仮面の復讐騎 空と月との境界編


メッセージ一覧

1: ししりい (2002/05/11 23:26:00)[yurikamome6 at hotmail.com]

    仮面の復讐騎 空と月との境界編 



・・・・定時に出社して僕が見た物は朝から酒を煽っている所長だった。
「おはようございます所長。―――で、どうしたんです?コレ」
「ああ、おはよう社員。今日は休みだ。」
「では所長、失礼します」
急いできびすを返すがいきなりドアが締まり鍵が掛かる。マニアワナカッタ・・・・
「フフフ・・・まあ一杯付き合いたまえ」

「魔法使いって・・・六人目のですか?」
と、言う訳で朝から燈子さんと酒盛りか。鮮花や式には見せられない姿だな〜。
―――どうも機嫌が悪い理由はこの話題が原因らしい。
「ああ、あくまで噂だがな。協会で認定されはしたが存在は確認されていないとか何とか」
―――?はて、どう言う意味だろう
「それで、どんな人なんですか、」
「知らん。会った事も無いんでな」
グイッと空になったグラスを差し出す。注ぎながら
「――――え?知らないって、凄い人なんでしょ?」
あ、不味かったかな?更にペースを上げて飲み干し又差し出す
「もともと魔術を学んでいた輩ではなかったんだろう」
何杯目かを注ぎながら
「魔術師じゃないのに魔法使いになれるんですか?」

ふ〜、と溜息を一つ。グラスを置くとタバコに火をつけ
「いいか、黒桐。魔術とは答えに辿り着く為の方程式と過程に過ぎん」
「答えは既にある、ということなんですか?」
燈子さんがフフッと笑う。正解だったらしい。
「そうだ。我々魔術師はその先にある物を導き出さんと日々験算を磨いておるのに!」
―――――なんか段々熱が篭って来たな?
「中にはその過程をすっ飛ばして求めるモノに辿りついてしまう不遜な輩がいるのだ!!」
・・・・どうやら思い出したくない事に触れてしまったんだろう。早退しようかな。
「えっと、・・・で、その人、何が出来るんです?」
フッ と意地悪く鼻で笑い
「大体その認定されたモノすら眉唾モノで笑ってしまうよ、因果律の操作だとさ」
「なんですか?それは」
「起こり得る事柄には全て可能性という名の無数に枝分かれした分岐がある。もし
因果律を操作できるならそいつは運命の行く先にある枝を閉じたり開いたりして想い道理に
事を操れる理屈になる」
「す・・凄いじゃないですか」
「フンッ!こんなのは魔術でも何でも無い。大方特殊な環境下で眠っていたなんらかの回路
が開いただけの事だろう」
「じゃあ、なんで認定されたんです?」
「辿り着いたモノが現段階において実現不可能なら魔法で、辿り着いた奴は魔法使いなのさ」
「い、意外と認定基準がアバウトなんですね」
「こんなの滅多にあってたまるか!しかも二人目だと!?」
――――なるほど。なんかあったんだな、その一人目の人と。
でも、僕が知る燈子さんは凄い人だ。その燈子さんがなれなかったものを才能だけで越えて
しまうなんて信じられない・・・
「なんだ?そいつに興味があるのか」
え?と慌てて顔を上げる。確かに見てみたい気もする
「探してみましょうか、その人」
「止めておけ、そんなのに辿り着くからにはマトモな奴じゃあるまい。下手に関わるとろく
な目にあわんぞ」
た、確かにそうだな。みすみす危険な目にあって式を心配させる事もないしね。
「それもそうですね。」
「まあ、もしそんな奴が実在しているのなら本人が望まない限りは協会や君がいくらがんばっ
ても出会う事など出来はしまい」

   因果律を操作する六人目だと?もし本当なら出来すぎた偶然だな。
     「六」が示す闇の眷属である死徒がいた。
      復活した暁には27祖を束ねるモノとされる
   ―――――― 「the dark six」 ―――――――

――――やれやれ、相当に酒が回ったらしいな
「どうかしたんですか?燈子さん」
「いや、すこし飲み過ぎた様だ。黒桐、こっちに来て膝を貸せ」
嫌がる黒桐を無理やりに引き寄せ膝枕を強要する。顔がお腹の方を向いているが今更
向きを変えるのもおっくうだ
「おやすみ、黒桐・・・う〜ん・・・」

「ちょっと、なにするんですか燈子さん!こんな所を式に見られたら」
「俺が見たらなんだって言うんだ?」
――――いつの間にか式が来ていた。しかも、よりにもよってこのタイミング?
「や、やあ式、おはよう」
「燈子と二人で何をやってたんだ?黒桐―――」
え〜と、そのなんだ、あ、燈子さんてばもう寝てるし位置はヤバイし、あ、吐息が
当ってるし〜
「式これはその・・・」
キンッ!と金属音。 そして無言の式・・・・・・

  ――――――月と空は交わらず――――――

 協会認定非確認人物「七ツ夜 琥珀」
 認定魔法 「因果律の操作」尚、実用レベルでの活用を『現在』確認中




   あとがき
 書いて見たくなったんですよ、月と空のクロスオーバー物。
やはり無理でした。難しいです。全然クロスしませんです、ハイ(笑
 ま、あくまでも空の世界ででの噂話ということで・・・・                      


記事一覧へ戻る(I)