空の月4


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1: うり坊 (2003/12/31 15:48:00)

結局は昨日と同様に女性陣に桶を投げられたのだが、今回の違う点と言えば、屍の数・・・・その数、4体
「本当に懲りない人です。」
秋葉は湯に浸かりながら愚痴をこぼす。
「私は別に見られても平気だけど?」
アルクェイドが平然に言う。
「あなたが平気でも私が恥ずかしいんです!」
「胸が小さいから?」
ここで水爆級の爆弾発言。
確かにアルクェイドの体はモデル以上の美しさを誇っている。
それに比べて秋葉の体は・・・・・
蟻と象、月とスッポンと思う一同(一人を除いて)
「殺す!」
髪を真っ赤に染めて般若の形相になる。
お湯が少し冷めたような気がするのは気のせいか?
「秋葉様、落ち着いてください!」
と暴走しかけ秋葉を琥珀と翡翠が背後から両腕にしがみつきながら止める。
しかしそれでも二人を引きずる。
「離しなさい!琥珀!翡翠!この泥棒猫を殺さないと気が治まりません!」
今も平然と湯船に浸かりながらニコニコしている呑気な白い猫
「お前らうるさい!」
唐突に鋭い言葉が秋葉に飛ぶ。
「ぐっ・・・」
――敵対関係である両義家の者に注意されるとはあまりにも悔しい!
「ねえ妹?」
この険悪なムードに先程の口論の原因であるお姫様が入ってきた。
「馴れ馴れしく妹と呼ばないでください!」
再び秋葉が怒る。
「両義と遠野て仲悪いの?」
このお姫様はお構い無しに尋ねてきた。
「「悪い!」」
二人揃って怒鳴る。
鮮花は何故ここまで息がピッタリなのか不思議そうに見つめる。
「なんで?」
アルクェイドは頭に?マークを浮かべていた。
「向こうは退魔の家系です!遠野の敵!」
「志貴も退魔の家系なのに?」
アルクェイドが疑問に思ったことをそのまま口に出した。
「兄さんは別です!」
「ちょと待て!今の話はどう言う事だ!?」
式はこの二人のやり取りの中で奇妙な事に気づいた。
遠野は魔の家系、その中に退魔の者がいるとはあまりも変だ。
「ちょうどいいから教えてあげます。遠野君は七夜の生き残りです。」
とシエルが式に志貴の本当の家系を言った。
「なっ!?そんなの初耳だぞ!七夜は遠野に滅ぼされたはずだ!」
「・・・・・・いいですか?秋葉さん?」
とシエルは秋葉に全てを話しても良いかを聞いた。
そう七夜志貴、いや遠野志貴のこれまで経緯を・・・
「・・・・・はい・・・」
少しためらったが秋葉は頷いた。
「それでは話します。遠野君と私達の出会いを・・」

「そんな事が・・・・」
式は開いた口が塞がらない。
「驚いたな・・・ネロはてっきり真祖の姫が倒したのかと思ったが・・・まさかとは思ったがロアとワラキアまでも滅ぼしたのか・・・・・現象たるタタリを殺すとは式以上の魔眼の持ち主だな。」
橙子は唖然とシエルが語った事を聞いたが信じられないという顔をしていた。
「もっともタタリの時は私が手を貸したんだけどね。」
「それでも27祖の内3人も倒すとは正直凄いな・・・今度にでもスカウトでもしてみるか・・・・」
「そんな事をしたらブルーが怒ると思うけど?」
アルクェイドが少し睨みながら言う。
「上等だ!今度こそ決着を着ける!」
手をボキボキと鳴らす。
「あの・・・橙子師・・・・」
と鮮花が橙子を呼んだ。
「なんだ?」
「その27祖とブルーて何なのですか?」
鮮花が橙子に質問した。
「俺も知りたいな。」
「いいだろう。まず、27祖だが簡単に言うと吸血鬼の中でもっとも強い奴らの集まりだ。私もあまり関わりたくない奴等だ。遠野君が倒したのは10位のネロ・カオス、こいつは『混沌』と呼ばれている。その強さは荒耶以上だ。13位のタタリまたはワラキアの夜、詳しくは解らんが奴は現象とも呼べる存在だ。次にロアは27祖の番外位だ、別名『アカシャの蛇』こいつは無限転生者だ。私も最近、奴が死んだのは知っていたがまさか遠野君が倒したの驚きだ。そして最後にブルーだが・・・これは私の馬鹿妹だ。」
「補足として本名は蒼崎青子、別名『マジック・ガンナー』と『人間ミサイルランチャー』です。現存する5人の魔法使いの一人、彼女の得意は青魔法による『破壊』です。そして遠野君の人生の師でもあります。あと蒼崎姉妹の仲は裏の世界では超有名です。」
「ふん、まあ事実だしな・・・私とあいつは昔から気が合わない。私は『創造』、あいつは『破壊』だ。無理も無いと思うが?」
「『創造』に『破壊』は付き物だろ?その点は別に可笑しくないと思うが?」
式は素っ気なく言う。
「式・・・」
橙子が湯船からユラリと立ち上がる。
「なんだ?やるつもりか?」
同じく式も立ち上がった。
「ここで喧嘩なんてしないでくださいね。」
シエルが釘を刺す。
「ちっ。」
「ところで遠野さんはなんでここに来たんですか?」
鮮花が話を逸らそうと秋葉に質問した。
「それはですね。私が商店街の福引で当てたんですよ。」
と自慢そうに言う琥珀さん
「凄いですね。」
正直な感想を言う。
「そっちこそなんで来たの?」
とアルクェイドが質問した。
「んっ?まあ・・社員旅行と言ったところだな。」
「幹也の給料を使ってな」
「表に出ろ。」
橙子が再び湯船から立ち上がった。今度は鞄付で・・・
「いい度胸だ。」
こちらも立ち上がる。ナイフを持って・・・
鮮花の質問が裏目と出てしまった。
「二人共落ち着いて!旅館を潰す気ですか!」
秋葉が仲裁役として入るが・・・
「安心しろ。私が責任を持って修理する。」
「お前に任したらお化け屋敷以上に恐くなるな。」
完全にキレている二人
「で・・・」
「し・・・」
だが、二人は次の言葉が言えなかった。
何故なら湯船に二人共、頭にタンコブをつくりながら浮いていた。
「はい、そこまで!喧嘩両成敗よ!」
と二人の間に仁王立ちしながら立っていた。
なにが起こったかというとアルクェイドが一瞬の内に二人の頭にチョプを喰らわした。
それは神速のごとく
「くっ・・手加減ぐらいしやがれ・・」
「俺らを溺死させるつもりか?」
二人共、瞬時に復活
「私は旅行を楽しみに来ているのよ。それを邪魔するのなら・・・・殺すわよ?」
アルクェイドの眼が金色に変化した。
それは他の者を圧倒させる『眼』そして全てを支配する『眼』だ。
「・・・・・」
「・・・・・」
「て、冗談よ!冗談!あれ?みんなどうしたの?」
とアルクェイドは眼を普段の色に戻し笑いながら全員に言うが・・・
「マジでびびった・・・・これが真祖なのか・・・」
「くそ!次元が違う!」
「シャレになりませんよ。今のは・・・」
「ア、アルクェイドさん凄いですね・・・」
「こ、このぐらい引くものですか!」
「一番、二番、三番フリーズ・・・・」
「・・・・・・・・」
「姉さん・・・怖い・・」
「恐いのなら姉さんの胸の中に飛び込んで!」
などと全員が恐怖に飲まれている中、なにやら一人は外れているようだ。
「だから今のは冗談だってば!」
アルクェイドが冗談だと言うが笑えない冗談だ。
一方、男性陣はまだ屍と化している。
この後、勇者達は復活して再度進攻するが迎撃されるのは当然といえば当然の結果だろう。
「橙子さんの美しい裸体を見るまでは死ねん・・・・」
他の三人は諦めたが、一人だけ諦めない漢がいた。
秋己 大輔 独身 
職 警○
その後、この事件が発覚、大混乱になるのは別の話である。


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