天まで届け
風原 誠 ふわり ふわり 空へと舞い上がるシャボン玉 風になびく洗濯物を 木々の枝えだを 屋敷の雨どいを 風に乗って 2階の窓へと舞い上がる そこに映るのは幼い私 志貴様が 四季様が 秋葉様が 翡翠ちゃんが 無邪気に遊ぶ姿を見下ろす 感情を失った過去の私 ふわり ふわり 風に乗って舞い上がるシャボン玉へ 硝子の向こう 世界の向こう 消して届かない世界 望む想いを託す 風に乗り 空へと舞いあがり 弾けて消えた あのシャボン玉は 私の想いを届けてくれたのだろうか ふわり ふわり ストローから産まれた 沢山のシャボン玉が 風に抱かれて 空へと昇って行く あの時託した想いは 空へと届いたのだろうか あの時願った祈りは 空へと届いたのだろうか 志貴様と出会い 志貴様に擁かれ 私はワタシを取り戻した しあわせですか 私は私に問い掛ける 答えるかの様に 窓に映る幼い私が そっと微笑んだ 舞いあがれ 舞いあがれ 沢山のシャボン玉 空へと届け 天まで届け 私の幸せと共に |