それは有り得たかもしれない物語 そのじゅうよん(M:剣 傾:シリアス


メッセージ一覧

1: 久遠 (2004/03/24 01:13:25)[kuon_kurotuki at passport.net]

  
 注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。

 注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。

 注意3:これは電波による二次被害作品です。

     fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。

 注意4:こんなの自分の思うセイバーじゃない。

     とお思いになられたならお手数ですがブラウザの戻るでお戻り下さい。

 以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。





    











 



 

        それは有り得たかもしれない物語 そのじゅうよん



 side by 士郎

 
 なんですか?

 この異様な雰囲気は。

 藤ねえでさえ軽口を挟んでないぞ。

 
 「ねえ、士郎。

  セイバーどうしたの?」


 遠坂が小声で話し掛けてくる。

 
 「知るか、朝起きてきた時からあーだったぞ」


 そう、現在セイバーを中心に空間が歪んでいるのだ。


 セイバーは朝から不機嫌だった。

 お腹が空いているせいだと最初は思ったが違うようだ。

 いつもならおいしそうに食べるのに今はほぼ無表情だ。

 時折思わぬ味にコクコクと頷いてはいるが。
 
 そんな中勇者が出現した、


 「あのバトラーさん、

  今日はセイバーさんどうかしたんですか?」


 桜が現況たるセイバーではなくその執事だと思っているバトラーに聞く。

 

 side by エミヤ


 「あのバトラーさん、

  今日はセイバーさんどうかしたんですか?」


 桜がオレに聞いてくる、

 正直オレがそれを聞きたいよ。

 セイバーは昨日怒ってから今日の朝になっても怒ったままだ。

 これは、確か金欠黒魔術師が二股だか三股かけた後の状況に似ているな。

 ……オレそんなことしてないぞ?
 
 ここはどう答えるべきか考えていると、

 
 「すみません、サクラ。

  今朝の夢見が悪かったので少し不機嫌になっていました」

 
 セイバーさんが答えました。

 おそらく本音ではないだろうが桜達は納得したようだ。

 それ以後は少々静かだが何時も通りの朝食風景だった。


 オレはこの後遠坂と学校に行くのだが、

 衛宮士郎は今日も家でセイバーと稽古だろう。


 ……死なない、よな?



 side by セイバー


 私は何処かおかしくなってしまった。

 昨日の夜バトラーが一人で出かけた時は特に何も感じなかった。

 サーヴァントが単独で行動することは珍しくないからだ。
 

 なのに、堀を越えて帰ってきたバトラーを偶然見た瞬間、

 私は得体の知れない不安に駆られた。
  
 それが何なのか解らず、バトラーを問い詰めようとした。

 その時何故か鎧を身に着けていたがどうしてだろう?

 だが彼の答えは、


 「その質問に答える必要があるのか?

  私が何処で何をしようと君に不利益をもたらさないなら問題ないだろう?」


 だった。

 その後私はなんと言ったか覚えていない

 その言葉を聞いた瞬間何故か暗い感情で埋めつくされてしまったからだ。


 今朝も昨日の感情を引きずっていて朝食を思うように楽しむことが出来なかった。

 あげくサクラに心配までされてしまった。
 
 私は王として、サーヴァントとして壊れてしまったのだろうか?


 「隙ありっ!」


 急に声が聞こえ、私に対して竹刀が迫る。

 私はそれを弾き返す刃で相手の頭を粉砕……してはいけない!

 
 バシンッ!
 
 
 ……危なかった、もう少しで余り手加減をしていない一撃がシロウを打つところだった。

 稽古中に考え事をしていた私の落ち度だ。

 
 「痛てて、うーちょっとは手加減してくれよセイバー。

  オレの頭がかち割れそうだったぞ。

  それにしても、今のはセイバーの隙を突けたと思ったんだけどなー」


 「すみませんシロウ。

  先程は少々考え事をしていたため咄嗟に手加減をしきれなかった」

 
 「えっ! アレでも手加減してくれてたんだ……。

  にしてもセイバーが稽古中に考え事するなんてどうしたんだ?」


 シロウにそう聞かれたが正直自分でもよく解らないのだ。

 気がつくと同じことを考えてしまう。

 どうするべきか、ここは思い切って聞いてみたほうが良いのか。


 「シロウ、昨日の夜バトラーと何か喋ってましたね。

  どんな内容だったか教えて欲しい」


 「バトラーと?

  ああ、オレが魔術の訓練をしようとした時に効率の良い方法を教えてくれたんだ」


 どういうことだろう、バトラーは魔術も使えるのだろうか?

 戦闘能力が高く、数多くの宝具を持ち、一見しただけで相手の能力等を看破する。

 加えて私と出会ったことがある……ますます解らなくなった。

 それにしても彼の作る料理はおいしい、

 今朝も食べた時は心が穏やかになった。

 彼の料理を食べたりお茶を飲むと自然と彼の優しげな表情が浮かんでくる。




 ……?

 今私は彼のことを考えた。

 何故それだけのことで先ほどまであった狂おしいまでの感情が消えている?


 ……いや、今は考えても答えは出ないだろう。

 なら何時もの状態に戻れたのだ、それでよしとしよう。

 
 「さあ、シロウ。

  続けましょうか」

 
 「え? は? 

  さっきの質問の意味あったのか?」


 「ええ、何故かは解りませんがすっきりしました。

  お昼までまだ時間はたっぷりとあります。

  どんどんいきましょう」


 そう、今この時はマスターの鍛錬に費やすべきだ。

 他の事は別の時に考えるとしよう。
 


 ふぃん




 あとがき

 どうも久遠です。

 セイバーさんの葛藤とよく解らない立ち直り編。

 このSSのセイバーさんはかなり鈍感です……執事ほどではないですが。
 
 どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。

 ネタ
 >金欠黒魔術師が二股だか三股
 本名キリラ○シェロ、義姉×2とか金髪姉妹とか迷惑姉妹とか殺し屋とか温泉宿のクローンとか
 ……アレ? 
 これって何股?


記事一覧へ戻る(I)