「寝ちゃダメ」
「ぇ――? ――――あ」

そう、そうだった。
俺ってやつはあまりの快感に知らず知らずに寝てしまいそうになってしまってたん
だった。

「わ、悪い……その、さ。遠坂の手の感触が気持ち良過ぎて……」 
「―――――っ」

一応言い訳もしてみる。
こういう時、返ってくる反応は決まっている。
それは彼女が小さくなっていても変わらない。

「も、もうっ、しっかりしてよねっ!」

その赤く染まった頬に手を当てて、今度はこちらから、目の前に用意された――声
に出すと怒られそうだが――最高の素材を、思う存分味わうことにした。
どうせ彼女が満足するまで休ませてもらえないのだ。
こっちも満足しかけていただけで満足し切ったわけで。
どうせ、もう休んだり、眠ったりするような考えは消え去っているわけだし。

「そうだな…………ん」
「ぁ、ん、んぐっ、む、は、……ぁ、んむん、ぁ」

短い間隔で唾液の交換を繰り返す。
何度も味わっているが、味わうたびにその姿を変え、際限無く快楽を与えてくる。

公園にある遊具を順に回るように舌を這わせていく。
閉じている瞼。
可愛い鼻。
柔らかい耳たぶ。
すべすべの額。
敏感な首元。
そして、ぼんやりと開かれた唇。
触れるだけ、力の加減に強弱はつけずに、ただ示された道を行くように。

少しだけ体を離して、彼女の体を抱え上げ、背中から包み込むように反転させる。

ぁ、と短く漏れる吐息の後。
不意打ちを狙って背中から首筋に向かって舐め上げた。

「ひゃんっ」

その声に体が反応する。
下腹部に集まった血液は身に付けている衣服を押し上げ、その存在を強く彼女のお
尻に主張する。
その怒張を押し付ける度に、聞こえる声。

「か、硬いの……当たっ、てる」

抱きしめている指を這わせて、今度はこちらが愛撫を始める番ということを伝えた。
指先だけで、つぅーーーと。
左手は彼女の顎に添えて、ゆっくりと首だけこちらを向かせた。
そのままキスをしながら、開いている右手を、縦横無尽に走らせる。

まだ熟れる前のなだらかな胸部。
刺激を与えすぎないように気を付けつつ、敏感であろう先端を指先で優しく摘んで
みた。

「ぃやんっ、ぁ、先っぽ…んっ…きも、ち、ぃいっん……ぁ、は、んぁむ」

片手では満足し切れないのだろうか、もぞもぞと悩ましげな動きをする小さな体。

「………もっと、触って欲しい?」
「――――――」

恨みがましい目で睨まれた。
やれやれ。
まぁ、可愛いから許す。
いつもなら、して、と言ってくれるまで粘るのだけど、今日は特別。
ちゃんと、彼女の望むまま、その思いに答える事にした。

右手も自由にし、空いている方の乳房へと指を伸ばす。
いつの間にか二つの先端は硬くしこって、触れている指を押し返していた。
でも、胸だけじゃ不完全燃焼で終わってしまうだろう。
乳首をこりこりと指の腹で転がしながら、片方の手を徐々に下へおろしていく。

「ん―――ぁ、っん……ゃ、ゃんっ、やめ、っ、し、しろぅ……その、お、おへそ
…だめ、ぇ、っん」
「ん、小さいときから弱いのか、ここ?」
「ひゃっ、ふぁ、ぁんん、んっ、あんぁっ……ぁ、ん、も、もう…」

また睨まれる。
でも、今回のは先ほどのとは意味合いが違う。

意地悪。
イジワル。
いじわる。

そう言われた気がした。

でも仕方ないような気もする。
ここまでぶっ飛んだ状況だ、ちょっとくらい意地悪しても罰は当たらないだろう。
そう思うのだけど。

「はぁ……はぁ…ん、っ……んんむんっ…ちゅ」

こうやって彼女の方から小さな舌を絡ませてきたり。

「ん、むふ……ふふ〜〜、えへっ……もういっかいだぁ、んっ、っ、んぁ、ぁ、ち
ゅっ」

何度も何度もしがみ付かれて、キスを交わして。

「ふぁっ、あん……んぁ、っ、むん、ちゅる……ん、ゃあっ、はぁっ」

こんな近くでこんな声を聞いていれば。

目が合う。
言葉は無い。
いや、言葉は要らない。
今は。

俺は自分でズボンのジッパーを下ろし、滾る俺を解放する。
それを今度は直に彼女に押し付けて。

「あああっっ、ふぁ、あ、つい……んんっ、んぁっ」

彼女を乗せている脚に、冷たい感触。
垂れ落ちる雫は、僅かな粘性を帯び、部屋の照明の光を反射している。
蜜はこの狭い空間を一気にその匂いで満たし、俺の動きを早めていく。

抑えられなくなりそう。

でも、でもまだ。

十本の指全てを、彼女の肌から話すことなく下ろしていく。
滑らせて、ゆっくりと、彼女の花弁へと触れた。
まだ陰毛も生え揃っておらず、小さく、そして柔らかい。
その事実が、改めて普段の彼女とは全く違うものであるという事を知らせてくる。
優しく、壊れそうなものに触れるように、触れ続けながら、呟いていた。

「もう、濡れてる」
「ぅん………私、もう」

我慢、できない、と。
熱い吐息が俺の耳を揺らした。
彼女を抱き上げて、ベッドの上に寝かせた。

不安そうに見上げてくるつぶらな二つの光。
震えているであろうその心を落ち着かせるため、覆い被さりながらその頭を撫でて
やる。

視線には視線で。
キスにはキスで。
快楽へは、極上の笑顔をチケットにして。
俺だけが踏み入れる楽園への、扉を開く。

「ふぁっ――――」

ひとまずキスはお預け。
まずは寂しそうなこの二つの先端を、順番に口に含んだ。
触れただけで漏れる声。
それを楽しみながら、動きをつけていく。

吸って、転がして、突付いて、軽く歯を立てて。

「ふうっ……んぁ、ぁ、ぁん……あはっ、ん、っ………ひあっっ!」

打ち合わせでもしたかのように、小さな体は敏感に応えてくれる。
見た目では明らかに彼女の方が子供なのに、していることはこちらが赤ん坊にでも
なったかのよう。
貪るように吸い付く。
反射的に逃げようと震える彼女の体を、がっちりと抱きしめて固定する。

肌が薄い紅に染まっていく。
それに呼応したのか、それともたまたまタイミングが合ったのか。
まだ殆ど無いに等しい胸を口に含みつつ、手を下に、脚の付け根へと。

「っ、ぁん……はあっぁ!」

細い四肢が一際大きく跳ねた。
む、今の彼女の体では、指では少し刺激が強すぎたかもしれない。
それなら………

じゅる、じゅ。

「ひああっ、ああっつ、ああっ!」

彼女の秘部とディープにキスを交わして、舌で全体をなぞり上げた。
俺が触れる前から、もう蜜が溢れ出ている。
恥ずかしげに脚を閉じようとするが、この体勢では閉じたとしても丸見えだし、後
から後から溢れ出る愛液は止まるところを知らない。

と、動きを止めて視線で聞いてみた。

―――――どうする?

「……ばかぁ―――ん」

合図のキス。
そっと押し当てた自らの欲望の塊。
不安げな瞳、大丈夫とは言っているものの、全てを隠しきれていないところがまた
彼女らしい。
横たわる体。
その可憐な花弁の間、少しずつ力を入れていく。

「くっ…ぁ、っあ……んんっ」

やはり多少は痛みを感じるのか、眉間には皺を寄っている。
でも、ここで中途半端に止めるとその苦痛を伸ばすことに繋がってしまう。
ゆっくり、でも確実に、彼女の膣を押し広げていく。

さすがにきつい。
彼女の言っていた通り、処女膜は既に無いようだが、それでもこの体躯ではそんな
事は無関係に思える。

でも、それでも耐えてくれている。

自分が元の姿に戻るため、おそらくそれが大きいのだろう。

でも、きっとそれだけじゃない。

そんな気持ちを、裏切らないように慎重に、彼女の中を進んだ。

「っふあ………ぁ、ぁ、あ………」

俺の動きが止まったことで余裕ができたのか、まだ不安そうにこちらを見上げてく
る小さな瞳。

「士郎?」
「ん、どうした?」
「あの、私……」
「―――大丈夫。な?」
「………うん」

正直言って、最奥にまで達しても、今の彼女の体ではさすがに全てを飲み込むのは
無理だと思っていた。
しかし、まるでそこだけは魔術失敗の影響を受けていないかのように、自然に俺を
咥え込んでいく。
1ミリごとにやってくる波。
その全てが致命傷。

俺を全て飲み込んで、小さな悪魔は、

「士郎、大好き」

唐突に必殺技を放ってきた。

「遠坂………」

その姿は確かに子悪魔。
でも、その言葉は。
その―――心は、紛れも無く。
ただ一つしかない、俺だけの天使。

「初めに言っとくぞ」
「―――え?」
「お前が悪いんだからな」
「え、ちょっ、士郎?」
「お前が、そんな事言うから………お前が悪いんだからな」

俺の言いたい事が分かったのか、少しだけ目を伏せながら、遠坂も真っ赤な顔を頷
かせてくれた。

「―――――んっ」

彼女の顔が動きに合わせて歪む。
もう、抑えられない。
その声が血の流れを速める。
その表情が俺を狂わせる。

その全てが―――――

「は、あんんあああっ、ふ、んぁっん、ああっ……っっ!」

あまり動きを大きくしないまま、交わり続ける。
というより、あまり動くことに神経を傾けると、もう一気に彼女の中に放ってしま
いそうなほど、流れ込んでくる快楽には制限が無い。

「んあんっ、だ、め……しろ、しろうっ、き、もちよすぎ、って……ふあっ」
「いいって……俺さ、遠坂には……感じたいだけ、感じて欲しい」
「ぁ――――ん」

包み込む。
肩を抱いていた腕を背中に回す。
抱き起こして、引き寄せた。

左手は背中を支えて、右手は彼女のお尻へと。
抱え上げて、落とす。

「ひああっ、ふっ、ああ……っんぁ!」

擦れる。
締め付けられる。
動くはずなど無いほどの狭さの膣内を、ドリルのようにこじ開けていく。
でも、痛みは無い。
俺も遠坂も。
もう、麻痺するくらい。

「ん、ちゅる、じゅる……る、ん―――は、ぁっ……あ、あ、あ、あああっん、っ
あ!!」

俺が塞いでいるはずの結合部からは、水道の蛇口のように互いの液が混ざり合った
ものが漏れ出てくる。
響く音。
いくら乱暴でも。
いくら激しくても。
いくら気持ちよくても。
もう、止まらない。

「もう、もう、だ………ぇ……ふあああああああっっっっっ!!!!!!」

一際大きな声を上げて、彼女の力が抜けた。
痙攣を繰り返しつつ、虚ろな目を向けてくる。
ぼんやりした表情の前で、俺はまだ力を失ってはいない。

「ぇ――――――あんっ、ちょ、士郎っ、だ、だめ……っ、そ、そんなの、そんな、
にしたらっ、私、わたっ、んんっ……んあっ!!」

聞こえない。
あんな事言うから。
お前があんな可愛い事言うからだ。

小さな体を突き上げる。
締め付けは普段の比ではなく、もう限界も近い。
だから、もう少し、このまま。

「ああっ、あんっ、ああっ、士郎、しろうっ、またイっ、私っ、ふあっっ!!」
「ああ、俺、も―――――くっ!」
「ああっ、士郎、イクのっ、私またイクっ、ああああああああ、っっああああああ
ああああ――――!!!!!!!」








そっと、目を開けた。

耳に届くのは聞き慣れた吐息。
目の前には見慣れた素顔。

どうやら、彼女も元に戻ったようだ。
何とか成功したっていう事だろう。

彼女の中で果ててから、いまいち記憶がしっかりしない。
確かあの後遠坂を抱きしめたまま寝てしまったような気がするんだけど、まぁ今は
それよりも。

「ん――――ん」

もう少し腕の中のこの悪魔を見守る事にいたしましょう。

もぞもぞと動く美しく柔らかい体。
このままではまた俺の分身が起きてしまうかもしれないので、とりあえず目を閉じ
て、耳だけ傾けることにする。

で、ふと思った。
確かに今回のはかなり刺激的だったわけで、かなり興奮もしましたが、

「やっぱ、この遠坂が一番、か…………まぁ、当たり前だけどな」

呟きが彼女に届いたかは分からない。
でも、言わなくても分かってくれてる、うん、きっと遠坂ならそれくらい分かって
るはずだ。



不意に、幸せいっぱいの耳に寝言が聞こえた。



「………う〜〜〜ん、ちっちゃくなった士郎もなかなか………うふふふふふっふふ
ふふふ」


「――――――――え」







                              <fin?>




〜〜あとがき〜〜


間に合った?
セイーフ? いやアウトですって。

風邪引き凛様 → お風呂で凛様 → ちっちゃい凛様

何だか似ているようで似ていないようで。
やはり、この二人にはバカップルという言葉が、宗一郎×キャスターよりも断然似
合うと思うので。
自分としてはこの形で。はい。

至らないところなど多々あると思いますが、ここまで読んで頂けたのなら幸いです。

続きません。(笑


では、また放浪へと。

(To Be Continued....)