Fate/stay night again 左緤圈〃后Г曚離轡


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1: タケ (2004/03/22 11:11:05)[tamaayu at sweet.ocn.ne.jp]




「っぐぅ―――!」

ダァン!!

道場の壁に強く叩きつけられ、ずるずると落ちていく

それを感知したのを最後に

俺の意識は闇に飲まれていった―――――





Fate/stay night again 此 素肋紊旅姫〜

後編







―――暖かい



後頭部に感じる柔らかな感覚



五感で感じる世界は、とても優しげなものに思えた



この優しい世界を見つめようと目を開ける―――



「・・・・・・セイバー?」



まず最初に視界に入ったのはセイバーの顔



覗き込むようにしたセイバーの姿と、満面に咲く桜が見える



「良かった、目を覚ましたのですね。シロウ」



そう言って、セイバーは息をつく



「ここは・・・・?」



今まで眠っていたせいだろうか、頭にもやがかかっている



「どうして、俺は・・・・・・・・?」



状況がまるでつかめない



「シロウは、お酒に酔って倒れたのです。覚えていないのですか?」



・・・・・・そうだったのだろうか



そう言われるとそうだったような気もする



「そもそも、シロウはまだこの国の飲酒可能な基準に達していない。無理な飲酒は控えるべきです」



一つを理解すると、それに伴い様々な状況が理解できるようになった



「そっか。俺達柳洞時に花見に来たんだっけ。それで、乾杯してしばらくした後酔って・・・・・・・」



懐かしい夢を見ていた気がする



とりあえず、体を起こそうと身じろぐ。だが、酔って倒れた体は、なかなか思い通りに動いてくれない



「ひあっ!?シ、シロウ!そんなに頭を動かさないでください!!」



「・・・・へ?」



突然のセイバーの嬌声に思わず変な返事をしてしまう



―――なんで、俺が動くとセイバーが困るんだ?



後頭部に感じる、柔らかな枕に頭を埋めて考える



・・・・枕?



空を見上げる



顔を赤くしたセイバーがこちらを覗き込んでいた



セイバーの鼓動を感じられるのではないかと思えるほどの密着間



頭部には柔らかな感触



ま、まさかこれは・・・・・・!



「わっ、わわ!!?」



慌てて枕から転がり落ちる



―――その枕は、セイバーの両の太ももであった



「ご、ごめんセイバー!その、ひ、膝枕されてるなんて思わなくて!」



「い、いえ、少しこしそばゆかっただけですから気にしないでください・・・・」



「でも―――」



俺の言葉を遮って、セイバーが言った



「私の意志で、シロウをその・・・・・膝枕していたわけですから、シロウは何も悪くはありません」



頬を染め、うつむきながらセイバーが言った



その言葉に、何も言えなくなる



―――もちろん、恥ずかしくて



それでも、言おうとしていた言葉の中から何とかソレを拾い出して



「ありがとう」



と告げた










5分後、やっと動悸の収まってきた俺はセイバーに話しかけた



「それで、みんなはどこに行ったんだ?」



今日は親しい仲間全員を連れて、花見に来たはずだった



「それだったら、まだあそこで騒いでいますよ」



そう言って、指を指す



つられて、その指の向く方向を見ると―――――



「あれは、凄いな・・・・」



飲めや歌えやの大騒ぎだった。魔術によるものだろうか、偶に発光している



「流石に、あそこではシロウが休めないと思って、こちらに非難してきたのです」



セイバーの言も頷ける



あんな所で体が休まる人はいないだろう



でも―――



でも、楽しみたいのなら別だ



「それじゃ、セイバー。そろそろあっち戻ろうか。俺達も一緒になって騒いでこよう」



「ええっ!」



そう言って、集団へと駆けだした










まず一番最初に声をかけてきたのは学校チーム(?)



遠坂・桜・美綴・慎二・一成の5人に藤ねえとイリアをくわえた計7人の集団



「先輩、もう体は大丈夫なんですか?」



「無理はせずに、まだ休んでいた方が良いのではないか?」



そういって、心配げにこちらの調子を伺ってくれるのが桜と一成



「衛宮は酒に弱いんだからさ、おとなしく僕の給仕をしてれば良かったんだよ」



慎二のその憎まれ口が、心配していたことを伝えられないあいつの照れ隠しだということは、ここにいる誰もがわかってる



「ま、衛宮らしくていいんじゃない?そういうところがさ」



「そうね、士郎ってそういうイメージがあるし。それに、大酒飲んで暴れるのに比べたら何倍もましよ」



美綴、遠坂が続ける



「う〜・・・・。ホントはここにいるみんながお酒飲むのを、教師として止めなくちゃならないんだけど・・・・・
でも、せっかくのお花見だし・・・・・・・・・・・・・」



頭を抱えて、ウンウン唸る藤ねえ



「固いこと言わないの、タイガ。今日は無礼講だって最初に言ったでしょ?」



これはイリヤ



なんだかんだで、みんなに心配をかけてしまったらしい



「みんな、心配かけてごめんな。俺はもう大丈夫だから―――」



謝罪、そして



「―――めいっぱい楽しもう!」



俺がそういうと、みんなにっこり笑って親指を突き出した











変わって、聖杯戦争チーム(?)



メンバーは第五回聖杯戦争のメンバー



エミヤ、クーフー・リン、ライダー、キャスター、ヘラクレス、佐々木小次郎



それに言峰、ギルガメッシュを加えた計8人



サーヴァント達のそれぞれが英雄豪傑の名にふさわしく酒を飲み、歌を歌い、舞い踊る



言峰は、パックに入れてきた麻婆をギルガメッシュと美味しそうに食べている



・・・・・・ギルガメッシュはかなり苦しそうだけど



ソレを見ていたら言峰が



「・・・・衛宮士郎。お前も食べるか?」



そう聞いてきた



あんな赤いモノ、まともな舌では食べられない



だから俺は



「いや、遠慮しておく。ギルガメッシュが取られたくないって凄い目で睨んできてるしな」



ギルガメッシュを盾にした



「雑種!我は、んーーーーーー!!!???」



文句を言おうとするギルガメッシュ。



その口にすかさず蓮華をつっこむ



すまん、ギルガメッシュ。後で水持ってくるから・・・・











みんな、楽しそうに笑っている



俺が望んだ。俺の作りたかった未来がそこにあった



―――目を閉じる



幸せそうに笑うみんなの顔を、少しでも強く心に残せるようにと、目蓋の裏にその光景を焼き付けた―――











再び目を開けると

視界に入ってきたのは、自室の天井だった

これは・・・・・?


―――ああ、そうか。今俺が見ていたのは全て―――


「・・・・夢・・・・・・・だったのか」

体の節々が痛む

どうやら俺は、セイバーに突き飛ばされてから今の今まで眠り続けていたらしい

この部屋までは、きっとセイバーが運んでくれてたんだろう

「・・・・それにしても」

幸せな夢だった

とても幸せな夢

全員が幸せになれたであろう結末

たとえ、それが目覚めと共に消えてしまう、儚い夢だったとしても

それは俺の胸に強く刻み込まれていた

目を閉じれば、みんなの楽しそうに笑う姿が浮かぶ

―――あれは俺が望んで、叶えようとした世界。だから俺は、この夢を、決して夢の間まで終わらせたりしない

目指すべき物を、その夢に見つけられたから―――



―――夜明けまではまだ時間がある


願わくば、幸せな夢を見られますようにと


俺は再び目を閉じた―――


――――――――――――――――――
後書き

連載打ち切りの最終回だと思って、「なーんだ、やっぱり最後まで続ける根性無かったな。コイツ」と思った
そこの貴方。甘い、その考えは蜂蜜の如く甘い!
どれだけ非難を受けても、このシリーズを手放す気はありません。
この夢が、夢でなくなるその時まで、私は書き続けたいと思っています。
ですから、今しばらくお付き合いください


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