桜の中学性日記 M:桜  傾:ギャグ


メッセージ一覧

1: にぎ (2004/03/26 00:27:39)[cfg52030 at syd.odn.ne.jp]


○月×日 はれ、

今日から監視とかいう名目で先輩の家に通う事になりました
このシチュをいかして先輩をげっとしようとおもいます、まる








桜の中学性日記







はい、こんにちわ。
桜です。
そんなわけで、私は今先輩のお家にやってきました。

これから怪我をして不自由な先輩のお世話をするわけです、ええそれはもういろんなお世話を。
そう、今の私は先輩専用のメイドさんといっても過言ではないんです。
ええもう、先輩のことをご主人様、とか言っちゃたりしてもおかしくないんですよ!きゃー


「おーい、桜なにしてんだ?」

あっ、ごめんなさいご主……じゃなくて先輩、今行きますー。


ふう、危ないところでした、
ついつい妄想に浸ってしまいました。
ああ、こんな素敵な機会を与えてくれるなんて、
今だけはあの無能な兄にも感謝しましょう、今だけは。

それじゃ、おじゃましまーす。

……やっぱり広いですね、先輩のお家。

間桐の家も広さだけなら負けないんですけどね、八割がた蟲さんが沸いちゃって使えませんから。

うん、これならやっぱりお手伝いさんの一人くらいいないと大変ですよね、
私頑張っちゃいますよ先輩。


「えーっと、まずはどうしましょうか?先輩」

「んーそうだな、よし、じゃあ夕飯の支度でもしようか桜」

「はい、分かりました」

「ほら、じゃこのエプロンつけて」

はい、分かり……って先輩のエプロン姿―――――――っ!!

せ、先輩!いきなりそんなナイスな格好をっ!
ああ、似合ってます!似合いすぎですよ先輩!
ぐっじょぷです!ぐっじょーぶっ!!


「桜?どうかしたのか?」

はっ!い、いえなんでもありませんよ?先輩。


ふう、またしても危ないところでした、まさか先輩の制服エプロンがあんなにでんじゃーとは。
思わず盛大に鼻血を噴出す所だったじゃないですか、もう。


「えっと、じゃこれから料理を手伝ってもらうんだけど、桜、料理は出来るのか?」


はい、得意料理は蟲さん料理ですっ……なんていえるわきゃないですね。
だってあの家じゃそれしか出てこないんですから、まあ何もしらずに食べてる兄さんはほっといて。


「えっと、ごめんなさい先輩、実は私お料理した事がなくて……」


上目使いをしながら申し訳なさそうに、それで居て照れた様に頬を染めたりしてそう言いました。
いわゆる萌えポーズですね、萌えポーズ。

こういう細かな所でポイントゲットとかフラグ立てとかをしっかりとやっておくんですね。
ふふふ、さあ先輩どうですか!?


「ああそうか、じゃ俺が教えながらやるから、えっとまずはな……」


撃沈、……先輩のばかー。










ふう、ごちそうさまでした。

うーん、先輩って本当に料理が上手なんですね、
ああ、先輩、お婿さんに欲しいなあー、ってきゃー

……あれ先輩、寝ちゃったんですか?
やっぱり疲れちゃってたんですね、ゆっくり休んでくださいね。


「………ん、」


――――先輩、なんでですか、どうしてそこで肩がはだけちゃったりするんですか。
いやむしろ鎖骨が――――っ!
チラリズムですかそうなんですね、むしろ誘ってるんですねぇぇぇっ?!!


はっ!?い、いけないまたしても、とりっぷしてしまいました。
危うく本能のままに襲い掛かってしまうところでした。
落ち着け、落ち着け私、いくらなんでも初日からなんてそんな……、


「……うん…」


―――ああ、やっぱり誘ってるんですか?先輩。

はっ、分かりました、
寝苦しいんですね、その格好が寝苦しいんですね!
だったら私は、先輩のメイドさんとして先輩を楽な格好にしてあげなくてはー!

そう、これは先輩のためを思っての事なんです!
決して私の欲望の為じゃありません!

そ、それでは、先輩失礼しまーす………




――――わんだほー。

ああ、先輩、わんだほーです、ぶらぼーです、びゅーてぃほーです。
ごめんなさいお父さんお母さん、桜はもう我慢できません。

そうですね、最初から既成事実を作っちゃえば問題なかったんですよね、
大丈夫です先輩!今日はばっちり危険日ですから―――――っ!!


「あれぇ、なにやってるの桜ちゃん?」


きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!??!?

ふ、ふふふふふ藤村先生!?


「ん?何で士郎の奴上脱いじゃってるわけ?」


えっと、えーっと、こ、これはですね、
そ、そう!先輩ったら突然寝ぼけて脱ぎ始めっちゃったんですよ!はい!
けっして私がひん剥いたわけじゃありませんから!


「んー?あれ俺寝ちゃってたのか?む、何で上半身裸なんだ、俺?」


きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
せ、先輩!なんてタイミングで起きるんですか!


「なあ桜……」

「あっ!もうこんなじかんですねー!じゃあわたしはかえりますねー!」

「えっ、ちょ、桜!?」


う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!後一歩だったのにぃぃぃぃぃぃぃ!!

















今日は先輩をげっとできませんでした
あしたこそげっとできるようにがんばろうとおもいます、まる


2: にぎ (2004/03/28 02:32:07)[cfg52030 at syd.odn.ne.jp]


○月△日 くもり、

今日も当然先輩の家に通います
今度こそ先輩をげっとできるように作戦をしかけようと思います、まる








桜の中学性日記 二日目







はい、こんばんわ。
桜です。
そんなわけで、今日も今日とて先輩のお家でお世話になってます。

……確か私がお世話する為に来てたような気がしますけど、
まあ先輩のご飯はおいしいのでおっけーです。
ああ、やっぱり素敵ですよー、先輩のエプロン姿………。
でも先輩と並んで洗い物してるなんて、まるで夫婦みたいですよね、ていうかもう夫婦同然!?きゃー


「桜、もうそろそろ帰った方がいいんじゃないか?」


はっ、なんだか最近向こうの世界に逝ってばっかりです私……。

はい、そうですね、確かにもう暗くなっちゃって危なくなりそうな時間ですね。
しかし先輩!今日の私はそう言われて、ただ帰ったりはしませんよ!
昨日は慌ててしまいましたが!
このときの為に考えておいた作戦があるんですよ!ええ!


「あっはい、でも…その、暗くなっちゃって、一人で帰るの怖いです……」


これです!
名づけて!
『先輩に送ってもらっちゃおう大作戦』!!

……なに?そのまま?いいじゃないですか分かりやすくて。

ふふふ、暗くなった町を先輩と二人……。
そう、二人手をつないだりなんかして、

あっ、先輩!そんな路上でなんて…!
ああ、でも先輩の為なら桜はいつでも準備はおーるぐりーんですよーっ!!


「ああそれもそうだな…、じゃ今日は泊まっていくか?どうせ明日は休みだし」


はいそうですね…………ってなんですと―――――――――っ!!!!!

と、泊まる!?先輩のお家に!?
先輩、そ、それはもしや、

桜、今夜は帰さないぜ、

とか!そういうことですか!?先輩!


「ん?なんか都合でも悪いのか桜、そうなら俺が送っていくけど……」


いえ!だ、大丈夫ですよ先輩!
心の準備なら24時間大丈夫ですし!下着だってばっちり勝負下着ですからっ!


「はい、それじゃ、お言葉に甘えてもいいですか…?」

「ああ、なんせ桜には世話してもらいに来てるんだからな、このくらい気にするなって」


はい、分かりました、
思いっきり甘えちゃいますよー私。
















はふう、いいお湯でした。
ああ、あれがいつも先輩が入っている湯船なんですね…
そして今先輩はあそこにいるんですね…

そう、私の浸かったお湯に先輩が……
あの昨日かすかに見た先輩の裸体が……

う、いけない、鼻血が鼻血が。
うふふ、体の方もキレイにしたし、
もう桜は準備万全ですよー先輩。


「あーさっぱりしたなあ、じゃあ桜とりあえず今日寝るところ案内するから」


あっ、先輩上がったんですか……って先輩の湯上り姿―――――――っ!!

は、反則です!
そんなの反則ですよ!先輩っ!

湿った髪の毛とか!ほんのり上気した頬とか!
あまつさえシャツ一丁なんて―――――っ!!!

は、はううう、げ、限界ですぅぅ………












「………あれ…?」


どこでしょう、ここ?
というか何で私は寝てるんでしょうか……?


「あ、よかった桜、気がついたか」


はっ!!
せ、先輩!?な、何で先輩が!?


「いやビックリしたぞ俺、桜がいきなり鼻血噴いて倒れちゃったんだからな」


……ああ、思い出しました全て。
うう、先輩の前でそんな醜態をさらしてしまうとは……、


「のぼせたのか?あんなにのぼせてたんなら言ってくれれば良かったのに、
 さすがに片付けるの大変だったぞ、あれ」


一体私はどれだけの量の鼻血を噴出したんでしょうか……。
うう、怖くてとても聞けません。

ごめんなさい先輩、でも先輩が悪いんですよー、
あ、あんな萌えな姿で出てくるからーっ!


「せ、先輩、ごめんなさい、ご迷惑掛けちゃって……」

「ん、まあ気にするなって、とにかく今日はもう休んでろよ。
 それじゃあ俺は行くけど、なにかあったら俺のところに来てくれよ」


じゃあおやすみ、とか言って出て行く先輩………


なにかあったら俺のところに来てくれ、

  俺のところに来てくれ、

    俺のところに来い!


せ、先輩――っ!!
も、もしやそれは!
私に夜這いを掛けに来いと!
そう言っているんですかっ!そう言っているんですね―――――――っ!!

わ、分かりました!
間桐桜!見事その任を果たして見せますっ!!

今、桜が参りますよ――――っ!!











「どこだろう……ここ……」


えーっと、まあ、なんというか、

道に迷いました、てへっ。


「……………うう」


だ、だって!仕方がないじゃないですか!
よく考えてみたら案内してもらってないし!
辺りは真っ暗で何も見えないし!
なんだか作りがややこしいしっ!!

あうう、先輩ー、どこですかー、
で、でも今日の私はこのくらいじゃ諦めないんですから、
だって今日の私の蟲占いは女郎蜘蛛ですからっ!!

……なんか嫌ですけど、


あ、いつの間にか玄関に出ちゃいました。
こ、ここからなら先輩の部屋も分かりますよ!

え、えーっと、確かここをこういって……
はい!やっと着きました!先輩の部屋です!
ああ、長い道のりでした……
ごめんなさい先輩お待たせしちゃって、今桜が来ましたよー、



―――――――いないし、先輩。



な、なんでですか!?先輩!?
はっ!も、もしや私が来るのが遅くて……!?

そ、そんな、今日こそ先輩をげっとできると思ったのに……、
ううう、せめて先輩の布団で寝てやるんですからっ!

ごそごそごそごそ

ああ、先輩の匂いだー、
えへへ、幸せだなぁー私。
ええ本当に、ちっとも惨めになんか思いませんよー?
か、悲しくなんかないんですからー
あ、あれー?
な、なんで涙が溢れてくるんでしょう―――

うう、しくしくしくしくしくしくしく………………





















「うおおおおおおおお!士郎――――――――!!どういうことよ――――――っ!!?
 何で桜ちゃんが士郎の布団で寝てるのよ――――――――っ!!!」

「お、落ち着けぇぇ!藤ねえ――――っ!!」

「うるさぁぁい!!おまけになんで泣きはらした後まであるのよ―――――っ!!
 士郎!!アンタなにしたのよ――――――――――――っ!!!!!?」

「人の話をきけぇぇぇ!このばか虎――――っ!!!」

「うがあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!虎って言うな―――――――――――っ!!!!!!」

















今日も先輩をげっとできませんでした
でもなぜか藤村先生が励ましてくれたので元気がわいてきました
つぎこそはげっとできるようにがんばろうとおもいます、まる

3: にぎ (2004/04/05 00:45:51)[cfg52030 at syd.odn.ne.jp]


○月□日 はれのちあめ、

昨日は先輩のお家に泊まったので今日も当然先輩のお家です
この休日をつかって先輩をげっとしたいとおもいます、まる








桜の中学性日記 三日目







はい、おはようございます。
桜です。
そんなわけで、今日は朝から先輩のお家です。

でも先輩って朝早いんですね。
寝起き姿を見られると思ってたのに……残念です。

うう、せっかくのチャンスを逃してしまうなんて、
こんな日に限って寝過ごしてしまうとは……
ああ、見たかったなあ先輩の寝起き姿……


いやそれよりむしろ私が優しく起こしてあげたりとか、

穏やかに眠る先輩を隣りで静かに見守ったりとか!

そしたら先輩が、桜……って寝言を言ったりとかっ!

むしろそのまま布団に引きずり込まれたりとかっ!!

あっ、先輩!こんな朝から……とか――――――っ!!

そんならっきーイベントの数々が――――――――っ!!!!


「おーい、桜、大丈夫か?」


はっ!?せ、先輩!?
……なんだかもう常にとりっぷしてる気がします、私……


「桜、大丈夫か?やっぱりまだ調子が悪いんじゃないのか?」


だ、大丈夫ですよー先輩、
別に一人で妄想を繰り広げたりしてるわけじゃありませんから、ええ。

うう、でも先輩そんなに心配してくれるなんて、
ああ、そんな心配そうな顔も萌えですよー
っていやそうではなくて。


「い、いえもう大丈夫ですよ先輩、昨日はゆっくり休みましたから」

「むう、でもなんかぼうっとしてる事が多いし……」

「ちょ、ちょっとまだ寝ぼけちゃってるんですよ、はい」

「……本当に大丈夫か?まだ体調が悪いんなら今日はもう帰ったほうが……」

「だ、大丈夫ですっ!あっ、そうだ!わ、私、洗濯物干してきますねっ!」

「あっ!?さ、桜?」












ふう、危ないところでした。
もう先輩、せっかくの休日なのに家に帰れるわけないじゃないですか。
そう、今日こそ、今日こそは先輩をげっとしてみせるんですからっ!

ふふ、でもこうしてエプロンをつけて洗濯物を干してるなんて……
なんだか私、新妻みたいですよね!きゃー



――――あ、そういえばこれ全部先輩の服なんですよね……


…………こ、これは、洗濯物に顔をうずめて、
うん、キレイになってる、とか
うーん、いいにおい、とか

そういうことやっちゃう所ですよね?

そういうことやっちゃう場面ですよね!?

そういうことするべき場所ですよねぇぇぇぇっ!?

はっ、落ち着け私。
ふー、ふー………よし、

こ、これはあくまで洗濯物がキレイになってるかどうかを確かめる行動であって……
べ、別にやましい行動なんかじゃないんです、ええないんです!

そ、それでは……






―――――――――――。







はふぅぅぅぅぅぅ。

先輩分、補給完了ですー、

……いや違う違う、え、ええちゃんとキレイになってますねー。

うん、やっぱりちぇっくは必要ですよねー、
これからも積極的に行なっていかねば、

ええ、これはあくまでキレイになってるかどうかの確認なんです。
私の趣味や嗜好による行動じゃないんですから……ないったらないんです!


ふふふ、さあ次は………って先輩のパンツ―――――――――っ!!!!!


ま、まさかいきなりこんな大物が出てくるなんて―――!!
くっ、で、でも!私には洗濯物がキレイになってるかどうかをちぇっくする義務があるんですっ!
た、たとえそれが先輩のパンツでも!
いやむしろ喜んでぇぇぇ――――――っ!!!!

はっ、落ち着け落ち着け私。
そ、そうです、こういうときは深呼吸を、


すっはーすーはっはーすっ、がほげごほがふっ!……はーすーはーすーはー


よ、よし、それでは、いざーっ!!




―――――――――。


―――――――――。


―――――――――。






そこに、えでんをみました、

ああー、そこはなんてすばらしいぱらだいす、

まさにりそうきょうですよ―――――。



「おーい、桜、ちょっといい………か……」


きゃっ!?せ、先輩っ!もう急に声をかけるなんてビックリするじゃないですか………
あれ?どうしたんですか先輩?
まるで変質者を見つけたかのごとく固まってー
私なにかおかしい所でもあるんでしょうか……?

別に服を着てないとかそんな事あるはずありませんし……
洗濯物だってちゃんと干してますし……

手にはしっかりと、血のついた先輩のパンツを握り締めてますし……
ばっちり鼻血だって止まってません………し?


――――うわあお、ぱ−ふぇくと。



「……………桜……」


い、いや!先輩!
こ、これは違うんですよ?違わないけど違うんですよ!?

これは、そ、そう洗濯物ちぇっくをしてただけであって、
別に先輩のパンツに顔をうずめてハァハァしてたとか!
まして欲情しちゃってたりとか!
そ、そんな事は絶対にないんですよっ!?

え、えーっと、せ、先輩……そ、その笑顔はなんですか……?
大丈夫、俺には分かってるから、と言わんばかりのその笑顔は――――っ!!


「桜……大丈夫、俺には分かってるから」


いや本当に言ってるし――――っ!!
だ、だから先輩!
違うんです!誤解なんです!


「うん……桜、やっぱりまだ疲れが残ってたんだよな…?
 ごめんな気づいてやれなくて……」


せ、先輩……。

ごめんなさい、その優しさが、
いまはどこまでも痛いです……。


「桜、もう今日いいから……な?今日は家に帰ってゆっくり休んでこいって」


う、うう、
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!
見られたー!先輩にとんでもないところ見られたぁぁぁ!!

わ、私の馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!

















今日も先輩をげっと……ていうかとんでもないところみられてしまいました
あんなところみられたからにはもう先輩に責任とってもらうしかないとおもいました
なのであしたこそげっとできるようにがんばろうとおもいます、まる

4: にぎ (2004/04/12 02:19:48)[cfg52030 at syd.odn.ne.jp]


○月◇日 はれ、

昨日の事はさておき今日も先輩げっと目指してがんばります
先輩げっとを進行させるために作戦そのにをしかけようとおもいます、まる








桜の中学性日記 四日目







はい、こんにちわ。
桜です。
そんなわけで、今日は先輩の学園の前に来ています。

そう、その目的は唯一つ、

   二 人 一 緒 に 登 下 校 大 作 戦!!

これです!これですよ!
これこそ先輩げっとのための重要フラグです!分岐ポイントです!


二人で並んで歩く帰り道……

そして夕日に照らされた先輩の横顔……

ああ、素敵ですよ……先輩……

えっ先輩?あっ、こんなところで……

ああ、でも先輩がどうしてもっていうなら私……!






――――――――ふう、遅いなあ先輩。

いつもならこの辺りで、こう、先輩のツッコミが入るのに……
やっぱり一人は寂しいですよー先輩。

……いやいや、いつから私はツッコミ待ちのボケ担当になったんでしょうか。


それにしても本当に遅いですね、先輩。
もう部活はしていないからとっくに来ていい時間のはずなんですけど、
一体何をしてるんでしょうか……?

はっ、もしやこれが ほうちぷれい!?
やー!先輩のえっちーっ!


「あれ、桜こんな所でなにしてんだ?」


はわあっ!!
せ、先輩!?い、いつの間に!?

ああ、やっぱりこのツッコミですよー。
先輩、桜はもう先輩無しには生きられません……


「おーい、聞こえてるかー桜?」

「はっ、い、いえたまたま通りかかっただけですよ?先輩」

「いや、どう見てもそんな感じじゃなかったような……」

「ええ本当に偶然ですねー先輩。そうだーせっかくですから一緒に帰りましょう」

「えっ、あ…………ま、いいか。じゃ帰るか桜」

「はい先輩」
















ふう、とりあえず作戦成功ですよー。
ああ、夕日に照らされた先輩の横顔……
やっぱり素敵ですよ……

はっ、見とれている場合じゃありません。
このシチュを見事いかして先輩げっとの為の更なる一歩を踏み出さなくては!

――――なんだか遠ざかってばかりな気もしますけど……。


え、えっと、そうです!まずは何か会話を!
この状況に見事にまっちした話題、
ここは、重要なポイントですよ……

夕暮れ、下校、坂道、

この三つのキーワードから連想されるべすとわーどは……




――――先輩、私がピンチになったら助けてくださいね。




……いやだめっぽいです、これ。
そこはかとなく私のキャラに合ってるような気はしますけど、
なんか死んじゃいそうですし、それも先輩の手で……。


くっ、ま、まだです!
か、会話がだめなら……!

そ、そうです!
ここは王道で!
手をつないで登下校!これですよ!

さ、幸い先輩の手は空いてますし……
よ、よし!
それでは……いかせて頂きますよー。


ご、ごくり―――

どきどきどきどきどきどきどきどきどきどき



「あ、そういえば桜」


うきゃーっ!?
せ、先輩!なんてタイミングで会話を振るんですかっ!!


「?どうかしたのか、桜」

「い、いえ、なんでもありませんよ?それよりなんですか先輩」

「ん、いや、ほら最近なんか調子が悪そうだったろ、どうだ具合はもういいのか」


う、先輩、あの事にはあんまり触れないで欲しいです……。
というかもう記憶から完全にでりーとしでください、本気で。


「え、ええ、もう全然大丈夫ですよ」

「そっか、ならいいんだけどな。ま、あんまり無茶するなよ。
 俺の世話にきてて体壊したなんて言ったら、元も子もないからな」


大丈夫ですよーそんな事は絶対ありえませんから。
桜はいつでも絶好調ですからっ!
最近、絶好調すぎるような気がしますけど、色々と……。


「はい、でも心配してくれてありがとうございますね先輩」

「む、心配ぐらいするに決まってるだろ。桜はもう俺の家族みたいなもんだからな」


ふふ、本当にありがとうございま…………って家族――――――――――――っ!?

せ、先輩!?
そ、そんな!恋人をこえていきなり家族なんて――――っ!!

こ、これ私ルートですか!?とっくに私ルートだったんですねっ!?

ああ、いままで気がつかなくてごめんなさい、先輩。
で、でも!そうと分かれば早速今夜からでも!
むしろ今からでも桜はおっけーですよ―――――っ!!


「ああ、俺は桜の事―――――――――――」


ふふふふふー、先輩、子供はやっぱりたくさんですかー?
桜は何人だってどんとこいですよー
先輩、幸せな家族になりましょうねー!


「――――妹みたいに思ってるからな」





………………………………………………………………………………。



あ、あははははは、そうですよねー
もう、先輩が急にそんなこと言うから早とちりしちゃったじゃないですかー
ええ、大丈夫ですよー
先輩がそういう人だってことは分かってましたからー

あ、あれ、なのになんででしょう、
目の奥からなんだかとてもあついものが――――


うぐ、えぐえぐえぐえぐえぐえぐえぐえぐえぐ……………






















「しぃぃぃぃぃろぉぉぉぉぉぉうっ!!!!また桜ちゃんを泣かせたわねぇぇぇぇぇぇ!!」

「お、落ち着け藤ねえ!確かに今回は俺のせいかもしれないけど
 俺だってさっぱり事情がわかんないんだって!!」

「問答無用―――!!そこに直れぇぇぇぇいっ!!」

「うおっ!?ど、何処から竹刀をっ!?藤ねえ、や、やめ―――――――――――」





















今日も先輩をげっとできませんでした
でもなぜかまた藤村先生が励ましてくれたので元気がわいてきました
その応援のためにもつぎこそげっとできるようにがんばろうとおもいます、まる

5: にぎ (2004/04/25 04:07:21)[cfg52030 at syd.odn.ne.jp]


○月▽日 くもり、

今日も今日とて先輩げっともためにがんばります
一気に畳み掛けるべく作戦そのさんをしかけようとおもいます、まる








桜の中学性日記 五日目







はい、おはようございます。
桜です。
そんなわけで、ようやく日も昇ろうかというこの時間先輩の家に向かっています。

……昨日の作戦で先輩の私の認識が妹扱いだと言う事が判明しました。
ですが!そのくらいで諦める私じゃありませんよっ!ええ!

妹?ふっ、妹キャラ上等ですっ!
ならば妹キャラ的な方向で責めるまでです!
私だって伊達に長年妹やってるわけじゃないんですよー!

そう、つまり今回の作戦は……


あさだよおきておにいちゃん(はあと 作戦ですっ!!


柔らかな朝の日差しを背に優しく先輩を起こす私……。
先輩が起きたのを見計らって耳に掛かる髪をそっとかきあげたりなんかしちゃって……
妹だと思ってた女の子のそんな仕草に先輩のはーともいちころですよー

ふふふ、先輩の家に着いたら朝日を背負えるべすとぽじしょんを確保しなければー

―――って、思いっきり曇ってますねー空………。



え、えーっと……ふ、ふっ!
こ、こんな事で諦める私じゃありませんよーっ!
こんなこともあろうかと今日の作戦は二段構え!
この作戦が使えないならぷらんびーに移行ですっ!


題してっ!目覚めればそこに私がいる作戦ですっ!


ええ、やっぱり定番ですよねー。

朝目を覚ましてみるとすぐ隣りに私が向かい合って眠っていて……
その私の寝顔に先輩が見とれている所で、

「先輩……好きです……」

とか寝言を言っちゃたりしてっ!
ふふっ、これで先輩も私にめろめろですよー。
ああっ、先輩っ!
そんな朝から激しくーっ!

うふふふふ、先輩ー、
待っててくださいね、もうすぐ桜が行きますよー。





…………でもなんかちょっとあれですよねー。
せっかく先輩が隣りで寝ているのになにもしないで寝た振りなんて……
やっぱりほら、据え膳食わぬは女の恥とか言いますし、
それになにもしないなんて寝ている先輩に対しても失礼ですよね?ですよね!?


……うん……ちょっとくらいならいいですよね?むしろするべきですよね?


うー、でもちょっとくらいってどれくらいまでしていいものでしょうか……。

例えば……


寝ている先輩の顔で遊んでみたりとか……


先輩の胸にぎゅーっと顔をうずめてみたりとか……


とりあえず先輩の唇を奪っちゃってみたりとか……


おもむろに先輩の服を剥いじゃってみたりとか……


そのままいくとこまで突っ走ってみちゃったりとか―――――っ!!!







………はっ!?え、えーっと、どうすればいんでしょうかー。

あっ!そ、そうですっ!名案を思いつきましたよー!
もう一回作戦ちぇーんじっ!


ぷらんしー『先輩に朝這いれっつごー!』に変更ですっ!


……ふう、これで万事解決です。
これで心置きなく先輩をげっとです。

あっ、する事も決まった所で丁度先輩のお家に着きました。
……よし、明かりは点いてないみたいですね。

ふふふ、それでは先輩が起きないうちに早速なかへ―――――――





――――――どうやって入るんでしょう。





………………あれ?

えーっと、いつもだったら、ほら……そう玄関のチャイムを鳴らして……
って、そんなことしたら先輩が起きちゃうじゃないですか――――――――っ!!!

し、しまったぁぁぁぁぁっ!!わ、私とした事が中に入る方法を忘れていたなんてっ!!

くっ、しかしこんな事で諦めるわけには……!
かといってゆっくり考えている時間なんてありませんし……
こうなったら残された手は一つですっ!!


と〜びこえていけ〜へいを〜  そりゃーっ!!


ふっ!この私の先輩への想いはこの程度の塀なんかで止める事は出来ませんよっ!
ああ先輩、今桜はやって参りましたーっ!!


「さ、桜っ!?」


あ、先輩おはようございますー。
待ちきれなかったんですかー?可愛いなあ先輩。
しかも野外ですかー?
もー先輩のえっちー………………って、え?え!?


「え、えーっと、さ、桜……?」


な、ななな、なんでこんな朝から庭になんか居るんですか―――っ!先輩っ!!!

み、見られたっ!?
必死に塀をよじ登る私の姿が見られた―――――っ!?

ま、まずいですっ!
どう見たって泥棒さんぐらいにしか見えませんよっ!今の私は!

な、なにか言い訳しないと!えーっと、えーっと!
この状況をうまく説明できるような言い訳を………!



―――先輩、朝這いに来ましたー。



正直に言ってどうするんですか―――――っ!!
そ、そうじゃなくてもっとこう、この行動を誤魔化せるような何か………!



―――今日は絶好の塀のぼり日和ですねー先輩。



どんな日ですかそれは―――――――――っ!!
だ、だめです!
もっと!もっとなにか……それを言えば全てを許されてしまいそうな……!
そんな必殺きめぜりふな言い訳を―――――――っ!!


「先輩、お腹が空きました」


って!何を言ってるんですかっ!!私は―――――――っ!!!
ち、違いますっ!腹ペコキャラは私の役目じゃないんですっ!

せ、先輩!今の!今のは無しで……って先輩?

えっと、その、な、なんですか先輩。
その菩薩様のごとき慈愛に満ち溢れてらっしゃるその微笑みは――――っ!!!


「うん、そっか、じゃあすぐに飯にしてやるからな……」


ああ!せ、先輩!さっきのは違うんですっ!
まって、待ってください先輩!
先輩っ!かむばーっく!!


「桜、玄関の鍵は開けとくからそこから入って来いよー。
 いくらお腹が空いちゃったからって女の子がそんなはしたない事しちゃ駄目だぞー」


う、うう、うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!
私の馬鹿っ!なんであんな事言っちゃったんですかっ!!
っていうかなんでこんなところばっかり先輩に見られちゃうんですか―――――――っ!!!

うう、馬鹿馬鹿!私の馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!


……えっと、でも朝ごはんはちゃんと頂いていきますよー。






















今日も先輩をげっとできませんでした
でも何故かあとで先輩から合鍵げっとできたので結果おーらいです
つぎもこの調子で先輩をげっとできるようにがんばろうとおもいます、まる


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