早起きの楽しさ
                 ぜん



――――朝の光で目が覚めた。

まだかすかに残る眠気に耐えて、ベッドから降りる。

「――珍しいな」

自分でそう呟いた。まだ5時をまわった所である。

ちなみに今日は土曜日だから学校も無い。

「さて…まだ翡翠が来るまで…」

どうしようか…こういう時にこの部屋は不便だ。

ベッドや机の他にはこれといって何も無い。

もう一度ベッドに横になる。

「―――もう一回寝ようかな…」

そしてボ〜ッとしていると

ふと、ビクッ。と違和感がした。

それは、男子――それも思春期の男子に良く見られる光景。



そう、This is a ASADATHI.



「朝立ち」である。



むぅ、と俺は唸る。

翡翠が来る前に一発抜くか、それとも我慢してもう一度寝るか…

オカズなら心配無い、照明の棚の裏に常備エロ本装備だ。

(有彦に400円で売ってもらった物で、内容はアニメ系である)

翡翠が来るまでに一時間以上もある。

抜くためには有り余るほどの時間だ。

「さて……………」

しばし考える。

ぶっちゃけて言えばこんな朝っぱらから抜くのはどうかとも思う。

だが俺は、嫌、俺のムスコは抜きたい、と強く願っている……

































「よし、抜いちゃおう!」



そして心をウキウキさせて棚の裏に手を伸ばし、エモノを獲得。

エロ本をベストの位置に配置した後、ズボンとパンツを一気にずり下げる。

おぉ、今更だが元気だな、コイツ!

我ながらあっぱれだ、まぁ仕方が無いことだけどね。

よし、体制は完璧、配置は完了。



戦闘開始だ!





ゴシゴシゴシゴシゴシ………………

「…………ふっ………………っ…………」

よし、良いペースだ。

コレならあとチョットすれば……









ガチャッ





「――――――何っ!?」

イキナリなので叫んでしまった。

何たる事だ!いきなりドアが開きやがった!

急いで布団を引っ張り己のモノを隠す。

と、開けた張本人さんが顔をヒョコッと出してきた。

「……志貴さん?起きてらっしゃるのですか?」

「こっ琥珀さん!?何!?どうしたの!?って言うか待って!」

「…………………………あ」

俺の姿を確認し、少し固まった後、もう一度。

今度は顔を赤く赤く染めて固まった。

俺も流石に動きが止まってしまった。

「志貴さん………処理中でしたか〜……」

「まぁ……うん……そゆ事なんだけど」

もはや気力さえなくなってきた、ムスコも萎え始めている。

そんな事もすっ飛ぶように――



「……私が処理なさっても宜しいでしょうか?」



………………よく聞こえなかった、って言うのは嘘だ。

だが一応確認というのは必要だろうと思い

「――――――何ですって?」

思い切って聞いてみた。

「も〜〜〜恥ずかしい事を何度も言わせないで下さいよ〜♪」

なんて、顔を手で抑えながらクネクネして言ってきた。

「――――――要するに……してくれると?」

そう話している内にまた勃ってきた。

「……はい、志貴さんのご迷惑でないのでしたら」

「…………………嫌じゃないんですか?」

「はい!志貴さんのでしたらもう何度でも!」

やけに俺を直視した目がキラキラしていた。

そんなにしたいんですか!?とか突っ込みたかった。

「えと……じゃお願いします」

と言って布団をズラし、天井を見上げるそれをモロだしにする。



「あらら〜志貴さんったら朝から元気の良いこと〜♪」

なんて言われるとコッチだって照れてしまう。

「琥珀さんこそよくこんな事を朝から……うぉっ」

俺のモノをいきなりグッと握って、一言ボソッと

「えぇ、チョット夜の見回りで………」

「見回りで?」

いったん止まり、今度はハッキリと言う。

「翡翠ちゃんがですねー、志貴さんの写真で慰めてたんですよー♪」



なっ、

なにっ、

なにぃーー!?



「琥珀さん、それはマジですか?」

「マジです♪」

……照れる、と同時に嬉しい。

あの翡翠が…オレで………も、萌………はっ!
「志貴さ〜ん、今は私を見てくださいね♪」

と言って、少し強めに俺のアレをしごく。

琥珀さんの細く、滑らかな指が俺の肉棒に食い込み、動く。

「…………ふっ…………はぁ……」

「うふ♪志貴さんったら気持ちよさそうですね〜達成感が出てきます♪」

ただ料理をするような顔をして琥珀さんは俺のマツタケを調理する。

さすが料理人、腕は一品であり、手捌きだけでも十分である。

「志貴さん?イきそうになったら言ってくださいね?」

「あ………はい、わかりました…………」

「それでは、いきますよぉ…」



そう言って口にモノを運ぶ。

それも最初だからといって生易しい物ではなく、荒々しい舌の螺旋状運動。

それに唇の圧迫感と微妙に動く両手によって一気に達する所だった。

「うぁっ、ちょっ……はあぁ………」

琥珀さんは容赦なく俺に舌を押し付け、吸い付き、嬲る。

「んっ…ん………ぷぁっ、はむっ」

「琥…珀……さん………そんな……」

あ、なるほど。もう時間が押してる。

こんな所を翡翠に見られたら…うわっ、ゾッとしそうだ……

だからこんなに激しいのかぁ……ふぅ、そろそろだな。



「琥珀さん………もう…」

「――――――――――――」

応答なし。なんでだろう?

「…琥珀さん?」

「――――――――――――」

またしても応答なし。むしろ激しくなりつつある。

「琥珀さん?もう…出そうなんですが―――?」

そう言ったら琥珀さんは咥えたまま俺の目を見て、

うっとり、とした表情で。

目をトロンとさせて。

何かを確認するように一度止まって。



笑った。



うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ琥珀うううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!

なんて事をしてくれたんだ!

そんな事したら世の男子の99%が秒殺されるに決まってる!

それでなくてもイきそうな俺は一気に高みへ連行された。

「――――――――出るっ!」

そのまま口の中へ制御を開放。

「んっ………………………」

琥珀さんは少しピクリと反応し、吸引で射精を促す。

その吸引力といったらもう、睾丸からも吸い取られるほどの力で、

俺の精液を一滴も残さない――と言った本気バキューム。

ブルッとした射精後の振るえと、これまでに無い達成感と包容感。



一回口の中に溜めて、少し鼻で呼吸をしてから………ごくっ。

はぁ……………やはり……………やめられません。





「ぷはぁー、やっぱり朝のは濃いですね〜♪」

「琥珀さん……朝からありがとう。」

心からそう思う。

こんな朝っぱらから超情熱的フェラをかましてくれるなんて

なんて家のメイドさんは忠実で熱心で優しいんだろうか…

「いえいえ、チョットお手伝いをしただけです。」

と、何も無かったかの様に笑顔で答える。

「にしても、凄く気持ちよかったよ、ホント」

「それはそれは、ありがとうございます♪」

「いや、こちらこそ。本当に」

「あ、志貴さん、そろそろ翡翠ちゃんが来ますが…どうなさいますか?」

「そうだな……………あ、そうだ。琥珀さん、チョット……」

と言って、手でチョイチョイと来て来てジェスチャー。

「はい……………え!?えぇ〜……ははぁ、面白いですね〜!」

「どうかな?そしたら翡翠もさ…………だろうからさ」

「にしても志貴さん、よくそんな事が思いつきますね〜?」

「でしょう?んじゃ、早速……………」

「はい……チョット恥ずかしいですが…失礼します♪」

















コンコン



「志貴様、失礼しま――――――」

翡翠の目に飛び込んできたもの。それは――――

裸になった二人の裸体、しかもin the bed状態。

どんなに鈍感な人間でも、一目でわかってしまう状況。

「ん…おはよう、翡翠」

「あ、翡翠ちゃん、おはよ〜う」

「――――――――――――――――」



バタッ



そのまま、翡翠は床に倒れた。目をグルグル回して、顔を赤くして。

「!? 翡翠っ!? 大丈夫か!?」

「あらら〜翡翠ちゃん突然だったので気絶しましたね〜」

「ちょっ、琥珀さん!笑ってないで起こしましょうよ!」

なんでニコニコ笑っていられるんだこの人は!!

と思っていると顔を赤くしながらこう言う。

「――――その前に服を着てください♪そのままだと超至近距離で翡翠ちゃんが志貴さんのを見てしまいますよ?それこそ気絶だけじゃおさまらず、失神に達することだって有り得ますね〜」

「はっ!そうか!そうだった!マズイ!」

改めて自分の格好を見ると、演出のリアルさを追及するが故に、全裸。

あたかも今までしていました感を出すための事だ。

しかも俺のマイ・サンは琥珀さんの裸体によりビンビン。

これは…………マズイなッ!!と、言うことでマッハで着替え。

琥珀さんも一緒に着物を着て、いつもの態勢に。

そして、普通の顔をして、翡翠を抱き起こす。

「翡翠………翡翠?おーい翡翠―?」

「………………ぁ!!!」

こっちを見るなり、急激に赤面、俺を見て回想したのだろう。

そのままマッハで俺から離れる。抱いていた手がさびしい…

「し、失礼致しました!志貴様のお答えも聞かずに部屋に入るなど……!」

「いや、アレは演技だったから、驚かせてゴメンな翡翠」

「………………ぇ?」

これはわかっていない顔だ。翡翠の頭の周りには沢山の「?」マーク。

「朝に琥珀さんが来てさ、翡翠を驚かそうと悪巧みしちゃったんだ」

「………本当ですか?」

徐々に理解した顔をしてきた、よし。

「あぁ、だからしていた訳じゃないんだ、ゴメン。ビックリしたよね…」

なんて、少しブルーなトーンで喋る、すると

「いえ、こちらこそすいませんでした…勝手に…入ったりして………」

「………翡翠は、俺や琥珀さんを嫌いにならない?」

「はい、決してそんな事はございません…ですが……」

翡翠は言いづらそうにモジモジしている。

何か大事な事を言いそうな時の様な感じだ。

「ん?何?何でも言ってくれ」

「あの…朝から………するのであれば……私にも……………」

あぁそうか、翡翠は…一人でしてたんだっけ。

「うん、じゃあ今日の夜はずっと翡翠を愛してあげる、いいかな?」

翡翠は驚いた表情をした後、俯いたまま小さく――

「はい……………………お願いします…………………」

「よし、じゃあまずは朝ゴハンだね…あそうか、朝から一緒だったもんな」

「……………………え!?姉さん!?本当なの!?」

「あぁーーー!!!いや、翡翠、今のは…アレだ。言葉の綾だ」

「志貴さまは黙ってて下さい!」

「……………………はい」

意気消沈

「あらあら、翡翠ちゃんそんなに怒ったらお肌に良くないわよ〜?」

「姉さん…朝から志貴さまと「ナニ」してたんです?」

「志貴さんが困っていた様なのでお手伝いしただけですよ〜?」

「何の……………………です?」

なんか……翡翠の顔、血管出てないか?

しかもチョット紫色に光ってる気も…………

「言っちゃっていいんですかね〜?志貴さん?」

「嫌、言っちゃダ―――」

「それはね翡翠ちゃん、翡翠ちゃんが昨日の晩してた事なの〜♪」

キャッ☆とか言いながら琥珀さんは言った。

その手があったか!!さすが策士・琥珀。

「なっ!……姉さん!なんでそれを!?」

「だって翡翠ちゃん、鍵閉めてなかったじゃな〜い♪」

「………………………それは……………」



琥珀…すごいなぁ………これなら難なく飯が食えるかな。

そう思いながら俺はコッソリ扉を開けて食堂に向かう。

今日は自分で作らなきゃ、かな。

やっぱり、家族ってのは賑やかじゃなきゃなあ…

さて、何作ろうかな。秋葉もう食べたかな?







〜あとがき〜

秋葉がいないよぉ〜〜〜〜〜!!!!!!! (TдT)

まぁ…ほのぼのを追求するならあまり激しく怒る人はカット、と言う事で。

期待した方、すいませんでした(泣)

にしても、翡翠がキレるとどうなるんだろうなぁ…

チョットMッ気が……ハゥッ!!

いけないいけない。落ち着け、ムスコよ(笑)



それじゃ、また頑張って作りますのでそれまで。



したっけ!!