Fate/stay night again 察〜以圈〃后Дャグ?


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1: タケ (2004/03/26 11:07:50)[tamaayu at sweet.ocn.ne.jp]




―――夜明けまではまだ時間がある


願わくば、幸せな夢を見られますようにと


俺は再び目を閉じた―――






Fate/stay night again 察

前編





衛宮士郎の朝は早い

それが平日であるならなおさらだ


6時を回る前に起床した俺は、物音を立てないように部屋から抜け出し、日課の自己鍛錬を行ったあとで朝食を作り始めた

メニューはセイバーと遠坂の要望により、英国風の物


英国風とは言っても、早い話がトーストに目玉焼きを付けただけの物でしかない


俺としては、朝食は和食の方がしっかり食べたとって気持ちになれて好きなんだけどな・・・・・・


そんなことを考えながらフライパンに卵をあける

主婦技能を一通りマスターした俺に、卵の黄身を破るなんて愚かな真似はない


「最後にコショウを振って―――」

うむ、見事な目玉焼きのできあがりだ

目玉焼きと彩り用にキャベツの千切りを皿に盛りつけたあと、

「おーい、藤ねえ。二人呼んでくるからこれ居間に運んでおいてくれ」

そう藤ねえに頼み、俺は二人を呼ぶために台所を発った




まずはセイバー

セイバーは俺が起きたときにはもう布団の中にはいなかったから、きっと道場にいるのだろう

俺は道場へと足を運ぼうとし――――――


その途中の道でセイバーと会った


「おはよう、セイバー。ちょうどいいところに―――」

「おはようございますシロウ。ええ、今から居間に向かいます」

会話を端折られた

「ちょっと待て、なんで―――」

「シロウも早くリンを呼んできてください。食事をする準備をして待っていますから」

そう言って、軽快な足取りで去っていくセイバー

ポカン、としてその背中を見送る

「・・・・なんで、呼びに行く前から朝食のことがわかったんだ?」

その疑問に、答えてくれるものはなかった







「遠坂ー、朝食できたぞー」

遠坂の部屋の前に立って呼びかける

しかし、ドアの向こうからは何の反応も返ってこない

「遠坂ー?」

まだ眠っているのだろうか

朝は苦手だと言っていたから、その可能性は低くはない


時刻は6時10分

藤ねえの出勤時間を考えると、そろそろ食べ始めなくては間に合わない

・・・・しかたがない

女性の部屋に入るのは気が引けるが、遠坂を起こすためだ


俺はドアに手をかけ、それを無造作に開いた



――――――ドアを開けると、そこはワンダーランドだった――――――



遠坂は既に起床していた


突然の来訪者である俺を、驚愕の表情で見つめている

そして、俺も遠坂を見つめる

今まさに制服に袖を通さんとする、遠坂の下着姿を―――



沈黙



時間にしたらほんの数秒にも満たないだろう

だが、俺にはその時間が永遠のように感じられた



唸る豪腕

「っわ、わわ!?遠坂!それ当たったらシャレにならないって!!??」


沈黙を突き破ったのは俺の悲鳴だった


遠坂は突然の来訪者に悲鳴を上げることもなく、制服を着ると無言で魔力を両の拳に集中させて殴りかかってきた


顔面を狙ってきた拳を、体を仰け反らせることで何とかかわす


俺の動きを追って、無言で拳を振り続ける遠坂


玄人の動き


ま、拙い!マジに殺られる!!?


「ごめん、遠坂!俺が何もかも!まるっと完全に!全て!全面的に悪かった!!」


左、右のワンツー。掬い上げるようなアッパーに、脳天から撃ち落とすような打撃


その攻撃の合間を縫って、謝罪の言葉を投げかける


それでも止まらない遠坂の攻撃に、俺は徐々に後退を余儀なくされる



ドンっ


「っ――――――!!」


背中に壁が当たる感触


もうこれ以上の後退できない



俺を追いつめた遠坂がニヤリ、と笑みを浮かべる



殺す気満々



もうこれまでなのか!?




俺は――――――



1.窮鼠猫を噛む、反撃に転じることにした。


2.悪いのは俺だ。どこまでも卑屈になろう。





『1.窮鼠猫を噛む、反撃に転じることにした』


「悪い、遠坂!眠ってくれ!!」


最早逃げ道はなくなった


なら、危険に立ち向かうだけだ―――!



遠坂に躍りかかる


遠坂の繰り出す拳をすり抜け背後に回り、意識を刈り取ろうと首に向かって手刀を振り下ろす!


首筋を狙ったその一撃は、遠坂の首を打ち据え――――




そのまま通り抜けた



「え――――?」


間の抜けた声が漏れる


先ほどまで遠坂だと思っていたものが、目の前で霞のように消えていく



「――残像だ」


ボソリ、と呟く声

その声と共に降ってきた一撃によって、俺の意識は刈り取られ

二度と浮上することはなかった――――――



                                                       DEAD END



『2.悪いのは俺だ。どこまでも卑屈になろう。』


偶然とはいえ覗いてしまった俺がどう考えても悪い


ここは何としても、許してもらえる方法を考えよう


―――遠坂が拳を構える


女性特有のバネと、魔力によって強化されるその一撃の破壊力はどう控えめにみても致死レベル


おそらく、俺の頭蓋を砕き、脳を潰し、後頭部から突き抜けてもまだ余りある殺傷力を持っている


「ごめん遠坂、悪気はなかったんだ!許してくれ!」


懇願する


それでも、遠坂は止まらない


そして遠坂は俺の頭部へと向かって、その絶対的破壊を開放した


―――――死ぬ!?


「何でもするから―――――――――!!」


目を閉じ、遠坂に通じるようにと力の限り叫ぶ



目を閉じていようとも、拳が迫ってくるのがわかる


―――死因が情けなさ過ぎる・・・・


最後に思ったことは、そんな馬鹿らしいことだった―――




ズドン!!




拳が突き刺さる音が響く


まだ、音を聞くことができた


「・・・・・・・・生き、てる?」


うっすらと目を開ける


遠坂の拳が顔の脇を抜け、背後の壁に突き刺さっていた


怖ッ!


これが、頭部に当たっていたらと思うと身震いしてしまう


「―――さっきの言葉、本当ね?」


「え―――――」


遠坂の手によって恐慌状態に陥った俺を、我に返らせたのも遠坂の声だった


「何でもする。――――ええ。私の着替えを覗いたんだからそれくらいは当然よね」


「え?あ、ちょっと待て。それは―――」


「とりあえず今は保留にしておくけど、いずれこの権利を使わせて貰うわ。
―――――代償は高いわよ、衛宮君?」

俺の言葉を遮り、ニヤリと笑う遠坂



ひょっとして、かなり早まったことを言ってしまったのか、俺は?


いや、でもそれで許してもらえるなら安いと思った方がいいのだろうか・・・


「それにしても士郎も間が抜けてるわよね。初めから藤村先生かセイバーに頼んでおけばこんな事にはならなかったのに」

遠坂が、呆れたようにしてそういった




・・・・・・御意見ごもっとも



――――――――――――――――――――――――
後書き
7章終了後にまとめて


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