日常における朱い月 その1


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1: ししりい (2002/04/24 00:56:00)[yurikamome6 at hotmail.com]

  日常における朱い月 その1

朝。珍しく翡翠が起こしに来る前に目が覚めた。・・・と、同時に布団
の中に誰かの気配を感じたりもする?
「ふ〜、又アルクェイドかよ〜」
流石に俺も慣れたもので、慌てず騒がず枕元から眼鏡をとる。
「おい、アルクェイド。人が寝ている間に忍び込むなって・・!?」
隣で寝ているアルクェイドと同じ顔の人物。・・・
ワカラナイ、 いつもの言葉が思い浮かぶ。
「う〜ん・・・」
俺の胸を枕にして寝ているそいつ。寝返りをうつ仕草もいつもより
5割増色っぽい気が・・・いや、ンな事よりも
「おい!起きろよ、何でお前が」
「ん?・・・・」
そいつは長い金髪を揺らめかせゆっくりと起き上がり
「・・・何故お主が私の寝所にいるのだ?」
開口一番、怪訝な顔をしながらそうのたまわった
「・・・ここは俺の部屋なんだけど」
そいつはアルクェイドでもあり、もう一人のアイツ・・・朱い、月の、

「これはひょっとして俺の夢の中なんだろうか」
いつかと同じでこれはレンの作った夢。なんて考えていると
「いや、これはお主の現実に間違い無かろう」
上品にベッドに腰掛けながらアルクェイド、いや朱い月は断言する。
その言葉に俺は少なからずショックを受けていた。夢オチではなさそうだ。
「フ・・・あの者の事を考えているのか?」
「ああ、お前はアルクェイドだってのは分ってる。けど、な・・」
「そうか――」
嬉しそうなそれでいて残念そうな、複雑な顔を俺に向ける
「なら元に戻る方法を見つける他ない。そうであろう?」
「――いいのか?」
「良いも悪いも別にお前の為ではないぞ。私がこの身を現す為の
条件を満たしてないのでな。私にもこのままでは都合が悪いのだ」
「分った。俺もお前に協力するよ」
「そうか、ならしばらく厄介になるぞ」
――――――――はい〜〜〜〜!?
え?ちょっと待て、いや待ってください〜
「そうと決まれば御当主に挨拶に伺わねばならんな」
「お・・お前な〜。それはまづいってヤバイっていうかやめて〜」
・・・やっぱこいつ間違い無くアルクェイドだ〜。状況がこいつでも
変わらないじゃないか〜!!!
その時!
コンコンッ 翡翠のノックが聞こえる。さあ、新たな闘いのゴングが鳴った。
「志貴さま、失礼します」

  後書き
アルクェイドの日常を朱い月がなぞるって事で。もう愛だけで書いてます。
最近考えるネタが次々と先に書かれてまして・・・コレと同じネタも
誰か先にやってたりして(笑


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