それは有り得たかもしれない物語 そのにじゅう


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1: 久遠 (2004/04/01 21:13:46)[kuon_kurotuki at passport.net]

  
 注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。

 注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。

 注意3:これは電波による二次被害作品です。

     fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。

 
 以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。





    











 



 

        それは有り得たかもしれない物語 そのにじゅう



 side by 凛


 屋上に出て最初に目に入ったのは膝をついたセイバー。

 そして、天馬に跨り天空を駆けるライダー。

 
 アレがライダーの宝具だろうか?

 幻想種、その存在自体が『神秘』であるもの。

 ペガサス、ライダーがメドゥーサだと推測できていたのだから予想できたソレ。

 私はその光景に見惚れてしまった。

 
 その一瞬後事態は目まぐるしく変化していく。
 

 
 side by エミヤ


 まずい、セイバーがオレ達を見て聖剣を使う事を決心してしまった。

 オレの時よりは魔力量が多少はあるがそれでもエクスカリバーを使ったなら

 現界しているのもギリギリになってしまうかもしれない。

 そして聖剣とぶつかったなら間違いなくライダーは消滅してしまう。
 
 
 それは嫌だ。

 これがオレの我侭であろうとも譲ることはできない。

 ならばどうするか?
 

 ……そんなこと、

 考えるまでもない。

 
 「I am the bone of my sword」


 今一度我が身体を剣と化す。



 side by 士郎


 「I am the bone of my sword」


 この言葉を聞くのは二度目になる。

 ソレが何故オレの魔力回路に対してここまで働きかけるかは解らない。

 だがこの言葉を聞くと身体が熱を帯びる。

 まるで自身が錬鉄されているようだ。


 「騎英の手綱(ベルレフォーン)――!」


 「約束された勝利の剣(エクスカリバー)――!」


 その真名と共に一条の彗星と、太陽の如き閃光が視界に飛び込んでくる。

 その瞬間、


 「熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)――!」


 真名が叫ばれ、絶対の防御を誇る七枚の花弁が、

 彗星と閃光の激突地点に咲き誇った。



 side by 凛


 「ぬ――――ぬああああああああ…………!!!!」


 裂帛の気合を以って彼はその盾を維持する。

 先程聞こえたセイバーの聖剣の真名を知った今、

 これがどれ程馬鹿げたことか計り知れない。

 おそらく聖剣の中で最強と称されるその剣の力と、

 ライダーの宝具の力の両方を留めているのだから。

 
 「く――! え、衛宮士郎!

  今のうちだ! ライダーのマスターの令呪をどうにかしろ!」


 これほど余裕のない彼の声は初めてだ。

 って、そんなこと考えてる場合じゃない!


 「士郎、早く慎二の本を!」


 「解った!」


 そう言って、

 宝具の激突の時から姿を晒していた慎二に駆け寄っていく。

 あっ! 

 シャイニングウィザード!

 ……立ってる慎二に無茶するわねー。


 そして士郎が慎二から本を取り上げて、

 私の後ろで光が収まりその戦いは終わりを告げた。



 side by エミヤ


 「ライダー! バトラーから離れなさい!」


 セイバーの怒声が居間に響く。


 「何を言っているのですかセイバー。

  命の恩人と共にあることがおかしいとでも?」


 オレの腕に抱きつきながらセイバーを挑発するライダー。

 今日はさすがにオレも疲れているので如何なものでしょう?
 
 
 あの時オレが二人の激突を抑えている間に衛宮士郎が慎二から本を奪った。

 本はそれだけで影響力をなくした様でライダーが直に宝具の使用を止めた。

 後で聞いたところ、

 
 「私があのまま意地を張って宝具を使い続けたせいで

  セイバーの聖剣から守ってくれた貴方が消えるのは嫌ですから」 


 とのことだった。
 
 まーその言葉でセイバーも


 「アレは私を守ってくれたものなんです!

  決して貴女を守ろうとしたわけではない!」


 と言い合いを始めるし。


 ……と、話を戻そう。

 本を奪われた慎二だが直に屋上から逃げ出した。
 
 ビルから出ていき、向かう先が教会であることまでは確認した。

 ライダーとセイバーは宝具の使用を止めた直後に倒れてしまい、

 衛宮邸まで背負って帰った。

 ちなみに衛宮士郎がセイバーだ。


 二人を寝かせてどうするか考えていると、ライダーはしばらくして起きた。

 何でも現界に必要な分は本が汲み上げるマナからの供給でなんとかなるらしい。

 問題だったのはセイバーだがこれは衛宮士郎の血を飲ませることでなんとかなった。

 使い魔に対する魔力の供給、尤もサーヴァントは使い魔と言うには上等すぎるが。

 そのことをライダーに言われてからやっと気がついた。

 どうやらオレも人並みに動揺していたらしい。

 
 
 side by セイバー


 全く! 何なんですか彼は!

 知り合いであるからといって敵であるライダーを連れてくるなんて!
 
 しかも私が宝具を使ったことがまるで無駄になってしまったではないですか!

 シロウもシロウです!

 さっさとあの本を燃やしてしまえばよかったのに、

 キリツグと違って要領が悪すぎです!
 

 ライダーは今『私の』バトラーに引っ付いている。

 彼も疲れた顔をしてはいても嫌がってはいない。

 むむ、やはりムネが大きいほうが彼の好みなのだろうか?


 「ライダー! バトラーから離れなさい!」


 その私の言葉に、


 「何を言っているのですかセイバー。

  命の恩人と共にあることがおかしいとでも?」


 こう反してくる。

 何というか戦ってるときと性格が変わりすぎのような気がする。


 「ライダー、お前性格が変わってないか?」


 シロウが私の代わりに聞いてくれた。


 「そうですか?

  ……おそらく我慢するのをやめたからではないでしょうか?」


 そう言って更に彼の腕にムネを押し付ける。


 ……私は無言でライダーの反対側に行き、彼に抱きつく。

 
 「セ、セイバー!?

  君まで一体どうしたんだ!?」


 彼が珍しく慌てている。

 私も自分の行動に驚いているが何故か心地よいので不問にすることにした。


 その後、不覚にも私のお腹が鳴るまでそのままでいた。

 
 
 ふぃん




 あとがき

 どうも久遠です。

 ライダー決着編お待たせしました。

 それでは言い訳を、実はこの20話ですが3つあります。

 一つがこの話でもう一つが強制的にルールブレイカーを二人に使用して宝具を

 発動させなかったもの、もう一つが偽臣の書を燃やして一度桜の元に戻るもの。

 まー他にも色々書いていて、この後の話の流れの一部を書いてからこの内容に

 決まったと言うとてもめんどうな話でした。

 偽臣の書については本を慎二が持っていないと効果を発しないという都合のいい

 ことにしております、その他の能力もこの話の中だけのモノです。

 どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。


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