この文章を読んで下さる読者の方へ。
前に第一話を投稿した時アルクェイドの字を間違えてしまいました。
読んで不快にさせてしまった方ごめんなさい。
後、余り読み返しもせず投稿したので誤字脱字、物語に適さない文章があった事をお詫びします。
こんなちんけな文章でも続きを読んで下されればどうぞ最後までお付き合いお願いします。
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赤く、一面焼けている。
赤く、屋敷が燃えている。
赤く、私の周りで人が血を出しながら死んでいる。
赤く、娘と呼ばれていた子供は下半身が無いまま私に抱かれ最後の言葉を吐き出した。
「お母・・・・さん・・・・痛・・・い・・よ。苦し・・・・い・・よ。」
娘の息が途絶える。
ガバァッ
「ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・・・・・・七夜・・・・。」
キーンコーン、カーンコーン。
いつもの放課後を告げるチャイム。
今日で三日目も終わり。
屋上の出来事以来九式は一言も話をしてくる様子は無く仕掛けてくる気配も無い。
明日は祝日のため九式に明後日までは会わない。
とりあえず今日帰れば一時緊張を解ける。
明日は家で寝てよう。
ふとそんな事を考えていると有彦が声をかけてきた。
「おい、今からゲーセンで遊ぶべ遠野?」
「わりぃ、今日はパスだ。なんか今週学校が始まってからの三日間ものすごく疲れたんだ。」
「そうか。まぁ最近お前貧血は治ってきたと思うけど油断大敵だな。明日は休みだしゆっくり休め。じゃな。」
「ああ、また今度誘ってくれ。」
さてと俺もそろそろ帰るとするか。
殆ど中が空の鞄を机から取り教室を出る。
薄暗い階段を降りていく。
その途中階段で誰かに上から話かけられた。
「あら、遅いお帰りね七夜君。クスクス、どうしたのかな?」
俺を七夜と呼ぶ人間はこの学校では一人だけだ。
下を向いたまますぐ戦闘体制をとれるように七夜を半分くらいまで解放する。
はっきり言って七夜を全て解放しても勝てる気がしない。
そう思えた。
この前の屋上の出来事で直感的にそう感じた。
だが切り札がこちらにはある。
死線を見ることが出きる直死の魔眼が。
しかし奴はそれさえも知っている。
振り返り上の方を向く。
「なんだ?監視してる奴が監視対象に声なんか掛けていいのか?いったいお前は何がしたいんだ?」
「そんな殺気染みた目で見られるのは心外ね。まあ、そう見られてもしょうがないんだけどね。この前は邪魔が途中で来たものだから余り話せなかったでしょ?」
「ごめんだね。今は少しでも早く帰りたいんでね。用が無いんならそれじゃこれで。」
「用ならあるわ。あなたに死んでもらう用がね。少し付き合ってもらうわよ。嫌だなんて言わないわよね?断ると後で後悔する事になるわよ。例えば貴方の今居る組の誰かが神隠しに会ってもう二度と貴方の前に現れないかも。」
クッこいつ。
なんて卑怯な奴だ。
狙うなら俺だけ狙えばいいものを。
自分以外の他人をゴミとでも考えているのか?
だとしたら危なすぎる。
「分かった。ただし学校で話なんてごめんだ。するならここ以外にしたい。少しついて来てくれ。」
「いいわよ。出来れば余り人目に付かない所にしてくれるとありがたいわね。」
学校を出て街中まで歩く。
既に夕日は傾き始めていた。
このままいくと帰ったらまた秋葉にお叱りをくらいそうだな。
そう思いながら九式に死角になる様にもう使わないであろう自分の机の中に置いて置いた七つ夜を殆ど空の鞄から取り出し内ポケットへしまい路地裏に入る。
「ここなら誰にも気づかれない。さて、俺はお前にいくつか聞かなきゃいけない事がある。お前が何者なのか先輩からいくつかは聞いた。」
「あらそう。埋葬機関の者は余り話を好まないタイプの集団に見えたのだけれど。どうやらそれは私の勘違いらしいわね。私もいくつか質問があるわ。答えてくれるかしら?」
「質問をかわす前に言っておく事がある。俺以外の人物に危害を加えてみろ。その時は、」
「あらその時は何かしら?もしかして私を殺すの?いいわよ。殺してごらんなさい。どうせ無理だろうけど。もぉ良いかしら?さっさと話を先に進めたいわ。私の質問受け付けてくれて?」
さっきからべらべらと良く喋る。
一々言う事が癇に障る。
奴なんかに答えてやる必要なんて何処にもない。
「お前なんかに答えてやる必要はない。聞きたきゃ力ずくで聞いてみろ。」
言った後で後悔する。
このままだと奴には勝てないはずなのに。
奴の口元が歪む。
「あらそう。それはありがたいわ。最初からそう言ってくれれば楽なのよね。じゃあお言葉に甘えて。」
んっ!!!!
言い終えた奴は俺の視界から消えた。
一瞬で。
ガシッ
「あら何処を見ているの?私はここよ。」
クッ、速い!!
後ろを取られた。
余りの速さに七つ夜を取り出す暇が全然無かった。
片腕を掴まれて後ろから抑えこまれる形になっている。
それにしてもなんて強い力だ。
女の力とは全然思えない。
どうする?
こうなったら奴の顔に後頭部からの頭突きをかますしかない。
「くらえ!!」
カンッ
「ガッ」
何だ今の?
頭がくらくらする。
奴の顔面が金属で出来てるみたいに硬かった。
「危ないわね。今のは私でもくらってきたわ。貴方、気転が早いわね。さて、もういいわ。私の聞きたい事話してくれるかしら?」
そう言って奴は俺の前に後ろから出てくる。
???
おかしい。
何で奴は俺の目の前に来れるんだ?
じゃあ後ろで俺の腕を抑えてるのは?
すぐさま後ろを向く。
俺の腕を掴んでいたのはもう一人の奴だった。
おかしい。
何で奴が二人いるんだ。
二人居ても気配は一人だ。
どうなってるんだ?
「フフッ、分からないって顔ね。そりゃそうよ。だって貴方は私の能力知らないもの。そろそろ質問をさせてもらうわよ。一つ目、貴方の他に七夜に生き残りは?」
奴から笑みは消え真剣な顔をしている。
ここで変に事を荒だたても逆効果になりそうだ。
適当に答えてはぐらかすしかない。
「居ない。居るなら俺が聞きたいぐらいだ。」
「二つ目、貴方は七夜に昔ある分家があってそのある分家が七夜の手によって滅ぼされた事を知っている?」
何の事だ?
さっぱり分からない。
七夜には分家があるんだろうけど本家である七夜に滅ぼされたなんてのは初耳だ。
「知らない。俺は七夜の内情は知らないし小さい頃七夜の誰からもそんな事聞かされる必要が無かったのだろうし。」
「そう、なら次で最後の質問。大事な人を殺されたとき、貴方はどうする?」
今の質問はなんだ?
何を奴は聞き出したいんだ?
皆目検討がつかない。
とりあえず俺は本心を言う事にする。
「そうだな。俺の大事なものを奪っていった奴だ。それ相当の償いはしてもらう。俺は間違いなくそいつを殺す。」
「アハハハハッ。」
九式は笑う。
だがなぜ泣きながら笑うんだ?
再び奴の顔が真剣になる。
「死ぬ前に教えてあげる。七夜に九式と言う分家があったの。ある理由から七夜は九式を滅ぼしたわ。私の夫と私の当時三つになる娘も殺された。七夜と言う一族に。だからその代償は貴方にしてもらう事にする。生き残りが居て嬉しかったわ。でも、それも今ここで終わる。さようなら。七夜の末裔。」
九式は片手で髪留めを外す。
髪留めはまがまがしい黒いオーラを出しながら大鎌へと形を変えていく。
そこには死神が居るように俺には見えた。
髪留めを大鎌に変えた後、もう一方の片手で両目を隠した。
奴の足元に何か小さいものが二つほど落ちる。
顔を下に向け確認する。
よく見るとコンタクトレンズらしい事が分かった。
再び上を向く。
奴の顔を覆い隠している手が大鎌の方へ移動する。
奴の目は、片方蒼く、もう片方は赤くなっていた。
殺られる。
有無も言わさず奴の大鎌が下に振り下ろされる。
ブンッ、、、キンッ、ガツッ!!
金属のぶつかり合う音。
大鎌の軌道がそれて下に落ちる。
見ると軌道をそらしたのは下に落ちている黒鍵だった。
「やはり遠野君では無理でしたね。」
「志貴、何遊んでんのよ。そんな奴チャッチャとかたずけなさいよ。」
声のしたほうを向くとアルクェイドと先輩が居る。
しかし何でここが?
「あらあらお仲間さんが来たらしいわね七夜。貴方達、七夜を助けるなら貴方達も殺すわよ。」
「この前は不覚を取りましたが今回はそうはいきませんよ。」
「いい度胸ね。塵一つ無いくらいに切り刻んであげるわ。」
「邪魔ね。七夜、お前は後でゆっくりいたぶり殺してあげる。今は眠っててもらうわ。」
ガスッ
「グハッ」
どうやら九式に大鎌の柄で後頭部を強打されたらしい。
俺が意識無く崩れていく中で最後に見たものは歪んだ笑みに満ちた九式の顔だった。