「生きてる」

                           ぜん




ある日の夜の路地裏、俺は一人の友達を刺し、気絶させた。

いや、刺す、と言うよりも殺す、の方が正しいのか。

まぁどっちでも良い事だ。

とにかく俺は助けるために、友達―――弓塚さつきを刺した。

狙ったのは体の中に巣食う吸血鬼の血。

これを「殺」せば人間に戻れるんじゃないかと思ってやった事だ。

確かに、俺は弓塚さんに「殺して」と言われた。

だが悲しすぎたのか、それとも……好意を抱いていたのか、彼女を救いたい。その一心だった。その為ならなんだってする所だった位だ。

そして―――

「弓塚さん……弓塚さん?」

「――――――遠……野………くん……?」

うっすらと茶色の眼を開けながら彼女は言った。

「弓塚さん……大丈夫?」

「いえ、彼女は吸血鬼にはならなかったものの、まだ衝動は抜け切れてません。」

「!…先輩!?」

いつのまにやら、シエル先輩が上に。本当に…いつの間に?

「一刻も早く秋葉さんに会わせましょう」

「秋葉に…?」

何故秋葉なのか全くわからなかった

「えぇ。彼女なら衝動を抑える方法を知ってます。さぁこの方は私が運びますので遠野くんは急いで来て下さい」

そう言うと先輩は手早く弓塚さんを抱え、夜の闇に消えた。

「さて…急がないとな」

そして志貴も走る。

何があるんだろうと言う期待と、助かるのかわからない不安を抱えて………



「はぁ。はぁ。はぁぁ…」

遠野邸につくと、何故かアルクェイドがいた。

「あ、志貴ー。ちょっと遅いよー?」

「これでも―結構頑張ったほう―だと思う…」

長距離―――しかも坂を走って上ってきたのだ。誰だって息は上がる。

「で、この女は誰?新しい浮気相手?」

「なっ…!何言ってんだオマエ!?」

とんっでもないことを聞いてくる奴だな

「ただの友達だよ。ただ…放っておけないんだ」

「ささ、お話は後にして、まずはこの方を助けますよー」

と、琥珀さんが注射器を持ってやってきた。……怪しい。

「で…秋葉。この後どうするんだ?」

なぜかはわからないが、秋葉が何か鍵を握っているらしいが……

「まず、この方の衝動を抑えます」

そう言うとみるみる髪の毛が赤くなっていった

「あ…秋葉?何をする―――」

言い切る前に、秋葉は檻髪を弓塚さんの胸に刺した

「秋葉!」

「静かにして!」

秋葉は真剣だった。

まるで脳にメスを入れる医者のような

―――そして

「……ふぅ。終わりました」

「終わったって……何が?」

「この方の衝動を“略奪”したんです」

―――なるほど。その手があったか

「…って、秋葉はどうなるんだ?」

「私は血液パックを飲んでいれば大丈夫です。それより――琥珀」

「はぃはぃ、ただ今ー」

ぷすっ ちゅぅぅぅぅぅ

「なっ…琥珀さん!?何うったんだ!?」

「え?大した物じゃないですよー。この方は略奪された直後なので、強心剤をちょっと…」 


―――怪しい。やっぱり怪しい

「他には?琥珀さん」

「はい、特に何も」

―――絶対に他にも何か入れたに違いない。

「では、様子を見るので志貴さま。彼女を部屋に運びましょう」

「あ、あぁ…わかった」

横から翡翠がヒョコッと顔を出してそう言った

「…………………………志貴さま?」

まさか……………

「やっぱり……俺が運ぶの?」

「はい。彼女もそれを願ってらっしゃると思いますので…」

クラスメイトといっても、結局は異性。

抵抗が生まれるのは仕方がない事だ。

むむむ………後からセクハラとか言われないかな?

そんな不安を抱きつつ、背中とひざの裏に手を回した。

俗に言うお姫様抱っこである。

軽い、と思っていた瞬間―――

「うぅん……………」

弓塚さんが声を上げた、慌てて落っことしそうだった。

眼を開けそうだったが、それを見ないように前だけを見てズンズン進んだ。

目を合わせたら泣きそうだったから。



「で、この後はどうするんだ?」

居間に戻ると、全員優雅にお茶を楽しんでいた。

「はい、まずは彼女が元気に目覚めるのを待ちます」

と、秋葉が笑顔のまま答える。

「というか、現段階でどこまでいったかを教えてくれないか?」

そう言うと、シエル先輩が咳払いをして、こっちを向いた。

「弓塚さんは今、吸血鬼の血もなくなり、吸血衝動もなくなりました。ですが、突然もとの人間に戻ったので、体の方が普通の生活に慣れてません。そのまま脳の命令は今までの力を使おうとするので、無理な力を入れ、体が壊れます」

それもそうだ。

吸血鬼の力で人の身体を使うなんて、血管切れるなんて所じゃない。

「それじゃあ…力の限界を教える…って事?」

「いえ、“慈しみ”ある行動を教えて、終わりです」

――――――はい?

「…………………………要するに?」

「不本意ですが……あの方と兄さんで、交わって頂きます」

あぁなるほどなるほど…ってええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?

「アノ…秋葉サン?マジワル…トハ?」

「もうっ!嫌な事を言わせないで下さい!」

秋葉が顔を真っ赤にして怒った。

「志貴とあの女でやっちゃえーって事、OK?」

相変わらずアルクェイドは軽い。でもこの行為は何よりも重い。精神的にも。

「何がおっけーかっ!!なぜ……その……やらないと!?」

「優しさと慈しみの意味はほぼ一緒です。遠野くんはしてる時が一番優しいですから」 


………………そうなのかな?と思っている矢先―――――

「と………遠野……………くん」

「あ、お目覚めだよ志貴―」

起きて来やがった。いやな言い方かもしれないがコレは本心である。

今から…………俺が?弓塚さんと?アレを?嘘だろう?

「琥珀さん、嘘だよな?」

「いえ、本当ですよー。さっきのお薬の中にも――――」

「何入れたんですか!?」

「はい、媚薬です」

――――――――なるほどね。道理で弓塚さんの太股が濡れてる訳だ。

「遠野……………くん!」

「うわわっ!弓塚さん!」

いきなり寄りかかってきたのだ。抱きつくように、それも…熱い。

「もう……ダメ……」

何が!?何がダメなんだ!?

「ホラー志貴、ヤッてあげなよー」

「あぁ――――――――――……」

「私……遠野くんが……好き……大好きだよ……」

何も言わず俺は弓塚さんを連れて部屋に駆け込んだ。有彦、許してくれ。



とりあえずベッドに座る。しかも無意識に隣へ座る状態へ。

「弓塚さん……………本当にいいの?」

「遠野くんじゃないと……嫌だよ」

キタ。ノックアウトだ。もういい、一線を越えてしまおう。

「弓塚さん…………」

「あ、ちょっと待って。あのね、遠野くん…………その……………」

「なに?」

「あの……初めてだから………優しくして、くだ、さい」

真っ赤になって俯きながら、弓塚さんはそんな可愛い事を言ってきた

「あぁ。絶対に優しくするよ。約束する」

そう言ってキスをした。最初はゆっくり確かめるように、その後舌を絡めた。

「ん……ふ……あぁ…………」

くちゅくちゅと水音だけ

お互いの舌が接触した時、弓塚さんの体がビクッと、震えた。

そのまま――――胸を触る。

「ふぁっ……あぁっ!」

ほど良い膨らみ、シオンより大きく、シエル先輩よりは小さい。だが感度はズバ抜けている。薬のせいか、天性のものか。秋葉と同じくらいに、それに、とても柔らかい。まるで服の上からだとわからないほど――――

「んっ!はっあぁぁ…あっ!あぁああ!」

これだけでも果てそうなのに、直で触るとどうなるんだろう。期待で胸が弾む。そして触りながら脱がしていった。ブラもはずし、半裸状態にすると、白い――雪のような肌をした胸と、血のように赤い突起が目に飛び込んできた。たまらず指で弄ると、ガクガクと震えるように弓塚さんは痙攣した。

「はあっ!く……ひゃっ……あっ!ふぁああああああ!」

すごい。ここまで反り返るのかと言うぐらい体は弓のように反る。

そして、緊張の糸が切れたかのように。ベッドに倒れた。

「わっ、ちょ、弓塚さん?大丈夫?」

すると――――

「…………うん。大丈夫だよ」

屈託のない、一点の濁りもないような笑顔で返してくれた。

「そう、それじゃあ……」

そして俺は自分のものを出す。

ジッパーをおろし、さっきから暴走気味のモノを。

「すごい………コレが…遠野くんかぁ……へぇー」

そう言って弓塚さんは俺のアレを珍しそうに見つめてくる。

さすがにずっと直視されるとこっちも照れるというものだ。

「遠野くん……」

「ん、何?」

「…………そのぉ…………………………」

「どうしたの?」

「あ、あの!触ってみてもいいかな!?」

どうやらここまで照れながら聞いてくると言う事はもう薬は残ってない様だ。

「うん、弓塚さんがしたい事をしていいよ」

「あ………それじゃぁ」

と、恐る恐る弓塚さんは俺のいきり立った肉棒を掴んだ。

「は…うぁ……」

思わず声がこぼれる。……でも足りない。

「弓塚さん………そのまま………上下に」

「え……うん、えーと…………こう?」

「もっと力入れて、そう。うん、気持ちいい……」

シュッシュッシュッシュッと弓塚さんはまるで赤子を扱うような顔をして俺のものをしごく。あたかも、大切なものを磨くように。

「すごいよぉ…どんどん硬くなって…ビクッってなって………は、むぅ」

「うわっ、はぁぁぁ……」

その瞬間、感触が変わった。

「ん………む、ぷはぁ…んんん…………」

驚いた。弓塚さんはいきなり俺のモノを口に含んだのだ。なんの抵抗もなく、ただ食事をするかのごとく、自然に。

熱い、ヌルヌルしてて、吸い付いてきて、すご――気持ちいい。

「へっへー、気持ちいい?遠野くん」

弓塚さんは自慢げに俺を見つめてくる。

「驚いたな、何でそんなこと知ってるんだ?」

「それはね、乾くんの机にのってた本みたからなんだー」

「でも、ボカシとかで見づらくなかった?」

「え?ボカシなんて無かったよ?」

有彦―――――――お前は何で裏本を平気で机にのせておく事が出来るんだ?

「まぁ……いいや。弓塚さん、もう……出そうなんだけど……………」

「あ………うん。いいよ、出して」

「え…………大丈夫?中で………出ちゃう……」

そういって俺は、クラスメイトの口をグチャグチャに犯した

「うあー………はぁ」

「むぅー……んっ、んー……ぷはぁ」

あれ、俺の精液はドコにいった?

「ふふふ………飲んじゃった」

その言葉にドキッとした。まさか始めての彼女がいきなり飲み込むとは。

「どうだった?遠野くん……気持ちよかった?」

上目使いでそんな事を言われると、こっちだっておかしくなる。

「気持ちよかったよ、すごく。だからお返し」

「え?それって…キャッ!」

弓塚さんを押し倒し、股の間に顔をうずめると………

「あ……れ?弓塚さん…………」

「え?どうし……あ!」

―――――――履いてないのだ。スカートの下は何も。

「……………………どうして?」

その言葉しか出なかった。他になんて聞けばいいのかわからなかったから。

「………そ、それはまた今度教えるから!今は……ね?」

そう言うと、弓塚は微妙に股を広げた。しかも、すでにキラキラと光っている。さっきイッたせいか、赤く充血して、クリトリスも顔を覗かしている。

「じゃあ……いくよ」

そう告げて、俺は舌を伸ばした。

「あっ!あぁぁぁぁぁぁっ!あっ、あっ、あぁああ!!!」

ここまで、ここまで効くものなのか。ただ表面を舐めただけなのに、この効果。

「では………」

俺は今までの経験で培ってきた舌技を披露した。本領発揮。

「あぁ!うぅん…くっ!あっあ!はぁああっ!ぅわああああああああ!!!」

膣内に舌をねじ込み、クリトリスを鼻先で刺激する。

「あーーーっ!あっ!ひ、ひゃっあああぁぁぁぁ!!」

人差し指と中指を膣内に入れて、少し曲げて動かす。歯をクリトリスの皮に当てて吸い、クリトリスの中身を舌で舐める、弾く、強く吸う。

「いぁあっ!うぅぅはぁっ!!い…いくっ!くぅぅぅぁぁああああ!!!」

果てた。ブリッジに近い体制になり、腰が高く浮いたまま弓塚さんは、ストンとベッドに落ちた。

「はぁ、はぁ、はぁ、すごい、遠、野く、ん」

「弓塚さん…………可愛いよ」

本能のまま、頬にキスをした。

二度の絶頂でグチャグチャになった弓塚さんは、いつもの教室で見せる表情ではなかったが、美しかった。体を起こして抱いた。とても……落ち着く。

「遠野くん………もう………挿れて……………」

俺の脳に、雷が落ちた。こんな顔をしてこんな事を――――――

そして俺は、弓塚さんの秘裂に自分の化身をあてて、

「本当に………俺でいいの?」

「さっきも言ったでしょ?……来て」

良し、と頭の中で確信した後、俺はぐっと腰に力を入れた。

「ふぅぅ………入ってくる………遠野くんが………はぁぁぁ」

「すごい――きつくて ――ヌルヌルしてて――」

二度の絶頂、琥珀さんの媚薬だけでもう濡れていたのに、これ以上果てると、ものすごく熱い。しかもギチギチに締まってて、こっちもすぐに果てそうだ。

「あっ、あっ、あっ、あぁぁぁぁ!!!」

「ふ……くっ、はぁ、あっ」

「遠…野………くぅぅん!すご…………大き…大きいよぉぉ!!」

そう言って、弓塚さんはキスしてきた。

舌で舌を舐めって、すごく、情熱的で、官能的な。

「もう……だめっ!だ、よぉ…………はっ!あっん!んあっはぁ…くふぅ!」

睾丸の根元から込みあがってくる「放出」する欲望に耐えながら、俺はさらに指で弓塚さんのクリトリスを刺激した。

「ひっ!?ああっ!あっはあぁぁぁぁぁ!だめ!イクゥゥゥゥ!!」

急激な締め付けに俺も耐えれなかった。

「俺も………いくっ!」

そして、俺は弓塚さんの膣に思う存分出した。その後もドクドクと流れ出るのを感じ、引き抜くと、ゴプリといやらしい音を出して、中から白い――ドロッとした物が出て来て、弓塚さんはぐったりとしてベッドに倒れこんだ。

「すごい…………すっごい気持ちよかったよ、遠野くん」

真っ直ぐな笑顔で俺を見る弓塚さん、たまらず抱き締めた。

変な話だけどなぜかここで実感した。弓塚さんは生きている。

普通の人間にとって「生」なんて、普通過ぎるほど普通な事。

でも、違ったんだ。

当たり前だと思っていた「生」は、「死」と同じくらい大切なんだ。

抱き締めて暖かさを感じた途端、涙が出てきた。

「弓塚さん………良かった…………本当に……」

「遠野くんのおかげだよ…遠野くんがいたから…私はヒトになれたんだ…」

それだけ言って、彼女は意識がなくなった。

「!!弓塚さん!?弓塚さん!!」



………すー………すー………



「……………眠ったのか……」

それもそうだ。

ブッ通しで三回もイかせたんだから、誰だって体力的には厳しい。

「……さて、秋葉に結果報告しに行くか………」

弓塚さんの寝顔は―――――可愛い人間の女の子の顔だった。



「あ、終わった志貴―?」

「あぁ…無事終わったよ」

「どうでしたー?媚薬の効果は?」

「!?姉さん!また何か入れたの!?」

その場で小さな口論が始まった。他人が入る余地は無い。

「で、彼女はどうでした?遠野くん」

「うん、すごい柔らかくて、感度が……って先輩!!」

「やっぱり不公平です!私も働いたんだから、兄さん!抱いて下さい!」

「あ!ずるいわよ妹!私もー、ねー私もだよ志貴―」

「な…何を言い出すんだお前ら!?」

「あぁそうですね、働いた。と言うなら………私もですよ遠野くん」

「私達も入れてくださいな、ねー翡翠ちゃん?」

「………………………はい」

「ひ…翡翠まで何でっ!?ちょっと待って!!俺すっごく疲れてるから!!」

「疲れなんて、お薬でチョチョイのチーョイです!」

琥珀さんはそう言って、おもむろに瓶詰めにされたカプセルのような物を取り出した。もう―――大体予想はつく。

「でかしたわ琥珀!では順番に兄さんを……………頂きましょう」

「………………………………勘弁して」

遠野家の夜はまだ明けない。そんななか弓塚さつきは幸せに眠っていた。













〜あとがき〜

ども〜聖域に踏み込んでしまったぜんと申します。しかし、やっちまった…

さっちんの設定コレで気に食わない方が沢山いらっしゃるだろうなぁ…

まぁ私は楽しいですけどね!!(爆)

そもそも特徴が…グファッ!!



それでわ私のサチーンワールド閉幕です!!

したっけね〜♪(北海道弁)