Rock On
熱 光 音 これらが、すべての効果を生み出す場所・・・。アタシはライヴハウスが好きだ。 そう、アタシはロックが好きなのだ。近頃は、あまりいいバンドに出会っていない。 それがイライラを余計に増やしてくる。 まぁ、今日は、最近のアタシが一番いいと思う、アーティストのライヴに来た。 このアーティストは有名だから、普通は、こんな狭いライヴハウスでやるはずはない。しかし、彼は、こういう場所が好きらしく、よく「シークレット・ギグ」というカタチで、こういう所でやるそうだ。だいたい普段1000人規模のライヴをしている彼に、こんな200人入るか入らない場所は狭くないのだろうか、とアタマをよぎる。 そうこうしているうちに開場の時間になった。だいたい、これから一時間くらい中で待つことになる。 一度、ライヴに行ったことがある人がいれば、わかると思うが、ライヴの前の、この入場したあとの待つ間のワクワク感が心地良い。 これからの時間まで、これが高まってゆく。 隣で、友達同士で話し合う女の子たち・・・ バンドをしていそうな男たち・・・ そう考えていたら、ローディーの人たちがあわただしく動き始めた。もうすぐ開演らしい。時計を見ると 開演五分前。 ____ライトが暗転する。 バンドメンバーが、ステージに立つ。 歓声が上がる。 ________そして、ギターのリフが鳴る。 ライヴの開始。 空間がはじける。 もう誰も周りを気にしない。 ____三曲目までが、終わった。Vo.が叫ぶ 「今日は、このシークレット・ギグへようこそ、後ろも前も関係ねぇからよ、オマエら暴れろよ!!」 アタシはこのバンドが好きなのは、彼のスタンスが好きだからだ。 しかし、今の日本の音楽は大半がつまらない。「エセ西洋かぶれ」、みたいなもの。 退屈で仕方ない。 ______そうしているうちにライヴはもう本編後半。こういうフレーズが聞こえる だから 今 歌うのさ 終わらない この夜に だから 今 歌うのさ 明日のない この街で このフレーズが好きだ。 今・・・現在を・・・・最大限に楽しむ これが、ROCKだと思う。 Fxxk you! もそうだが、こういうのも悪くない。 ____そして、ライヴは最高の盛り上がりを見せる。 後半にハードな曲が並んでいるためだ。モッシュする人、アタマを振る人。思い思いにみんなが乗って盛り上がっていく。 ____そして、ライヴハウスの熱が沸点に達したとき、本編が終了した。 火照った顔で周りを見る。みんな、すごく楽しそうだ。 ____周りから、掛け声が上がる。「アンコール」なんて言うのはRockじゃない。 手拍子と「オイ!オイ!オイ!」と連続でテンポよく言うのがカッコイイ・・・とアタシは思う。 ____しばらくのインターバルの後 アンコールが始まった。 どうやら新曲らしい。 途中でこんなフレーズが聞こえた。 Ride ride on just Rock on Life is short so just Rock on (人生なんて短いんだから早く目標をつかめ!!!) たしかにそうだ。でも今のアタシは寮に入れられ、目標を見つけていない。 少しは焦っている・・・・・。遠野だって見つけている。羽居は見つけているかは・・・まぁアイツなりにあるだろう。 ____ライヴが終わった。客電がつく。みんな心地良い疲れに体を預けている。 ______思った。 ここに来ている人は みんなそれぞれの生活があって 明日からは、それぞれの場所に戻っていく。 それはある意味、奇跡的な確率だと思う。何気なく考えたがすごいことだと思う。 ___帰りの電車の中、心地よい疲れに包まれながら考えた。 もしかしたら、遠野や羽居に出会った確率もすごいものなのだと。 アイツらがいない部屋を考えてみる。 ___何かつまらない。 ____いつも堅すぎると思った遠野の凛とした態度も ____いつも世話がかかると思った羽居のあの性格も 無くなるのを想像すると、なんの味気もない学園生活になってしまう。 確かに、いつもは煩わしいと思うあの二人も、すごい確率で出会ったんだと思う。 「もう少し、アイツらのことを・・・・大切にしてやるかな・・・」 不意に思ったこと。アイツらの前では言えない台詞。 それでも本心。 恥ずかしいだけ。 電車が、アタシの降りる駅を告げる。 さぁ、明日からも授業だ。 でも、その前に あの二人に「ただいま」を。 そして心のなかでは 「これからも頼むよ。二人とも。」 〜F I N〜 |
あとがき |
こんばんわ はじめましてです。 TAMAKIと申します。 書いたのは蒼香さん。丁度ライヴに行った後に書きました。 たのしんでいただければいいかな・・・。みたく書きました。 これは、三月末に僕が行ったライヴをもとに書いています。 ライヴの雰囲気を行間には込めたつもりなんですけどね。 うまくいったかは、感想を でわわ。 ‘02・4/8 A.M. E−mail::bloody_pyromania@hotmail.com |