そしてデザート


 ……ぴちゃり

「ん?」
 俺の頬を舐め続けるそのこそばゆい感覚に、ようやく俺は目を覚ました。
「……アルクェイド?」

 いや、違う。

 これは夢の中だ。

 だから……

「レン、おはよう」
 ちょっとねぼすけな主人にむーとふくれながらも、俺ににっこりと笑顔を返す少女がそこにいた。

「んっ……あれっ、体が動かないや」
 多分気を失ったから脳が半端に覚醒してしまっているのだろう。夢の中で運動神経が使えないと言うことは、実体の俺は眠っているのに体が動かせる。いわば逆金縛り状態なのだろう。

 俺がレンに向かって苦笑すると、レンはこくりと頷いてふっと姿を消す。
「レン……?」
 首も僅かに動かせるのみ、それを何とか動かすと……

 レンは、俺のペニスに自ら奉仕していた。

 そのあまりに小さな口で俺を包み、柔らかすぎる舌で亀頭を舐める。
 神経が抜き取られているようで、そこだけが物凄い刺激を感じさせる。
 あっさりと、放出しまっていた。

「ああ……レン」
 こくり、こくりと一度で飲み切れぬ量の精液を頂き、恍惚の表情のレン。

 でも、まだ足りないとばかりに一度俺のそこにキスをすると、立ち上がって俺の股間をまたぐ。

 ドレスを取り去ると、あまりに幼いその体が俺の前に露わになる。
 その光景に、俺のモノはたちまちそそり立った。
 それを確認すると、レンはゆっくりとそこに手をあてがい、腰を落としていく。

 ずっ、ずずずっ……

 全部入らない内に、レンの最奥まで俺のペニスが届いてしまう。
 あっと首を反らし、その快感に打ち震えるレン。
 そんな無抵抗な俺を、まるで犯しているかのように思ったのか、主導権を感じたレンは俺に向かってフフッと怪しい笑顔を見せる。

 その体は少女の造りなのに、どんな大人の女よりも妖艶な表情がたまらない。

 反応してペニスを跳ねさせることで意志を伝えると、レンがあっと仰け反る。
 そうして、俺がまだ動けないのを理解しているから、自分から動き出す。

 ずちゅ、ずちゅ……

 ゆっくりと出し入れされるそれが、俺からもはっきりと見える。
 レンの小さく可憐に開いた花を、俺のペニスが痛い程に押し広げている。
 その強烈な視覚刺激に、たちまち絶頂が近付いてきてしまった。

「レン……ほら、お前の大好きな精液だよ……」
 俺が最後を告げると、レンが嬉しそうに俺の上でぽんぽんと跳ねた。
 強烈に擦る感覚が俺を立て続けに襲い、最後の線を簡単にぶち切っていた。

 ドクッ……ドクッ……

 その精霊としての源を与えられ、レンはとても満足そうに俺の体に倒れ込んできた。
 俺はそのレンの膣を埋めてなお精液を吐き続け、ごぼりと自分の腿を伝ってそれが垂れ落ちるのを感じていた。

「はぁぁ……」
 深く、ため息をつく。
 それと同時に、まるでベッドという深海に沈んでしまうかと思われる程に、体が眠りを覚えていた。
「レン……」
 お休みだよ、そう言う前にレンは俺の目の前に顔を持ってくると

 ちゅーっ

 唇を強く吸って、一時のお別れのキスをしてくれた。

「おやすみ……」
 最後にそれだけ伝えて、俺は違う夢の中に落ちていった……






「んっ……」

 くちゅり……

 まるでまた夢を見ているようで。
 でも、薄く開いた目には眩しい朝日が差し込んでいる。

「ああ……」
 下半身を動かさないように注意しながら、俺は体を起こして眼鏡を取った。
 そしてそれをかけながら、いつもと同じように股間にひざまずいて愛撫をしている翡翠の頭を撫でると

「今日もおはよう、翡翠」

 そう呼びかけるのだった。


 そんな、代わり映えのない毎日。


 だから、と言っては何だけど

「私には、無いのですか?」

 あの言葉をはぐらかす方法を考えるのが、今日も頭を悩ます種だった。



〜後書き〜

 初めまして、古守久万でございます。
 今回は瑞香さんに寄贈いただいたお返しと言うことで、ひと作品書かせていただきました。
 で、今回の話にはちゃんとワケがあります。それは先のメールでのやりとりのこと。僕は正直何を送ればいいか悩んでいたので、瑞香さんに助けを求めました。

「何かリクエストありますか?」

瑞香さんはこう返事をくださいました。

  > 18禁ならば、身悶えするような、え、ここまでいくの、まだ止まらないの?
  >というぐらいの作品がいいですね。
  > エスカレートしてとまらない様はある意味ドキドキさせてくれますから。
  > キャラは、秋葉さん以外ではどなたでも。
  >しにをさんが秋葉さんを書かれるので、それ以外でお願いいたします。

 そこで僕は考えました。実は瑞香さんのいたずらに始まった寄贈合戦。いたずらされたらやり返すのが流儀でしょう。
 僕は馬鹿正直な男です、そして世の中を斜めに見るのが大得意です(矛盾
 ですから、秋葉さん「以外」のメインヒロイン全員(+α)を書いてあげることにしました(笑

 返事の前半部分が満たされているかは、瑞香さん&呼んでくださった皆さんの感想によると思いますが、一日でこうも繰り返される志貴の絶倫ぶりには、身悶えはともかく「まだ止まらないの?」と思ってくれたことでしょう。
 もしくは、まだ止まらないの?と思ったのは僕の悪ノリさ加減でしょうか?(笑

 しかし、瑞香さんにそう言われなければ、この作品も決して考えつかなかったワケなので、大変感謝しています。
 構想はバイトの行く途中の5分間。プロットはバイト中、バイトから帰って5時間で一気の執筆と、自分でも何をやっているのやら……と思いました。

 個人的にはさっちんを書けたのが何より嬉しかったりしています。秋葉が無いじゃないか!とお嘆きの皆様、それはしにをさんの作品でお楽しみ下さい。

 ちなみにタイトルですが「はるかふゆ」です。「遙か冬、秋は忘れて」とか「春夏冬、秋はなし」とでも取ってください。
 秋は……秋葉……でわ(笑

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