聖杯戦争  もう一杯  まる12


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1: 微妙 (2004/04/02 02:56:32)[sevenstar_2 at hotmail.com]


「では桜、他のサーヴァントを狩りに行ってくる」

「はい兄さん、いってらっしゃい
 晩御飯は楽しみにしておいて下さいね」

と、幸せ一杯な感じに小次郎を送り出した桜



      



        〜30分後〜






「今帰ったぞ」

「お帰りなさい兄さん、随分早かったんですね」






兄・小次郎は、女連れで帰ってきた。








「いやああああああああ!なんで女連れなのにいさあああああん!?」

「いやなに、そこで道を聞いたらどうにも気に入られたらしくてな」

連れの女は何やらウットリしている模様

「桜、すまぬが晩御飯をもう一人分、頼む」

「ショラ!」

とりあえず女を拳で昏倒させた

「さあ!今度こそちゃんとサーヴァントと戦ってきて下さい兄さん!」







聖杯戦争  もう一杯   まる12







沢村権作さんの家を出て、町に繰り出したはいいんだが

「・・・・・」

最近変な奴とばっかり会う気がする
この町に来る時見かけた金ぴかからどんどん変な物ばっかと会う気がする。

「なんだろうな、アレ」

ソレは抜き身のやけに長い日本刀を持った色男だった

「ただの人間・・・ってわけじゃないか」

大量の女を囲いながらこっちを見ている色男

「うん、ただの女たらしだ」

うん、きっとそうだ
自己完結して町を巡る







何やら只者ではなさそうな女はこっちを一瞥するだけで去っていった

「残念、中々楽しめそうだと思ったのだがな」

こうやって町を歩くと大量に女を引き連れてしまうのは慣れた
だがこれの所為であの女と戦えないというのはいささかもったいない気もする

「ままならぬ物だな」

そういって小次郎は町へと消える、大量のお連れを引き連れて





衛宮家の面々は

「まぁ、なにはともあれ。吸血鬼ってのは夜にならないと動かないんだから」

「暇ですね」

「そうだね」

「セイバーはバーサーカーに稽古付けてくれると嬉しいんだけど?」

「面倒くさいですが仕方ありませんね」

「えー、セイバーさんって手加減してくれないんだよ?」

「手加減したら稽古にならないでしょう」

「仕方ないなー、もー」

「段々バーサーカーの根性が図太くなってきた気がするわ」

「俺もそう思う」

紅茶の時間。





晩御飯の時間までセイバーさんと打ち合う事になった

「たあ!」

「甘い!」

バシィ!

私の竹刀を弾いてセイバーさんの一撃が炸裂する

「あ、頭が割れる・・・」

「情けないですよさっちん。
 大体これぐらいで割れる頭なら今頃ミートソースになってます」

そんなに凶悪なのを打ち込んでたんですか!?
お願いだから少し弟子に優しさを持ってください、セイバーさん。

「晩御飯までまだまだ時間があります、思う存分稽古しましょう」

思う存分もへったくれもありません。とりあえず防戦一方です。

「へぶし!」

また打ち込まれた。






「ふが!」

ふと気付くと、誰もいない部屋に一人で寝ていた。
日が大分傾いている

「潰れたのか?俺」

答える者は当然いない、だって一人だし

「・・・・人使いが粗い上に放任主義か、どうしようもねぇマスターだな」

とりあえず一人で毒付いてみた
このまま戻るのも癪なのでちょっと町をぶらつこう。
一応サーヴァント探しも兼ねて


バシィへぶし!バキャぐふぅ!メキィぶべら!きゅ、休憩を バシ ぶはぁ!


サーヴァントの気配のする屋敷からは止めどなく悲鳴と竹刀の音が聞こえてきた

「この気配は、あの時の嬢ちゃんだよな・・」

あの悪夢が蘇る、なんだかよく分からない事態になって撤退を余儀なくされたあの闘い

「あの不幸がなければそこそこに楽しい相手なんだがなぁ」

正直もうあの嬢ちゃんと戦うのは勘弁してほしい
なんだかこっちが悪者みたいな気分になるからな

「ま、折角来たんだ。ちょっと話しでもしてくかな」

話す分には中々楽しい嬢ちゃんだったしな
そう思って玄関をくぐる、無断で

「お邪魔するぜー」

と、言うより早く

ヴィーヴィーヴィーヴィーヴィーヴィーヴィー

侵入者ー!侵入者ー!

「な!?」

な、なんだ!?結界か!?あれかセ○ムか!?

「いい度胸ですねランサー、玄関から堂々と入ってくるなど」

なにやらちっちゃい嬢ちゃんが出迎えてくれた
気を失ったのかぐったりした不幸な嬢ちゃんは引き摺られて来て擦り傷でえらい事になってる

「相変わらずどうしようもなく不幸な嬢ちゃんだな・・・」

「ランサーじゃない!何しに来たのよこの卑怯者!」

「な、あれは不幸な事故だろ!!」

「あ、あなたは」

不幸な嬢ちゃんは気が付いたらしい
とりあえず血を拭え、かなり怖いぞ嬢ちゃん

「青タイツさん!何しに来たんですか!?」

「何だそのあだ名は!?」

「まずは用件を言いなさい青タイツ、事情によっては情状酌量の余地が与えられるわ」

「そうですね、用件によっては話を聞いてあげなくもありません。青タイツ」

「何だよ!何でそんなに当たり前のように呼んでんだよお前らあああああ!」




「で、結局遊びに来たわけね」

「まぁ、ちょっとくらいいじゃねーか
 そっちの不幸な嬢ちゃんとは少し話がしたかったしな」

「弓塚さつきです、
 呼び名はさっちんが推奨だよ、バーサーカーとだけは呼ばないでね」

「・・・真名をそんな簡単に明かしちまって良いのか?」

「どうせこの子の事なんて知らないでしょ?」

最近のマスターはどうしようもないのが多いな

「ところで坊主、酒はないのか?」

「そんなもんある訳ないだろ」

「しけてんなぁ、この国の酒ってのにも興味があったんだが」

「酒などなくともシロウの御飯があれば十分です」

こいつもなんだかよく判んない奴だし、
ただの人間な訳はないだろうが、サーヴァントでもない

「セイバーはその内バイトでもしたら?
 いい加減この家の経済状態もえらい事になってるでしょうし」

「そうだな、確かに食費がやばい事になってる」

「なんだか面白い奴らだなお前ら
 ま、うちのマスターもかなりの色物だけどな」

「青タイツさんのマスターってどんな人なんですか?」

「青タイツって呼び名を改善したら、教えてやるよ」

「じゃぁ、全身青タイツさん」

「パワーアップさせてどうするんだよ・・」






「青タイツさんのマスターってどんな人なんですか?」

バーサーカーってば天然で言い事を言うわ
ここで喋ってもらえば後々楽になるってもんよ
なにやら漫才もどきをしているようだけどそんな事はどうでもいい
重要な事だけ聞き逃さないようにすればそれで十分だわ

「吸血鬼の真祖だ」

「ブバァ!」

私が口に含んだ紅茶がバーサーカーに炸裂する

「きゃ!ひ、酷いマスター!」

「そんな事はどうでもいいわ!それよりそれってほんとなのタイツ!?」

「・・・・まぁ、ほんとだな」

タイツと呼ばれたのが気いらないのか渋い顔をしたタイツ

「セイバー、真祖ってのは強いのか?」

士郎のアホは気楽な事を言ってる

「ピンキリですね、手に負えないのもいますがどうにでもなるのもいます」

「馬鹿なこと言ってんじゃないの!
 今残ってる真祖って言ったら一人しかいないじゃない!
 真祖の姫君、アルクェイド・ブリュンスタッドに決まってるでしょ!!」

「「「誰?」」」

三馬鹿がナニソレって顔してる
説明するのもめんどくさい!

「辞書でも引いてなさい!」

なぜか手元にあった国語辞典を放り投げる、バーサーカーに直撃してたが気にしない

「それにしたってなんで真祖の姫君なんかがこんなとこに来てんのよ!」

「あー、なんか男と駆け落ちついでに聖杯欲しかったとか言ってた」

「男!?なんで!?意味わかんないわよ!?真祖に男ができたっての!?私には出来てないのに!!」

「いやー、尻に敷かれてるようでたいした男だぜ、ありゃ」

「そんな事は聞いてないのよ!なんで!?わっつ!?説明プリーズ!!」

「マスター、ちょっと落ち着いて」

「落ち着けるわけないでしょ!」

いつの間にか手元にあったノートパソコンを放り投げる、なぜかバーサーカーに直撃
ノートパソコンの修理には10万程かかる事だろう

「大体誰よ!真祖の姫君とくっついた馬鹿は!?正気じゃないわよソイツ!!」

「んー、名前は遠野志貴だったかな?」

「遠野君が!?」

「なんだ嬢ちゃん、知り合いか?」

「マスター!ちょっと行ってきます!」

そういってさっちんが家を飛び出した

「え?あ?ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

気の強そうな嬢ちゃんも一緒に走っていく。

「・・・・、とりあえず先に飯食っとくか」

「そうしましょうシロウ」

「俺も食ってっていいか?」









「桜、今帰ったぞ」

「後ろの団体さんはどちら様ですか?兄さん」

きっと極上の笑顔なんだろう私は

「何、気にする事はない。とりあえず夕飯15人前頼む」

ブチン、と何かが切れた

「もおおおおおおおやだあああああああああ!」

13人の女共を袋詰めにして、黒猫大和で北海道へと宅配した後



「私にだけ優しい兄さんになれえええええええええええええええ!!!」



小次郎兄さんの顎にガゼルパンチをぶち込んだ

みょーんみょーん

と、変な音がした後

「いやああああああああああ!!兄さんが老けたああああああああ!!!」

「ごるご13だ、依頼か?」

「もみ上げがいやあああああああああああああ!!」

ドバン!

リバーブローをお見舞いした

「チャイルドマン・パウダーフィールドだ、何か?」

「老け顔がいやああああああああああああああああああああああああ!!!!」

ゴバン!

ヤクザキックをお見舞いした

「イ、イチです・・」

「若いけどキモイ!!」

メギャァ!

コークスクリューをお見舞いした

「はぁはぁ」

「・・・・・」

「ちょっと老けてるけどなんとか合格点だわ・・
 名前聞いていいですか?」

「七夜黄里、仕事は殺し屋みたいなもんだな」

「で、なんでこんなに変身したのか教えてくれます?」

「それは鷲が説明してやるわい!」

ジジイ、生きてたの。

「そ、そんな露骨に嫌がらんでもいいじゃないか!
 わしはお前のためを思って来てやったんじゃぞ!」

「そうですか、それじゃ説明お願いしますお爺さま」

「そ、そうか!?よっしゃお爺ちゃん頑張っちゃうぞー!」

キモいわ
 
「元々、なんとも半端な召還じゃったから安定していないんじゃと思うぞ、
 しかもお前は結構強力なマスターじゃから、礼呪の効果が続いておるんじゃと思う
 お前の理想に変わっちゃえばいい、みたいな命令が半端な形で続いてるんじゃよ
 じゃから――「長いからもういいです」」

このしわがれた声は脳を汚染するから危険だと思う

「・・・・・(しょんぼり)」

そんなに落ち込まれるとかえって気分が悪くなるわね

「・・・・そうですね、折角来たんですから御飯でも食べていきますか?」

「さ、桜!ええのか!?」

「やっぱり駄目です、帰ってください」

「・・・・・・」


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