【参加者】
A:阿羅本 『Moongazer』管理者
座談会の主宰者・琥珀スキ−
T:Tie.氏 秋葉もえもえで、阿羅本を月姫プレイのきっかけを作った方
F:文月 文氏 MoongazerへのSS寄稿でおなじみ。今回大活躍(笑)
O:イオ氏 『初音千年王国』主催の初音ちゃんのお兄さん(笑)
I:いのうえひろし氏 『いのうえひろしのぺーじ』主催。Susie-plug nのえらいひと。
A:えー、と言うわけで月姫座談会を始めたいと思います。
T:リアル『げっちゃ』(笑)
A:店は『アーネエルベ』並ですけどね
F:えー、じゃぁここイタリアンなんですか?
A:というわけでまぁ、ここにお集まりいただいた皆さんは『月姫』をプレイされた方と思うんですけども……そうですね、月姫をプレイされての、全体のざっくばらんな感想などを聞かせていただければ有り難いのですが。じゃぁ、私から……
えーっと、何というのでしょ……あの、月姫ってXゲームが『雫』以来続いている、素人の作っている素人ゲームの系統があると思うんですよ、『雫』しかり『痕』しかり、『ONE』『Kanon』しかりのプロらしくない、ある意味素人っぽいシナリオの人が牽引してゲームを作っているゲームの系統があって、それが今の主流と言われていると思うのですけども……『月姫』がある意味究極の所まで来てしまったためにむしろゲーム会社すらいらなくなってしまった境地にあるというか……
F:ええ話や(笑)
A:……今のXゲームの世界自体の問題提起になるゲームじゃないかと思いました。
だって、同人ゲームが秋葉原を一週間占領したって変だよ(笑)
O:確かに
A:じゃ、Tie.さんどうぞ〜
T:…………秋葉萌え(笑)
F:あんた、ダメ人間や(笑)
T:だからゆーとるやん、俺ここ地形効果−30%なんやて(笑)。
(Tie.氏はウェッジウッドティールームを本拠地としているので、あまり無茶が出来ない:笑)
A:でも、月姫のこと私に教えてくれたのはTie.さんじゃないですか?
O:最初に一通り終えてから進めたんですか
T:『月姫』があるって話も聞いて、ええって言う話も聞いてたんよ。
でも、大阪では手にはいらへんかったんやけど……どうもメイドさんが出てる、と(笑)
I:メイドさん(笑)
T:ほんで、崖っぷちから落ちた訳や(笑)
O:やってへんけど落ちたんね(笑)
F:彼は自分だけで落ちないからね……
A:その後、私は文月さんを落としました(笑)
「なんで月姫やってないんですかーっ!」「やんなきゃきゃダメデスよー」って
T:それも、夜中の3時に電話掛けて、な……
F:ええ話や(笑)
何かあると、こいつ夜中に6時間電話掛けるんですよ
A:キミかて受話器話さへんやん(笑)
F:だって、負けたらヤじゃん(笑)
O:……何かに負けるのがいやなのね(笑)
T:あかんやん、あんたら(爆)
I:私は教授がメイドさん学科であまりに派手に壊れているのを見てから買ったというか……教授の壊れ方、見ててすごかったもので
(メイドさん学科:NiftyのPATIO『制服学部メイドさん学科』。阿羅本のメイドさん活動組織)
A:とにかく、知っている人には要りますか?ってメール出して、要る、と言ったら送りつけるような布教を……
I:こっちは幸い教授のブレークのあとにすぐに再版が掛かって、それで上手いこと入手できたんですけども……それで、私も知り合いにやれやれと布教を(笑)
A:ええ話や(笑)
一時の『痕』の時みたいに、やると布教せずにはいられない、というか
I:ある意味『雫』『痕』を彷彿とさせるんですよ、あれをプレイし終わったときの感覚というか、語らずにいられないと言うか……翡翠シナリオ終わったところで「ああ、教授これブッこわれる筈だよ、うんうん」って
F:教授がぶっ壊れるのは夢魔の瞬間です(笑)
私はここで見切りましたよ、ここで教授は夢時空突入だって(笑)。
A:……ごめん、アレ、すごくたのしかった(笑)
F:私の場合は、教授が6時間熱く語っているからなぁ〜
A:キミかてプレイ日記あげてたやん(笑)
F:いや、それは教授のインパクトに対抗するためにはああでもしなきゃいけなかったかと……アタシはしがないバイヤーだったのに……(笑)
(ここで、しばらく東京と大阪の月姫購入事情に関しての雑談。
関東の高岡書店と関西のUNITの不思議な在庫について:笑)
F:……いや、月姫のことを皆さん『雫』『痕』といいますが、あれは『ブギーポップ』だ、と。特に志貴はブギーポップの世界の人間だ(笑)
A:確かに、ゲームとして似ているというか……
F:いや、アレはどっちかというと『8年前の展開』だ。主人公が役に立たなくてもなんか解決しちゃって、8年前に記憶を失っている、ないしは親族と会っていないと言うという……これを8年理論と仮説している(笑)
O:『痕』や『ONE』も確かにそうだなぁ(笑)
F:『Kanon』には関係ない人も半分いますから
O:じゃぁ、次は私ですが……私は、阿羅本さんからBBSで話を聞いて、メールを貰った時点ではすでに入手していて、で、やってみて『痕』の正統後継だなぁ、と言う評価が……
I:私も同じ評価。
O:アルクェイドのエンディングで、この感じは瑠璃子さんのトゥルーエンドだなぁ、という感じたし……それ以上に、あれ?と思う伏線をきっちりとあとで説明を入れるあたりはすごいなぁ、と……好きか嫌いかと言えば好きなんだけど、「ああ、めっちゃめちゃ面白かったなぁ」と言えなかったのは、ひとえに志貴が嫌いだったから(笑)
F:わーるい奴だあいつはもう(笑)
A:翡翠ルートもひどい奴だし
F:いや、本当に悪いのはシエルルートだよ。トゥルーで方やシエル先輩が必死になって「遠野くん遠野くん!」と呼びかけているのに、自分は楽しそうに幼少志貴と一緒に過去を漫談しているんだよ……
A:ああ、あの瞬間「エヴァンゲリオンの世界が始まってしまったのか」って、俺は凄い不安に陥った(笑)。
F:あれ見ると、シエル先輩の立場ねぇよなぁ、って……
ヒロインの呼びかけに応えて起きるんじゃなくて、幼少志貴との語りが終わったときに目覚めるんだから……かわいそうやん(笑)
『幻視同盟』でも、志貴と偽志貴が楽しそうに語り合っているその脇で、アキラちゃんがぶるぶる震えているというのに……
A:ほったらかしやしね、アキラちゃん(笑)
F:やっぱり、志貴はナルシーやわ。
I:『月姫』では、外道がマキキュー(遠野 槙久)で悪人が志貴なんですよね(笑)
T:……でも、裏番がおるからね
俺と文月さんが一致した影の番長がいますから……
F:決して動くことがない……
A:翡翠かー
だから、洗脳探偵って呼ばれるんだよ、最後に出て来て「それも全部知っていました」なんていうのはやっぱり(笑)。
I:ふと思うんですけども、翡翠って琥珀が死んでも痛くも痒くもないんじゃ?
だって、翡翠には助けようと言う意志がないし……
A:まぁねぇ(笑)
I:だから、志貴と翡翠って仲良しなんですよ。お互い自分のことしか考えてないから(笑)。
T:じゃぁ、翡翠トゥルーなんか願ったり適ったりじゃないですか。
F:なにせ、敵は誰もいないし。
「そして、翡翠は勝った!」みたいな(笑)
T:心の中で「ケケケー」と笑ってたりとか(爆)
F:「勝ったニョー」とか(笑)
A:ええ話や(笑)
F:なんか、俺、翡翠派を敵に回しているのか?これ……
A:でも、秋葉派を敵に回すより楽なんじゃないのかと
秋葉派は人気投票では2位でしたが、一番アクティブな人たちが多いんじゃないのなぁ?とも思うし
F:俺は一番怖いのはシエルファンじゃないのかとおもうけど……
A:シエル先輩もなぁ……悪いキャラじゃないんだけど、なんというのか、ねぇ(笑)
F:でも、シエル先輩がいなかったらまともな話にならないよ、あの人だけだもん、まともな常識があるのは。
I:確かに他の面々は……(笑)
F:シエル先輩抜きで話つくってみ?なんか、異次元の話になるから(笑)
O:一番常識はあるのは有彦だけどね。
A:有彦、壊れる前のさっちんとか……
F:でも、有彦も遠野家につれていったら何するかわかんないぞー(笑)
さっちんも秋葉と同じタイプだから、一旦燃え上がるともう大変だし
A:アレは、吸血鬼になったからというのもあるし(笑)
F:いや、アレはもし恋人づきあいなんか始めたら、周りを皆殺しにするタイプだ(爆)。
君ら、さっちんをなめたらいかんよ、あれは何も言わずにずっと志貴を眺めていたストーカーなんだから(笑)
O:確かにそれは怖いなー
F:秋葉もアレだけどね、8年間会わなかった志貴を勝手に想いつづけてそれで志貴に怒っているんだから(笑)。夢見る乙女の8年間の妄想を妄想させているし……
A:人気投票では一位のアルクェイドなんだけど、これをメインにして話をするのは難しいキャラなんだよね、アレは。
O:話のネタとしては、ですか?
A:他のキャラだからどうこう、というお話はあってもアルクェイドだからどうこう、という話は非常に難しい……
F:教授、それはアルクェイドに愛がないからだよ(笑)
A:いやぁ、あんまり無いんだけどね、実際(笑)。
F:教授は隠れ秋葉マニアだから
A:この、明確秋葉萌え(Tie.氏のこと:笑)に比べれば……
F:それは、隠れマニアの方が想念が深いやろ!(笑)
O:アルクは何というか、わりと普通というかひねりがない訳ではないけどネタにしづらいものもあるというか……
F:アルクは、他のキャラと被らないから作りやすいと思うけど……ただ、書いていると某椎名ゆうひさんの「にゃんこー」になってしまったり、三石琴乃キャラになってしまうと言うか
(椎名ゆうひ:『とらいあんぐるハート2』に登場するのほほんヒロイン。にゃんこ:笑)
I:ああ、それはある……(笑)
A:そう言う意味だと、秋葉はやりやすい部分が多いというか……
T:猫娘亭では、秋葉とあきらちゃんはネタが無くなったら……
I:レンもネタが無くなったら使われていましたし(笑)
F:アキラも難しいよ、人のネタと被りやすいから特殊な見方をしないと。
A:シエルと秋葉って考えやすいんですよ、わかりやすくネジれたものがあるから
F:俺は秋葉は難しい。秋葉は完全にまっすぐ飛ばすコトしかない高速道路だから(笑)
A:秋葉はイタチの系譜やもんなー
(イタチの系譜:クレア・バートン、柏木千鶴、シスプリの咲耶のような陰性の攻撃キャラのこと:笑)
F:いや、でも秋葉は千鶴さんといわれるけど、一途な思いこみでは楓だよむしろ……あの夢見っ
ぷりは(笑)。ターゲットは固定されて他のメンバーを見ようとしないから……チヅリンはおじさま&おじさまの息子と狙いが散っていたし(爆)
A:なんか、言葉の節々から旦那の千鶴敵っぷりが
F:いや、千鶴は嫌いじゃないんだよ、あれは耕一に取り付かれてダメになったなぁ、って思うけど(笑)。
そう言えば、志貴が遠野家を乗っ取るという話はないねー。
A:あんまり、そう言うコト思う人じゃない……というか、変人だから
O:『幻視同盟』では、最初志貴ってこんな奴だったかな……と思ったんだけど、やっぱり違ったというか。でも、最後では案の定似たような類友だったというか(笑)
F:やっぱり似ているから、あんなに楽しそうにお話ししているんだよ、病んでるし(笑)
A:そうなると、次は病んでいると言えばヒスコハになりますが……
F:そうかなぁ?あの中では琥珀は病んでないと思うけど。
琥珀はやっちゃいけないよ、と教えられなかった子供な訳で……周りはそれを止められないわけだし。琥珀は日記を書いたりとかあれだけの作業が出来る根性はあるわけだし
T:翡翠やな、問題は(笑)
A:いや。文月さん、キミの解釈も変やわ、やっぱり(笑)
琥珀さんは正気だけどね、自分を自分で追いつめてしまうところがあるけど。
F:琥珀は、他の娯楽を何か与えておけばよかったんだよ……
A:通信させて2chに入り浸りにさせるとかなーッ(笑)
F:翡翠は黙っているから得しているんだよ、黙秘権行使というか……喋らないから周りが善意の
解釈をしていると(爆)。まぁ、楓派だな……一位になれないところがなんとも似ているというか、こう、決め技がない
O:アルクか琥珀が一位?
F:琥珀は通好み。でも、オンリーイベントやると一番繁盛しそう
T:朝鮮朝顔に囲まれたイベントですかーッ?
A:ンな、ダチュラぼりぼり食べるイベントなんかイヤ(笑)。あれ、まともなトリップにならないっていうし……そのまま病院に運ばれるまずいイベント(爆)
F:いや、俺は琥珀は志貴に薬を盛っていないで、勝手に七夜回路が発動しているという説も……
A:それも何かヘンやぞ、プラシボにはならへんし(笑)
O:でも、志貴はなにかと仕掛けが多すぎるところがちょっとねぇ……やってていらいらするというか。七夜回路といい、夢の同調と言い
F:でも、アレだったら秋葉とも夢が同調しないか?
A:同調する秋葉の夢っていうのも……
F:だから、秋葉の夢っていうのは有害なんだよ……「あはは、秋葉、おいでぇぇ〜」「待って、おにいさまぁ〜」ってお花畑のがエンドレスで!だから、同調してそんな夢を見させられるシキが消耗しちゃうんだよ(笑)
そんな夢を毎晩見させられるから、翡翠や琥珀シナリオではあんなに簡単にシキは秋葉に殺されちゃうんだよ(爆)
T:コロリと(笑)
A:秋葉ドリームを見続けるというのも健康に悪そうな……(笑)
男衆でまともなの、となるとネロ教授になっちゃうし。ロアって、なんかヘンなんですよね。
F:それは、ロアは夢見る少年なんだから(笑)
I:恋愛の自覚症状がないし
F:「振り向いてアルクェイド、ボクのことを!」ってかんじで
A:ロアももっと積極的にストーキングすればいいのに、やってることと言ったら学校に根を張ってアルクェイドが来るのをハァハァ言いながら待っているだけだし(笑)。なんというのか、裏白馬の王子サマシンドロームというか(爆)。
ネガティブシンキング何だよなー、とにかく……兄貴シキのほうがまだまともだし。
だから、結果としてはネロ先生がキャラ立ちして、あそこでそこまでキャラ立ちしたネロが倒れたあとでもゲームが終わっていないので驚愕したというか
I:大体みんな、ネロ先生が終わったところで終わると思ったから、驚きもひとしおでなかったというか
F:シエルシナリオも長いよね、ネロ先生が終わっても延々と……
A:アレは長かった……どれだけやっても終わらないにも関わらず、最初にやったのがシエル先輩だったし(笑)。
I:シエル先輩は一週間ぐらいかけてやったんですけど、最後の翡翠琥珀は平日二日徹夜。あれは死にました……
A:そうそう、連続で徹夜すると、会社で目をつぶった瞬間に気絶しそうになるんですよね(笑)
I:ヤバイとわかっても止められなかった……
O:私は一日数時間ずつ一ヶ月やってたんですけども……むしろ志貴のあの「わからない」という行動にいらいらする部分があったですし
F:あの辺、翡翠はかわいそうや、やたらに当たられるし(笑)
O:だから、一日にそれぐらいしかできなかったというのもありましたね。
F:最初、翡翠はかわいそうな娘やー、とおもったんだけど翡翠シナリオで……最後に全部しってたのかーい!と。逆に、翡翠も共犯なのかと思ったけど、手伝わないし止めないこの行動になんというのか……
T:やっぱり、琥珀さん嫌いやったからかなぁ?
F:いや、嫌いだと思うよ、翡翠は琥珀は……琥珀は翡翠が好きだけど、翡翠は琥珀は苦手だと(笑)
O:好意的に見れば引け目があるとも言えますけど……
F:シエル先輩にすれば、むしろロアの呪いが解けない方が幸せなんじゃないのかなぁ?と思うけど。
A:その辺は微妙やなー。アルクェイドの「寝たら直った」とか。
ある意味、『月姫』って『雫』『痕』の後継だと思うのは、見事なぐらい人の話を聞かない奴らの集まりだという面でも(笑)
F:まともなのはシエル先輩。あれだけ苛められてもまともに何とかしようと努力しているのはシエル先輩だけや……とばっちりは喰らっているけど(笑)
A:キャラの能力から見ると、つよいんだけどねぇ
F:キャラの能力の話なら、実は私秋葉最強何じゃ?と思うんですけども
条件さえ揃えば強いんだけど、なにしろ戦っているのが『秋葉』だから強くないと言うか……志貴も勝手にV−MAXが発動するレイズナーみたいなもんだし(笑)。高機動モードだし、壁走るし(笑)。
A:アルクェイドは暴走すると果てしないけど……
F:秋葉の檻髪もちゃんと使えば強いんだけど……シエルは宮本武蔵だよ、百戦錬磨であるというのが最大の利点というか。シエルのイメージはジェット・リーで、アルクェイドはセガールなんだよ、パンチ一発でああ、と思わせる説得力が(笑)
A:ごんぶと先生ですか……そうなると、ヒスコハは沈むよな
(ごんぶと先生:スティーブン・セガールのこと。例『沈黙の戦艦』→『ごんぶと先生・くろがねの城』:笑)
F:でも、琥珀も侮れない。秋葉の全力攻撃を喰らっても、ほぼ無傷だったというあの琥珀シナリオの行動もあることだし(笑)
A:志貴だって片手動かなかったのに、琥珀はねぇ……あれもなんなんだか(笑)
アルクェイドも強い筈なんだけど、いまいちそう見えない部分がありますけどね……
T:アルクは自然環境の悪い所じゃよわいしな(笑)
A:じゃぁ、大阪湾とか東京湾とかを対決の場に選んだりとか、産廃処分場や放射性廃棄物処理施設で戦ったりとか、事前にDDT撒いておいたりとか(笑)
F:だから、アルクェイドと戦うときにはダイオキシンを使うんや、手も足も出ないよきっと(笑)
A:そう言えば、最近吸血鬼小説や漫画が多いよね
F:狂ったように多いけど、漫画やゲームは基本が『ヘルシング』なのが……なんでみんな日本人は恨みもないのにあんなにバチカンを狂信者として描かないと気が済まないのかと(笑)。
ちなみに『月姫』の弱点は、ロボ要素がないことだと
T:やーめーれー(笑)
F:死徒の中にもメカ要素のあるやつがいてもいいけど、奈須さんはやってないんだよな……ボーグがいないのがなんともなぁ
A:なんや、それ(笑)。プライミッツ・マーダーもメカじゃないと思うし。
でも、銃火器になると誤解がいろいろあるかもしれないからなー、第七聖典とか(笑)
I:アレの何処が銃剣?とか(笑)
F:黒鍵も、普通の剣としての使い方もあると思うけど、そういう使い方をみんなしていないしねぇ……
A:最近思ったのはアレですな、ヒロインの魅力は戦闘能力に比例するという『殺し愛』の法則。まさに『月姫』はそれを体現していると。
もう、あれですよ、幼なじみとか同級生とか、そう言うには戦闘能力がないから萌えない、と言う時代が来ていると思うんですよ(笑)
T:それ、多分同人だけやで(笑)
A:でも、そう言うことを考えると今のXゲームの流通が、そう言う尖ったゲームの存在をある部分押さえちゃうのが、面白いゲームをやれない原因となっている面があると思う。なにしろ、流通的に良いゲームはエルフのゲームみたいになっちゃうわけだし、月姫は同人じゃないと出てこられなかった類のゲームでもあるわけだし。
F:コンシューマーはそれはあると思うけど……オールオアナッシングのパイの奪い合いをやる覚悟があれば
T:プロはそこで喰う為の計算があるから、そんなことはできないし、出来ないのが正しいというのも正論やな。『月姫』は同人を商業ものもある越えているけど、やっぱりその辺が同人なわけやな
A:その面で、『素人ゲーム』の系統と言う物もあると思うけどねぇ……
F:もともとXゲームも物好きが買うモノだったし。
カオスエンジェルから全てが始まって、それをちゃんとえろりで補ったのがドラゴンナイトで、それから同級生、雫・痕、Keyのゲームという拡大の路線になったけども
A:その途中で、ある意味素人くさいシナリオが風習が出来たというか
F:素人というか、ユーザー層の絞り込みやな。
ナンパゲームの全方面ヒロイン路線を捨てて、ごく限られた客層でも構わない、という方向に変わっていったというか……専門分野だったんでけど、それが広がっていったというか……
A:だから、『月姫』があそこまで大きくなったのは、凄いと同時に何かおかしい、というものも感じるんだよねぇ。
I:システムの話になると、実は今の時点でも雫・痕のやってたシステムですら達成していないものがたくさんありますからねぇ。今にしてみるとあれは良くできていたと思いますよ。
T:月姫の売れ方ったあれやん、Phantomと同じやん
F:Phantomもまともに流通して貰えなかったし(笑)
A:陰惨な初回注文数量とかね。
F:だから、専門分野への絞り込みなのよ。その専門分野で面白い、と言うことを認めさせればあとはそのプレイヤーたちが広めていくわけで、内容が伴っていれば一気にブレークすると……
I:『月姫』も?
F:そう、もしあれでシナリオが二流三流だったらどうってことなかったけども、良かったからここまでになれたと。
A:今はアレですね、こういうファンに認められたものがブレークする、形というかネットワークの広がりがパターンとして出来ているんですよね。
I:ネットの存在は大きいですな。
A:雫痕もniftyあたりが主体だったし、それ以後はインターネットの役割が大きいですし。
F:ときメモなんかは完全な口コミだったのに比べるとね。
A:そう言うところを見ると、『月姫』は同人でも、そう言うブレークの流れに乗れたというのが大きいと思うんですな。それも、ブレークの仕方が『痕』に似てるし
F:だから、既存のゲームの不満層を抱き込んだんだよ。
A:今の乱造されるXゲーム自体が構造的に不満層を抱えるようになっていて、どうもそれに対してビルトインスタビライザーみたいな感じで、雫・痕から月姫に至るまでのブレークするゲームがあるような気がするんですよね(笑)
F:VNから癒し系、反動としての恋愛系とかいろいろ流れはあるけど
全くその辺に影響を受けない陵辱系もあるけど。
A:なんか、Xゲームの市場自体が妙な形になっているんだよねぇ……でも、それが同じ商業ゲーム内で行われるならともかく、今回は同人ゲームである『月姫』になったことが、どうも根が深いなぁ、と……
F:同人だからこそ、一点集中攻撃だったんだよ
T:でも、パロじゃなくてここまで出来たというのは凄いな。
F:この中で同人ソフトの『腐食の瞳』やった人いる?
O:私は買いましたね
F:アレは、そう言う意味では早すぎた部分があるんですよね。こういう、ブレークする流れの前に出てしまったからメジャーになれなかったというところがあるし。
A:月姫の不満点となると、ちょっと音楽が……
F:えー?でも、音楽に頼りすぎない演出と言うところでは評価できるけど。
I:エンディングの所で、音楽の弱さを感じますね。シーンをフラッシュバックさせるような鮮烈な印象の音楽がいまいちですし
T:あと、無音部分を無音部分の演出として行っていなくて、ただ音楽が流れていないだけ、というのもありますな
A:まぁ、あと「月茶」とか見ていると音楽の趣味が特殊だなぁ、と思うところもありますからね(笑)
O:あれ、本編でやられたら引いていたかもしれませんなー
F:アレがもろ同人やろー
O:おまけだから良いんですけど、本編だったらああいうインディを敢えて、と言うノリがいまいち好きになれないものがありますし
A:インディ好きはどうも、知らないバンドを知っているのが「偉い」という妙な風習がありますからねぇ……
T:でも、それはしゃぁないって。
O:同人誌でも、こう、聞いていたBGMを書いてあって「うーむ、ワカラン」と思うことがしばしあるけど……
A:でも、同人だった赤Marlさんは円朝古典落語聞きながらえろまんが書いていたって話がありますよ(笑)
F:それはイカしてるなー(爆)
A:月姫の話に戻ると、やはり秋葉原を占領できたというこの一点は大きいねぇ。
F:というか、ブレークするだけの下地が出来た上に、丁度タイミングがあったんだよ。ネットのこともあるけど、それ以上に同人ソフトを扱う店が昔はこれほど無かった。でも、最近は秋葉原や日本橋ではいろいろあるし、全国にはメロンブックスみたいな形で展開があるので、昔よりはるかに手に入れやすくなった。
O:昔はHPで通販で買えるわけでもなかったし……
F:昔は即売会と一部の店しかなかったからね……だから、販売面でも爆発する要素が揃っていたとも言える
I:それに、ネットでの評価が重なって今回のようなコトになったと。
A:もしかすると、過去にも月姫に匹敵する同人ゲームはあったかも知れない。でも、ネットの発達・ブレークの形式・販売網の確立というタイミングに全て適合したのが『月姫』だったのかもしれませんな。
F:全部そろわなかったら、そうはならなかったのね……早すぎるソフトがあったものだし。それに比べると、条件が揃ったことは大きい。
I:本家のサーバーが落ちる通販はありましたけど、同人業者の方からもWebで買えますし。
A:そう言う意味では、一つのゲームの時代のメルクマークなんだよなぁ
F:うまく、全部揃う条件にあった。あとはこの流れに乗れる同人ソフトが出るか出ないかで趨勢は変わっていきますな。
それ以外でも、絵の効力もあったし
T:好きだけど絵だけが良い、と言う話も聞かへんけど
F:でも、むしろ主流の絵柄を外したことで当たったコトはあると思う。
シナリオもマニア好みだったし。
I:でも、そうであったこそ人には勧めやすいと言う点もありましたね。『雫』『痕』が好きだったら確実に面白いという、という見込みが立ったので進めしやすかったと。はまりそうな人が見分けやすかった
A:すごくオルグしやすいんですよね(笑)
F:あと、¥2500という価格ね。
A:買ったり買わせたり配ったとしても腹は痛まない……これが¥6800だったらそんな真似は出来ない(笑)。それに、コストパフォーマンスは良いしね。
I:でも、あまりにパフォーマンスが良すぎてシナリオが長すぎる、と言う話も(笑)
O:やっぱり、あの志貴の「あーもう、イライラするぅぅ」と言うのはあるけども。
翡翠琥珀のシナリオの収集は凄いなぁ、と感じるけども、やはり志貴の煮えきらなさにイライラさせられた三〇時間は残るというか(笑)
A:でも、凄いゲームだと思いますよ。実際のところ……
まぁ今回の結論というと……
F:志貴は変人、翡翠が悪い娘ということでしょうか(笑)
T:アルクはアルクでなぁ
F:いや、あれは分解したくなるほど好きなヒロインなんだよ(爆)
むしろ、秋葉の方がねぇ……嫌いな人はいないとおもうけども
A:でも、志貴と殺し合いを楽しんだりしているからねぇ(笑)
さて、今回はここでお開きにしたいと思いますが……どうも、有り難うございます。しかし、この
テープを起こすのはたいへんだぁなぁ(笑)
T:ええ話や(笑)
I:まったくええ話や(笑)
5/20 大阪ヒルトンホテル ウェッジウッドティールームにて
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