逝け逝け僕らのアチャ子さん (傾:性転換もの


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1: 久遠 (2004/04/13 22:41:19)[kuon_kurotuki at passport.net]

  
 注意1:この作品の連載予定はありません。

 注意2:これは他作品とは一切関わりがありません。

 注意3:性転換ものが嫌いな方はブラウザの戻るでお戻り下さい。

 注意4:前振りはfateもし22と同じなので飛ばして良いです。
 
 以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。





    



























 周りを見渡す、

 自分を召喚したことによってこの惨劇が引き起こったのだろう。

 どうやら聖杯戦争に呼ばれたらしいがどうも貧乏くじを引いたようだ。

 内心ヤレヤレと思っていると部屋の外から走ってくる気配と音がする。

 そして扉が蹴破られ中に入ってきたのはツインテールニーソックスだった。

 彼女がかつて生前に憧れた女性であることは思い出せても、

 名前は磨耗してしまって出てこない。

 オレの思考とは別に彼女もどうやら現状を把握したらしい、

 
 「それで、アンタはなに?」

  
 「開口一番にそれか。これはまたとんでもないマスターに引き当てられたものだ」

 
 明らかに怒りを含んだ声、現状を見れば当然かもしれないが。

 召喚したのは彼女なんだが、

 ……それにしても自分の声が少々高い気がする、召喚の影響だろうか?


 「確認するけど、あんたは私のサーヴァントで間違いない?」


 「それはこちらが訊きたいな。君こそ私のマスターなのか。

  ここまで乱暴な召還は初めてでね、正直状況がつかめない」


 オレは胸をそらし顎を上げ彼女を見下ろすように見る、

 彼女はオレのその行為にムカついたのかプルプル震えている。


 「……なに?
 
  それは自慢している訳?」

 
 ? 何の話だ?

 オレは彼女のセリフの意味が理解できなかった。
 
 オレは取り合えず立ち上がり、

 
 「ん? 縮んだか? 変な召喚のせいだなこれは」


 明らかに今までより少し目線が低い、身長が縮んだのだろう。


 「……縮んだ?

  それで縮んだって言うの!?

  あったまきたぁーーーー!! あんた何様よ! 

  ちょっとでかけりゃいいってものじゃないわよ!!」
 

 彼女が突然キレて、令呪を発動させようとする。

 
 「な……!? 待て、正気かマスター!? 

  どんな理由で使うかは知らんがこんな所で令呪を使うやつが……!!」


 「うるさーーい! いい、アンタはわたしのサーヴァント!

  ならマスターよりも胸が小さくあるべきでしょうーー!?」


 そんな訳の解らないことで令呪が使用される。

 その光の中で彼女が言った自身の胸を見て愕然とする。


 うわーいEカップだ〜


 ……なんでさ?








 



 

        逝け逝け僕らのアチャ子さん



 はあ〜〜〜〜〜。

 溜息しか出てこない。

 何故、何故オレが女にならなければならない?

 生前にも不条理なことは数多くあった、

 助けた相手に裏切られたり、行きずりの関係の女性に認知しろと言われたり。

 「オレの彼女をよくも誑かしたな!」と決闘を申し込まれ返り討ちにしたり。

 死後も掃除屋として世界にこき使われて散々だ。

 
 だが今回のコレは極め付けだ。

 自身が女性になるなどと誰が想像できる?

 おそらくサーヴァントとして召喚される際に不手際が合ったのだろう。

 もしくわ凛のスキル、"うっかり"が発動したか?
 
 凛、あの後色々あって自己紹介で名前を聞いて思い出した。

 ちなみにオレはエミヤと素直に名乗った。

 だって衛宮士郎は男だ、今のオレは認めたくないが女なわけだから問題ないだろう。

 当然エミヤという名前に突っ込まれたが、
 
 知らぬ存ぜぬで突き通した。

 
 そして、今オレの前には青の槍兵がいる。

 クー・フーリン、アイルランドの大英雄。

 最速の英霊にして死の槍を持つ強敵。

 だが今のオレとて英霊となった身だ……今は女だが。


 それにしても先程からランサーの視線がちらちらと下に向いている。

 一体何処を見ているんだ?

 オレもその視線を追うとそこにはボンッ!と突き出た双丘……このエロスめ。


 「どうしたランサー? まさか私の胸に見惚れて戦いに集中できないのかな?」


 少々茶目っ気を出し胸を強調したポーズをとりそう言うと後ろの凛からは殺気が溢れ、

 ランサーは顔を赤くしてうろたえだす。

 ……本気と書いてマジなのかランサー?

 オレにはそんな趣味は無いぞ。
 

 「お、おい、アーチャーだったよな?」

 
 「さて? もしかしたら剣士かも知れぬし、踊り子かもしれんぞ?」


 「マジか!? ダンサーなのか!?

  くーっ! オレは今! 猛烈に! 感動しているーー!!」


 おい、それは他の作品の熱血勇者のセリフだぞ、ちょと違うが。

 しかし……こんな奴だったか?

 オレの磨耗した記憶の中でもこの槍兵はかなりの使い手として残っていたのだが、

 やはり思い出は美化されると言うことなのだろうか?


 「っとに! 男ってどうして見た目に騙されるのかしら!?

  全く! アホな男には胸なんて飾りだってことが解らないのよ!

  アチャ子! さっさとやっちゃいなさい!」


 「ちょっと待て! そのアチャ子とはなんなんだ!?」


 「アーチャーで女なんだからそれでいいでしょうが!」


 ガー! と威嚇しながら逆切れする我がマスター。

 それなら普通にアーチャーで良いんではないだろうか?


 「誰だ!?」


 とか何とか考えてる内にどうやらこの時代のオレが見つかったらしい。

 しかし、ゲイ・ボルクは使おうとしていないし戦ってもいなかったんだが……。

 そのままあれよあれよという間にオレの目の前にセイバーが降り立つ。

 その神秘的な姿、オレが忘れるはずも無いその美貌がオレのある一点を見て曇った。


 「貴女を私の最大の敵と見なしました。
 
  早々にそのこれ見よがしに大きな胸とともに消えなさい!」


 どうやら、オレはこの姿になって更に運が下がったらしい。

 不可視の剣が迫るのを見ながらそんなことを考えていた。


 「やめろーーー!!!」


 その嘗ての自分の声でオレは九死に一生を終えた。

 何故か後ろの凛が、

 
 「ちっ! あと少しで巨乳が世界から一人減ったのに……」


 などと言っていたが、幻聴だと思いたい。




 終われ




 あとがき

 どうも久遠です。
 
 なんとなく以前fateもしの前振りで書いたアチャ子の話です。

 一応記念物? まー他の作品の進行に困ったら逃げ込む為の作品です。
 
 どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。

 ネタ
 >オレは今! 猛烈に! 感動しているーー!!
 俺は今 猛烈に熱血しているっ!
 ラ○ネから。


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