・・・仕事中に浮かんだ 電波です
風が吹く
荒れ果てた大地の上に 乾いた風がひゅーひゅーと吹いていた
砂塵が舞うその荒野を
その少女は自分の脚だけで進んでいく
・・・感情を消した表情に 瞳にだけ決意を秘めて
紺色のスカートが風に弄られる
全てが灰色の世界で 彼女の白いカチューシャとエプロンだけが くっきりした色彩を見せる
荒野を進む メイド服の少女
だが この荒涼とした現実が そんな彼女を獲物とすべき狙っていた
「 おぅおぅ! ひとりでどこに行くのかい、姉ちゃん 」
「 迷子かな? なんなら俺達が案内してやるぜ 」
「 へっへっへっ・・・それとも俺らといいことでもしようか 」
少女の前を立ち塞ぐべく 人相の悪い3人組が突然現れた
その目は既にケダモノ。舐めるような視線を少女に浴びせて 下卑た笑いを浮かべる
しかし彼女はまるで何事もなかったように その脇を通り過ぎようとした
「 おっ、待てや 姉ちゃん 」
「 おいおい 黙って行かせるわきゃないだろ!」
「 へっ、上玉じゃねえか。楽しませて貰った後でも良い値段で売れるぜ こりゃ〜」
ぐるりと少女を取り囲む
「 とりあえず身包み全部貰おうか。当然 アンタ自身も頂くがな 」
三人組から漏れるのは嘲笑
しかし彼女はまったく感情を現さずに
いきなり腕を前に出して
くるくると回転しだした
「 ・・・ 」
「 ・・・ 」
「 ・・・なんの真似だ、こりゃ〜 」
唖然と立ち尽くす男達に少女は初めて口を開く
・・・冷たい声で
「 ・・・貴方は もう 洗われてます 」
翡翠の拳 (北〇の拳のパロ)
『 世紀末使用人伝説 』
翡翠
主人を守り使えるべく女奴(メイド)達に受け継がれてきた『女奴従拳』の伝承者
奪われた主人 遠野志貴を探す為に旅を続けている
遠野志貴
本名 七夜志貴。無理矢理遠野家に養子にされる
本人は記憶してないが七夜の血筋ゆえに 『七夜殺拳』の継承者
遠野秋葉
立場上の兄に邪な想いを抱き 遂には兄 遠野志貴を拉致した少女
遠野家の当主でもあり 反転すると凄まじい力を出す事が出来る
琥珀
翡翠の双子の姉
遠野家を影から支配する黒幕であり 主人である秋葉を思いのままに操る
翡翠とは対になる『女奴主拳』の使い手
アルクエィド
『真祖猫(にゃん)拳』を駆使する吸血鬼の王女
凄まじい力を持つのだが それでなにかをするという事ではなく
面白そうな騒ぎがあるとむやみに首を突っ込む はた迷惑な野次馬
シエル
教会からこの汚れた世界を浄化すべく送り込まれた聖職者
しかし現実には美味しいモノを食べ漁るグルメと化している