Eternal Oath  〜第3.5話〜


メッセージ一覧

1: 牙鉄 (2003/10/21 23:38:00)







―――――感ジル





―――――アノ男ヲ、カンジル。





突如、"男"は眼を覚ました

そこは富士樹海の中にポツンと存在する施設だった。

表向きここは樹海の地質を調査するために建設された簡易研究所。

だが一部の人間の間では、とある企業が建てた自社製産業廃棄物処理封印施設だと知られていた。

―――――それすらも偽装であったが。



暗く冷たい―――――いや、冷たいなんて生易しいものではない絶対零度地獄、

生物が生きることなどありえない。

それなのに、彼は巨大な液体窒素のタンクの中で生きていた。





そしてさらに驚愕すべきことは思考能力が働いていていることだ。







―――――彼は飢えていた。







―――――そう、今までは。






―――――待ッテイタ




―――――アノ男ノ息子ガ強クナルノヲ

彼は待っていた。

待ち続けていた。

自分の飢えを満たす可能性のあった男が、その飢えを満たせる強さに達するのを。

そして彼は自らの本能とそれに連なる“力”で

待ち望んでいた事が叶ったことを知った。





―――――ソウダ





―――――今こそ!

次の瞬間、タンクが爆発した。

いや、それはタンクなんて生易しいものではない。

高張力、耐熱対冷却合金で造られており、

その表面に対魔拘束用の経文をご丁寧に表面積一杯に彫った、

直径20メートル、肉厚4メートルを誇る、科学と呪術の結晶たる『封印』だった。

例えるならそれは核弾頭どころか核爆発そのものを封じている様な代物。

それが内側から爆発したのだ。



―――――燃えさかる施設。

―――――鳴り響くサイレン。

―――――駆けつけてくる武装した警備員。

それらの出来事がすべて自分のためだけに起こっているということを彼はわかっていた。

しかしそんなことなどどうでもいい。

今彼の胸中にあるのはただひとつ―――――





―――――七夜黄理の倅と、、





―――――俺のこの渇きを満たす男と、





―――――戦える。






『鬼』が覚醒した瞬間だった。


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