世話になりました。
tao氏、謝々。