UBW:onother No3  M:士郎   傾:シリアス?


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1: ゆ〜ぼ〜 (2004/03/27 13:43:45)[qyqbx783 at ybb.ne.jp]

    side 士郎

アグニスの工房にやって来た。

俺達と同じ宿舎

俺達と同じタイプの部屋

その中につくられたごく普通の工房

むしろその辺にいる魔術師にすら劣る工房

そう、こんなものさえ無ければただ少し広いくらいの工房

「・・宝具・・」

彼の工房は数多の武器・防具・装飾品で埋め尽くされていた。それはただの装備から魔装

具、宝具さえ置いてあった。

「宝具ですって?じゃあ何?これは投影されたものってこと?それじゃあまるで・・・」

「違う・・・・」

「違うですって?」

「ああ、違う。これは投影なんかじゃない。」

これは投影なんて儚い代物じゃない。

これは俺の固有結界にある宝具よりも高位の存在。つまり・・・・・

「ここにあるものは全部本物。シロウの言うとおり投影じゃない。」

そう、本物以外にあり得ない。

「ちょっと、それこそあり得ないじゃない!本物の宝具ですって!?なんでそんなもんあ

 んたみたいなのがこんなにもってんのよ!」

遠坂が吼えている。まぁ当然だろう。本物の宝具、そんなものを名門でない(らしい)魔

術師が所有しているのだ。驚かないほうがおかしい。

「まぁ、きちんと説明するとこれは本物じゃなくて、本物と同じ能力をもつ複製品だ。ち

 なみに製作者は俺と相棒だ。」

複製品。

アグニスはそう言った。なるほど確かによく解析すれば材質、付属されている能力。

それらは本物とまったく変わりないが製作理念は本物と異なっている。

「なによそれ、反則もいいところじゃない。こんな能力もっててあんたよく封印されてな

 いわね」
                     エグゼキューター
「いや封印指定はされてるけど、協会と取引して執行者として働く代わりに封印は免除っ

 てわけ。」

「協会はよく取引したわね。封印指定を二つも持ってる魔術師を見逃すなんて」

「まぁ俺のつくる魔装具は協会にとっても利用価値があるし、何より魔眼はばれてないし

 な。この眼のことがばれたら問答無用で封印だからな」

「それもそうでしょうね。魂の情報を見る魔眼なんて代物は魔術師最大の敵だものね」

己が魔術は秘匿すべきもの。それを見る魔眼なんてものを協会が許すわけない。

「ふぅ、まぁあなたのことは大体わかったわ。それでなんのためにここに連れて来たわ  
 け?ただ宝具を見せたかったてわけじゃないんでしょう?」

「ああシロウに手伝ってもらいたいと思ってね」

「手伝うって俺が?そんなこと言われても魔道具なんて造れないぞ俺」

「シロウにしてもらうのは製造のほうじゃなくて情報の提供だ。俺の既存する魔道具の製

 造には確立された真実が必要なんだ。あいまいな情報が少しでもあると製造することが

 できないんだ。そうだな、例えばエクスカリバーだな。余りにも有名すぎて様々な形状

 で人々に広まっている。そのせいで真実の形状がわからないんだ。そこでシロウが活躍

 するわけだ。シロウがエクスカリバーを固有結界から取り出してくれればそれから情報

 を引き出せるってわけさ」

つまりアグニスが言うには、

俺がいれば作り出せない魔装具はないということ、

情報の収集にかかる時間を圧倒的に短縮できるということだ。

成程、たしかに俺はアグニスにとっていいパートナーだろう。

「もちろん魔術師の取引は等価交換だ。なんか欲しいものとかあるか?」

欲しいもの・・・・・・そんなものは頭に浮かばない。

今の生活でも特に問題は無・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あった。

金銭面だ。鉱石科にいる遠坂は宝石を使用する。

宝石にお金が回ると生活が圧迫される。俺も遠坂もバイトをしているがそれでも苦しい。

しかも遠坂は最近前にもまして宝石をたくさん買ってくる。

遠坂が言うには「負けられないやつがいる」からだとか。

そんな訳で問題は金銭面だ。だが、お金を求めるのは気が引ける。そんなことを考えてい

ると

「そうだ、それなら宝具はどうだ?シロウ専用の、シロウのためだけの宝具これなら文句

 ないだろう?」

文句は無い。けれども・・・

「そんなのつりあわない。圧倒的にアグニスが不利じゃないか」

「そんなことはない。シロウの投影は等価交換に値するものだ」

「でも・・・・」

アグニスの言葉を否定しようとすると遠坂が

「いいじゃない士郎、つくってもらいなさいよ。遠慮することないじゃない」

なんていってきた。

「それでも・・・・・・・・」

「う〜む、なら俺の仕事を手伝ってくれないか?」

「「仕事?」」

「そう執行者の仕事。これとシロウの宝具。これで文句無いだろう?」

「ええ、文句なんかないわ。これで取引成立ね」

勝手に決めるなよ・・。まぁいいか、遠坂怒らせると後が大変だし、悪くない条件だし。

「じゃあ俺からも頼むよアグニス。これからよろしく」

手を差し出すとアグニスは快く手を握り返してくれた。





                 続く




あとがき・長くなった。駄文なのに・・・
     読んでくれている方スミマセン。


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