真に導く者の旅路第1話〜


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1: pein (2004/04/29 00:19:18)[hellsing1117 at yahoo.co.jp]http://www.springroll.net/tmssbbs/

6月もなかばに差し掛かったある日俺、七夜真導は学校に行く為鬱陶しい雨の中を片手に傘、もう片方には鞄といたってごく普通の格好で登校していた。
ゆっくり、とでもないがそんな感じで登校中の俺に突然、災厄が舞い降りてきた(追突してきた?)。

ゴスッ!

といい音で俺の背中に災厄は肘打ちを打ち込んできた、あまりの痛さに俺が後ろを振り向く、当然犯人は判明している為

「おい、沙織お前朝っぱらから何してんだ!!」と言い返すと打ち込んできた本人は満面の笑みで

「おはよう、今日も一緒に登校しようか」

などと、言われたら情けないことにすっかりと怒気は修まったこれが俺の日常なのである

「はい、はいじゃあ行きますか私の愛しいお姫様?」

という皮肉にもならないことしか言い返せないのもいつものことである

「じゃあ、学校までは距離があるしここら辺で読んでもらってる人達の為に軽く説明いっとくかぁ〜」
「真導?何言ってんの?あんた」
「いや、いや別になんでもないぞ?」
「ふ〜ん?ならいいけど」

じゃあさっそく説明ってことで沙織とは俺の恋人ってやつだ、まぁ住んでるところも同じだから半同棲みたいなもんなんだけど親父、母さんその他大勢居るから
あんまり実感は無いんだけどなまぁ、俺達の馴れ初めについてはまた別の話ってことで親父や母さんその他大勢の説明もしたいんだけど・・・・あってからでいっか

「お〜い、真導何ぶつぶつ言ってんのもうすぐ学校だよぉ〜」

そんな沙織の言葉に沙織の方を見ると沙織は結構遠くまで行っていた。

「ちょっ、沙織待てよ!」
「だ〜め!真導が走りなよ」

などと正しく”バカップル”の様な感じなんだが不思議と現実に戻って来たんだな、と安心してしまう。
―キ〜ン〜コ〜ン〜カ〜ン〜コ〜ン―
という予鈴の合図が突然聞こえてきた、俺と沙織両方ともが顔を見合わせ

「やばっ!走るぞ沙織!」
「うん!!」

といって全速力で校舎の中に駆けていった

その日学校は教職員の用事なんかで昼間で、昼になるとみんな家路に着いていたそして俺は例の如く沙織とイチャイチャしながら戻ってきたわけである。
―ガラ
と玄関の戸を開け居間に入った沙織はどうやら自分の部屋で着替えてから来るらしい。

「だ〜、腹減ったぁ〜母さん飯まだなの?」

というと母さんは何かを見つけたように俺のほうに走ってきた

「真導〜、帰って来てたんだ何お腹空いてるの?ごめんねもうすぐ出来るからもうちょっとまっててね?」
「わかった、わかったからいい年して息子に頬擦りするのは止めてくれ」

と無理やり引き剥がすと

「え〜!真導のケチ〜もうちょっとさせてくれてもいいんじゃない?ただでさえ最近志貴は忙しくて毎日疲れているからあまり無茶な事はできないのよ」

などと言って今度は俺の首を締め出したのである
―親父は関係ないよ!っていうかそんな2人の事なんかしらないよ!!あぁ〜だれか助けてくれ〜沙織〜まだなのかよ〜
そう思っていたときやっと俺のに救いの手が差し伸べられてきたのだ

「ただいま」

そういって親父が居間に入ってきた

「あっ!今回の仕事ははやかったんだね!相手弱かったの?」
「いや?別にそんなことはないぞ?これでも苦労したんだよ、所でアルクェイド?フライパンから煙が出てるようだぞ?あれ、どうするんだ?」
「えっ?うそ〜?はやく止めなくちゃ!!」

あぁ〜、助かったあのままでいたら首がどうかなってたぞ
ちなみにさっき俺を殺そうとしたのが母親の七夜・アルクェイド・ブリュンスタッドで俺を助けてくれたのが親父の七夜志貴だ
ちなみにさっきいってた仕事っていうのは吸血鬼狩りである、主に死徒と呼ばれている吸血鬼を抹殺するのが父さんの仕事である、それに社長でもあったりする
社員は親父を含めて7人であるしかも親父以外は全員女ですべてかなりの美人である、しかも親父と年齢はほとんど変わらないのに外見はまるでみんな20歳前後の
ようであった、なんでもアトラスの学長と親父の元・妹の秋葉さんの所の使用人琥珀さんが4〜5年かけて作ったものらしいえ〜と確か開発費は何十兆いったのかな?
と余計なことまで思い出して考え込んでいると

「真導、久しぶりだなどうだ”あれ”は使いこなせるようになったか?」
「魔眼の”あれ”のこと?」

と突然聞かれ”あれ”かどうだろうまだ安定はしてないんだよな第一”あれ”は使い方間違えたら死ぬからなぁ心の中で呟きながら
俺がう〜、と唸っていると親父が笑って

「よしっ!昼飯食べたら久しぶりに稽古つけてやろうそれで稽古の最後に”あれ”がどこまで制御できるようになったかテストしよう」
「わかったよ、でも俺は本気で行かせてもらうぜ?親父覚悟しとけよ今日こそは勝ってやる」
「ははっ!よし、その意気だ!でも俺もまだまだお前には負けないぞ?」
「ふん、今日は絶対に負けねえ」

と親子で火花を燃やしているところ台所では

「キャー、消し炭になってる・・・」
「まぁ、まぁアルクェイドさん落ち着いてもう一度最初から作りましょう?」
「うん、そうだね!!もう一回つくろう!!」
「はい、その意気です!」
「でも・・・」
「でも?」
「何作ってたのか忘れちゃった」
「え〜!!」
「しょうがないですね、私がやるんでアルクェイドさんは手伝いをおねがいします」
「うん、ごめんね〜」

といつの間にやら居間に入ってきていた沙織と母さんが女の闘いをしていた

―昼食から一時間後―

家の庭に出た親父と俺は入念に準備運動をしていた

「で、真導どうなんだ?だいぶ慣れてきたか?」
「ん?魔眼の事?魔眼には慣れたけど”あれ”を使おうとすると何か緊張して巧く出来ないんだよ」
「そうか・・・まぁ、訓練していけばそのうち制御できるようになるだろう」
「そのうちね〜、まぁ実践じゃ巧くいくのに普段出来ないのは不便だよな〜」
「実践に強いのはいいことだぞ?真導」
「わかってるよ、でもそれじゃあ本当に守りたいものが守れないかもしれないだろ?」
「そう・・・だな、よし!じゃあお前がはやく一人前になるように普段の二割り増しでいくぞ!!」
「ふん、望む所だぜ、親父っ!!」

その俺の声が合図だったように俺と親父の体は一瞬で後ろに跳び引いた、不意に親父の両腕がだらんと垂れ下がり俺を挑発するような仕草をしてこう言った

「こいよ、ちょっと遊んでやる決めるなら今だけだぞ?それ以外お前が勝つ道は無い」
「そこまで、俺に倒されるのがお望みならそうしてやるよ!!」

鋭く地面を蹴りこれ以上ないほどのタイミングで俺は親父に仕掛けた、もう親父が目の前だよしいける!そう確信した俺はもう一度鋭く地面を蹴り親父に真正面から
突っ込んでいった、とった!!そう思った瞬間親父の体がぶれるように動き俺が捉えたはずの親父の姿は俺の前になかった、一瞬呆然としていた俺だったが横からの
強烈な殺気に全力でその場から跳んだ、そして一定の距離を空けて俺が退いた場所に立っている親父を睨んだ

「おいおい、真導まさか今のが本気じゃないよな?この程度であの吸血鬼と闘って倒したのか?力任せじゃ駄目だお前の持てる能力を全て注ぎこんでかかってこい」
「あんたは一体何者なんだよ、俺の親父ながら化け物じみてるな」
「そうだな、まぁ、強いて言うなら”殺人貴”って所か?」
「そうか、わかったなら全力でいくぜ?殺人貴さん」

そういって俺はゆっくりと目を閉じ、世界と自分とが一体になっていく姿を想像した、俺は母さんとは違ってこうしないと力を汲み取れないから不便だよな、と思いつつ目を開ける
そしてまたさっきと同じように親父、いや殺人貴に向かって一直線に駆けて行った

「また真正面から突っ込んでくるだけか?いい加減学習しろ、馬鹿」

そういうと殺人貴の体がまた左右にぶれた、ここまではさっきとまったく一緒だったのだがさっきとは見ているものが違ったそして俺がまた体に触れようとする直前にまた親父は俺の
目の前から姿を消し俺は親父の”真横”にいた

「何っ!足首の動きで俺の動きを読んだのか、くそ真導俺をはめたな!!」
「あぁ、親父が単純で助かったよこれで詰みだな残像を残すくらいのスピードなら今の俺には楽勝だ」

一瞬親父の体がまた左右にぶれた気がしたが俺はそれを気にも止めずに殴りかかった

「な〜んてな、そんなのに引っかかるか、馬鹿息子」
「嘘だろ?親父いつの間に俺の後ろに?」
「勝負はいつでも形勢逆転可能だ、お前の読みが甘かったな最後の最後にボロがでた」
「くそっ!」

そこで俺の意識は跳んだ
起きてみれば俺は居間に居て時間はもうすぐ七時だったまだ少し親父に叩かれたであろう延髄が痛い、それに久々に力を汲み取ったせいか体が鉛のようにだるい

「痛って〜親父もちょっとは手加減しろよな」
「そういうな、手加減があまりできなかったんだよ」
「なんだ親父そこにいたのか、ならはやくいってくれよ」
「それはすまんな、ところでお前の”あれ”みれなかったな」
「そういえばそうだな、まぁ、いいよ今日のはこれで十分さ」
「そうか、じゃあまた別の日に見てやるよ」
「わかった、ところで親父?今日の俺どうだった?」
「点数でいうと無し」
「はぁ?なんだよそれはそれはないだろ!」
「まぁ落ち着けで体術という点では70点くらいだな」
「何だよ、それならそうと早く言えよ、で今日は何が悪かったんだ?」
「真導、これだけは覚えておけ闘いになったら絶対に気を抜くな、気を抜いた瞬間たとえどんな相手だろうと今日俺がやったように逆転されるぞ」
「わかった、あんなことはもうこりごりだからこれからは常に気を配ってるよ」
「ん、それでいい俺からはそれだけだよ」

でも、あの親父の動きは何だったんだ?まるで時間が止まったように気がついたら俺の後ろにいたな、親父は魔術なんかは使えないはずだし、魔術を発動した形跡が
ないんだったらあれは親父の技量だったってことかでもまるで蜘蛛みたいだよな、それにしても親父あれで30%ってどんな化け物なんだ?やっぱりいつもどうり10%くらいに
してもらった方がよかったか?いやでもそれじゃあ、訓練にならねえし
と俺が思考の海にダイブしていると

「真導、ご飯食べるわよ、はやくこないと全部、アルクェイドさんや志貴さんに食べられちゃうんだから」
「おう、わかったすぐ行く、まぁいいかそのうちわかるだろ」

と食事の時間になっていたようなので居間のテーブルがある場所へといった

でいつも通り風呂に入るまえに犬の散歩に行くわけだが近くの公園に差し掛かったところで思いも知らない人がいた

「アルトルージュ伯母さん今日は旅行に出かけているんじゃないんですか?」
「真導よ、私はお前が心配でここまできてやったんだぞ?」
「はぁ、それはどうも」

ちなみにアルトルージュ伯母さんはいつも親父達の家で生活をしている、何でこんなことになったのかをいうととても長くなるので端的にいうとアルトルージュ伯母さんが親父達と
一緒に住むことが親父と母さんの結婚を許す条件だったらしい、ついでにいっておくと俺が毎日散歩に連れて行っている犬はプライミッツ・マーダーらしい、まぁ知っている人が聞いたら
びっくりするだろうが、この犬は俺にとてもよく懐いてくれているのであんまり気にしていない

「ところで、真導に提案があるのだが?」
「何ですかその提案って?」
「うむ、修行してみるきはないかと思ってな」
「修行?」

修行っていうとあれだろうか、谷に突き落とされながらタフネスを鍛えたり、野性の大猿なんかと闘って来いとでもいうのだろうか?
それとも崖でも昇れってか?

「真導、お前が考えているものとは違うぞ」
「えっ?どうしてわかったんですか?」
「顔をみればわかる、そんなことより修行してみるきはないか?」

どうしよう、突然そんな事言われてもな〜、でも強くはなりたいしな、ちょっと質問してみるか

「質問なんですけど死ぬことはあるんですか?」
「ある」

うわっ、言い切られちゃったよどうしようか?あんまり無茶なことするとみんなに迷惑が掛かるし修行内容聞いてみるか

「あの〜、修行とは一体どこで何をするんですか?」
「ふむ、まず場所は」
「場所は?」
「18年前の冬木市だな」
「え!!!」
「で次に内容だが、そこで行われる聖杯戦争に勝利してくることだ、わかったか?」

俺はまさしく目が点になっていた、百歩譲って18年前の冬木市に行くのはよしとしよう、ゼル爺にいえば一発だろうからなつまりそんなことより問題は
その場所の聖杯戦争なるものに出場しろということのほうだ

「真導よ、驚くのは分かっているが返答を早くもらえないだろうか?」
「そうだぞ、真導ものの試しに行ってみたらどうだ?ワシはよい提案だと思うがな」

そういってこっちに歩いてきたのはゼル爺だったゼル爺とは生まれたときからよくあっていて簡単な魔術なんかも教えてもらっているでも今は確か別の時代に行っていて
行方不明扱いだったはずだ

「ゼル爺?どうしてこんな所に?何しに来たんですか」
「どうして?とは心外だなお前はアルクェイドの息子ということはワシはお前のことを孫だと思っているぞ?」
「それはわかりました!何をしに来たのですか?」
「アルトルージュが真導を18年前の聖杯戦争へ修行の一環として送ってくれないか?と相談されたものでな、他ならぬ真導の修行の為であるからワシがここまできたのだが?」

やっぱりだ、俺の予感は寸部の狂いも無く当たってしまったでもこの話の流れじゃ始めから俺が行くことは決定してたんじゃねぇか!!伯母さんにもゼル爺にも困ったもんだ
特にゼル爺に言われたら逆らえないし、よしっこうなればやけだ戦争でもなんでもやってやろうじゃねぇか!!

「アルトルージュ伯母さん、ゼル爺、やってみるよそれでその戦争に勝ってあの親父に勝てるほどの実力をつけて帰ってくるよ」
「そうか、真導なら私からは何も言うことは無い、詳しいことはゼルレッチから聞いておけ、では私は熱海に帰ってゆっくり温泉にでも浸かっておるわ」
「あぁ、伯母さんゆっくりしてきてくれ」
「ふっ、真導、死ぬなよ」

そう言ってアルトルージュ伯母さんは闇に融けるように消えていった、俺がしばらく伯母さんが去ったほうを見ているとふいにゼル爺が口を開いた

「さて、あんまりぼやぼやしていられそうもないようじゃから簡潔に聖杯戦争のルールをお前の頭の中に流しこむ、すまんがそれで理解してくれ」

そういってゼル爺は俺の頭に手を置いた、その瞬間過去の聖杯戦争のことなど莫大な情報が一気に流れてきた

「ハァ、ハァッ、ギッ、くそっ何だこれは頭が割れる!!!!」
「もう少しじゃ、辛抱しろ!」

そうは言ってももう限界・・・・だ、意識を失いかけたとき突然情報の波が治まってきたどうやら終わったらしい

「ゼル爺・・・終わったのか?」
「あぁ、これで全部じゃどうだ引っ張りだしてみろ」
「いや、そんなことしなくても把握できたよ、だてに母さんの子供じゃないからね」
「そうだな、ではこれからお前を18年前の冬木市に送るがかまわんな?」
「あぁ、いつでもやってくれ」

そういうとゼル爺は俺から一歩離れ何かの呪文を紡ぎだした

「時を駆ける者、その者の名は真、今ここに次元の扉を開き、それをもって完とす、開け”Distortion of a dimension”」

ゼル爺の詠唱が終わり自分のたっている場所を見ると青白く光っていたそして俺は

「ゼル爺、勝ってくるよ俺必ず、だから親父や母さんそれに沙織には心配するなっていっておいて」
「わかった、そう伝えておこうワシもお前の聖杯戦争が終わる頃にそちらに行くから帰りは心配するでない、では一時別れの時じゃまたな真導」
「あぁ、皆によろしく」

俺がそういうと青白く光っていた地面はより一層輝き俺はその光に吸い込まれるようにしてしばらくの間この時代からお別れすることのなった

そして物語は十八年前の冬木市へ

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2: pein (2004/04/29 00:20:02)[hellsing1117 at yahoo.co.jp]http://www.springroll.net/tmssbbs/

青い光に包まれていた俺の体が急にその光から抜け出すように霧散し、俺は辺りを見回すとそこは雑然とした都会の風景とは違うどこか懐かしい匂いのする
森の木々たちに囲まれたお寺だった

「ここは、何処なんだ?」

それが俺の第一声だったゼル爺に渡された記憶を頼りに思い出してみる、一つ一つの記憶の中からより鮮明なものを選ぶ為慎重に手繰り寄せる

「あった、そうかここは柳洞寺か・・・確かにここはちょっと他の場所とは違うな」

そういって俺は石畳の階段に腰を下ろしこれからのことを考えることにした

「それにしてもどうサーヴァントと契約するかだな、俺には英雄に縁のあるものなんて持ってないし生身で闘うには少しきついからなぁ」
「そうか、それでは生身で闘えるか某と戦って見るか?」

突然の声に俺は後ろを振り向くことなくその場所から飛び退いた、そして俺の座っていた場所から更に上の柳洞寺の門の辺りで一人の剣士が立っていた

「てめえ、誰だ!」
「誰だとは心外だなさきほど君自身が口にしていたではないか」

俺が口にしていた?もしかして

「お前、サーヴァントか!!」
「いかにも、某はアサシンのサーヴァント佐々木小次郎だ」
「!!、お前、馬鹿か?自分の真名は普通伏せるだろうが!」

このサーヴァントは俺を人間だと思って馬鹿にしているのか?と思いつつ剣の間合いに入らないように距離を保っていたやさき佐々木小次郎と名乗るサーヴァントは
信じられないことを言ってきた

「馬鹿にしているわけではない、そんなことより某のマスターにならんか」

こいつ、何考えるんだ?もうマスター俺なんて必要ないだろ

「お前、もうマスターがいるから現界してるんじゃないのか?」
「そうだな、もうマスターはいるなでは一つ提案させてもらおう」
「何だ?」
「うむ、もし某が貴殿に勝ったら貴殿には某のマスターとなってもらうどうだ?」

こいつは一体何を?俺が勝ったなら分かるが何故お前が勝ったらなんだ?わけがわからん、しかもマスターがいるのにおれにマスターになれだと?

「あぁ、具体的にいうと貴殿の能力によって某の契約を”■■■”してもらう、といったところか」
「お前、何で俺の能力を知っている?」

俺の能力を知っているのはごく僅かだしかもここは18年前なのだから知っているはずが無い、それに俺に敵対しあれを見て生きていた奴は絶対に”いない”のだから
つまりあいつは俺以外の他の誰かに教えてもらったってわけか

「何、簡単なこと貴殿がこちら側に来る数刻前にだな・・・」
「待て、それはもしかして老人で眼は赤、髪の毛は白髪じゃなかったか?」

もし、俺の予想が当たっていたら帰ってからその俺のことを”教えた”爺さんを絶対に怒鳴ってやる

「うむ、そうだがよく分かったな?」
「俺の予想が当たった・・・か、ゼル爺め・・・」
「ほう、貴殿も知っているのか」
「あぁ、よ〜く知ってるよ、でもそれでどうして俺と契約する気になったんだ?」
「簡単なことだ、あの突然現れた魔導元帥に頼まれたのだそれに某はより多くの敵に我が剣を味合わせたいしな」

これで辻褄が合った、あの佐々木小次郎とかいうやつの口ぶりから察する辺りあいつは今のマスターの令呪もしくは召喚の時の不手際でこの場所を動けない
しかし自分の剣を試してみたいと思っていた所にゼル爺が来て俺の能力の説明をしあとは実力で判断しろとかいったんだろゼル爺にもホトホト困ったもんだ

「はぁ〜疲れる、それならそうと始めから教えてくれたっていいよなゼル爺も」

俺がため息をつき思案しているようなそぶりをしていると

「考えているようなところ悪いがはやく闘わんのか?」
「へっ?なんでだ?話は爺さんに聞いてるんだろあとは俺がお前の契約を”■■■”して俺がお前と契約するだけだろ?」
「そういうわけにはいかん、あの魔導元帥には貴殿と闘ってこの聖杯戦争を受けうる実力があるのか試してやって欲しいと言われたのでな」
「またそれによって貴殿の実力が某の納得するものでない場合はどんな処遇にしてもかまわんともいっていたしな」
「やっぱり、そういう手はずだったか」

ゼル爺もめんどくさい事するよな行く時には頑張れ見たいな事を言っておきながらこれだ少しはこっちの身にもなって欲しいもんだ

「そうか、じゃあ愚痴ってもしょうがないなじゃあ行くぞ小次郎、但しあの能力も使うから俺のサーヴァントになる前に”死ぬ”なよ」
「やっと、やる気になってくれたかではこちらも本気でいかせてもらう某のマスターになる前に死ぬなよ真導」

闘いが始まった相手の獲物が異様に長い刀に対してこちらの武器は親父に貰った七つ夜だけだリーチなら言うまでもなく向こうが上だが、小回りが効くのはこちらが上
よって俺の戦いの第一歩はどうやってあの魔剣じみた剣術をかいくぐって小次郎の懐に入るか?ということである

「真導、貴殿が勝つには某の懐に入るしかないぞ?さあ、早く掛かって来い」
「ふん、こっちの手の内はバレバレかでもな余裕ぶってたらあとで後悔するぜ!!」

俺は自分自身に気合を入れて小次郎の間合いに入った

「真導、それは愚策というものだぞ?」

そう小次郎がいうと俺の目の前には奴の刀が迫っていた、俺は逃げることなく真っ直ぐに突っ込み刀が当たる直前で半身だけ体をずらし小次郎の懐に入った

「何?サーヴァントの剣を避けただと?ありえん人のみでそのようなことをすれば死んでしまうぞ?」
「おあいにく様、俺半分人じゃないんだ」
「そうか、お前は確か・・・そういうことなら手加減はなしだ」

小次郎はとたんに奇妙な構えに入った、しかしこの間合いでは何も出来るはずがないそう”普通”の人間ならば

「無理だよ、もう避けられない」
「どうかな?」

小次郎の口が笑ったように吊上がると小次郎は正しく人外の動きでまた長刀を振るえる間合いを取った

「でたらめな動きしやがって!」

俺の当たるはずだった攻撃は空を切り俺はこの攻防を体験してようやくサーヴァントの恐ろしさを知った、確かにこんなやつらに人間が敵うはずがない
俺が悪態をついていると突然小次郎の周りの大気が凍ったような錯覚に陥った、そして俺は確信した

「宝具、だな」
「その通り、我が燕返し味わってみろ」

小次郎がその言葉を言い終わる前に俺は自分自身を保つ為に世界から力を汲み取ろうと眼を閉じた

「準備ができるまで待っていてやる、いつでも来い」

そんな小次郎の言葉さえも耳に入らないほど俺は集中していた、これほど集中できたのはあの事件から初めてだこれならば魔眼を発動しても
大丈夫だろうそして俺は眼を開き自分自身を世界につなげる為の言葉を紡いだ

「”The eye which controls establishment”―確立を律する眼―」

そして俺はゆっくりと小次郎の前に歩いていった

「ふん、貴殿はサーヴァントよりも化け物ではないのか?」
「そうかもな」

そういうと俺は一気に小次郎との間合いを詰めに掛かった、しかし小次郎はそれを読んでいたらしく俺の動きにあわせて燕返しを放っていた
だが俺もそんな事は始めから分かっていただからこの一撃ははっきりいって”俺が自分自身で放った一撃”となんら変わりないのだ、つまり俺はこの攻撃を
読んでいてもうすでに小次郎の目の前にいる者はなく俺は小次郎の後ろ立ち七つ夜を首筋に当てていた

「決着、だな」
「そうだな貴殿の勝ちだ、その実力ならばうまくやればセイバーも打倒できるだろうこのような無名の剣士なんぞさっさと殺してセイバーのところにいくがいい」
「セイバーか・・・確かに最高のサーヴァントは魅力的だけど俺は最強の方が安心して背中を預けられるんだよね」

小次郎が驚いた顔でこっちを見上げ不思議そうな顔でしかし微笑を浮かべながら口を開いた
おっ、さすがに気がついたか?


「そうか、バーサーカーか確かにあれは能力面では今回最強だな」

と一人でうんうんとうなずいていた、そんな様子に痺れを切らした俺はついに言ってやった

「バーサーカーでもないし、ましてやランサー、ライダー、アーチャー、キャスター、セイバーでもない」

俺がそういうと小次郎はしばらく、むむっといった顔をし驚愕の表情で俺を見上げた

「やっとわかったかこの鈍感男」
「鈍感とは心外だなしかしいいのか?某は貴殿が望むような最強ではないぞ?」
「んなわけね〜よ、俺が手合わせした中でもお前は最強の部類だ俺が魔眼の能力を使ってなかったら間違いなく
死んでたんだよしかも俺の援護には一番適しているし何より気が合いそうだ」

俺が少し顔を赤くしてそういうと小次郎は微笑を浮かべ

「そうか、了解したマスターではまずこのキャスターとの契約をその魔眼のもう一つの能力で”殺し”てくれんか?」
「あぁ、今からやるよ、ちょっと待ってろ」

そう俺の能力はまず一つに深淵の魔眼つまりさっき小次郎に仕掛けた魔眼だな簡単にいうと確立に干渉する魔眼って所、もう一つは母さんと親父から受け継いだ能力を
あわせた直死の具現化ってやつだな、けどこれには弱点があってまず、確立に干渉して直死の魔眼の回線を開かなきゃならないいつもこれに失敗して死にそうになっちまうんだよな
それに発動する場所も選ぶ、死の雰囲気が濃いほど成功しやすいし、薄ければ失敗、まぁ利点といえば親父みたいに無理して点や線を視ても頭痛にはならないってことと
深淵の魔眼との併用であるはずのない点や線を作れるって所かな?その気になれば世界自体も殺せるなとまぁ、ここまで来ればリスク自体は中ていど何だけどこれの最大の
弱点といえば上で言ったように雰囲気に影響されるってことだ点や線がいくら平気で見えても例えば時間の概念なんてものの点や線は普通見えないだろ?それを無理に視ようとすればさすがに俺でも死んじまう、でだそんな普通は視えるはずの無い点や線を自然に何の弊害も無く視えるようにしようとすれば俺個人じゃ到底無理だだからその為に世界から力を
汲み取ったり、深淵の魔眼との併用なんかをして死を創らなくちゃならないそれが俺の能力なんだけどそんなありえない死を創造するには時間が掛かるってわけそれこそ30秒も
かかっちゃうんだな、だからこれが俺の最強の能力であり最凶の弱点なんだな

「よしっ、小次郎どうだ?」
「あぁ、ちゃんと契約は切れたようだでは改めて」
「我は主を守る壁、剣すべてになり確実に主を勝利に導くことを誓うそれを認めてくれるか」
「認める」

とたんに俺の右手が光りだし俺の手の甲には何かの紋章が浮き出てきた、恐らくこれがサーヴァントを律する令呪なのだろうそして俺が自分の手の甲を見ていると小次郎が

「契約は完了したな、マスターでは急いでここから逃げるぞ」
「なんでさ?別に急ぐこと無いだろ?」
「某はマスターの手によって前のマスターとの契約を切られたということは」
「前のマスターが追ってくるってわけか」
「いかにも、しかも前マスターはキャスターだここで闘うには分が悪い」
「そうだな、マスターがキャスターだったんならここでは分が悪い一旦下に下りるぞ」
「うむ」

そういって俺達は柳洞寺を駆け下り静かな住宅街にでた

「マスターよここまで来れば大丈夫だろう、キャスターはかなりの慎重派だ」

小次郎がそういうと改めて俺は周りを見直し小次郎のほうに歩み寄った

「そうだなどうやら追ってこないようだな」

そうして俺は一つの違和感に気がついたのだった

「自己紹介がまだだったな、俺は七夜真導よろしく、俺のことは真導って呼んでくれ」
「うむ、では真導、某はアサシンのサーヴァント佐々木小次郎だ某も小次郎と呼んでくれてかまわん」
「えっ、いいのか真名で呼んでも?」
「かまわん、某には宝具などないあるのはこの魔剣燕返しという技のみ」
「燕返しじたいが宝具か・・・よしわかったよろしくな小次郎」

そういうと俺は小次郎に右手を差し出しがっちりと握手をした
それから俺達はこれからの作戦会議をしていた

「俺達だけじゃ辛いものもある、ここは誰かと同盟を結んだほうがいいな」
「真導のその意見には賛成だがあてはあるのか?」

小次郎の言葉を聞いた俺は笑ってこういった

「あぁ、あるよゼル爺さんと俺と俺がいる時代つまり今から18年後だなここに来た時この土地にゼル爺さんの弟子の祖先がいたからな」
「なるほど、でその相手の名前とは?」
「遠坂凛っていう名前ついでに場所も分かるぞ一度その家にいったことがあるからな」
「では行こう真導の言っている輩もいつ死ぬかわからんからな」

そういうと俺達は遠坂の家に向かって走り出した

その道すがら俺は奇妙な光景を眼にした金髪の女の子が血だらけだったり、オレンジ色の髪をしている男なんて見るからに死んでいる、
しかも近くにはツインテールの髪の少女までいた俺はすぐにツインテールの髪をしているのが遠坂凛だと言うことが分かった

「小次郎予定変更あのでかい家の所まで行くぞあそこに遠坂がいる」

すると小次郎も気付いていたらしく

「わかった」

とだけいってついてきた

そして物語は聖杯戦争へ

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3: pein (2004/04/29 00:21:31)[hellsing1117 at yahoo.co.jp]http://www.springroll.net/tmssbbs/

真に導く者の旅路第三話

もうすっかりと太陽の光も落ち、まさに暗闇の世界というに相応しい中で血だらけの男女とほとんど無傷の男女の2人組みの姿が真導の眼に映った。
 傍から見ているとそれはとても直視できるほどのものでは無かったであろうが、その男女合計4人に何の躊躇いも無く近づいていけるのが真導という男の性格なのである。
正体のほとんど分かりもしない4人の居る場所にあと数mという所で真導は足を止め何を思ったのか突然4人に向かって話しかけた。

「そこの人達?一体どうしたの?」

真導の突然の言葉にその場に居合わせた男女が一斉に真導の方へと振り向いた。
その真導の言葉にまず反応を示したのがツインテールの女の子、一応真導が遠坂だろうと思っている子だった。

「いえ、何でもありませんのでお気になさらずに」

なるべく言葉を選びながら喋っているのだろうが、誰が傍から見てもその表情は真導に対して警戒心を放っていた。

「そんなに邪険に扱わないで欲しいなぁ、あっそれともそこで今にも死にそうな男の子は遠坂さんの彼氏かな?」

真導がそういって軽口を叩くと相手は目を見開いて文字通り驚き真導に遠坂と呼ばれた女の子の傍らには白髪の威圧的な男がどこからか双剣を取り出して構えを取っていた、金色の髪をした少女は家の塀に背中を預けながらも真導を牽制していた。
と唐突にツインテールの女の子が真導に話しかけてきた。

「初対面の人には失礼かも知れませんけど何個か質問に答えてくれますか?」
「あぁ、別にいいよ」

真導がそう言うとツインテールの女の子は何か考えがあったのか少しだけ顔をしかめそして真導を睨むようにして一つ目の質問をぶつけてきた。

「じゃあはまず最初に何故あなたは私の名前をしってたの?」
「遠坂さんの名前は裏の方じゃ有名になるからね、だからさ」

裏の方という真導の答えに驚きつつも表情としてはやっぱりそうだったか、と少し納得した表情だった。

「そう、じゃあ2つ目の質問あなたマスターでしょ?しかもこの辺りのことを調べてない?」
「そうだね、俺はマスターだよでもこの辺りを嗅ぎまわった覚えはまったく無いね」
「あなた今この状況、理解してる?もう聖杯戦争は始まってるのよ?なのに自分の正体を明かすなんてどういうこと?」

先ほどと同じように真導を睨むような視線で質問してきた、そんな殺気だっている周りを知ってかしらずか真導はひょうひょうと質問に答えた。

「このくだらない戦争が始まってるって事はしってるよ?それに状況も理解してるつもりだ、まずそこで瀕死の重傷を負いながらも生きているのが恐らく衛宮さんだろ?でそこにの塀に寄りかかっているのが姿、在り方、魔力量からさっするにセイバーで君の隣にいる怖そうな男は・・・消去法からいってアーチャーだろ、どうだ遠坂さん?間違ってる?」

真導がそういって遠坂に話しかけると遠坂は信じられない、といった表情で真導を視ていたそしてしばらくすると

「そうじゃあ、あなたは私達を潰しに来たわけ?」
「いいや、違うよ」
「???じゃあ何しに来たの?挨拶ってわけでもなさそうだし」
「簡単に言うと俺と同盟結びませんか?ってところかな」
「はい?」

今度は、本当に何しに来たのこいつ?といわんばかりの顔で俺を思いっきり睨んできた。

「いや、だから俺も一人じゃきついかもしれないからな味方が欲しいと思って・・・駄目?」
「駄目に決まってるでしょ!!!」

まるで拡声器を使用したかのような声量に真導は思わず耳を塞いだ。

「声、大きいよ?近所迷惑じゃん」
「うっさい!あんたが言わせたのよ」
「まぁ、それは置いておくとしてだなどうして駄目なんだ?」
「普通考えたら分かるでしょ?こんな夜遅くに見知らぬ男が来てしかも私の名前までならまだしも、サーヴァントのクラスも言い当てた異常な奴にいきなり仲間にならないか?なんて言われて、はいそうですね!とでもいくわけないじゃない!!」

一気に捲し上げられた真導は取り乱す様子もなく静かに遠坂の言葉を聞いていた。

「それに衛宮君の事まで知ってるし、その魔力の量もう人外のものよ?あんた一体何者?」
「教えられない俺は用心深いんでね、まぁ俺と同盟を結べば俺の事も教えるし俺のサーバントも紹介するよ?それにセイバーをそこまで傷付けられるのはとても強力なサーヴァントじゃないの?2体でかかって倒せなかったみたいだしそれなら俺のサーヴァントも加えて3人でしかければいいんじゃないの?」

真導の言ってるいる事は確かに正論なのだが如何せん登場の仕方が悪かったのかアーチャーは少し考える余地のある顔をしているが遠坂の方はまったく変わっていないようであった。

「そうね、確かに仲間でもないのにそんな事を聞いたのは私が悪かったと思う、それにあんたの提案も魅力的よでもねあなたのサーヴァントの実力も分からないし第一あなた別に魔術師じゃないみたいだからいくら魔力が高くてもしょうがないでしょ?」
「んなもんはサーヴァントの真名が分かれば大体は想像がつくだろ?」
「当たり前でしょ!じゃあ何?あなたのサーバントのクラスと真名を教えてくれるっていうの?まぁそこまでしてくれればまだ交渉の余地はあるわね」

遠坂は真導がサーヴァントの真名なんか絶対に教えるわけ無いと高をくくってそういったが真導はそのセリフを待ってましたとばかりに笑みをこぼした。

「俺のサーヴァントのクラスはアサシンで真名は・・・おい、小次郎もう出てきてもいいぞ」
「ちょっとあんた何言ってんの?そんな嘘で私が騙される訳無いじゃない」

遠坂が呆れかえった口調で真導にそう告げると隣にいたアーチャーの顔が変わっていた。

「ちょっとアーチャーどうしたの?」
「凛、どうやらあの男の言った事は本当らしいぞあの男の後ろをじっと見てみろ」

アーチャーの言葉に凛は即座に反応し絶句した。

「嘘?じゃあ、あんたのサーヴァントって本当にあの佐々木小次郎なの?嘘でしょ?」
「残念ながら本当なんだよな、しかもあいつを手に入れるのにあいつと闘ってかなり疲れたんだよな〜、まぁ手加減してくれてたみたいだけど」

真導の何気なく言った一言は遠坂をまたもや絶句させた。

「あんた生身でサーヴァントと闘ったっていうの?しかもその言い方だと勝ったの?」
「あぁ、一応勝ったなまぁ辛勝だったけどな」
「嘘?信じられない・・・」
「ところで、クラスも真名も教えたんだけどどうなの?駄目かな?」
「駄目」
「なんでさ?」
「それはだって・・・」

遠坂自身としてははっきり言ってサーヴァントの実力も完璧、しかもマスター自身もかなりの者よって普通ならばすぐさま手を結ぶべきなのだが今、目の前にいる男の異常さを考えると背中を預けられない心情なのだそして背中を預けられないパートナーなどはパートナーつまり仲間とは言えないのである。
そして重い沈黙を破ったのは真導だった。

「わかった、じゃあここは俺が歩み寄ってこうしようか」
「何をするつもり?」

遠坂がそう口にするよりも早く真導は令呪のある右手に魔力を込め自分のサーヴァントに令呪を使用した、その内容を聞いたとたん今まで静観していたセイバー、アーチャーまでもが驚きに自分の耳を疑っていた。

―小次郎、もし俺がここに居る4人を裏切ったならば俺を切れ―

真導がいった言葉はそれだった。

「ちょっとあんた何してんのよ?」
「何って、これでも信用してくれないわけ?」

そう言われた遠坂は諦めたように肩を落とし

「信用も何もあんたここまでする必要あったの?」
「それは遠坂さんが信用してくれないからだろう?俺だってなるべくなら使いたくは無かったし・・・」
「はいはい、ごめんね信用しなくてまぁ取りあえずその”さん”付け止めてくれる?これからもそんなのだとやりにくいでしょ?」
「え?遠坂それって・・・」
「だ〜か〜ら、そのさん付け止めてっていってるでしょ」
「あぁ、すまない・・・えっと・・・遠・・坂・・その・・・よろしく」

真導が少し恥ずかしそうにそう言うと遠坂はおもちゃを見つけたこどものような顔をして笑い

「そう、じゃあ握手しましょうか」

といって右手を差し出してきた。
その行動に真導は微妙に同様しながらもほぼ自然な態度で握手に応じたそして遠坂は満足そうな笑みを見せ手を離した

「じゃあ、夜も遅いから今日はこの家に泊まっていきなさいよ。え〜と・・・」
「失礼、、まだ名乗ってなかったな俺は七夜真導って名前だよろしく」
「そう、真導ね。でここに泊っていくんでしょ?」
「あぁ、宿もないしそうさせてもらおうか」

そういって家の方に視線を向けると今だ警戒中のサーヴァント達が眼に止まった、しかしそんな視線を無視し何となく地面をなぞる様に見ていくと死に掛けの衛宮くんがそこのいた。

「なぁ、遠坂」
「ん、何?」
「いや、あそこで倒れてる衛宮くん助けなくていいのか?かなりの重症っぽいぞ」
「あぁ、別にいいみたい確かに重症なんだけど何故かもう血はだいぶ止まってるしあとは
ちょっと手当てするだけみたいだから」
「そうか、ところでこの家は誰の何だ?遠坂の家か?」
「いいえ、これはそこで倒れてる人の家よちなみに今のところは無人」
「そうか・・・っていいのか?勝手に俺なんかを泊らせて?」
「いいのよ、それは今日助けてあげた支払いみたいなもんだし」
「??わからないがとにかく泊ってもいいと?」
「そういうこと」
「そうかならいいのかな?」

遠坂とも話おえて少しすると俺達は衛宮くんの家にあがらせてもらう事になり
家に上がると俺の想像していた家の内装とは違いかなり落ち着いた感じをもった。

「意外だなかなり綺麗だ・・・」

俺がポツリと驚嘆の声を漏らすと

「でしょうね、男の一人暮らしとしては異常ね」

等と言っていたちなみに俺はそこまで酷いことはいってないのだが・・・
それからしばらくすると遠坂は衛宮くんの治療をする為に部屋を出て行ったので今、遠坂に通された今には俺と小次郎、セイバーにアーチャーというなんともやりにくいメンバーが残ってしまった。
俺がやることも無いので机に肘を付いてだらだらしていると突然アーチャーが俺に言葉を投げかけてきた。

「おい、真導お前に聞きたいことがある」
「ん?何だアーチャー」
「お前、何者だ?」
「いたって普通の”人間”だよ」

というと隣にいた小次郎は微笑を浮かべていた、何がおかしいんだよ!といいたかったが突然セイバーが口火を切った。あとで小次郎とは決着をつけねばならない

「いいえ、そんなはずはありません何故ならリンもいっていましたがあなたの魔力量は人のそれを超えている」
「そうだ、そんな魔力をもっているのは真祖くらいだ。しかもお前は自分のサーヴァントにする為にそこの小次郎に勝ったんだろうが、それのどこが普通だ」
「ん〜」

と俺がいい渋っていると衛宮くんの治療が終わったのか遠坂が居間に入ってきた。

「何?このいやな感じの空気?アーチャー何かあった?」

と遠坂がアーチャーに聞くとアーチャーは包み隠さず喋った、ちょっとは隠せよな・・・

「ふ〜ん、やっぱり異常よね。それはしっかりと聞く必要があるわそれにあなたの魔力回路は眼の比率が多いみたいだし・・・もしかして魔眼?」
「さすがにばれたか・・・まぁ魔眼については明日衛宮くんが来てからにするよ、説明も長くなるし体で分かってもらったほうが速い」
「じゃあ、それは明日でいいわ。であなたは何者なの?」
「わかった、降参だ・・・」

遠坂の睨むような視線に陥落した俺は全てを話した。
そのあとの反応といったら外で叫ばれたときの軽く10倍はいっていた

「鼓膜が破れるだろう!やめろ!!」
「うっ、ごめんでもあんまりにもびっくりしたから・・・じゃあ真導ってさ常時そんな魔力量なの?」
「そうだぞ、これが平均だ全力出せばそこにいるセイバーの4〜5倍はいくな」
「セイバーの4〜5倍!!!嘘?ありえない」
「すまないな、ありえなくて」
「あぁ、そういう意味で言ったんじゃないのごめん」
「あぁ、別にいいぞ気にしてないからな。所で説明は明日の朝にしないか俺もう眠たくってしょうがないんだよ」

俺がそういうと遠坂は慌てて時計を見て絶句した。

「げ、もうすぐ4時じゃない。じゃあ真導の説明は明日衛宮くんが起きてからにしましょうでは今日はこれでお開きね」
「おう、所で俺はどこで寝ればいいんだ?」
「あぁ〜布団もって来るからここで寝ちゃって」
「了解」

そうしてしばらくすると遠坂が一組布団を持ってきてくれた一組だけだったので小次郎には悪いが霊体になってもらう事にした。
ちなみに他のメンバーはというと遠坂とセイバーが衛宮くんの隣の部屋で就寝する事に決まりアーチャーは霊体になっていた。少し男サーヴァントが不憫に思えた一瞬であった、本当に一瞬なんだけどな〜♪

そんなこんなでそれぞれの夜は更けていった。

次の日の朝は地獄だということを真導は知らなかった・・・


そして真導は最大(?)のピンチへ

It continues to next time.

4: pein (2004/04/29 00:22:26)[hellsing1117 at yahoo.co.jp]http://www.springroll.net/tmssbbs/

真に導く者の旅路第4話

まだ日も昇りきっていない朝、玄関からの何か不振な物音に気がついた真導は今の今まで眠りに入っていたその脳を急速に回転させ思考を一瞬で復活させ不振な物音が聞こえてくる玄関に意識を集中させた。

「くそっ、もしかしてマスターが衛宮君の家を嗅ぎつけたって言うのか?」

自然とその言葉が出たことに真導自信驚きつつさらに自体をより詳しく解析する為に息を殺しその人外の能力を存分に振るって敵であろう者たちの戦力を最大限読み取ろうとしていた。
そして真導はいくつかの”敵”に対する情報を手に入れることに成功したのであった。

まず一つ目敵と思われる気配はやはり人でありサーヴァントではない、しかしその男か女かは共謀者でマスターという可能性もも視野に入れておかなければならない。ということ
もう一つは敵の人数は現在二人である。ということ
そのことについては敵がもう一人の仲間(この場合安易ではあるが敵2と今後呼ぶことにする)は何やら「今日はいつもより靴がかなり多い」だとか「いつもは聞こえてくるはずの料理をする音がまったく聞こえない」なども言っていた。さらには「今日こそ・・・」と世界から強引に力を刈り取った真導でないと分からないような小声で呟いていた。声を聞く限りでは女であることに真導は僅かに張り詰めていた気を緩めた。

「しまった。今回の聖杯戦争がこんなにも情報戦だとはゼル爺から読み取った記憶だけじゃ分からなかったようだな・・・」と真導が呟いていた。

真導は考えていた、もし万が一の可能性にかけてこのまま2人が帰るのを待つのかそれとも今すぐ玄関まで飛び出していって不法侵入者を捕まえる方が良いのかを考えていた。真導はそのまま1〜2分考えてある結論へと達した。その結論とはまずこのまま怪しい2人組みが帰ったのならば事を放置しておき後で衛宮君なり遠坂なりに相談する、といったこ事または入ってきた場合には鉄拳よろしく制裁である。どうやら話し方などから察すれば一人は大人の女でもう一人はまだ成人している感じがしない女のようだった。しかし真導は自称男女平等を信念に今まで生活しており女を殴ることに一切の感情を持たない周りから見ればかなり冷酷な男なのである。しかし今まで女を殴りつけたことは一度もない、つまり女を始めて殴ってしまうかもしれないのだ。

そうして真導がぶつぶつと言って始めて行う事に緊張を感じその意思が固まりかけると同時に玄関のほうでは足音が聞こえてきた。

「あぁ〜来ちゃったよ、でも犯罪である以上容赦は出来ないな・・・」

そういっている真導の顔を苦渋に満ち溢れていた。

―ギシッ、ギシッ―

―ギシッ、ギシッ―

真導の動悸はかなり激しくなっていた、それは初めて女を殴るかもしれない恐怖とえたいの知れない相手と一戦交えるという事への恐怖心と勇気の激しいながらも静かな攻防だった。

「もうすぐ・・・あと二回も床が軋む音が聞こえたら俺は不法侵入者のいる廊下まで飛び出しこ、こ、こ、この手で女の子を殴らなくちゃならないんだ・・・」

真導が自分の拳をギュッと握り締める、そして足音が廊下側から居間に通じ尚且つ充分な間合いを取って対峙できるであろうという所で真導は廊下に飛び出した。



−ゴスッ−








そんな嫌な音と共に真導の頭には恐らく犯人の私物であろう竹刀が打ち込まれていた、それはもう完璧なタイミングで決まっていた。真導が廊下に飛び出すと同時に敵が真導の気配を先に感じており、しかも真導が廊下に飛び出すように出てきたときの勢いも手伝ってかカウンター気味に決まって真祖と殺人貴の息子は不法侵入者の女に一撃でK.Oされていた。そして真導は薄れ行く意識の中で竹刀を手にしている女とその後ろでビクビクと震えている紫色をした女の子を見た、そして最後に竹刀を持っている女の後ろ姿に”鬼”ではなく”虎”を見た気がした。そうして真導の意識は早朝の霧がまるで自分に多い重なるような錯覚を覚えてその意識を失った。













真導の意識が回復したのは朝っぱらからの近所迷惑極まりない叫び声だった。
まず遠坂がそれはもうすごい寝癖というか顔でのっそりと居間に顔を出した、まずそこで真導の知らない馬鹿でかい声を聞いた。

「何で遠坂さんが此処にいるのーーーー!!!!」という声だった。

その声をブッチギリで無視し次に悲鳴を上げたのはちゃぶ台の下に布団で簀巻きにされている真導を見た遠坂だった。

「へ、変死体がある!!!い、一体何が起こったの?」そして間髪いれずにアーチャーが叫んだ。


「凛、落ち着けそれは変死体などではない!そこの女が真導を竹刀で殴打し失神したところを簀巻きにしたのだ」俺は半分覚醒しかかっている脳で反射的に突っ込みを入れていた。

−アーチャーナイスフォロー有難う、所で君は一体何処から出てきたんだい?ついでに君の後ろで腕組みをしてゆうちょに構えている男共々一体どうやって説明するんだい?−とその時またしても俺の知らない女の怒声が聞こえてきた。


「あんたら誰ーーーー!!!それに一体どうやって出てきたの???」

その様子はまさに地獄絵図そのものだった、誰か知らない女は遠坂と言い争っていて順番に遠坂、俺、アーチャー、小次郎と指を刺し何かを俺の知らない女に宣言していた。その女は遠坂の提案に激しく首を振っていたがどんどん顔色が悪くなりしまいには今にも泣き出しそうな顔をしていた。そんな言い争いの地獄絵図とは一転台所では紫色をした髪の女の子が一生懸命に朝食を作っていた。俺は先ほどとは違い何と一生懸命なのだろうととても感心していた、もしこんな状況でなければ俺は真っ先にあの女の子の手伝いをしにいくだろう。そして完全に眼を覚ました俺は少しだけ動く首を動かして他の所の状況を分析していた。そして気がついた事は小次郎、アーチャーが居ない代わりにいつのまにかセイバーが正座をしてきちんと座っているという事だった。そうしていると遠坂と言い争いをしていた女が突然こっちに向かって歩いてきた、俺は反射的に身を丸め防御の姿勢を取っていると女は俺に囁くようにそれでいてしっかりとこういった。

「ごめんなさい、紐ほどくから許してくれない?」とこっちとしては当然はやくこんな窮屈なところから抜け出したい一心なので激しく首を立てに振り動かせた。

くるくると俺の体を束縛していた魔の簀巻き布団を転がるようにして脱出し俺は改めて目の前にいる女の人に視線を投げかけた。

「え〜、と確かめさせてもらうけどあなたの名前は七夜真導であってる?」
「あっ、はいそうです。けどどうして俺の名前を?」
「それは遠坂さんに聞いたのよ」
「あっ、そうか。遠坂は何か言ってましたか?」
「えぇ、あなたが切継さんの事を頼って日本に来てくれたのは嬉しいんだけど切継さんはもう死んじゃってるのよ・・・」
「え?」

もちろん俺がさっき言った「え?」とは切継さんという人が死んでいるのにびっくりしたわけではなく、いきなり俺の知らない内に状況が変化しているのにびっくりした「え?」である。そしてこの現状でこの女の人にこんな嘘を吹き込めるのは今しがた俺の横に来てしれっとした顔で話を聞いている遠坂しかいないのである。そして俺はゆっくりと遠坂のいる方へと振り向き話かけた。

「おい、遠坂ちょっと話があるんだが・・・」
「ん?何よ?」

俺は遠坂の背中を押すようにして廊下に出てきた。

「ちょっと、何よ用件って?」
「お前さ、あの女の人に一体何を吹き込んだんだ?」
「何のことかしら?」

本人は平常心を心掛け顔に出さないようにしているようだが、いかんせん俺はそういう感情の変化に敏感なので俺に言わせるともろに表情に出てしまっているのである。

「何か俺の設定が切継さんを探して三千里みたいになってるんだけどさぁ、一体どういうことかな?遠坂さん?」

俺がそういうと遠坂は急に焦って取り繕ってきた。

「い、いやそれはしょうがなかったのよ!真導の事を説明するにはそっちの方が都合がよかったし、まぁ私も適当に真導が衛宮のお父さんを頼ってきたっていったらあんな事になったのよ」

俺は遠坂の話を話半分で聞いていたがこれ以上遠坂が嘘を付いているとも思えないし何より終わった事はしょうがないのだ。

「ったく、しょうがない俺も終わったことだしもういいよ。でももうこんな事は止めてくれよ?」
「うっ、分かったわよ。じゃあ、この話はこれでおしまいにして桜の作ってくれた朝食を食べましょうか」
「?桜ってあの紫色の髪の女の子か?」

俺がそう言うと遠坂は居間に向かっていた足を止めこちらにあくまのような笑みを浮かべながら振り向いた。

「さすが、真導も男よね〜。もう眼を着けたの?」
「お前は何馬鹿な事言ってんだよ!!俺にはもう彼女がいるんだよ!!しかも俺があの女の人に殴られて意識を失う前にチラッと見たんだよ!!」
「そうなの、ふ〜んじゃあその真導の彼女も強いんだ?」
「まぁな、俺ほどではないが巧くすればセイバーも倒せるんじゃないかな?」

俺がそういうと遠坂は一瞬びっくりしそしてすぐに呆れたような顔になっていた、しかも百面相みたいで見ているこっちとしてはとても面白かったりする。

「まったく、冗談のつもりで言ったのに・・・あんたの知り合いってそんなに強い奴ばっかりなの?」
「まぁな、でもいいのか?」
「何が?」
「いや、居間ではもう皆集まって朝飯食ってんぞ?しかもなくなるスピードが半端じゃないぞ。あれ・・・・」
「嘘?!しまった、真導こんな事話てる場合じゃないわ早く食べて真導の事色々聞き出さなくちゃいけないのに!」
「あぁ、ったく騒がしい朝だなこんなのは久しぶりだ!」

俺と遠坂はお互いに愚痴をいいあいながらセイバーと虎を背負う女の人が激突する”朝食”というなの戦場に出陣していった。



朝食後

「「じゃあ、行ってきます(ね)真導君(さん)」」
「あぁ、いってらっしゃい桜ちゃん、藤村さん」
「私と衛宮くんはちょっと真導君の事で色々あるので今日は学校を休みますがよろしいですか?藤村先生?」

藤村さんは少し考えるそぶりをした後元気よく。

「真導君のことみたいだし、分かったわ。でも本当は学校に来なきゃいけないんだからあんまり外に出ちゃだめよ?分かった遠坂さん、その事あのまだ寝てる士郎にちゃんと言っといてね?」
「はい、わかりました。衛宮君には私からちゃんと言っておきますので心配しないでください」
「うん、じゃあ士郎のこと頼んだよ〜」

そういうと藤村さんと桜ちゃんは玄関の戸を空けて学校へと登校していった。あとは衛宮君を起こして俺のことを皆に説明するだけだ。

「で、衛宮君はどうなんだい?もう起きたの?」
「もうすぐ起きるでしょ?怪我が深いって言ってももう傷口は塞がってるんだし」

そう言って俺達が居間で雑談に耽っていると突然慌しい足音と共に居間の戸が勢いよく開いた、どうやら衛宮君が起きたらしい。いきなり見ず知らずの俺がしゃしゃり出て説明するのも問題がありそうなので何気に軽くパニック状態の衛宮君の説得は遠坂に任せることにした。
案の定・・・・

「と、遠坂?何でお前が俺の家に居るんだ?しかも遠坂の後ろのハーフっぽい男の人は誰ですか?」

とパニックになっていた遠坂はそんな衛宮君の質問にゆっくりと答えていった。

「何でって・・・士郎が昨日手結ばないか聞いてきたんじゃない?」
「いや、でもあの時は遠坂の方から嫌だって言ってたじゃないか」
「気が変わったのよ、確かにあの時はそういったけど士郎もあのバーサーカーの強さを体感したでしょ?」

そうだった、確かにあのバーサーカーは身体能力で言えば今回の聖杯戦争で最強だろうなんせアーチャーとセイバーで協力しても尚、倒しきれなかった事実は昨日証明されたのだ。そして衛宮自身も嫌というほどそれを昨日の夜実感したのであった。

「分かったよ、遠坂じゃあ改めてよろしく」
「えぇ、よろしくね士郎」

そういって2人はしっかりと握手していた、そしてそんな光景を眼の前にしながら自分のことがないがしろにされているのが気に入らないといった表情で居間に居るのが真導であった。

「で、遠坂後ろにいる男の人は誰?その人もマスター?」
「あぁ、私の後ろにいるのが私達と手を結びたいって言ってきた七夜真導君よ」

すると衛宮君は俺の方に歩いてきた。そして・・・

「七夜真導君っていったよね?俺は衛宮士郎、士郎って呼んでくれて構わないから。よろしく」
「あぁ、よろしく士郎。俺のことも真導って呼んでくれ」

俺達はそういってお互いに自己紹介を済ませ居間に行って士郎が朝食を済ませた後、俺達は早速今後のことについて居間で話しをすることにした。

「で、これからどうするつもりなんだ?俺のことでも話すのか?」
「えぇ、そうしましょうか」
「ん?何だって真導の事だったら皆知ってるんじゃないのか?」

士郎がそういうと遠坂は呆れた表情を浮かべてため息をついていた。

「士郎も魔術師の端くれだったら真導の魔力感じ取れるでしょ?」
「あぁ、あんまり巧く探れないけどな。じゃあやってみるか」

そういうと士郎は少し目を瞑った。そして少しすると

「す、すごいんだな真導って・・・」
「そうかぁ?あんまり俺はそんな感じしないけどな」
「だからそれがおかしいのよ、まったく真導の周りの人はその言い草だと埋葬機関とか真祖、死徒、混血の類とかじゃないの?まぁそんな分けないわよね〜」
「そうだぞ、遠坂いくらなんでもそれはないだろう〜」
「「なぁ、真導(君)」」

いや、そんな眼で見られても本当の事なんて言えるわけないじゃないですか・・・。しかも何気に当たってるし・・・。

「・・・・・・・・」
「「・・・・・・・・・」」
「さぁ、じゃあ俺の周辺はいいから俺の能力とかそこら辺のことを説明するから裏手の大きな庭に行こうか」
「「ごまかしたな(わね)」」
「ん、何かいった?」
「「全然」」

俺達はそう言うと庭に向かって歩き出した。


「で、百聞は一見にしかず。何だけど誰が相手してくれんの?」

俺がそう庭の真ん中の辺りに立って言うと俺の前方に昨日の威圧的白髪男通称アーチャーが立っていた。

「アーチャーか・・・OKいいな遠坂?」
「えぇ、いいわ。でもアーチャーちゃんと手加減してあげてよ」
「了解した、善処しよう」

アーチャーがそういうとアーチャーはいつの間にか双剣を手に持っていた。

「真導、武器を出せ。ここからは真剣勝負だ」

アーチャーがいうよりも先に俺はポケットの中に入れておいた七つ夜を逆手に持ち今すぐにも戦闘可能な態勢に入った。

「覚悟はいいな?ではいくぞ」

その言葉を皮切りにアーチャーが赤い稲妻のように真導に一撃を加えてきた、真導はその突進からの斬撃を紙一重でよけ逆手に持った七つ夜でアーチャーに攻撃を仕掛けてきた。
その斬撃の回数は僅か一秒足らずの間に数十回を超えて僅かにアーチャーに傷を与えていた。

「サーヴァントの体に傷を付けたということはそれは概念武装の類だな・・・しかも術による付属効果によるものだなその術をそのナイフに掛けた魔術師はかなりの腕だな」
「当たり・・・でもそれでも三十五点くらいかな?それは俺の能力にも関係してるし」
「そうか、ならじっくりと確かめるとしよう・・・」
「そうしてくれると助かる」

そうしている間も俺達は何合かを打ち合っていた。それを見ているセイバー、遠坂、士郎はまるで奇跡を見るような眼で見ていた。
そして俺はアーチャーから急速に離脱し精神集中を始めた。

「何?あれ真導を中心に魔力が集まってきてる・・・」
「すごいぞ・・・あれ俺の最大魔力なんて軽いじゃないか」
「いいえ、シロウそれは違うあれは到底あなたの最大魔力量で測れるものではない。あの魔力量はまさに無尽蔵というのに相応しい・・・」
「こんなにも真導がすごいなんて・・・」

そして俺の集中が終わるまで待っていてくれたアーチャーが俺の前方4〜5メートルの距離にいた。

「アーチャー待っていてくれたんだな・・・ありがと」
「そうでもない状況だがな」

そういうとアーチャーが構えを変えてきた、どうやら本気で来るらしい。

「避ける準備はできたか?防御する方法を思いついたか?俺は本気だぞ気を抜くなよ。では俺はこれより世界と共鳴を開始する」

俺がそういいながらアーチャーに一歩一歩近づいていき呪文のように言葉を紡いでいた。

―空想を具現化し直視しそして直死する―A fancy is embodied and faced squarely and death is seen.―

真導がそう呟くと音、気配、匂い、真導のすべてがこの世から消えていた。

今このときこの場にAlteration person and Alteration personが舞い降りる。




It continues to next time.

作者の感想
        どうもお久しぶりです。peinです最近忙しいので全然更新できませんでしたがひと段落したのでこれから
        は最低一週間に1回は更新したいと思います。まだまだフェイトの中の魅力的なキャラクターを使い切れて
        いないのでより一層精進したいと思います。
        最後に指摘を下さった方すみませんでしたそしてありがとうございます。至らない点ばかりでしょうが頑張ります。


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