死姫の遺産


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1: グリフィンドール生 (2003/01/05 18:48:00)

気が付いた時は居なかった

どこだろう

たまに早起きするのは知っている

学校に好きな人がいるらしい

いつも、洗面台の鏡とにらめっこしている

でも、今日はいない

お母さんもお父さんも心配している

それでも、私は学校へ行った

学校から帰って来ても・・・居ない

お母さんが捜索願をだした

最近、通り魔がいるから心配

夜、まだ帰ってこない。

お母さんが寝なさいと言ったので、寝る

でも、心配

だから、こっそり家を抜け出した

始めて一人で夜の街を歩く

いない

いない

いない

あれ、だれか路地裏に入っていく

行ってみよう

少しだけ声が聞こえる

「弓塚、・・・・・・手を隠してるんだ」
「バレちゃった?遠野・・・・・・昔っからいいなあ・・・・・・志貴くん」

ああ、やっと会えた

会いたかった

でも何で

体が震えて動かないの

ピチャ、なんて音が聞こえた

「・・・・・・生きていくためには・・・・・・仕方なく<殺した>んだから」

えっ?今何て言ったの

何を言ってるの

「待っててね、・・・・・・一人前の吸血鬼に・・・・・・会いに行くから」

ザッ。何かが通り過ぎた

ダッダッダッ、人が目の前を通り過ぎた

二人とも私に気が付いていない

何、何、何、今何て言ったの

殺した?吸血鬼?

私は震える体を無理やり動かしながら家に向かった

次の日、私は学校を休んだ

お母さんもお父さんも居る

私はまだ震えていた

もう、頭では理解している

でも、心では否定している

そして、また夜がきた

もう一度、街に行く

あれは、全部夢だった

そう、に決まっている

いない

いない

いない

疲れた

喉が渇いた

公園の近くの自動販売機でジュースを飲む



何か音がした

もしかして・・・

私は公園に入った

また、声が聞こえてきた

「今夜は、わりと楽しめそうだよね、志貴くん?」

動けない

動けない

ここから、先には行ってはいけない

その時、悲鳴が聞こえた

「あっ。」

でも、私は動けない

走り去る音、それを追う音、

私は凍ったように固まった体を動かした

早く

早く

もっと早く

どれくらい経っただろう

私は道端に座り込んだ

もう、体が言う事を聞かない

タ、タ、タ、タ・・・足音が聞こえてきた

見ると、そこには

昨日の男の人が居た

でも、こちらには気づかずに通りすぎた

まるで、魂を抜かれたような顔

その時わかった

私の<お姉ちゃん>はもう・・・



もう、どうやって帰ったかわからないが

私は自分の部屋で寝ていた

その後は色々あった

警察の人が来てお姉ちゃんは死んだと言われた

お母さんは泣いた

お父さんも泣いた

私は・・・泣けなかった

もう、知っていたから

その時からだろう

私の周りが少しずつ

おかしくなっていったのは・・・


後書き
 弓塚さつきに兄弟がいたらどうなるか、そう思って書きました。


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